発達障害と成績向上・受験対策について

発達障害・ギフテッド専門のプロ家庭教師
妻鹿潤
・16年以上1500名以上の指導実績あり
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

発達障害について


この仕事を続ければ続けるほど、発達「障害」という言葉が不適切だと感じてます。
私個人は発達障害のことを「でこぼこ個性」と呼んでます

同年代の友人より、確かに苦手なものはあるものの、得意なものはむしろ秀でてます。
そのため、本来的には、秀でているものを特に伸ばす指導・育成が最適なのだと思ってます。

実際、発達障害を持っているとされる過去の歴史上の偉人は多く、そのほとんどが長所を思いきり伸ばし、発達障害を持っていなければ、そのような歴史的偉業まで到達できなかったように感じます。

例えば、ADHDとLDを持っていたと考えられている発明王エジソンは、「なぜ物は燃えるのだろう」と思って藁を燃やして納屋を延焼させたり、教師が粘土を例にとって「1+1=2」を教えていたら「1個の粘土と1個の粘土を合せたら大きな一個の粘土になるだけではないのか?」と言って、教師を怒らせたりなど、学校から問題児扱いされてました。

坂本竜馬もADHDとLDを持っていたと考えられ、人の話を聞かない、10歳になってもおむつが取れない、字も書けないながら、あのような歴史的偉業を達成してます。

また、広汎性発達障がい(PDD)の自閉症であったと考えられているアインシュタインも、語学や暗記は全くできないものの、数学だけは抜群の成績だったようです。

これは歴史上の人物に限らず、私が接してきた発達障害のお子様もこのように、確かに何かしら大きく苦手なものはあるものの、得意なことは逆に圧倒的にできることが多いため、長所を思い切り伸ばし、苦手は最小限にマイナスを止める指導法で大きく成果を挙げてきました。

発達障害と成績向上


これまでの指導で、発達障害のお子様ほぼ全員の成績向上を実現しました。

発達障害ではないお子様と比べると確かに、何かしらの大きな特徴があることが多いですが、発達障害ではないお子様でも大きな特徴がある場合もありますし、どのお子様も大なり小なり個人差的な特徴があります。

私が接する印象では、発達障害のお子様はその特徴が大きいだけで適切にアプローチすれば十分に成績を向上させることは可能でした。

大切なことは、「発達障害特有の特徴があるかもしれない」と頭の片隅に置きながらも、あまりに意識しすぎることなく、そうでないお子様と同じように「思考をする時」「問題に向き合う時」「人と接する時」、どのような流れで、どのような行動を、どのような強さで行っているか。

そういったことを丁寧に観察していけば、お子様の状態がかなり立体的に見えてきて、そのお子様の状態に合わせて長所伸展法的に伸ばせるところを思いきり伸ばして、伸ばすところが難しいところは必要最小限の対策を行うことで成績を伸ばしてきました。

また、同じADHDやアスペルガー症候群のお子様でも、それぞれ表出している特徴やその強さはそれぞれのお子様で違うため、そこも丁寧に観察することで、ひとくくりに「ADHDだから多動で忘れ物が多い」ではなく、「どういったものに意識が行ってしまうのか、どういった時だと集中するのか」「どのようなタイミングや物だと忘れ物が多くて、どういった時に意識が途切れるのか」を見ていけば、お子様ごとの特徴が見えてきます。

ただ、特に均質性を求める日本の教育とは、正直、相性が悪いと感じてます。
そのため、担当した発達障害のお子様の多くが「自分はダメな生徒だ」や「自分は勉強ができないんだ」と、「後天的」に捉えてしまっていることが多く、こちらの問題の方が深刻です。

そのため、お子様の特徴を特徴としてそのまま受け止め、もちろん、ダメなことをした時にはダメと言うことは大切ですが、それ以上に良い部分もたくさんあること。

ダメなお子様なのではなく、ダメな行動を控えれば良いこと。勉強でも得意な部分からできる実感を感じてもらい、少しずつ勉強や自分自身に自信を持ってもらうアプローチが大切な場合が多いです。

発達障害と受験


正直に申しまして、発達障害のお子様は大学受験よりも高校受験の方が相性が悪いと感じます。

大学受験は国公立受験でも私立受験でも、得意科目に絞った対策ができる余地が多いです。
国公立受験では5教科受験ですが、理科や社会は科目が選べますし、そもそも文系・理系で分かれるので、科目が選べます。また、受験の配点も学校や学部ごとによって異なります。

私立大学でも理科や社会は科目が選べますし、そもそも文系・理系で分かれること、受験の配点も学校や学部ごとによって異なることは同じのため、例えば理数に強いお子様は理数に特化した対策が可能です。

反面、公立高校受験は5教科全て100点と同じ配分だったり、または副教科が内申点に加算されて、その比重が5教科よりも高いことが多く、言わば9教科で「満遍なくできるお子様」を求めていることが分かります。

発達障害のお子様はでこぼこ個性のため、満遍なく全部できることとは相性が悪いため、別記事にある「最短・最速での合格までのアプローチ」にあるように各科目・単元・難易度で問題を絞って、「どこで、何点をとるか。」をできる限り明確化する勉強方法がオススメです。