68. 「なぜ?なぜ?」と質問が多くて、全てに答えられる余裕が無い

ギフテッドのお子さまは、知的好奇心がとても旺盛です。そのため、「あれはなぜ?これはどうして?」と保護者さまに絶え間なく様々な質問をすることがあります。

保護者さまとしては、お子さまの疑問にできるだけ答えてあげたいと一生懸命向き合われる方が多いのですが、質問の量があまりにも多く、また、大人でも調べないと分からないようなことを質問されることが多いため、「時間が足りない」「ついついおざなりに答えてしまう」というお悩みの声をお伺いすることがあります。

以前にプロ家庭教師メガジュンをご利用いただいたお子さまの場合は、学校から帰宅するやいなやお気に入りの科学図鑑を開き、1ページずつ事細かに保護者さまに「これはどういうこと?」「○○は△△という意味で合ってる?」と質問をされていたそうです。保護者さまはお仕事もされていたため、お子さまの質問に答える時間が十分に確保できず、答えられないことに申し訳なさや後ろめたさを感じていたとのことでした。

一般的なご家庭では、こうしたギフテッドのお子さまの疑問や質問に全て答えきることは非常に難しいため、お子さまの大量の質問にお困りの場合は、ギフテッドのお子さまの指導に長けている塾や家庭教師を利用することをおすすめします。

例えば、週1回家庭教師を利用する場合であれば、お子さまに1週間分の質問を書き溜めておいてもらい、授業のときに先生に答えてもらうなどすると、お子さまの知的好奇心を無理なく満たしてあげることができます。

もちろん、質問が思い浮かんだらその場ですぐに答えてあげることも大切ですが、いつでも・どこでも、すぐに誰かが答えてくれるという状況を用意するのは大変であり、現実的ではありません。そこで、1週間分の質問を溜めておいて答えるという方法を通して、お子さまにはある程度“待つこと”を覚えてもらうことができるほか、質問についてすぐに答えが出ないことによって、お子さまが自分で考えたり調べたりする習慣を身に付けることもできます。

また、お子さまの質問の量が多い場合は、1回の授業では答えきれないこともあります。その際には、全ての質問に答えきろうと慌てて回答するのではなく、1問1問の回答の質を高め、「全ての質問には答えてもらえなかったけど、先生は必ず面白い答えをくれる」とお子さまに感じてもらい、「来週の授業も楽しみだな」と思ってもらうことを優先します。

というのも、時間が無いからといって慌てて回答してしまうと、どうしても話が表面的になってしまいます。すると、せっかく1週間待っていたにもかかわらず中途半端な答えしか得られないため、お子さまは「面白かった、先生に聞いて良かった」と感じにくくなり、次の授業に対する期待感も薄れてしまうことになります。
ですので、ギフテッドのお子さまの質問に答える場合は、量よりも質を優先し、お子さまが先生に対して「この先生は面白い、また授業を受けたい」という気持ちを持ち続けられるようにすることが大切です。

また、「なぜ?なぜ?」と質問が多いお子さまは、知識をインプットすることは自発的にできているものの、吸収した知識を体系立てて整理することや、誰かに伝えたり、紙に書いたりしてアウトプットすることができていない場合があります。

知識を整理したり、アウトプットしたりするための力を付けていくためには、

①各回の授業にテーマを設ける
②テーマに沿った調べ学習やディスカッションを行う


といった授業の進め方が効果的です。

まず、「①各回の授業にテーマを設ける」については、例えば、「地震・岩石・地層」「天気・天体」などのテーマを設定して、その回の授業ではそれに関連する質問や調べ学習を行うというものになります。

テーマごとに学ぶことによって、知識の整理や体系化がしやすくなるだけでなく、テーマを絞ることで、そのテーマに関する内容を深く掘り下げることができるため、様々なジャンルの知識を広く浅く学ぶよりも、お子さまの知的好奇心をより満たすことができます。さらに中学受験を目指す場合であれば、理科・社会の出題分野ごとにテーマを設定することで、中学受験の対策とすることもできます。

「②テーマに沿った調べ学習やディスカッション」については、プロ家庭教師メガジュンで実際に取り組んでいる授業の方法となります。あるテーマについてお子さまと講師が各自で調べ、授業ではお互いに調べた内容を発表します。また、発表するだけでなく、お互いが発表した内容についてディスカッションを行い、議論を通じてさらに理解を深めていきます。

この形式の授業だと、お子さまが楽しんで参加できるだけでなく、「調べる力」「まとめる力」「伝える力」「質問する力」をバランス良く伸ばすことができ、ギフテッドのお子さまにありがちなインプットに偏った学習や、乱読による知識のバラつきを、本人の知的好奇心を削ぐことなくサポートすることができます。

ご家庭だけでギフテッドのお子さまの「なぜ?なぜ?」という質問に答えきることは非常に難しく、また、インプット・アウトプットの力をバランス良く伸ばすことも簡単ではありません。ですので、ギフテッドのお子さまに関してこうしたお悩みをお持ちの場合は、ぜひ専門の塾や家庭教師を利用していただければと思います。