47.そそっかしいことや注意力が無いことを周りにからかわれる(ADHDの場合)

ADHDの特性は「不注意」「衝動性・多動性」の2つであり、それらの特性から学校生活では以下のような困りごとを抱える場合があります。

・忘れ物が多い
・机の中がいつもぐちゃぐちゃ
・授業中にぼーっとしていて、先生の質問に答えられない
・授業中に衝動的に発言する
・静かにしなければいけない場面でも、おしゃべりがやめられない
・先生の指示を聞いておらず、見当外れな行動を取る


これらの行動を、クラスメイトから(時には先生からも)揶揄われてしまうことがあります。必ずしも本人を蔑む意図はなく、周りの人は軽い気持ちで「おっちょこちょいだね」「うっかりしすぎでしょ」と発言していることも多いのですが、お子さまの心は深く傷ついてしまっている場合があります。

また、本人は「気を付けたい、直したい」と思っているにも関わらず、発達障害の特性ゆえに生じている行動であるため、本人が意識するだけではなかなか改善できない場合が多くなっています。

そのため、「いくら気を付けても改善できない。自分はダメなんだ」と自信を無くし、学校に行けば揶揄われてばかりなので行きたくない、と不登校になってしまうお子さまもいらっしゃいます。

このようなケースにおいては、まずは学校に相談し、本人の苦手なことや困りごとは発達障害の特性ゆえのものであり、揶揄うような発言は避けてほしいことをはっきりと伝えましょう。

ADHDのそそっかしさや注意力の無さについては、一昔前は「落ち着きのない子」で済まされていた部分もあります。残念ながら先生の中にも、ADHDのお子さまに関して「イジっても良い存在」「悪い見本として○○さんを挙げておけば、クラスがまとまる」程度の認識でしかない人もいます。生まれつきの特性をあげつらわれるのはとても辛く苦しいことですので、毅然とした態度で「やめてほしい」と伝えるようにしましょう。

また、学校におけるADHD由来の困りごとについては、様々な工夫を行うことで軽減していくことが可能です。具体的には、

・黒板横の掲示物を無くすか、カーテンなどで隠す(黒板の内容に集中しやすいようにするため)
・指示は一つずつ出す(一度にいろいろ言われると混乱してしまうため)
・机の中の整理のやり方は、先生が具体的に示す。週に1回みんなで机を整理する時間を作る。(机の左は道具箱、右は教科書・ノート。道具箱の中のレイアウトの例まで示す。みんなで取り組むことで劣等感を和らげる)
・授業変更や行事の際の手順などは、イラストで視覚的にも示す(耳からの情報だけでは集中しづらいため)


などが挙げられます。お子さまの特性に合わせた配慮はいろいろと考えられますので、学校と相談しながら検討していただければと思います。特に、最近では養護教諭(保健室の先生)やスクールカウンセラー、特別支援コーディネーターなど発達障害の知識や理解が豊富な人材が学校にも配置されていますので、担任の先生だけでなくそうした先生も交えながら支援方法について検討していくと良いでしょう。