【塾・家庭教師の選び方】勉強しないお子さま必見!良い先生は「関係作り」に長けている

この記事では、私がプロ家庭教師としてお子さまと接する際に大切にしている「関係作り」について詳しく解説していきます。

お子さまと講師との間に良好な関係が築けていると、お子さまは「先生の言葉を信じて頑張ろう」と思えるようになり、勉強にも前向きに取り組めるようになります。

お子さまと講師との良好な関係とは、すなわち、「信頼」と「尊敬」の2つから成り立つ関係です。

多くの塾講師や家庭教師は、お子さまとお友達のように仲良くなることはできるものの、お子さまが講師に対して「この人を信じたい/この人についていきたい」と思えるような“信頼”と“尊敬”の両方に基づく関係を築ける講師はごく一部です。

講師が親しみやすいキャラクターであることや、楽しく授業ができること、あるいは厳しい指導でお子さまを勉強に向かわせることは重要ですが、それ以上に大切なのは、「講師がお子さまに対し、心から真摯に向き合っていること」です。

講師がお子さまに対して心から真摯に向き合うことで、学力だけでなく、お子さまの心も成長していきます。
心が成長すると、「自分を信じて高いハードルにもチャレンジする」「“もっと上を目指そう”という意志を持ち、自分で課題を見つけて解決する」といった力が付き、勉強以外の面でもたくましく生きていくことができるようになります。

ですので、塾やプロ家庭教師を選ぶ際には、ぜひ講師がお子さまとの関係作りをどれだけ重視しているか、あるいはどれくらい心から真摯にお子さまと向き合ってくれそうかに注目していただければと思います。

また、この記事では、お子さまとの関係作りの軸となる「信頼」と「尊敬」の関係について詳しく解説していきます。

塾・家庭教師選びの参考としていただけるほか、勉強を通してお子さまの“心”を成長させていくための秘訣についても触れていきますので、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。

発達障害・ギフテッド専門の受験プロ家庭教師
妻鹿潤
・16年以上1500名以上の指導実績あり
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

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【塾・家庭教師の選び方】良い先生は「信頼関係」の構築に長けている

【塾・家庭教師の選び方】良い先生は「信頼関係」の構築に長けている

塾講師や家庭教師がお子さまと良好な関係を築いていくためには、「信頼」と「尊敬」の2つの軸が重要となります。

この章では、このうち「信頼」について詳しく解説していきます。

まず「信頼」とはどのようなものかについてですが、概ね以下のように定義することができます。

<お子さまと講師の間の「信頼」とは>

① お子さまが講師に対して親しみを感じている
② お子さまが講師に対して安心感を抱いている
③ 講師がお子さまのことを無条件に受け入れている

信頼関係の一番の前提は、「①お子さまが講師に対して親しみを感じている」ことです。

初対面で緊張していたり、お子さまが「この人は何となく苦手だな、距離を置きたいな」と感じたりしている状態では、信頼関係を築くことはできません。

まずはお子さまが講師に対して「一緒にいて楽しい」「気兼ねなく話せる」と感じることが信頼関係を構築するための第一歩となります。

私が授業を行う際にも、まずはお子さまとの距離を縮め、気軽に話せる関係を作ることから始めるようにしています。
中には人見知りが激しいお子さまもいらっしゃいますので、その場合はいきなり勉強を始めるのではなく、雑談にたっぷりと時間を掛けるなど、お子さまが講師に対して心を開きやすいように授業づくりを進めていきます。

お子さまとの信頼関係を作っていく際には、「②お子さまが講師に対し安心感を抱いている」ということも非常に重要です。
お子さまが「この先生に○○と言うと怒られるんじゃないか」「○○の話をしたら、お母さんにバラされるかも」と感じている状態では、信頼関係が築けているとは言えません。

どんなことを言っても、あるいはどんなことをしても「この先生なら自分を受け入れてくれる」という安心感があってこそ、お子さまは講師のことを信頼し、心を開いて何でも話してくれるようになります。

そして、お子さまが講師に対して安心感を持つためには「③講師がお子さまのことを無条件に受け入れている」ということが非常に重要です。
この「無条件に受け入れる」ということが実は非常に難しく、講師の指導力を大きく左右する要素となります。

例えば、「宿題をやったから」「テストで良い点を取ったから」と、いつも条件付きでお子さまのことを褒めていると、「宿題や勉強をできる自分は先生に受け入れてもらえるが、できない自分は受け入れてもらえない」とお子さまは感じるようになります。

そして、講師に対して「何でも話そう、相談しよう」というよりは、「良い部分だけを見てもらおう」「できたときだけ報告しよう」という考え方になってしまい、講師と心からの信頼関係を結ぶことが難しくなってしまいます。

また、講師の側においても、講師が「無条件でお子さまを受け入れているらしい態度」を表面的に演じているだけで、心の底ではお子さまのことを「アレが駄目、コレが駄目。なんでこの子はできないんだろう?」と思っていると、その気持ちは必ずお子さまに伝わってしまいます。

大人が思っている以上に子どもの心は敏感です。
講師がお子さまのことで少しでも受け入れられていない部分があると、お子さまは「何かおかしいな?」と感じて心を閉ざしてしまいます。

ですので講師には、ありのままのお子さまの姿を受け入れ、「この子を応援したい、力を伸ばしてあげたい」と心の底から思える人格的な資質が求められます。

塾や家庭教師を「あくまで仕事である」と捉えていては、苦手や困りごとを多く抱えているお子さまを講師が心から受け入れることは難しくなります。

単なる仕事ではなく、“教育”という営みをライフワークと捉え、「子どもたちの未来のために力になりたい」という高い志を持つことで初めて、目の前のお子さまを心から無条件で受け入れることができるようになります。

ですので、塾や家庭教師を選ぶ際には、講師が「お子さまのために力になりたい」と心から思っている人物であるかどうかを見極めることが非常に大切です。
面談の際の向き合い方や熱量から、講師が教育に対してどのような想いを抱いているかを推し量ることができますので、ぜひそうした点に注目していただければと思います。

【塾・家庭教師の選び方】先生と「信頼関係」を築くことの効果やメリット、注意点

【塾・家庭教師の選び方】先生と「信頼関係」を築くことの効果やメリット、注意点

お子さまと講師の間に信頼関係が築けるにつれて、お子さまの行動は以下のように変化してきます。

<信頼関係の構築とお子さまの行動の変化>

  • レベル①何気ない会話を心置きなく話せる
  •  レベル②お子さまが気にしていること、周りに知られたくないことでも話せる
  •  レベル③お子さまが見せたくない、知られたくないと強く思っていることでも話せる

お子さまと講師の信頼関係が深いものになればなるほど、お子さまは講師に対して何でも話せるようになります。

時には、お母さま/お父さまにも話しづらいことでも、講師にだけは話せるようになることもあります(ただしこの場合は、お母さま/お父さまがお子さまにとって一番大事な存在であるからこそ、かえって話しづらいというものであり、講師への信頼がお母さま/お父さまへの信頼を上回るということではありません)。

お子さまが講師に対して何でも話してくれるのは、お子さまが「何を話しても、先生は私/僕のことを必ず受け入れてくれる」という強い信頼の感情があるからです。

ありのままの自分を受け入れてくれる人がいると、人間は、「あの人が応援してくれるから大丈夫だ」と感じて失敗を恐れずにチャレンジすることができるようになります。
お子さまの場合は、難しい問題にもチャレンジしたり、高い目標に向かって頑張ったりすることができるようになります。

また、勉強の指導においては「○○ができていなかったね」「□□を間違えちゃったね」というように、お子さまにとって耳の痛い話もしなければなりません。
その際に、お子さまと講師の間に確かな信頼関係があれば、お子さまは素直に指摘を受け入れ、改善に向けて行動することができるようになります。

もしお子さまと講師の間に信頼関係が無ければ、お子さまは「先生は自分を否定しているのだ」と感じて悲しい気持ちになったり、「指摘されて嫌な気分になったから、勉強したくない」などと、勉強に対して後ろ向きな感情を持ったりしてしまうかもしれません。

ですので、お子さまが勉強に前向きに取り組むためにも、そして失敗を恐れず物事にチャレンジする力を身に付けるためにも、お子さまと講師の信頼関係は非常に重要であると言えます。

なお、信頼関係を築く場合の注意点としては、「信頼関係は非常に崩れやすいもの」ということが挙げられます。
お子さまが講師のことを信頼しているほど、講師がお子さまに嘘をついたり、隠し事をしていたりした時のショックは大きいものになります。

「この人は私/僕に対して嘘をつく人だ、隠し事をする人だ」と一度お子さまが認識してしまうと、そこからもう一度信頼関係を築き直すのはかなり難しいです。
そのため、講師にはお子さまと常に誠実に接することが求められます。

お子さまに心を開いてもらうためには、まずは講師がお子さまに対して心を開く必要があります。
相手が子どもだからと見くびらず、お子さまを一人の人間として尊重しながら接することが、講師に求められる一番大切な資質と言えるでしょう。

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【塾・家庭教師の選び方】子どもに「尊敬」される先生であることの意義

【塾・家庭教師の選び方】子どもに「尊敬」される先生であることの意義

お子さまとの関係作りのもう一つの軸である「尊敬」については、講師の存在がお子さまにとってどれだけ重要で、講師の言葉をお子さまが尊重できるかという概念になります。

例えば、「次のテストで80点以上取るためには、毎日1時間勉強しなければいけないよ」と講師がお子さまに伝えたとします。

お子さまが講師に対して尊敬の気持ちを持っていれば、「確かにその通りだ。勉強しよう」とお子さまは感じて、言われたとおりに勉強に取り組むことができます。

一方、お子さまが講師に対して尊敬の気持ちを持っていない場合は、「先生に言われたけど、別に聞かなくていいや」と講師の言葉をなおざりにしてしまうことがあります。

口では「分かった。勉強してみる」と答えるものの行動に移せないお子さまのよくあることの1つに、講師の言葉を内心では軽視していて、「この人の言葉は別に聞かなくて良い」と思っている場合がほとんどです。

つまり、どれだけ講師の指示(例:毎日1時間勉強する)が的確なものであったとしても、お子さまが「その指示に従おう」と思って行動できなければ意味が無く、そうした点においては「指示の的確さ」よりも「お子さまと尊敬関係を築けているか」の方が、指導においては圧倒的に重要と言えます。

ですので、お子さまの気持ちを勉強に向かわせるためには、講師の言葉を聞いてお子さまが「言われたとおりにしよう」と思えることが非常に重要です。
そして、お子さまに「言われたとおりにしよう」と思ってもらうためには、講師の指示の内容が的確であること以上に、「この人の言うことは聞くべきである」とお子さまが思えるような関係性を築くことが非常に重要なポイントとなります。

この関係性こそが、私たちが「尊敬」と呼んでいるものとなります。

尊敬の関係を築くためには、まずはお子さまに講師のことを「この人はすごい人だ」と認識してもらう必要があります。
そして、「すごい先生に言われたから、その通りにしてみた」→「上手くいった」という経験を重ねることで、「この人の言うことは聞こう」というお子さまの気持ちをさらに強固なものにしていくことができます。

<「尊敬」の構築のプロセス>

① 第一印象で「この人はすごそう/すごい人だ」とお子さまに認識してもらう
② 「すごい先生に言われたから、やってみよう」と指示通りに行動してもらう
③ 「先生の指示に従ったら上手くいった!」という経験を積み重ねる
④ 「この人の言うことを聞こう」という気持ちが強化される

また、思春期のお子さまは特に自分自身のアイデンティティが揺らぎやすい時期でもあるため、「この人は自分より優れているのか(上か、下か)」という視点で他人のことを判断する場合が多いです。

例えば、スクールカースト上位で派手なグループに属しているお子さまの場合は、服装が地味であったり、オタク趣味を持っていたりする講師のことを自分より下の、いわゆる“陰キャ”であると見なして舐めてかかるなどのケースが実際にあります。

このように第一印象でお子さまが講師を下に見てしまうと、そこから挽回するのは非常に困難ですので、派手なグループに属しているタイプのお子さまの場合は、講師もエネルギッシュで明るいタイプの人を配置し、「この人のキラキラした感じはすごい!」とお子さまが感じられるように采配していく必要があります。

なお、お子さまが講師に対して尊敬の気持ちを持てているかどうかは、講師がお子さまを厳しく指導した(叱った)ときの反応から推し量ることができます。(→<コラム:「叱る」と「怒る」の違いについて>)

お子さまが講師のことを尊敬している場合、講師から厳しく叱られると「尊敬している先生に見放されたくない、嫌われたくない」とお子さまは強く感じるため、必死に弁解するか、あるいはショックを感じて落ち込む/思考停止するといった反応が見られます。

一方、講師のことをあまり尊敬していない場合は、「ごめんなさい」「次から頑張ります」と反省したそぶりは見せるかもしれませんが、心の底では「この先生は大したことが無い」「見放されたり、嫌われたりしても別に構わない」と思っているため、具体的な行動につながらず、いくら厳しく指導しても行動が改善しません。

こうしたことからも、お子さまが勉強を頑張れるように指導やアプローチをしていく際には、尊敬の関係を作ることが非常に大切であることがお分かりいただけるかと思います。

<コラム:「叱る」と「怒る」の違いについて>

「叱る」は、お子さまのためを思い、改善すべきことを口調は厳しくても冷静に指摘すること。
「怒る」は、お子さまのためでなく自分の感情を発散するために大きな声を出すこと。
教育においては「怒る」ではなく「叱る」ことが大切です。

また、「叱る」か「怒る」かは、講師がどんな意図であったかではなく、お子さまの受け取り方によって判断されます。
ですので、たとえ講師が叱ったつもりでいても、「先生、またキレてるなあ」とお子さまが受け止めている場合は「怒る」に該当します。

“お子さまのことを本気で考えて言っている”ということが、お子さまにもきちんと伝わることが大切です。

【塾・家庭教師の選び方】尊敬する先生の励ましによって「限界突破」が可能になる

【塾・家庭教師の選び方】尊敬する先生の励ましによって「限界突破」が可能になる

これまで述べてきたように、お子さまと講師の間に確かな尊敬の関係を築くことによって、講師の言葉がお子さまの心に届きやすくなり、指導の効果を高めることができます。

尊敬の気持ちが非常に強くなると、たとえ指示の内容が理不尽なものであっても、お子さまが講師の言葉に従う状態に至ることもあります(=圧倒的尊敬関係)。
むやみに理不尽な指示に従わせる必要はありませんが、お子さまにとって無理難題に感じられる課題でも、講師が「頑張りなさい。挑戦しなさい」と指示することで頑張れるようになることは、勉強や受験において非常に大きな強みになります。

実は、尊敬の関係を築くことによる最も大きな効果は、お子さまが無意識に決めてしまっている「自分の限界」を突破させられることにあります。

私たち人間の多くは、「自分ができるのはこれくらいまでだ」と無意識に自分の限界を決めてしまっています
そのため、本人が想定している限界以上の目標を周りが示しても、「自分にはきっと無理だから」と言ってチャレンジしなかったり、「自分にもできる」と信じて頑張り抜くことができなかったりするケースがとても多いです。

私が実際にお子さまを指導していても、想定以上に良い点が取れたときに手放しで「やったー!」と喜ぶお子さまは少なく、多くのお子さまは「えっ、嘘だ」というような戸惑いの反応を見せます。(特に勉強が苦手なお子さまに多いです。)

そしてその後、「今回はまぐれです」「平均点が高かったから」「得意な問題ばかり出たから」など、点数アップを受け入れないような反応を見せるケースが非常に多くなっています。

これはなぜかというと、「できる自分を認めること」は、裏を返せば「できなかった過去の自分を認めること」でもあるからです。

「頑張ればできる」ということに気付いてしまうと、これまでの自分は頑張っていなかったということにも同時に気付くことになります。
まずこの時点で「頑張ることから逃げてきた過去の自分を認めたくない」という気持ちが働いて、「頑張ればできる」という事実から目を背けてしまうお子さまがいらっしゃいます。

あるいは、「頑張ればできる」と気付くことは、「これからも頑張る必要がある」ということに気付くことでもあります。
「頑張るのはしんどい、頑張りたくない」という気持ちが強いお子さまは、「頑張ったからできたわけではない、あくまで偶然である」と信じ込むことで頑張ることから逃げる傾向にあります。

<お子さまが「頑張ればできる」という事実から目を背ける理由>

<お子さまが「頑張ればできる」という事実から目を背ける理由>

この「頑張ればできる」という現実から目を背け、「自分はこれくらい」という限界を決めてしまう心の働きは非常に強固なものであり、これを突破してさらに高みを目指していくことはそう簡単ではありません。

というのも、人間は元々「楽をしたい」と思ってしまう生き物であり、「自分はこんなものだ」と限界を決めてしまう方がはるかに楽で、ストレスフリーな状態でいられるからです。

あと少し頑張れば80点から100点を目指せるのに、その“あと少し”が突破できないお子さまの多くは、「自分は80点くらいが限界だ」と無意識に思い込んでいて、目標に到達できない状態にあります。

このように多くのお子さまが無意識に自分の限界を決めてしまうのは、それが「楽をしたい」という本能によるものであるためであり、生物としてはとても自然な反応であるとも言えます。

逆に、「頑張ればもっと上に行ける」と信じて努力を続けることは、常に自分にプレッシャーをかけ続けることでもありますので、「楽をしたい」という本能とは逆行する行動になります。
「楽をしたい」という本能に「上を目指すべきである」という理性で打ち克つのは大人でも難しいことであり、お子さまが「楽よりも努力」を選べるようになるためには、周りのサポートが必須となります。

そこで効果を発揮するのが、「この人の言葉であれば信じられる」という強い尊敬の気持ちです。
お子さまが心から強く尊敬している人物が、高い目標を示し、「頑張ればできるよ。やってみよう」と声を掛けると、お子さまの反応はこれまでとは全く異なるものになる場合があります。

自分が尊敬する人物に「きっとできるよ、やってみよう!」と声を掛けてもらうと、お子さまは、自身の中にある「自分には無理だ」「これくらいでいいや」という気持ちよりも、「尊敬する先生が『できる』と言っている。この言葉を信じたい」という気持ちが上回り、高い目標にも果敢にチャレンジすることができるようになります。

併せて、「尊敬している先生の期待を裏切りたくない」という気持ちも生まれるため、先生の期待に応えるために頑張ろうという気持ちにもなりやすく、最後まで頑張り抜くことができるようになります。

なぜ尊敬している先生に「きっとできるよ、やってみよう!」と声を掛けられると頑張れるようになるのかというと、そこには人間が根源的に持っているもう一つの本能である「承認欲求」が関係しています。

私たち人間は太古から群れで生活してきたため、「群れのリーダーに認められたい」という根源的かつ強い欲求=承認欲求を持っています。
この承認欲求は非常に強いものであるため、「楽をしたい」という本能にも打ち克てる可能性があります。

お子さまが尊敬している先生は、お子さまにとっての唯一無二のリーダー的存在であるため、「この人に認められたい!」という欲求が湧きやすく、尊敬する先生に期待の言葉を掛けてもらうだけで見違えるように努力できるようになるお子さまもいらっしゃいます。

<尊敬関係と2つの本能>

<尊敬関係と2つの本能>

尊敬する先生の言葉に従って果敢にチャレンジした結果、自分の限界を越えた成果を得られると、「先生が『できる』と言ったことは、本当にできた!やっぱり先生はすごい!」とより一層先生に対する尊敬の気持ちが強くなり、さらに高い目標を示されても頑張り続けることができるようになります。

なお、こうした「自分の限界を突破する経験」をお子さまに得させる際には、最初の目標設定で失敗しないことが非常に大切です。

例えば、家庭教師の授業を受け始めて最初の定期テストを迎えるときに、講師が「この勉強方法を続けて、80点以上を目指そう」と声掛けしたにも関わらず、70点しか取れなかったとします。

するとお子さまは、「先生の言うとおりにしたのに、目標に届かなかったじゃないか」と感じて講師に対する尊敬の気持ちを大きく損なうことになってしまいます。

ですので、お子さまに目標を決めて頑張ってもらう場合には、目標の設定に細心の注意を払い、お子さまを失望させないようにすることが非常に重要です。

ここまで「尊敬関係」のもたらす効果について詳しく解説してきましたが、お子さまが講師に対して尊敬の気持ちを持ち、講師の言葉を信じて頑張れるようになることはそう簡単ではありません。

特に自分に自信が無く、これまでの人生の中で「やってもできなかった」という経験がたくさん積み重なってしまっているお子さまは、

  • 頑張ってもどうせ無理だ
  •  頑張っても上手くいかなかったらどうしよう
  •  この先生のことは今までの先生よりも信じられるけれど、これでダメだったらもう後が無い。だから挑戦するのが怖い。

といったネガティブな考えに強く囚われていて、すぐに「頑張ろう」と切り替えることが難しい場合があります。

このような場合には、講師は「あなたならできる」と真剣に伝えるとともに、お子さまからネガティブな反応が返ってきたとしても「先生はあなたの可能性を本気で信じている。だから頑張って、大丈夫!」と根気強く伝え続ける必要があります。

失われてしまった自信を取り戻すには膨大な時間が掛かるため、

「頑張ったから点数が上がったね。次も頑張ろう」
「いや、今回点が取れたのはたまたまです。自分なんて…」

というやりとりやアプローチが時には何か月も続くこともあります。

ですが、講師がお子さまに本気で向き合い続けていれば、いつか必ずお子さまは新たな一歩を踏み出すことができますので、焦らず根気強く働きかけ続けることが大切です。

また、このアプローチにおいては尊敬の関係だけでなく、「先生は自分のことをいつでも受け入れ、待っていてくれる」という信頼の関係も大きなポイントとなっています。

これまでから述べているとおり、講師とお子さまとのより良い関係は「信頼」と「尊敬」の両方が大切ですので、塾や家庭教師選びの際のポイントとしてぜひ意識していただければと思います。

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【塾・家庭教師の選び方】先生と子どもとの関係作り(信頼・尊敬)のまとめ

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この記事では、塾やプロ家庭教師の指導における大きなポイントである「お子さまとの関係作り」について詳しく解説してきました。

改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。

<POINT>

  • お子さまとの関係作りにおいては、「信頼」と「尊敬」の2つが大切
  • 信頼関係を築くことで、お子さまは講師に対して心を開き、何でも話してくれるようになる
  • お子さまと信頼関係を築くためには、まずは講師がお子さまに対して心を開き、ありのままのお子さまを受け入れることが大切
  • お子さまが講師に対して尊敬の気持ちを持っていると、講師の言葉を素直に聞き入れられるようになる
  • 人間は自分で自分の限界を決め、「これくらいでいいや」と楽をしようとする生き物である
  • 「楽をしたい」という本能は、「尊敬する人に認められたいという本能(承認欲求)」によって打ち克つことができる

この記事でご紹介した内容は、プロ家庭教師の指導において非常に大きなポイントとなっています。

これらのポイントを押さえられているかどうかで指導の質は大きく変わりますので、塾や家庭教師を選ぶ際にはぜひ参考にしていただければと思います。

また、お子さまが勉強を頑張れない背景には、「頑張ればできると思えない(思いたくない)」という心理が隠れていることも「2-1.【塾・家庭教師の選び方】尊敬する先生の励ましによって「限界突破」が可能になる」で解説してきました。

「勉強しなさい」といくら言ってもお子さまが勉強を頑張れないときには、ぜひその心理的な背景にも目を向けていただければと思います。
「頑張ればできる」と思うこと自体にしんどさが含まれていること、あるいは「頑張ればできる自分」を上手くイメージできないことが頑張れない原因となっていることも多いため、ご家庭においてはお子さまが自信を持ち、前向きに頑張れるような声掛けを意識していただければと思います。

私たちプロ家庭教師メガジュンでは、こうしたお子さまとの関係作りを非常に重視しながら授業や学習サポートに取り組んでいます。

先の見えない世の中を生きていくためには、「自分で頑張る力」を身に付けることが非常に大切です。
信頼・尊敬できる講師との出会いは、こうした「自分で頑張る力」を身に付けるための重要な土台になると私たちは考え、日々の授業に本気で取り組んでいます。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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