88. ゲームやスマホばかりしている

ゲームやスマホに夢中で、なかなか勉強に気持ちが向かないお子さまはたくさんいらっしゃいます。ただ、勉強してほしいからとゲームやスマホを取り上げても、癇癪を起こしたり、保護者さまの目を盗んで何とかゲームをしようとしたりする場合が多く、事態は好転しないことがほとんどです。

ゲームや動画をやめて勉強してほしい場合の一番の解決策は、「お子さまの気持ちを自然と勉強に向かわせること」です。勉強よりゲームやスマホが楽しいのは当たり前ですので、お子さまに「勉強すれば良いことがある」、もしくは「勉強しないと嫌なことがある」という実感を持たせ、自発的に勉強に向かえるようにすることがポイントです。

また、ゲームやスマホを一切禁止するのではなく、「勉強が終わったらやっても良い」などの条件を付ける方法も効果的です。一切禁止にすると、「そんな約束は守りたくない」とお子さまは最初から反発してしまいますが、「宿題が終わってから」「1時間勉強してから」など現実的なルールにすれば、お子さまも「確かに守るべきルールである」と感じて、納得の上でルールを守れる場合が多くなっています。

勉強はきちんとしているが、ゲームやスマホ以外の趣味が無くて心配という保護者さまも中にはいらっしゃるかもしれません。この場合はそれほど心配する必要は無く、基本的にはお子さまの自由にさせてあげるのが良いでしょう。もし視力の低下や運動不足が心配なのであれば、スポーツやキャンプなど、保護者さまが楽しいと感じることを「一緒にやってみない?」と誘う形にすると良いでしょう。ゲームや動画のほかにもお子さまの興味・関心が広がり、家族で楽しめる趣味が持てると良いですね。

ちなみに、「ゲームなんてつまらないものはやめなさい」といった伝え方をすると、お子さまは自分の好きなものを否定されたように感じて、自己肯定感が下がってしまうことがあります。大人に置き換えて考えてみると分かりやすいのですが、例えば保護者さまに好きな俳優がいたとして、「あの俳優は演技が下手だ」「つまらないドラマばかり出ている。見るのはやめろ」と周りに言われたとします。すると、たらどのように感じるでしょうか?腹立たしい気持ちになるのはもちろんのこと、その俳優のことが好きであればあるほど、自分の根幹を否定されたような悲しい気持ちにもなるのではないでしょうかと思います。

お子さまの場合も同じで、自分が好きなものや夢中になっているものを否定されると、自分そのものを否定されたように感じて、自己肯定感が下がってしまうことがあります。このことからも、ゲームやスマホばかりしてほしくない場合は、ゲームやスマホを否定するのではなく、違うことにも興味を持てるように誘導してあげる方が上手くいく場合が多くなっています。

以下では、勉強をせずにゲームやスマホばかりしてしまうお子さまへの対応として、

①勉強するメリットを実感させる
②ルールを作る


の2つに分けて解説していきます。どちらもお子さまが前向きに勉強に取り組めるようになるための重要なポイントとなっていますので、ぜひご一読いただければと思います。