67. 授業が簡単過ぎて退屈だと言う

ギフテッド(IQ130以上)のお子さまの場合、小中学生までの授業は簡単過ぎて退屈に感じることが多いと思います。また、ギフテッドではなくとも、IQ120程度のお子さまで、小学校低学年までの内容が退屈過ぎて苦痛という方はかなりたくさんいらっしゃいます。

あるいは、授業の内容について「なぜ?」と疑問に感じて先生に質問したら、「それはまだ習わない内容だから…」と答えてもらえないなどのケースもあります。先生から質問に答えてもらえなかったり、答えをはぐらかされたりすると、お子さまは「質問してはいけないのだ」と感じて、「なんでそうなるんだろう?」「いろいろな前提が考えられるのに、なぜ無視するんだろう?」といったモヤモヤした気持ちを抱えたまま授業を受けることになってしまいます。

お子さまは本当に知りたいことについて学べないためにストレスが溜まり、「授業がつまらない、学校に行きたくない」と発言したり、あるいは授業を聴かず勝手に別のことをしたりするなどの行動を取ってしまうことがあります。このような場合の対策としては、
 

①先取り学習をする
②自分の興味があることについて、調べたり本を読んだりする
③疑問については予習で解消しておく
④周りに合わせる


などが挙げられます。このうち「④周りに合わせる」は消極的な選択であり、お子さまの知的好奇心を伸ばしてあげるためにもできるだけ避けたいものとなります。

「①先取り学習をする」については、教科書の先の内容をどんどん進めていくというものになります。日本には飛び級制度はありませんが、教科書の内容を周りよりも早く終わらせることができるため、受験なども有利に進めることができるでしょう。教科書の先取りを好むタイプのお子さまはIQ110~120程度の方に多く、テストで良い点を取れることや、教科書を周りより早く進めることをゲーム感覚で楽しめるお子さまが多くなっています。

一方、IQ130以上のお子さまになってくると、教科書の内容をただ習得する(覚える)だけだと退屈で、「教科書を先取りすることに意義を感じない」というお子さまもいらっしゃいます。こうしたお子さまの場合は、答えの決まっている教科書的な問題よりも、哲学や社会課題、未解明の物理理論など“答えの無い問い”を好むため、「②自分の興味があることについて、調べたり本を読んだりする」といったやり方の方が楽しく勉強できる場合があります。

こうしたお子さまの場合は教材や指導者を見つける必要がありますが、お子さま自身がインターネットなどで気になる書籍や先生を見つけてくることもありますので、保護者さまはできる限りサポートしてあげましょう。

「③疑問については予習で解消しておく」については、授業の内容に関する疑問について先生に答えてもらえず、お子さまがストレスを感じている場合の解決方法になります。例えば、「『1』の次はなぜ『2』なのか」という疑問をお子さまが感じているときは、学校の授業で「10までの数」の単元を習う前にご家庭で「『1』の次は、実は『2』じゃないんだよ」と数直線などを示しながら教えてあげると良いでしょう。その際には、小数や分数、理解できるのであれば無限や極限など、小学1年生の範囲を越えた内容もどんどん教えてあげると良いでしょう。

ご家庭で疑問を解決しておけば、「学校ではここまでしかやらないんだな」と理解した上で学校の授業にも挑むことができ、「疑問に答えてもらえない」というストレスを大幅に軽減することができます。なお、ギフテッドのお子さまの質問はかなり鋭く、本質を突いたものも多いと思います。ご家庭だけで答えるのが難しいと感じる場合は、ギフテッド教育に知見のある家庭教師などを利用することをおすすめします。

また、先取り学習や自主的な探究活動を授業中に行う場合は、学校としっかり話し合い、学校と家庭で方針をすり合わせておくことがとても大切です。先生の中には、「クラスの子どもたちがみんな一斉に同じことをやる」ことにこだわる人もいます。この指導方針の是非はさておくとして、お子さまがやる気を出して自分なりの勉強をしようとしたときに先生に怒られてしまうと、お子さまの知的好奇心を削いでしまうだけでなく、自信の喪失や自己肯定感の低下にもつながります。

自主的な学習に取り組みたいときは、まずは保護者さまと先生とで話し合い、ご家庭の希望を伝えつつ学校側の指導方針も確認していきましょう。「皆と同じ課題が終わったら自主学習しても良い」「生活や総合の時間はグループ活動が多いので、自主学習せず参加してほしい」など、学校側の要望もあるはずです。お互いの思いをすり合わせながら、お子さまにとってより良い方法を見つけましょう。

なお、保護者さまは「この子の知的好奇心を満たしてあげたい」という思いが軸にあり、学校側は「集団生活に馴染んでほしい、社会性を身に着けてほしい」という思いが軸にあることが多いため、場合によっては意見が対立してしまうかもしれません。ですが、知的好奇心と社会性はどちらもお子さまにとって不可欠なものであり、そのバランスを取ってあげるのが周りの大人の役目です。学校とむやみに対立するのではなく、お子さまがこれから生きていく上で身に付けてほしい力がどんなものか、冷静に話し合えるように心掛けていただければと思います。

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