25. 好きな教科ばかり勉強している
好きな教科だけ勉強してしまうお子さまに対しては、ついつい「日本史だけじゃなく、他の教科も勉強しなさい」と指摘したくなってしまうかもしれません。ですが実は、どの教科も満遍なく勉強することは、生きていく上で必ずしも必須であるわけではありません。
もちろん、公立高校の入試などではオールマイティさが求められますが、大学受験、就職においては「何かしら尖った人」の方が評価されやすく、五教科でまんべんなく点数が取れる人よりも、「日本史が大好き!」という人の方が試験官の目に留まって合格しやすいことさえあります。
苦手を指摘するのではなく、得意を褒めて伸ばしてあげるのが教育においては非常に大切です。そもそも自分から勉強できているだけでも素晴らしいことですので、「歴史が大好きなんだね」などと声を掛け、まずはお子さまの好きなことを肯定していきましょう。自分の好きなものを周りに肯定してもらえると、自己肯定感がグッと高まります。自己肯定感は、苦手なことや嫌いなことに対しても失敗を恐れずチャレンジできる心の土台になりますので、ぜひ肯定的な声掛けを意識していただければと思います。
もしほかの教科にも興味を持ってもらいたい場合は、好きな教科と関連付けながら、教科横断的な学びを取り入れていくと良いでしょう。例えば、「戦国時代の武将ってどうやって兵の数や年貢の量を計算していたんだろうね?」など、ちょっとした疑問を入り口に親子でいろいろ考えてみるのも楽しいでしょう。
もし、受験が目前に迫っているなどでどうしても他の教科の勉強をしなければいけないときは、「なぜ勉強しなければいけないか」を丁寧に説明し、お子さまと一緒に勉強の計画を立てていくと良いでしょう。その際、無理な量や難易度の高い計画を立ててしまうと、「勉強したくない!」となってしまいますので、少しずつ他の教科の勉強を取り入れていくような計画にすることが大切です。
好きな教科しか勉強しないお子さまは、他の教科が嫌い/苦手であるという場合もありますが、単に興味が持てなかったり、必要性が感じられていなかったりするだけの場合も多くなっています。元々得意な教科に関しては机に向かえるお子さまですので、ほかの教科の場合も、興味が持てたり、必要性が感じられたり、あるいは頑張って取り組んだことを褒めてもらえたりすれば、自発的に勉強できるようになるお子さまもたくさんいらっしゃいます。
モチベーションの維持が難しい場合は、「○○の教科以外も最近頑張っているんだね、すごい!」などの声掛けをこまめに行うと良いでしょう。ご家庭だけでこうしたフォローを行うのが難しいと感じる場合は、授業以外の学習サポートを行っている塾や家庭教師を利用し、先生からもLINEなどで声掛けをしてもらうと良いでしょう。