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子供の自己肯定感を高めるには|原因と自信を取り戻す関わり方を専門家が解説

この記事はこんな方におすすめ

  • お子さまが「どうせ無理」「自分なんて」とよく言う
  • ほめているのに、なぜか響いていない気がする
  • やる前から「できない」とあきらめてしまう
  • 親子だけで頑張るのに、そろそろ限界を感じている

お子さまの口から、「どうせ無理」「自分なんて」といった言葉が増えていませんか。良かれと思って褒めても表情が晴れず、勉強や挑戦を諦めてしまう姿に、どう声をかければいいのか分からなくなっている保護者さまもいらっしゃるかもしれません。

その自信のなさは、性格や意思の問題ではありません。お子さまを取り巻く環境や、まわりの大人との関わり、そして「頑張っても報われなかった」という経験の積み重ねが、少しずつ自信を削っていることがあります。

この記事では、なぜ自己肯定感が低下してしまうのかをひも解き、家庭でできる関わり方と、専門家による伴走の効果までを順を追ってお伝えします。

この記事で分かること
  • 子どもが自信をなくす本当の原因
  • ほめても響かない理由と、効く声かけのコツ
  • 失敗を先回りせず、見守るための関わり方
  • 「好き」を入り口に、やる気を取り戻す方法

ギフテッド専門のプロ家庭教師
妻鹿潤
・16年以上1500名以上の指導実績あり
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、NewsPicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

「どうせ無理」が口癖の子を持つ親御さんへ|否定的な言葉が繰り返される背景とは

「どうせ無理」が口癖の子を持つ親御さんへ|否定的な言葉が繰り返される背景とは
お子さまの口から、自分を否定する言葉が聞こえる。毎日その否定的な言葉を受け止め続ける保護者さまご自身も、知らないうちに心がすり減っているのではないでしょうか。

褒め言葉が届かないのは「評価されることがプレッシャー」になるから

毎晩のように、「すごいね」「よく頑張ったね」と声をかけている。それでもお子さまの表情は晴れず、翌日にはまた「自分なんてダメだ」と肩を落としている。こうしたすれ違いに、戸惑いを感じている保護者さまは少なくありません。

褒める努力をすればするほど、お子さまが居心地悪そうにしたり、「別にすごくないし」と言い返してきたりすることもあります。良かれと思ってかけてきた言葉が、なぜか届かない。その手応えのなさは、保護者さまをじわじわと疲弊させていきます。

中には、褒められること自体がプレッシャーになってしまうお子さまもいます。次もできて当たり前だと思われている気がして、かえって身構えてしまうのです。

褒め言葉が響かないのは、保護者さまの愛情が足りないからでも、伝え方が下手だからでもありません。お子さまの内側で、自分への評価を受け取りにくくしている別の事情が働いていることがあるのです

失敗体験の積み重ねによる回避行動

新しい問題集を開いた瞬間に「こんなの無理」と閉じてしまう。少し難しそうな課題を前にすると、やる前から「できるわけがない」とつぶやく。そんな場面に、もどかしさを感じている保護者さまも多いのではないでしょうか。

運動会の練習や発表会、初めての習い事など、本来なら楽しめそうな場面でも、間違えたらどうしよう、笑われたら嫌だ、という不安が先に立ってしまう。挑戦そのものを避けることで、傷つくことから自分を守ろうとしているように見えます。

挑戦を避ける姿は、やる気がない、根性が足りない、と受け取られがちです。けれども本人の内側では、やってみたい気持ちと、また失敗するに違いないという予感が、激しくせめぎ合っていることがあります。

この、やる前から諦めてしまう状態の裏には、頑張ったのに点数が返ってこなかった、丁寧にやったつもりがケアレスミスで叱られた、できないことをからかわれた、といった小さな失敗体験の積み重ねがあります。同じような場面で何度もつまずくうちに、挑戦すれば傷つくという予測をしてしまうようになっていくのです。

優秀なのに自己評価が低い場合も

テストの点数は悪くない。むしろ得意な教科では学年でも上位に入る。それなのに本人は、自分は頭が悪い、周りの子のほうがずっとできると本気で思い込んでいる。この食い違いに、不思議さと不安を同時に覚える保護者さまもいらっしゃるかもしれません。

周囲から見れば十分に優秀なのに、本人の自己評価だけが地面に張りついているようなケースです。
このタイプのお子さまは、できる自分でいなければ価値がない、と感じている場合があります。だからこそ一度のつまずきや、ほんの少しの失敗が、自分はもうダメだという全否定につながりやすいのです。

成績と自己評価のずれは、本人の謙遜でも、わざとでもありません。能力の高さと自信の低さが同居してしまう背景には、これまでの経験の質が関係しています。次の章から、その正体を一つずつ見ていきましょう。

自己評価の低さには理由があります

褒めても届かない、優秀なのに自己評価が低い——
そうした背景には、これまでの経験の積み重ねが関係しています。
メガジュンでは、お子さまの内側で何が起きているのかを丁寧に紐解いていきます。

子供の自己肯定感が低下する5つの理由|避けられない「比較」と学習性無力感

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自己肯定感の低さは、本人の性格や心の弱さのせいだと思われがちです。けれども実際には、その子が置かれた環境や、まわりの大人との関わり、そして「やっても報われなかった」という経験の積み重ねが、自信を少しずつ削っていることが少なくありません。

言いかえれば、自己肯定感は本人の努力だけで決まるものではなく、まわりとの関係のなかで育ったり、しぼんだりするものなのです。だからこそ、原因を本人の内側だけに求めるのをやめ、何が自信を削っているのかを一つずつ見ていくことが、回復への第一歩になります。

「隣の子」と比較される環境

学校という場所は、そもそも比較が組み込まれた環境です。テストの点数、通知表の評価、徒競走の順位、発表の上手さ——お子さまは一日の中で何度も、自分が他の誰かと並べられる場面に立たされます。本人が望むかどうかとは関係なく、「できる・できない」を相対的なものさしで測られ続けています。

この環境のやっかいなところは、どれだけ頑張っても「上には上がいる」状態が終わらない点にあります。一番になれた教科があっても、別の場面では誰かに追い抜かれる。比較を物差しにしているかぎり、自分の価値は常に他人の出来次第で揺らぎ、安定したよりどころを持てなくなってしまいます。

そこに、まわりの大人の何気ない一言が重なることがあります。「〇〇ちゃんはもう九九を覚えたんだって」「お兄ちゃんもできたから大丈夫よ」——励ますつもりの比較が、子どもには「今のあなたではダメだ」というメッセージとして届いてしまうことがあります。

本来、自己肯定感は他人より優れているという感覚からではなく、ありのままの自分が受け入れられているという感覚から育ちます。比較のものさしを「他人」から「過去の自分」へ置きかえること。昨日できなかったことが今日できた、その一点を一緒に喜ぶことが、ゆるぎない自己肯定感の土台になっていきます。

結果や能力をほめる声かけの落とし穴

子どもを伸ばそうとして、私たちはつい「100点すごいね」「頭がいいね」と、結果や能力をほめます。一見すると自信を育てる声かけに思えますが、ここには見逃しやすい落とし穴があります。

結果や能力ばかりをほめられて育つと、子どもは「良い結果を出せる自分」「賢い自分」だけに価値があると学んでいきます。すると、その価値を失うのが怖くて、失敗しそうな難しいことを避けるようになります。うまくいかなかったときには、「結果を出せない自分はダメな人間だ」と、出来事の失敗を人格の否定にまで広げてしまうのです。
これは、承認が「結果を出せたら」という条件つきになってしまっていることが原因です。

心理学の研究でも、能力そのものをほめられた子よりも、努力や取り組み方をほめられた子の方が、難しい課題に粘り強く挑戦しやすいことが知られています。ほめる対象を「結果」から「過程」へ移すだけで、お子さまの受け取り方は大きく変わります。

「最後まで諦めずに考えたね」「やり方を工夫したね」——たとえ結果が伴わなくても、その日の取り組みに目を向けて言葉をかける。条件つきではない承認の積み重ねが、結果に左右されない自己肯定感を育てていきます。

心配と先回りが自分でやり切った経験を奪う

転びそうな我が子を見れば、手を伸ばして支えたくなるのが親心です。けれども、よかれと思って先回りし、失敗する前に道をならしてあげることが、かえって自己肯定感の土台を崩してしまうことがあります。

自己肯定感は、「自分のやったことが、ちゃんと結果につながった」という実感から育ちます。自分で考えて、試して、うまくいった——この一連の経験を、心理学では随伴経験と呼びます。ところが、親が困りごとを先に取り除いてしまうと、子どもは自分の力で乗り越える機会そのものを失い、「自分にもできた」という手応えを持てないまま育ってしまうのです。

失敗の経験が乏しいまま大きくなると、いざ思いどおりにいかない場面に出会ったとき、それをどう受けとめ、立て直せばいいのかがわかりません。小さなつまずきが、必要以上に大きなショックとして体験されてしまいます。失敗は自己肯定感の敵ではなく、むしろそれを育てるための大切な材料なのです。

ですので、すぐに手を出さずに見守ることには、それ自体に意味があります。やり方を教えすぎず、選択を本人に委ね、うまくいかなかったときには結果を責めずに一緒に振り返る。手を出したい気持ちをこらえる勇気が、お子さまの「自分でやり切った」という実感につながります。

「やってもダメだった」の蓄積

先ほどは、挑戦の機会そのものが奪われる話をしました。ここで取り上げたいのは、その逆——挑戦したのに報われなかった、という経験が重なるケースです。どちらも自己肯定感を削りますが、子どもの心に残すものは少し違います。

「どうせやっても無駄だ」という諦めには、心理学で説明できる明確な背景があります。アメリカの心理学者セリグマンが提唱した、学習性無力感という現象です。努力を重ねても望む結果が得られない経験が続くと、人は「何をしても変わらない」と思うようになり、やがてその状況から抜け出そうとすること自体をやめてしまうとされています。

ここで起きているのは、一種の学習です。本来、子どもは「やってみたらうまくいった」という経験を通して、自分の行動が結果につながるという感覚を育てていきます。ところが逆に、頑張っても点数に反映されない、丁寧にやったつもりがミスで失点する、という経験を人一倍重ねてしまう子もいます。その一つ一つが、「自分には状況を変える力がない」という思い込みを、知らないうちに積み上げていきます。

裏を返せば、自己肯定感の回復は、この学習をやり直すことから始まります。鍵になるのは、「やってみたらできた」という手応えを取り戻すこと。いきなり高い目標を求めるのではなく、課題の難易度を下げ、成功できる場面を意図的に増やしていく。小さな「できた」の積み重ねが、一度しぼんだ「やればできる」という感覚を、もう一度ふくらませていきます。

失敗を知らないギフテッドを襲う完璧主義の罠

自己肯定感の問題は、つまずきが多い子だけのものではありません。何でもできてしまうがゆえに、かえって脆さを抱えるお子さまもいます。知的好奇心が強く、得意分野では大人を上回る理解を見せる、いわゆるギフテッドや高知能層のお子さまです。

こうしたお子さまは、これまでの人生で失敗らしい失敗をほとんど経験していないことがあります。成功が当たり前の状態が続くと、できる自分が自分の価値そのものになってしまい、たった一度のつまずきが人格全体の否定として体験されてしまうのです。完璧にできなければやる意味がないという、白黒思考に陥りやすい傾向もあります。

メガジュンが実際に関わった、小学三年生のCさんのケースがこの構造をよく表しています。Cさんは国語と理科がとても得意で、二年生の頃から哲学者の著作を読み、保護者さまと内容について議論を交わすほどでした。学校の成績も申し分なく、三段階評価でオール三を取れる優等生でした。

その一方で、Cさんには気がかりな一面がありました。得意なことには積極的に取り組めるのに、思い通りにいかない場面に直面すると、機嫌が悪くなったり投げ出したりしてしまうのです。夏休みの宿題で家族旅行の絵を描こうとした際も、鳥居がうまく描けずにイライラして道具を雑に扱い、もう描きたくないと言って部屋に閉じこもってしまいました。何でもできるからこそ、できない自分を受け入れる経験が決定的に不足していた。これが、高知能層特有の自己肯定感の揺らぎ方です。

家庭でできる自信の再構築|意志に頼らず自己効力感を育てる3つの工夫

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ここからは、ご家庭で今日から試せる関わり方を具体的にお伝えします。大切なのは、お子さまの気合いを引き出すことではなく、自分でできたという実感が生まれる関わりをまわりの大人が意識することです。

評価ではなく「事実」をフィードバックする

最初の工夫は、声のかけ方を「評価」から「事実の描写」へ切りかえることです。すごいね、えらいね、賢いね——こうした評価の言葉は、裏を返せば「すごくなければ価値がない」という基準として伝わってしまうことがあります。結果や能力で認められることに慣れた子ほど、その評価を失うことへの不安を抱えやすくなります。

ここでポイントになるのが、原因のところで触れた「比較」の問題です。評価という行為には、どうしても誰かと比べる物差しがついて回ります。事実をそのまま描写するということは、その物差しを「他人」から「過去のその子自身」へ置きかえることになります。

例えば、漢字練習なら「上手だね」と評価するのではなく、昨日は5回だったのが今日は10回書けたね、と、起きた変化だけを淡々と伝えます。誰かより上手かどうかではなく、その子自身が前に進んだという事実だけを伝えてあげるのがポイントです。
この伝え方には、二つの利点があります。一つは、お子さま自身が「自分は確かに進んだ」と、自分の目で前進を確認できること。

もう一つは、評価する側とされる側という関係が生まれにくく、プレッシャーになりにくいことです。「すごくなければ」という条件が外れるぶん、完璧主義で身構えてしまうお子さまにとっても、肩の力が抜けやすくなります。

またその際、過程に注目することも大切です。最後まで諦めずに考えていたね、やり方を変えてみたね——その日の取り組みの中で起きたことを言葉にして伝えると、お子さまは誰かに認めてもらうためではなく、自分自身の変化に気づくために動けるようになっていきます。小さな事実を拾い続けるうちに、お子さまの中に「自分は変われる」という感覚が育っていきます。

先回りをやめ、本人に委ねて見守る

二つめは、手を出したくなる気持ちをこらえ、お子さまに任せる範囲を少しずつ広げていくことです。先回りが自己肯定感の土台を崩すことは前述したとおりですが、ではどう関わればよいのか、具体的にお伝えします。

入り口は、小さな選択をその子に委ねることです。今日の宿題はどれから始める、おやつはどっちにする——大人が決めてしまえば早い場面で、あえて本人に決めてもらいます。自分で選んで、やってみて、その結果を引き受ける。この小さな一巡が、「自分の行動が結果につながった」という手応え、すなわち随伴経験を積み上げていきます。家庭の中で、その子だけの役割を一つ持ってもらうのも有効です。

特に難しいのが、つまずきそうな場面で口や手を出さずに待つことです。やり方を全部教えてしまうのではなく、少し時間をあげて、本人が考えるのを見守ります。
仮にうまくいかなくても、それは失敗ではなく、立て直し方を学ぶための途中経過です。すぐに正解へ引き戻すのではなく、「どこまでできた?」「次はどうしてみる?」と問いかけながら、本人が次の一手を見つけるのを助けます。

ここで大切なのは、結果を責めないことです。うまくいかなかったときに叱られる経験が重なると、お子さまは挑戦すること自体を避けるようになります。

逆に、失敗しても一緒に振り返ってもらえると分かっていれば、安心して次に手を伸ばせます。保護者さまが「手を出したい」という気持ちをこらえることが、お子さまの「自分でやり切った」という実感を育てます

得意と好きから「やればできる」を導く

最後は、しぼんでしまった「やればできる」という感覚を、その子の強みから取り戻していく関わりです。ここでよくある誤解が、自信のない子には簡単な課題から、という発想です。

確かに成功体験は大切なのですが、あまりに易しいものばかりを与えると、子どもは「自分はこの程度だと思われている」と敏感に感じ取り、かえって自信を失ってしまうことがあります。

メガジュンが大切にしているのは、難易度を下げることではなく、その子の得意や好きを丁寧に聞き取ることです。子どもは誰しも、夢中になれるものや人より詳しい分野を持っています。全体としては学年相応に届いていなくても、得意な分野でなら、学年を超えた内容にも手が届くことが少なくありません。その一点で活躍できる場をつくると、与えられた成功ではなく、自分の力で掴んだ手応えが生まれます。

入り口は、勉強に関することでなくてもかまいません。たとえば好きなゲームの話をしていて、子どもが鉱物の名前をすらすら口にしたとします。そのとき、「花崗岩なんてよく知っているね。それ、実は何年も先に習う内容なんだよ」と返してあげる。本人が当たり前だと思っていた知識に、思いがけない価値がついた瞬間、その子は「自分にはできることがある」と感じます。好きなことの中には、本人も気づいていない強みが、いくつも埋もれているのです。

こうして掴んだ手応えは、与えられた成功とは質が違います。自分の興味や得意がきっかけだからこそ、「できた」が本物の自信として残り、次はこれもやってみようという意欲につながっていきます。一見すると勉強と関係のない雑談の中に、自己肯定感を立て直す入り口が隠れていることは、決して珍しくありません。

「やればできる」を取り戻すために

メガジュンでは、お子さまの好きなことや得意なことを丁寧に聞き取り、そこから本物の自信につなげるサポートを行っています。
ご家庭での関わり方に悩まれている方は、お気軽にご相談ください。

メガジュン流・自己肯定感を育むアプローチ

勉強をする2人
ここまでの工夫をご家庭だけで続けるのは、決して簡単なことではありません。メガジュンでは、お子さま一人ひとりの性質と、自信を無くしてしまった原因を丁寧に見極めた上で、強みを入り口に手応えを取り戻していく伴走を担っています。

「どうせ無理」が「やってみよう」に変わるまで|小三の壁につまずいたDさんの実例

小学三年生のDさんは、いわゆる「小三の壁」につまずき、自分への自信をなくしかけた状態で相談に来られました。おとなしく、お母さまの言うことをよく聞く素直なお子さまです。お母さまはご本人にとても優しく接しておられる一方で、私立中学への進学を考えており、その焦りを抱えておられました。

そのため、「結果よりも過程をほめなければならない」とわかってはいるものの、ついついできたときには「できたね」とほめる、うまくいかないときには「ちゃんとやろう」「あなたならできるはずだよ」といった声掛けになってしまうと悩まれていました。
また、お父さまは「そのうちできるようになるだろう」と楽観的で、お母さまだけが焦りを抱えておられる状況でした。

Dさん自身は、「自分は勉強が苦手だから」という自己像にとらわれつつありました。「どうせやってもできない」という言葉も口にしていたといいます。「〇〇したらゲームしていいよ」と言われて机には向かうものの、それは形だけで、内容はほとんど頭に入っていない。やる気の源が「終わらせればゲームができる」にすり替わり、勉強そのものへの手応えが無くなってしまっている状態でした。

講師がまず行ったのは、勉強の話ではなく、Dさんの好きなことの聞き取りでした。Dさんが好きなゲームはマインクラフト。雑談を続けるうちに、Dさんの口からは石やブロックの種類、フィールドの名前が次々と飛び出してきます。そこを講師は逃しません。「サバンナの地形まで知ってるんだ。それ、中学受験でも出てくる内容だよ」。本人が当たり前だと思っていた知識に、思いがけない価値がついた瞬間でした。

そこから講師は、中学受験で実際に出される理科や地理の問題を、Dさんと一緒に解いていきました。自分の好きなことが入試問題とつながり、しかも解けてしまう。この体験が、「どうせできない」と思っていたDさんのやる気を取り戻させていきました。
気分が乗ってきたところで、苦手な算数にも少しずつ手をつけていきます。ここでのポイントは、問題の難易度を下げることではなく、量を絞ることでした。

一日にほんの数問でかまいません。とにかく毎日机に向かい、解いた分をLINEで講師に報告してもらいます。講師はそのたびに「〇問解いたんだね」と、やったという事実そのものを受けとめて返します。机に向かうハードルを下げて、毎日続けられているという事実を、本人と講師で一緒に積み上げていったのです。

こうした関わりを重ねるうちに、「どうせやってもできない」と言っていたDさんの口から、やがて自分から勉強に向かおうとする言葉が出るようになっていきました。誰かに言われたからでも、ゲームのためでもなく、自分でやってみようと思える。やる気とは、気合いを入れて引き出すものではなく、本人の手応えが戻ってきたときに、内側から自然と立ち上がってくるものなのです。

メガジュンならではの徹底した個別理解

Dさんへの関わりにおけるポイントは、最初に本人の性質と、自信を無くした原因を、丁寧に見極めていたことです。素直でおとなしく、人の言うことに従いやすい。その分「あなたは苦手だ」という外からの評価を、そのまま自己像として取り込みやすい。だからこそ、外側から「頑張れ」と励ますのではなく、本人の内側に「できた」という手応えを取り戻すことが重要でした。

メガジュンが大切にしているのは、この見極めの精度と、そこから始まる伴走の丁寧さです。同じ「勉強が苦手」でも、その背景にあるものは一人ひとり違います。比較の中で自信を失ったのか、結果でしか褒められてこなかったのか、成功の経験そのものが乏しいのか——原因が違えば、効果的な関わりもまったく変わります。表面的な「やる気がない」で片づけず、その子が今どんな状態にあるのかを読み解くことから、すべてが始まります。

「家庭の外に第三者が入れば子どもは変わる」と、よく言われます。確かにそれも一面では事実でしょう。けれども、ただ誰かが関わりさえすれば自信が戻るわけではありません。大切なのは、その子の性質と原因をどこまで深く理解し、そこに合わせてどれだけ丁寧に寄り添えるかです。Dさんの場合も、マインクラフトという入り口を見つけ、毎日のLINEで小さな前進を一つひとつ拾い続ける——その地道な積み重ねが、本人の手応えを少しずつ戻していきました。

自己肯定感は、単純な励ましの言葉だけで高まるものではありません。その子をよく見て、強みを入り口に、「できた」という事実を一緒に積み上げていく。この伴走を、本人の性質に合わせてどこまで徹底できるか。そこに、メガジュンがこれまでの指導経験で培ってきた強みがあります。

まとめ:原因を見極め、強みから「できた」を積み重ねれば、子どもは再び自分を信じられる

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。お子さまの「どうせ無理」「自分なんて」という言葉の裏には、性格や気の持ちようの問題ではなく、まわりの環境や関わり、そして積み重なった経験が隠れていることをお伝えしてきました。

比較が前提の毎日、結果や能力をほめる声かけ、先回りして失敗をさせない関わり、そして頑張っても報われなかった経験——こうした要因が、お子さまの自己肯定感を少しずつ削っていきます。

自己肯定感は、気合いや愛情だけで取り戻せるものではありません。評価の言葉を本人の変化を映す事実に置きかえること、先回りをやめて選択を本人に委ねること、そして得意や好きを入り口に「やればできる」という手応えを取り戻すこと。こうした関わりの一つひとつが、自分にもできるという実感を少しずつ積み上げ、お子さまの自己肯定感の土台を築いていきます。

それでも、これらをすべて保護者さまお一人で続けるのは、本当に大変なことです。もし今、家庭の中での関わりが限界に近づき、親子関係が膠着していると感じているのなら、その重荷をどうか私たちに半分預けてください。

お子さまに合った関わり方を、一緒に見つけませんか

お子さま一人ひとりの性質と、自信をなくしてしまった原因を丁寧に見極め、強みを入り口に伴走することは、経験豊富なプロ講師だからこそできることです。
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