勉強をやる意味
2021.03.02

勉強をやる意味〜学歴と社会での活躍度との相関性。就職・転職の今〜

この仕事を長くやってますと、多くのお子様や保護者様からこの質問を頂きました。
ずっと第一線で教育と携わってきて。
また、キャリアコンサルタントとして、企業や就職・転職者と関わってきて。

今、この答えは①「学歴を手に入れて、職業選択の幅を広げること」と②「社会に出た時に生き抜く力、より人生を生きやすくなる力を手に入れるため」だと思ってます。

上記のように思うようになったのは、学びの出口である企業や多くの社会人にキャリアコンサルタントとして関わる中で感じました。

大学までの学びと、社会以降の活躍度がどのように接続されるか。
ここでは赤裸々に語らせていただきます。

①今も続く、企業選考における、学歴による明確な足切りの存在

まず、2021年の今でも、「企業の選考における学歴による明確な足切り」は広く存在します。
キャリアコンサルタントとして、たくさんの企業と関わる中で、例えば関西の企業でよく言われるのは「関関同立以上で100人採用。難しければ、20-30人くらいまでなら産近甲龍でも良い」のような採用基準です。

面接官代行なども仕事としてやることもあり(大企業・人気企業の一次面接官はその企業の人間ではなく、我々のようなキャリアコンサルタントであることも多いです)、その際に上記のような基準を明確に依頼されます。

また、上記の足切りに違和感を持つ人事担当者・キャリアコンサルタントも少ないことが事実です。
正直、私もそうなのですが、明確に「学歴と社会での活躍度合いは一定以上相関する」と感じてます。
この表現のポイントは「完全に相関する」ではなく、「一定以上相関する」です。
学歴が高くなくても社会で活躍している人ももちろんいますし、その逆も然りです。
ただ、それでも、これだけ多くの社会人や新卒を見ていくと、経験則的にも「相関性は高い」と言わざるを得ないです。

ただ、学歴はあくまで「エントリーシートを見るかどうかの足切り」に過ぎません。
面接の段階まで進めば、学歴よりもその人物で判断されます。
京大の新卒よりも関西大学の新卒の方が良い、と人事が判断すれば、迷わず関西大学の新卒を採用します。

そのため、多くの人事も本当は全志望者と面接したい、と思ってます。

その理由に、人事は①採用担当と②人事労務担当に分かれ、就職・転職者が出会う人事は①なのですが、①の人事は「ジャッジする人」でもありながら「採用目標人数達成を社から依頼された営業マン」でもあるからです。
採用目標人数達成は必達の数字、その数字を達成するために、良い社員を1人でも多く採用すれば、採用担当の評価は上がるからです。

ただ、人事は基本的に「利益を生み出さない部署」であるため、各社、少数での体制を望みます。
そのような少数の採用担当で、「大手企業」「人気企業」であった場合、何千・何万とエントリーシートが届きます。そうなると、少数の採用担当で全員のエントリーシートをちゃんと見ること、全員と面接をすることが物理的に不可能になります。

そのため使用されるのが、冒頭にも挙げた「社会での活躍と一定以上相関がある学歴」です。
全てのエントリーシートを見れない分、学歴フィルターで絞ったエントリーシートだけを見る。これが現状の日本各社の一般的なスタイルです。
勉強という「同年代の人間全員が向かう壁に、どこまで真面目に向き合ってきたか。どこまで成果を出したか」という、ある種、横断的なわかりやすい物差しとして機能しているのが学歴になります。

各社としても、人事としても、学歴フィルターで絞ってしまった中にも優秀な人材がいるだろうと分かりながらも、キャパシティー的にそうはできないための苦肉の策なのです。

・学歴の基準
それでは、各社が線引きする学歴とは、どこでしょうか??
もちろん、各社違うものの、大きくは以下の線引きがほとんどです。

1、関関同立・GMARCH以上(地方国公立もここに含まれる)
2、産近甲龍・日東駒専以上
3、2未満の偏差値の大学
4、大学未満(専門学校、短大卒、高校卒など)

明確に、関関同立・GMARCH以上の学歴があれば、90%以上の会社でエントリーシートは通ると言えます。これには理由があります。

というのも、関関同立・GMARCHより上の学歴になると、早慶上智や旧帝大以上の大学のみになります。
そのような学生は全国的にそもそもかなり少なく、また特に優秀な人ほど日本企業に勤めない人も多いため(医者や弁護士などの専門職、自分で会社を起こす、外資系企業で仕事をするなど)、一定数の人材を確保しようとすると、必然的に大手企業・人気企業でもこの1の線引きになります。

これが2まで学歴を落とすと、一気に学生の母集団人数が多くなるため、大手企業・人気企業は2まで学歴を落とさず、1以上で選考することが多いです。
逆に、準大手企業などは産近甲龍・日東駒専以上で学歴を絞ることが多いです。
(もちろん、これは景気によっても左右します。例えば、例年は関関同立以上で採用していた企業が、不景気になったため、早慶上智や旧帝大以上の学歴に絞って採用する、などはあります)

・面接まで選考が進むと学歴の重要性は下がる

ここまでで少し触れましたが、「面接の段階までいくと、学歴よりも人物次第」になります。
つまり誤解を恐れずに言えば、大阪大学や神戸大学まで行かなくても、関関同立以上であればエントリーシートは通り、その後は面接次第のため、十分学歴の恩恵を受けられる、になります。

もう少し詳しく述べますと、関関同立の中での序列は各社ほとんど見ていません。
偏差値的には学部にもよるものの、一般的には「同志社>立命館>関学>関西」の順番で偏差値が高いのですが、企業としては同志社の方でも関西大学の方でも「あ、関関同立ね。じゃあ、エントリーシート見よう」と同じ目線で選考することがほとんどです。

ですが、「就きたい企業・職業が見つかったときに、学歴でその機会すらない」ことはやはり勿体無いと思うため、これが勉強をする意味の1つ目、学歴フィルターを突破するため、になります。(逆に、学歴が関係ない仕事に就きたい場合は、この1つ目の理由で勉強する意味はほとんどないと思います)

ちなみに、転職の際にも、特に20代後半に入るまでは、学歴は有利に作用します。
30代以降は職業経験や実績が重視され、学歴の価値は落ちますが、20代はポテンシャルが見られ、ポテンシャルを図る分かりやすい指標の1つに学歴があるため、見てくる企業が多いです。

そのため、例えば看護師や薬剤師を目指し、職業に就いて合わなかった場合でも、学歴があれば民間企業で再チャレンジしやすい土壌が整っているのが日本の就職の特徴です。
(ちなみに、これからはこの特徴は緩やかに崩れると思います。就活解禁の影響もあり、現在、関東のエンジニアを中心に、技術採用が増えています。専門学校卒、もしくは学歴的に高くない学生でも、学生時代からベンチャー企業などで長期インターンに就き、そこで得た実績やスキルを通じてそのまま企業に評価される、という体制が整ってきてます。
これが緩やかに日本全国の企業に波及し、エンジニア以外の職業にまで広がっていく可能性は相当に高いと思います)

②社会に出たときに生き抜く力

私の塾経営時代の話になりますが、「採用の現場で求められる人材、社会で活躍する人材」は何が違うのか。「何があるお子様は最速で学力が上がるのか」という2つの観点から本当に徹底的に、数年かけて分析・研究をしたことがあります。

その結論は15個のある力を培えば「最速で学力が上がり」、同時に「どんな仕事でも活躍する人間になる力を育成できる」ということに行きつきました。(厳密には「最速で学力が上がる」ためには15個の力、「どんな仕事でも活躍する人間になる」ためにはこの15個に加えて他に5つの力が必要という結論に行きつきました)

面白いことに、この15個の力を身につけたお子様は、成績が飛躍的に向上します。
(私の指導法が他と違う大きなものの1つに、この指導法に沿った指導をしていることです)
加えて、各社が新卒人材に求めているものが、より採用レベルの高い企業ほど、言葉は違いますが結局この20個の力のいずれかを指していた、ということでした。

この15個の力とは何なのかを一言にまとめて端的に述べると、「自分や課題への向き合い方、向き合う力。そしてその思考力」でした。

「どんな仕事でも活躍する人間になる」ための力は3段構造のようになっており、以下のような名称をつけています。

1、スタンス(壁との向き合い方と向き合う強さ)
2、ポータブルスキル(どのような職業でも持ち運びできるスキル)
3、テクニカルスキル(特定の職業に特に活きるスキル)

後に詳細にご説明させて頂くとして、最も重要なのは明確に1のスタンス。
次に2のポータブルスキルです。

1、スタンスとは
「どんな環境でも折れない、強い自信」や「これで良いや、ではなくどこまでも基準や目標を引き上げられ続けようとする志向性」などの、何かしらの壁(課題や困難)に向き合ったときにどのように向き合うか・どこまで強く向き合えるか、といったものです。
新卒採用では、ここを最重視して評価されます。

2、ポータブルスキルとは
大きなものは2つで、いわゆる「地頭」と「コミュニケーション能力」というものです。
地頭とコミュニケーション能力ではまだ抽象的なので、より詳細に述べますと以下です。

地頭とは「思考する際の広さと深さと速さ」と言語能力です。
コミュニケーション能力は「洞察する力」「対人影響力」「対人対応の幅の広さ」「人間に対する広く深い理解」「印象値の良さ」に分けられます。
勉強では唯一、このコミュニケーション能力全般を鍛える機会がないため、15個の力としてます。

3、テクニカルスキル
「TOEIC800点などの語学力」や「javaなどのプログラミング言語を使える」や「特定の資格を持っている」などの特定の職業に直結する力を指します。
(ちなみに、大学での成績は各社ほぼ評価に入れていません)

上記の3つを見ればお分かりのように、スタンス>ポータブルスキル>テクニカルスキルの順番で後天的に得にくいものです。また、この順番で、その人本人の性質とも密接につながっています。(スタンスはもはや価値観や性格に近いところでもあります)

また、スタンスが強い人はポータブルスキル、テクニカルスキルも身につきやすいく、ポータブルスキルが強い人はテクニカルスキルもつきやすい、という構造のため
採用力のある企業ほどスタンスを最優先で評価します。

上記のため、これこそが、現代になっても体育会の学生の人気が高い理由でもあります。
アメフトや水泳など、ビジネス活動とは全く関係がないものの、例えば全国を目指す中で「どれだけしんどい中でも自分を信じて折れずに頑張る姿勢」や「全国に行くためには週7日毎日5-6時間部活をして、深夜にお金をアルバイトで稼ぐのは普通」などの基準値が形成され、変にテクニカルスキルばかり磨いてきた学生よりも、土台の強さが違うため
年月が経てば経つほどスタンスの強い社会人が異常な速度で成長を続けるため、大きな成果の違いを生み出すことにつながります。

スタンスは高い壁に本気で向き合うほど強く形成されるため、本気の部活動でも、本気の勉強でもどちらでも形成されます。
勉強を高いレベルで頑張れば、高いレベルのスタンスが身につくことが多いため(何かを頑張る時にこれくらい頑張るのが普通と思えたり、辛い大変な中でも折れずに頑張れるため)、結果、社会人になっても成果を出すことと一定の相関があるのだと思います。
もっと言えば、学歴がなくても、スポーツで同程度以上の成果を出していれば、それはスタンスが強いとして評価をする企業もありますし、事実、活躍することが多いと思います。

また、勉強を通して、地頭を鍛えることもできます。
「何かを考えるときに広く様々な可能性から考えられるようになる」や「何かを考えるときに根本の原因が何かを考えられる」や「何かを考えるとき、どのような構造になっているかを把握して考えられる」や「何かを考えるとき、目的を明確化してその逆算で考えることができる」など、勉強を通して鍛えることができます。
ただ、勉強をすれば上記の地頭が必然的に鍛えられるのではなく、「地頭を鍛えるような勉強方法」が必要です。

例えば、英語の不定詞の単元でA君は「よくわからないけど、〜するための、とあればto不定詞を入れれば正解なんだ」と覚えていて、B君は「前置詞のtoの後に動詞の原形を置くことで、●●の意味を持つのが不定詞」と本質的な理解をしている場合
A君は大量の解き方を暗記するだけの勉強法で、B君は「それはどうゆうものかと定義を確認して、問題ごとに構造が同じかどうか確かめる」という勉強法になります。
結果、問題がたまたまA君もB君も解けていたとしても、A君はその過程で地頭はほぼ鍛えられないものの、B君は地頭が鍛えられます。
このように、適切な勉強のやり方をやらなければ鍛えられない力もあります。
(逆に、勉強をすれば必然的に鍛えられるもの(自分を律する力、ミスなくやる正確性など)もあります)

そのため、私は指導の場面でも「適切な勉強のやり方」にこだわります。
それが、大幅な点数アップや志望校合格に繋がることはもちろん、社会で生き抜く力にもなるからです。事実、この勉強法で指導することで、応用問題が解けるようになる・1つの解き方で多数の解き方ができるようになり、「最短で点数を大きく向上させるやり方」にも繋ります。

このようなスタンスやポータブルスキルはどのような職業でも、もっと言えば父親として・母親として生きていくことでも活用できる汎用的な社会や生活で活用できる力になるため、力を習得すればするほど「生きやすくなる」ため、勉強をする意味としても大きいと感じてます。