学童に断られる?発達障害の子に合う放課後の居場所と選び方
- 発達障害のお子さまが学童を利用する際の注意点と準備方法
- 放課後等デイサービスなどの他の選択肢との違いや併用の考え方
- お子さまの特性に合った学童の選び方とチェックポイント
共働き家庭が増える中、放課後にお子さまを預けられる「学童」は、多くの保護者さまにとって頼りになる存在です。ですが、発達障害のあるお子さまの場合、学童の環境にうまくなじめるのか不安を感じることも多いのではないでしょうか。
実際、発達障害のお子さまが学童に通うにあたって、「断られた」「支援が不十分だった」といった声も少なくありません。
この記事では、放課後児童クラブ(学童)と放課後等デイサービスの違いや併用の仕方、学童を選ぶときのチェックポイント、トラブルの実例と対応まで、発達障害専門のプロ家庭教師の視点から、具体的に分かりやすく解説していきます。
「どこに預けたら安心できるのか」「子どもに合った選択肢はあるのか」――そんなお悩みを抱える保護者さまに、少しでもヒントをお届けできましたら幸いです。
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この記事はこんな方におすすめ
- 発達障害やグレーゾーンのお子さまを育てている保護者さま
- 学童や放課後等デイサービスの利用を検討している方
- お子さまにとって安心できる放課後の居場所を探している方
▼目次
発達障害の子は学童に断られるのか?
発達障害のあるお子さまを学童に預けようとしたとき、「要相談」「対応できません」といった対応を受け、不安や戸惑いを感じた保護者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
放課後児童クラブは原則としてすべての就学児が利用できる施設ですが、発達特性への対応は施設ごとに異なり、実際には“断られるケースもある”のが現実です。
ここでは、そうした背景や対応の考え方、保護者さまができる工夫について解説していきます。
利用を断られることはある?
放課後児童クラブの運営体制や方針は施設ごとに異なることもありますが、基本的には厚生労働省が定めた「放課後児童クラブ運営指針」に基づいています。
この指針では、障害のあるお子さまに対しても原則として公平な利用機会が保障されるよう、以下のように記載されています。
つまり、「発達障害だから」という理由で一律に断ることはできません。ただし、受け入れにあたって特別な配慮や人員が必要であり、それが施設側の体制でどうしてもまかなえない場合には、受け入れを見送ることができるとされています。
この“負担が過重でない限り”という表現がグレーゾーンになっており、実際には「支援体制が整わない」と判断され、受け入れを断られるケースも一定数見られます。
特に以下のような場合、実質的に「利用は難しい」と判断されることがあります。
- マンツーマンでの対応が必要だが、支援員の人数が足りていない場合
- 強いこだわりや衝動性があり、トラブルが繰り返される場合
- 保護者との意思疎通が十分でないと判断された場合
放課後児童クラブは、学校のように特別支援教育を専門とする施設ではないため、発達特性に応じた支援が十分に行えないケースもあるというのが、実際の運営現場での課題です。
学童に断られないためにできる準備とは?
発達障害のあるお子さまを放課後児童クラブに通わせたい場合には、申込の前段階からの丁寧な準備がとても大切です。
まず重要なのは、できるだけ具体的に、お子さまの特性や配慮が必要な点を伝えることです。
- 集団が苦手/音や光に過敏/特定の刺激にパニックになる
- 他児への関わり方に不安がある(トラブル歴など)
- どんなときに落ち着くか/逆にどんなことで興奮しやすいか
「特性を伝えたら断られてしまうのでは…」と不安に感じるかもしれませんが、情報共有が十分に行われないまま利用が始まる方がトラブルにつながるリスクが高くなってしまいますので、事前にしっかりと伝えるようにしましょう。
申込段階で確認しておくべきこと
施設によって、発達障害への対応の姿勢は大きく異なります。そのため、以下のポイントを見学や申込時に確認しておくと安心です。
- 「要配慮児」への加配職員がいるかどうか
- 発達障害やグレーゾーンのお子さまへの対応経験があるか
- クールダウンスペースの有無や使いやすさ
- 担当支援員との事前面談の可否
施設の環境を詳しく確認することが難しく感じる場合もあるかもしれませんが、できるだけ詳細に状況を共有し、どこまで工夫や配慮が可能かを施設とすり合わせていくことが大切です。
どうしても受け入れが難しい場合は、「放課後等デイサービス」や「民間学童」「居場所づくり事業」など、別の選択肢を検討する必要があります。
→放課後等デイサービスと学童との違いや併用の仕方については、こちらをご覧ください。
学童で起きやすいトラブルとその背景
放課後児童クラブで最もよくあるトラブルが、他のお子さまにケガをさせてしまったり、物を壊してしまったりするケースです。
「子どもを預かる」という点では保育所と同じであるため、大人がそばにいれば最悪の事態は避けられると考えてしまいがちですが、
・保育園児よりも身体が大きくなっていること
・運動機能が発達していること
などから、支援員の目が届かないうちに、あるいは気付いたとしても力で負けてしまい、事故を防げない場合があります。
特に、高齢の支援員が多い施設の場合は、体格の良いお子さま同士のケンカが止められず、支援員もケガを負ってしまうケースもあります(子ども同士のケンカに関しては、発達障害のお子さまに限らずよくあるトラブルです)。
こうしたトラブルが続くと、施設に通っている他の子どもが「もう学童には行きたくない」と言い出したり、責任問題に発展したりと、事態の収拾がつかなくなり、最終的に「やめてもらえないか」という話になってしまいます。
他にも、一人の支援員が発達障害のお子さまに付きっきりになることで、ほかの子どもたちへの見守りが手薄になってしまう場合もあります。
障害のあるお子さまについては追加で職員を配置することが可能ですが、確定診断の下りていないグレーゾーンのお子さまの場合、追加の職員は配置されないことがあります。
統計によると、1支援の単位(40人)に対し支援員の数が5人以上である施設が最も多くなっていますが、
- 全体の見守り担当2人
- おやつの準備などの雑務担当1人
- 支援の必要な子ども担当2人
といった分担で、かなりギリギリの人員で運営している施設がほとんどです。
また、放課後児童クラブの支援員は特別支援教育の先生ではありませんので、発達障害の特性について正しい知識を持っているとも限りません。学校や専門機関と連携し、適切な対応をしてもらえる施設ももちろんありますが、そうでない場合もありますので注意しましょう。
ただし、発達障害のお子さまが放課後児童クラブを利用することは、マイナスの面ばかりではありません。
同年代の子どもたちと交流することで社会性を身に付けることができますし、子ども同士で助け合いながら過ごすことで、周りの子どもたちも他者への配慮や多様性について学ぶことができます。
特に、支援員が付きっきりになるのではなく、適度に子どもたち同士で交流させ、問題を解決するように促すと、子どもたちは大人が想像する以上に成長してくれることがあります。
- 教室から飛び出してしまうAくんに対し、飛び出しそうになったら周りの子どもたちにすぐに止めるよう頼んだ
- Aくんが教室から飛び出さないよう、Aくんが興味のある遊びをしようと子どもたちから提案があった
- Aくんは回転するものが好きだったので、ぶんぶんゴマを作って遊ぶことにした
支援員の力量によるところも大きいですが、放課後児童クラブは、子どもたちが様々な体験や交流の機会を得られる場でもあります。
また、発達障害といってもその特性はお子さまによって一人ひとり違います。一人遊びに熱中しやすく、多少目を離しても問題が無いお子さまもいれば、衝動性が強く、支援員が常についていないとケガの危険があるお子さまもいらっしゃいます。
多くの放課後児童クラブでは、子どもたちがクールダウンするためのスペースを設けています。
癇癪を起こしやすいお子さまは、そのスペースがどんなものか、落ち着けそうかどうかを確認する必要がありますし、「お気に入りのぬいぐるみがあれば落ち着けそう」というのであれば、持ち込みが可能かを施設に相談する必要があります。
また、じっとしているのが苦手なお子さまは、身体を動かせるスペースがあるかどうかが重要です。
スペースはあっても、子どもたちの人数が多くて自由に使えないのであれば意味がありませんので、実際に子どもたちが利用しているときの様子を確認しましょう。
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学童と放課後等デイサービスの違いと併用の考え方
発達障害のお子さまの放課後の過ごし方として、学童(放課後児童クラブ)と並んでよく比較されるのが「放課後等デイサービス(放デイ)」です。
どちらがより適しているのか、また併用は可能なのか――この章では、保護者さまが迷いやすいポイントについて解説します。
放課後児童クラブと放課後等デイサービスの違い
まずは、それぞれの目的や対象、支援内容の違いを簡単にご紹介します。
- 放課後児童クラブ:共働き家庭の小学生を放課後に預かり、遊びや生活の場を提供する福祉サービス
- 放課後等デイサービス:障害のあるお子さまを対象とした療育や個別支援、社会性の向上を目的とした専門的なサービス
- 利用条件:
・放課後児童クラブは「保護者が昼間家庭にいないこと」が前提
・放課後等デイは障害(または相当と認められた)児童が対象
放課後児童クラブは「安全に過ごせる場所」であり、放課後等デイサービスは「支援・療育を受ける場所」として設計されています。
どちらも大切な場ですが、お子さまの特性や支援の必要性によって、どちらを主に利用すべきかが変わってきます。
放課後児童クラブでは対応が難しいケースも
放課後児童クラブは、支援員の数も限られており、発達特性に対する専門知識を持つ職員が常駐しているわけではありません。
そのため、以下のようなケースでは、放課後等デイサービスの方が適していることが多いといえます。
- こだわりやパニックなどへの対応に専門的な支援が必要
- 社会性やコミュニケーションのトレーニングを受けたい
- 学校でも困り感が強く、放課後も個別支援がないと過ごしづらい
こうした場合には、放課後児童クラブに無理に通わせるよりも、落ち着いた環境の中で療育的支援が受けられる放課後等デイサービスの方が、ご本人にとっても負担が少なくなる可能性があります。
放課後児童クラブと放課後等デイサービスの併用はできる?
結論から言えば、併用は可能です。
例えば、週3日は放課後等デイサービス、週2日は放課後児童クラブという形で使い分けているご家庭もあります。
このように使い分けるメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- 放課後等デイでの療育支援+学童での子ども同士の交流を両立できる
- 本人の様子や疲れやすさに応じて、日ごとに環境を調整できる
- 保護者の就労条件や送迎の都合にも柔軟に対応できる
ただし、実際に併用するには、放課後等デイの利用決定や学童側との調整が必要になります。
自治体や施設によってルールが異なりますので、事前に発達支援センターや児童発達支援事業所などに相談しましょう。
「どちらが良いか」ではなく「どちらが合うか」
放課後児童クラブと放課後等デイサービスのどちらが優れているということではなく、お子さまの特性やその時期の状態に「合っているかどうか」が大切です。
例えば、
- 集団は苦手だが人との関わりは経験させたい
→週に1〜2回学童を試す - 一日の活動で疲れてしまう
→週の前半は放デイ、後半は休養日とする - 支援員との信頼関係が強く、安定している
→学童でも継続的な支援が可能
といったように、様々なパターンが考えられます。
このように組み合わせや頻度を調整しながら、少しずつ「居場所」をつくっていくことが大切です。
次章では、実際に見学する際にチェックしておきたいポイントや、保護者さまができる工夫についてご紹介していきます。
学童の選び方とチェックポイント
ここまでの内容で、放課後児童クラブと放課後等デイサービスの違いや併用についてご紹介してきましたが、実際に学童を選ぶ場面では、「お子さまにとって合っているかどうか」を見極めることが何より大切です。
特に、発達障害のあるお子さまの場合、施設によって環境や支援体制に大きな差があるため、見学や面談を通じてしっかり確認しておくことが重要になります。
見学時に確認したい主なチェックポイント
以下は、見学時に確認したい主なチェックポイントです。
支援員や施設担当者に直接聞いてみても良いですし、お子さまと一緒に訪問して雰囲気を感じ取るのも良いでしょう。
- 子どもたちの人数に対して、支援員の人数は足りているか
- クールダウンできる静かなスペースがあるか
- 活動が全体指示型か、個別対応も柔軟に行われているか
- 送迎の対応(学校からの移動、帰宅時の手段)に無理がないか
- 発達特性への理解や支援経験がある支援員が在籍しているか
- グレーゾーン児への対応をどのようにしているか
お子さまの特性ごとに見る「合う学童」の傾向
発達障害のあるお子さまは、一人ひとりに違った困りごとや得意・不得意があります。
以下のような傾向を参考に、「うちの子にとって通いやすい学童とはどんなところか?」を具体的に考えていただければと思います。
- 騒がしい環境が苦手
→ 少人数制の施設や、静かな活動がある施設 - パニックになりやすい
→ クールダウンのスペースが整っている施設 - じっとしているのが苦手
→ 身体を動かせる活動やスペースが豊富な施設 - 特定のこだわりが強い
→ 柔軟に対応してくれる支援員がいる施設 - 自分のペースで過ごしたい
→ 集団活動ばかりでなく、自由時間が確保されている施設
保護者さまが伝えておきたいこと
お子さまの特性と合わせて、家庭での過ごし方や、困りやすい場面・落ち着きやすい対応方法なども事前に伝えておくと良いでしょう。
また、以下のようなポイントも支援員の方に伝えておくと、スムーズな受け入れにつながりやすくなります。
- 自宅や学校での困りごと(癇癪・こだわり・人とのトラブルなど)
- 過去にうまくいかなかった支援/成功した支援
- ご家庭で大切にしていること(食事・習い事・兄弟関係など)
- どういう状況なら落ち着けるか(例:ぬいぐるみを触る、視線を避けるなど)
支援員は発達支援の専門家であるとは限らないからこそ、家庭からの情報提供がとても貴重です。
一緒に支援の方法を考えていくというスタンスを大切にしていただければと思います。
学童・放課後等デイサービス・その他の選択肢をどう組み合わせるか
ここからは、複数の選択肢をどう組み合わせるかについて具体的に解説していきます。
「断られたら終わり」ではなく複数の選択肢が検討可能
放課後児童クラブ(学童)で受け入れが難しかったとしても、他に選べる放課後の過ごし方はたくさんあります。
- 放課後等デイサービス:発達障害やグレーゾーンのお子さま向けの療育・支援施設
- 民間学童:少人数・手厚い支援・送迎付きなど柔軟な対応が可能
- 習い事・塾:好きな活動を軸に居場所づくりをするご家庭も
- 親族・地域によるサポート:実家や信頼できる人に協力してもらう
どれか一つを選ばなければならないわけではなく、複数を組み合わせて柔軟に対応することが、結果的にご本人にとって負担が少なくなるケースもあります。
以下では、放課後の過ごし方の実際の例をご紹介します。
組み合わせの実例①|放デイ×学童の併用
週に3回は放課後等デイサービスで個別支援を受け、残りの2回は放課後児童クラブでお友だちと過ごすという組み合わせです。
- 放デイ:疲れが出やすい週初め/専門的な支援が必要な日
- 学童:比較的落ち着いて過ごせる日/交流経験を積みたい日
このように曜日ごとに役割を分けることで、お子さまの負担も軽減され、社会性や生活スキルもバランスよく育むことができます。
組み合わせの実例②|居場所がなければ家庭中心で
「学童も放デイも本人がどうしても合わない…」というケースでは、家庭を基点にした生活スタイルも選択肢になり得ます。
- 親族によるサポート(祖父母・兄姉など)
- プロ家庭教師や訪問型支援の導入
- 地域の子育て支援センターや公的サービスとの連携
特に、強い不安や疲れやすさがあるお子さまにとっては、各施設に無理して通うよりも、家庭の中で安心して過ごせる環境を整える方が、結果として良い方向に向かうこともあります。
大切なのは「選択肢を広げる勇気」と「試してみる柔軟さ」
放課後の居場所選びに正解はありません。どの施設にもメリットとデメリットがあり、お子さまの状態や家庭の状況に応じて調整していくことが重要です。
「学童に行けない」=「失敗」ではなく、より合う場所を見つけるプロセスと捉えて、焦らずに進めていただければと思います。
放課後児童クラブの基礎知識
ここからは、放課後児童クラブ(いわゆる学童)について、制度や利用条件、種類の違いなどを分かりやすく整理していきます。
制度の背景や公営・民営の違いを知っておくと、お子さまに合った環境を選ぶヒントにもつながりますので、ぜひ知っておいていただければと思います。
学童(放課後児童クラブ)とは?
放課後児童クラブとは、厚生労働省が所管する「放課後児童健全育成事業」に基づき、保護者が昼間家庭にいない児童を対象に、遊びや生活の場を提供する福祉サービスです。
地域によって「学童保育」「学童クラブ」「育成学級」などの名称が使われますが、いずれも基本的には同じ意味です。この記事では、制度上の正式名称である「放課後児童クラブ」で統一しています。
対象年齢と利用条件
放課後児童クラブは、児童福祉法に基づいて次の2点を満たす小学生が対象とされています。
- 小学校に就学している児童であること
- 保護者が労働などにより昼間家庭にいないこと
以前は「10歳未満」が目安とされていましたが、2015年の法改正により、小学6年生までが対象となりました。
ただし、施設によっては独自に学年制限を設けている場合もあるため、高学年まで利用したい場合は事前確認が必要です。
放課後児童クラブの目的と学校との違い
放課後児童クラブは「預かり」だけが目的ではなく、以下のような健全な育成を目指しています。
授業の終了後に、小学校の余裕教室や児童館などを活用し、適切な遊びや生活の場を与えることで、子どもたちの健全な育成を図る。
(出典:こども家庭庁|放課後児童健全育成事業)
なお、放課後児童クラブと学校は別組織であり、情報共有は原則として行われません。
たとえ学校の教室で運営されていても、学童の支援員と担任の先生は別組織に所属しているため、お子さまの特性や配慮事項はそれぞれに伝える必要があります。
運営主体の違い(公営と民営)
放課後児童クラブには、自治体が直接または委託で運営する「公営型」と、民間団体が独自に運営する「民営型」があります。
- 公営(直営型):市町村が設置・運営
- 公営(委託型):市町村が設置し、運営は民間団体に委託
- 民営:設置も運営も民間団体が行う
公営は安価で利用しやすい反面、支援体制や設備は最小限であることも多いです。
一方で民営の施設は料金が高めな傾向がありますが、その分手厚い支援や独自のプログラムがあることもあります。
どちらが良いというよりは、お子さまの特性や保護者さまの働き方に合っているかを基準に比較・検討することが大切です。
放課後児童クラブを利用するまでの流れ
放課後児童クラブの利用には申込みが必要で、おおまかには、次のようなスケジュールで進みます。
ただし、募集時期や手続きの流れは自治体や施設によって若干異なりますので、詳細はお住まいの自治体に確認するようにしましょう。
-
① 募集開始:
多くの自治体では 9月〜10月頃に翌年度(4月開始分)の募集案内が公開されます。 -
② 選考・申込(必要書類の提出):
申込受付は 10月〜12月頃に設定されることが多く、就労証明書などの必要書類を提出します。 -
③ 利用決定の通知:
選考結果は 12月下旬〜翌年1月頃に通知されるケースが一般的です。
例:南足柄市では12月下旬に結果通知、つくば市では1月中旬に通知。 -
④ 説明会や契約手続き:
利用決定後、2月〜3月頃に説明会や契約手続きが行われ、4月から利用開始となります。
特に都市部では申込者数が定員を超えることもあり、選考が行われるケースもあります。
そのため、確実に利用したい場合は募集開始のタイミングを見逃さず、早めに動くことが大切です。
また、多くの施設で「保護者の勤務証明書」などの書類提出が必要となりますので、勤務先での発行スケジュールもあわせて確認しておくと安心です。
利用決定後には施設ごとの説明会が行われ、持ち物やルール、緊急時の対応などが伝えられます。
送迎やキャンセル時の連絡方法、学年が上がった際の継続手続きなど、事前に確認しておくべき項目も多いため、メモを取りながら話を聞くと良いでしょう。
放課後児童クラブの費用
放課後児童クラブの利用料金は、施設の運営主体や地域によって大きく異なります。
一般的には、公営クラブで月額4,000〜6,000円前後が多く、これに加えておやつ代や行事費などの実費が数百円〜数千円発生します。
一方で、民営クラブでは月額1〜3万円台の設定も珍しくなく、学習支援や習い事、送迎サービスなどが含まれる場合はさらに高額になる傾向があります。
- 月額利用料のボリュームゾーン:
4,000〜6,000円(公営) - 実費徴収:
0〜2,500円程度(おやつ代や材料費) - 民営クラブ:
1〜3万円超/月(サービス内容により変動)
また、低所得世帯や多子世帯に対しては、自治体ごとに減免制度が設けられている場合もあります。
負担軽減措置の対象になるかについて、申請前に市区町村の子育て支援課などに相談しておくと安心です。
開所時間と送り迎え
放課後児童クラブの開所時間は、施設によって異なりますが、平日は放課後〜19時ごろまで、長期休業中は朝8時〜19時ごろまで開いている施設が多くなっています。
共働き世帯では、夏休みや冬休み中の開所日・時間が重要な判断材料になるため、「土曜やお盆も開いているか」なども事前に確認しておきましょう。
送迎体制についても、以下のように施設ごとに差があります。
- 学校から施設まで:
送迎あり/自力移動/保護者送迎など - 施設から自宅まで:
保護者迎え必須/子ども一人帰宅可/送迎あり - 低学年のみ送迎対象という施設もある
発達障害のあるお子さまの場合、移動中に迷子になったり、不安定になったりすることもあるため、個別に配慮してもらえるかどうかを事前に相談しておくことが大切です。
放課後児童クラブでの過ごし方
放課後児童クラブでは、子どもたちは基本的に「自由遊び」を中心に、おやつ・宿題・遊びなどを自分のペースで行います。
支援員(いわゆる学童の先生)がつきっきりで宿題を見たり、遊びの相手を常にしてくれるわけではなく、子ども同士の生活を見守るのが主な役割です。
また、施設によっては、以下のような特色があります。
- イベントや行事が多い(クリスマス会、季節の制作など)
- 外遊びや身体活動が充実している
- 民営の場合、学習支援や習い事機能があることも
お子さまが「一人の時間も大切にしたいタイプ」か、「にぎやかさを楽しめるタイプ」かによって、放課後の過ごし方との相性は大きく変わります。
実際に見学して、在籍児童の年齢層や活動の雰囲気を確認しておくとよいでしょう。
よくある質問Q&A
ここでは、発達障害のお子さまの学童利用や放課後等デイサービスとの関係について、保護者さまから特に多く寄せられるご質問をまとめました。
Q1:グレーゾーンの子も「加配」をお願いできますか?
確定診断がなくても、日常生活で著しい困りごとがある場合は「配慮の必要がある子」として扱われることがあります。
自治体や施設によって判断基準が異なるため、「診断名がなくても困っていることがある」と伝えることが大切です。加配申請は施設側が自治体に要請する形式が多いため、まずは利用希望の学童に相談しましょう。
Q2:学童は何年生まで使えますか?
現在は小学6年生までが対象ですが、高学年の利用は施設によって可否が異なる場合があります。
公設の学童では高学年の定員が少ない傾向にあるため、民営型や習い事併設型に切り替えるご家庭もあります。
放課後等デイは中学生以降の支援も可能なので、学年に応じて使い分けると良いでしょう。
Q3:見学はどのタイミングで行けばいい?
多くの学童では募集前である夏頃(6~8月)に説明会や見学会が実施されます。
ですので、可能であれば夏前や夏休み中に1〜2回、事前訪問するのがおすすめです。
普段の様子や子どもたちの雰囲気を知ることで、パンフレットだけでは見えない「相性」が見えてきます。
Q4:送迎が難しい場合、学童は使えませんか?
学童によっては送迎付きのサービスを提供しているところもあります。
ただし自治体運営の学童では送迎がないケースが多く、保護者による対応が必要になることもあります。
放課後等デイでは送迎付きの施設も多いため、移動がネックなら放課後等デイを優先的に検討するのも一案です。
Q5:トラブルが心配で利用に踏み切れません…
「ケガをさせてしまったらどうしよう」「他の子とトラブルになったら…」と不安になるのは当然のことです。
大切なのは、そうした場面をゼロにすることではなく、起きたときにどう対応してもらえるかを事前に確認しておくことです。
面談の際に「こういう場面ではこうしてほしい」と具体的に伝えたり、連絡体制や対応方針を確認しておくことで、安心して利用することができます。
施設によっては、クールダウンスペースの活用や支援員のフォロー体制など、様々な対応や工夫を行っているところもありますので、見学や面談でチェックしてみていただければと思います。
発達障害のお子さまの放課後児童クラブの選び方|まとめ
この記事では、発達障害のお子さまが放課後児童クラブを利用する際の注意点や放課後等デイサービスとの違い、選び方のチェックポイントなどをご紹介しました。
- 学童は「安全に過ごす場」、放課後等デイは「支援・療育の場」として役割が異なる
- 申込時には特性や配慮事項を具体的に伝えることがトラブル防止につながる
- 見学や面談で支援体制・環境を確認し、お子さまに合うかどうかを判断する
- 学童・放デイ・家庭・習い事など複数の選択肢を柔軟に組み合わせることも可能
放課後児童クラブを選ぶ際には、情報を集めて比較するだけでなく、施設としっかりコミュニケーションを取ることも大切です。
また、放課後児童クラブだけではなく、放課後等デイや習い事など、選択肢を広げて柔軟に検討することで、お子さまに合った放課後の居場所を見つけることができます。
プロ家庭教師メガジュンでは、発達障害・ギフテッド・不登校のお子さま一人ひとりに合った放課後の居場所と学びをご提案しています。
お子さまにあった学びやサポートの場をお探しの方は、ぜひプロ家庭教師メガジュンにご相談ください。
