33. 中学受験をすべきか悩んでいる

「もっとレベルの高い教育を受けさせたい」「公立中学校が荒れている」「内部進学できるため、受験に追われず伸び伸び過ごせる」など、中学受験を検討する理由はご家庭によって様々あると思います。

特に2E型ギフテッドなど、発達障害と高知能の両方の性質を持っているお子さまの場合は、いろいろな学力層の子どもたちが集まる公立中学校よりも、一定の学力レベル以上の子どもたちが集まり、保護者の教育関心も高い私立中学校の方が落ち着いて過ごせる場合がほとんどであるため、私たちも中学受験をお勧めすることが多くなっています。

また、ギフテッドの性質を持っていない発達障害のお子さまの場合も、公立中学校のガヤガヤしだ雰囲気が合わない可能性が高いため、お子さまの学力レベルに合った私立中学校に進学することをお勧めすることがあります。

さらに、高校受験を見据えると、ギフテッドや発達障害のお子さまにとって中学受験は非常にメリットが大きいものと言えます。ギフテッドや発達障害のお子さまは、全ての教科(副教科含む)の定期テストで満遍なく点を取ったり、提出物の期限を守ったり、きちんとした授業態度で出席したりといった、内申点に関わること全般が苦手な傾向にあります。

都道府県ごとに若干の違いはあるものの、公立高校を受験する場合は内申点の比率が非常に高く、内申点が配点の50%以上を占めるケースも非常に多くなっています。ですので、公立中学校で内申点を伸ばせる自信が無い人は、
 

・私立中学校から大学まで内部進学する
・私立中学校から高校に内部進学し、大学は得意教科を活かして一点突破型で受験する


といったパターンが非常にオススメとなります。

ちなみに、内申点は「定期テストの点数>実力テストの点数>提出物・実技>授業態度」の順に配点が高い場合が多くなっています。テストで点が取れるタイプのお子さまはある程度内申点にも期待を懸けることができるため、公立中学校から公立高校への進学も選択肢にできますが、そうでない場合は中学受験をした方が高校受験においては圧倒的に有利であると言えます。

ただし、中学受験をする場合は、どんな偏差値の学校を目指すにしてもそれなりに受験に向けた勉強をする必要があります。受験勉強がお子さまにとって大きな負担になってしまう場合は、無理に高いランクの学校を目指さず、より受験勉強の負担の少ないランクの学校を選ぶことも選択肢の一つとなります。また、無理に偏差値の高い学校に進学してしまうと、入学後に周りについていけずしんどい思いをしてしまう場合もあります。

私たちプロ家庭教師メガジュンにおいても、受験勉強が過度な負担にならず、また、お子さまが入学後に楽しく学校生活を送れることを重視していることから、お子さまの特性や学力レベルをしっかりと分析した上で、志望校のランクを下げるご提案をさせていただく場合があります。ただしその際には、お子さまが挫折感を感じてしまわないよう細心の注意を払い、お子さまにとってより良い選択肢であることをご本人にも丁寧に説明するようにしています。

中学受験をすると決めた場合は、お子さまの学力と受験勉強に対するストレス耐性をしっかりと分析し、お子さまにとって最適な志望校選びを進めることが大切です。また、多くのお子さまは、受験勉強をとおして粘り強さやセルフコントロール力、PDCAサイクルを実行していく力や自信・自己肯定感など、生きていく上で大切な力を身に付けることができます。登る山が高いほど、登り切ったときに人は大きく成長しますので、成長と負担のバランスを周りの大人が見極め、中学受験がお子さまにとってかけがえの無い経験となるようにサポートしてあげることが何よりも大切です。

また、当然ですが「良い学校に通わせたい」というのが親の一方的な思いであってはいけません。中学受験をさせるのは、お子さまにとってより良い環境を整えること、あるいはお子さまが大きく成長する機会とすることが目的です。受験が迫ってくるとどうしても合格できるかどうかがばかりを考えてしまいますが、中学受験の本来の目的を忘れず、親子のコミュニケーションを大切に、お子さまの心と身体の状態を丁寧に見守っていただければと思います。

お子さまは周囲の大人の影響を受けやすく、また、大人が思っている以上に大人の言動をよく見ています。「受験を頑張りたい」というお子さまの言葉も、もしかしたら「お母さん/お父さんの期待に応えたい」という気持ちから出ているものかもしれません。もちろん、保護者さまの期待に応えることがモチベーションであることは悪いことではありませんが、それが過度なプレッシャーに繋がってしまうケースもあります。お母さん/お父さんのために頑張るのではなく、まずは自分のために頑張ることが大切であることや、無理をして期待に応える必要が無いことについては折に触れてお話ししておくと良いでしょう。そのためには、受験以外のことについてもたくさんコミュニケーションを取り、お互いに本心を伝えあえる関係性を築いていくことが大切です。

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