発達障害の子どもが不安を感じやすいのはなぜ?原因と対策を詳細解説

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    「気に入らないことがあるとすぐに癇癪を起こしてしまう…。」
    「なかなかみんなと一緒に活動してくれない…。」

    お子さまに関して、このようなお悩みがある保護者さまは多くいらっしゃいます。

    これらの困りごとの原因の1つとして、「活動に対する不安」が挙げられます。

    特に、発達障害を持つお子さまは、不安の強さから活動に参加したがらなかったり、想定外の出来事に対して癇癪(パニック)を起こしやすかったりします。

    また、これらのパニックや癇癪は、発達障害の有無に関わらず、幼少期のお子さまにはよく見られる行動です。

    お子さまにスムーズに活動に参加し最後まで取り組んでほしいときには、まずはお子さまが不安に感じていることをしっかりと分析し、その対処法を検討することが大切です。

    この記事では、主に発達障害を持つお子さまが不安を感じやすい原因とそれぞれの状況に応じた効果的な対処法について解説します。

    発達障害専門のプロ家庭教師である筆者が、これまでの指導経験から得た知見をお伝えしていきますので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

    発達障害・ギフテッド専門のプロ家庭教師
    妻鹿潤
    ・16年以上1500名以上の指導実績あり
    ・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
    ・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

    発達障害の子どもが不安を感じやすい主な原因5つ

    発達障害の子どもが不安を感じやすい主な原因5つ

    発達障害のあるお子さまが不安を感じやすい原因には、次のようなものが挙げられます。

    • ① 活動の見通しが持てない
    • ② 想定外の出来事に弱い
    • ③ 自信が無い
    • ④ 思い込みが激しい
    • ⑤ ストレスをためやすい

    それぞれについて、以下で順に解説していきます。

    ①活動の見通しが持てない

    発達障害のあるお子さまが不安を感じる原因として、「見通しが持てないことが苦手」ということが挙げられます。

    定型発達のお子さまは、初めてのことに対して「面白そう」「やってみたい」「頑張るぞ」というポジティブな感情が出てくるのに対して、発達障害のあるお子さまは、「難しそう」「失敗するかも」というネガティブな感情が出やすい傾向にあります。

    <場面例>

    • 運動会や発表会などの行事の練習
    • やったことがないゲーム
    • 病院の診察 など

    発達障害のあるお子さまは、先のことを想像することが苦手なため、見通しが持てないまま活動を始めることに恐怖を感じてしまいます。

    そのため、毎日取り組んでいるルーティーンの活動はできるのに、イレギュラーで発生する運動会や発表会の練習などには参加したがらないというケースがよくあります。

    また、イレギュラーなイベントに頑張って参加していたとしても、実は強いストレスがかかっており、それが他の場面での癇癪や落ち着きの無さなどの問題行動に繋がっていることもあります。

    お家に帰ってきてから特に機嫌が悪い日があり、調べてみると「機嫌が悪い日には必ず運動会の練習があった」というケースも少なくありません。

    初めてやるゲームや学習課題などに対しても同様で、やはり「どうすればよいのか分からない」「うまくいかないかもしれない」「いつまでやらなければいけないのか」などというネガティブな感情から行動できないことがあります。

    さらに、それが習慣化されて「初めてのことはやらない」というこだわり行動へと繋がることもあります。

    ②想定外の出来事に弱い

    ②想定外の出来事に弱い

    先のことを見通すことが苦手なお子さまや、思い込みやこだわりが強いお子さまにとっては、日常の小さな変化や想定外の出来事を受け入れることが難しく、強い不安やストレスから癇癪(パニック)を起こしてしまうことがあります。

    <場面例>

    • 授業科目が急に変更になったとき
    • ゲームに負けたとき
    • 活動時間が延びたとき など

    授業科目が急に変更になることは、小学校や中学校ではよく起こります。

    定型発達のお子さまであれば、例えば国語の授業が急遽英語になったとしても、怒る子はあまりいません(体育が算数になると大ブーイングですが…)。

    変更の理由をきちんと説明すれば、ほとんどの子が納得してくれます。

    しかし、ASDのお子さまは、理由を説明しても受け入れることが難しく、癇癪を起したり活動拒否をしたりしてしまうことがあります。

    これは、ただ英語が嫌いだからやりたくないというだけでなく、国語の予定で気持ちを整理していたのに急に変わってしまって、どうしたらよいか分からずパニックになってしまっていると考えられます。

    「英語でどんなことをするのか」「自分はその活動ができるのか」など、様々な感情が一気に心を占めてしまっているため、気持ちを整理するのに時間がかかります。

    そのため、パニックを起こしているときはまずその不安を取り除いてあげることが大切です。

    また、3時間目の運動会の練習が4時間目まで長引いてしまうというような状況なども、ASDのお子さまにとってはパニックの要因となります。この場合も「3時間目だけのはずだったのに、いつまでやるんだ」「4時間目に予定していた活動はどうなるんだ」と不安になっているため、適切な声かけやフォローが必要になります。

    ③自信が無い

    発達障害のお子さまの中には、自信の無い子が多くいらっしゃいます。

    大人でも苦手なことに挑戦する時は「いやだな、失敗しそうだな」という思いが強くなると思いますが、発達障害のお子さまはあらゆる場面でその感情がより強く出る傾向にあります。

    <場面例>

    • 人前で音読することが苦手
    • 運動会や発表会で歌ったり踊ったりすることが苦手
    • 授業中に文字を書いたり決まったテーマの絵を描いたりすることが苦手 など

    これらは、見通しが持てないことで不安や苦手意識を感じていることもありますが、一度やってうまくいかなかったことがトラウマになってしまって、さらに自信を失ってしまっているとも考えられます。

    特に、学習障害(LD)や協調性運動障害のあるお子さまは、うまく文字が書けなかったり縄跳びが跳べなかったりするなど、他の子と比べてできないことが目に見えやすく、その都度「できない自分はだめな子なんだ」と自信を喪失し、どんどん消極的になっていきます。→学習障害(LD)の詳細はこちら

    それが「苦手なことはやりたくない」というこだわり行動に繋がることもあります。

    ④思い込みが激しい

    ASDなどの特性をもつお子さまは、物事に対する視野が狭く、偏った思考パターンに陥ってしまう傾向があります。

    そのため、初めてのことや苦手なことをしなければならない時や緊張する場面では、極端にネガティブな思考パターンに陥り、それがこだわり行動となって現れます。

    極端な思い込みの例

    • ゲームに負けたらこの世の終わりだ
    • 間違える自分は誰からも認めてもらえない
    • 失敗は絶対に許されない など

    ただでさえそんな心理状態のお子さまが、もし失敗してしまったらどうなるでしょうか。

    さきほど「1.3.③自信が無い」で述べたように、発達障害のお子さまにとって「失敗する」ということはとても大きな挫折となりトラウマになります。

    上手くいかないことが一つでもあると、もう何もかもがうまくいかないというネガティブな思考が爆発してしまい、他の可能性が見えなくなってしまいます。

    そこから軌道修正をするのは難しく、周囲が「失敗しても大丈夫だよ」「もう一度やってごらん」などと声をかけても、すぐに立ち直らせるのは非常に困難であると言えます。

    ⑤ストレスをためやすい

    ⑤ストレスをためやすい

    発達障害のお子さまは、脳の特性によりストレスをためやすい傾向があるといわれています。

    ASDのお子さまは、想像力の弱さや思い込みの激しさ、こだわりの強さのせいで、定型発達のお子さまにとっては何の抵抗もなくできることが苦痛に感じることが多いです。

    特に、視覚や聴覚などの感覚過敏をもつお子さまにとっては、明るすぎる蛍光灯の明かりや周囲の友達の話し声などもストレスになります。

    また、こだわりが強いお子さまは、「本棚の本の向きが揃っていないと気に入らない」「毎回時間通りに授業が終わらないと我慢ができない」など、日常のちょっとしたことでもストレスを感じやすくなります。

    加えて、発達障害の特性の一つに「反芻思考(ぐるぐる思考)」というものがあります。過去の嫌な出来事を繰り返し思い出してしまうというもので、このようなストレスがずっと続くと抑うつ状態に陥ってしまう場合もあります。

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    発達障害の子どもが不安を感じている場面での対処法5つ

    前章では、発達障害の子どもが不安を感じやすい原因についてお伝えしました。

    原因はどれか1つにあてはまるというよりは、各々の原因が相互に関わり合っているケースがほとんどです。

    この章では、お子さまが不安を感じそうな場面で事前にできる対処法とパニックになってしまった時の対処法についてお伝えします。

    不安やパニックへの対処方法

    • ① 事前に活動内容を提示して見通しを持たせる
    • ② 予定変更や想定外のことが起こった時の対処法を確認しておく
    • ③ 事前の予行練習で自信を持たせる
    • ④ 別の考え方を提示して発想を転換させる
    • ⑤ スモールステップで少しずつ成功体験を養う

    ①事前に活動内容を提示して見通しを持たせる

    ①事前に活動内容を提示して見通しを持たせる

    先のことを想像したり見通しがもてなかったりすることで不安を感じてしまうお子さまには、不安を「見える形」で事前に示してあげることが大切です。

    例えば、活動前に「『きょうのよてい』ボード」を示しながら活動内容を具体的に伝えてから取り組むだけでも、お子さまは安心して活動に参加しやすくなります。

    「きょうのよてい」ボード
    「きょうのよてい」ボード

    特に、歯科検診や全校行事など、イレギュラーに発生する活動に関しては、写真や絵などを使って説明すると活動のイメージを持ちやすくなります。

    歯科検診に抵抗がある子であれば、検診で実際に使用する道具(おもちゃでも可)を示して歯医者さんごっこをしながら事前に練習してもよいでしょう。

    また、初めてやるゲームや学習課題などに対しても、絵カードなど使って細かくやり方を示したり選択肢を用意したりしておくことで、お子さまが「これならできそう」というプラスの感情を持ってスムーズに活動に参加しやすくなります。

    買い物ゲームのせつめいカード
    買い物ゲームのせつめいカード

    お子さまが何に対して不安を感じているのかを分析して、その不安を事前に見える化しておくことが安心感につながりますので、ぜひ実践していただければと思います。

    ②予定変更や想定外のことが起こった時の対処法を確認しておく

    私が以前に指導していたASD(自閉症スペクトラム障害)をもつAくんは、自分が想定していなかったことが起きると、いつも癇癪を起こして暴言を吐いたり活動拒否をしたりしていました。

    そんなAくんの特性を理解していたので、できるだけこちらも急な授業変更はしないよう心がけていました。ですが、どうしても授業の内容や時間の変更が必要になることもありました。

    そこで予防策として、2.1.で伝えた「『きょうのよてい』カード」を提示する際に、

    • 予定が変更になることもあること
    • その時はどうすれば安心できるか

    ということまでAくんと一緒に確認するようにしました。

    Aくんとの具体的なやりとり

    先生
    「今日は最初に国語の感想文の宿題をやります。感想文を書くのに時間がかかったら、次の算数のドリルをする時間が少なくなるかもしれません。何か心配なことはある?」
    Aくん
    「そしたら算数はどうなるの?」
    先生
    「できれば感想文を最後まで書いてしまいたいので、算数はまた今度やろうと思うよ。それでもいい?」
    Aくん
    「感想文が書けるかわからない。でも算数もやりたい…。」
    先生
    「じゃあ時間を決めようか?感想文はどんなに延びても16時までにして、そのあと15分だけ算数にしようか?」
    Aくん
    「それでいいよ」
    先生
    「また、その時になって気持ちが変わったら終わりの時間を変えていいからね」

    このように、予定が変更される可能性があることをあらかじめ伝えておくことに加えて、その際の対応策をお子さまと一緒に決めておくことで、できるだけ直前の急な変更によるパニックを防ぐようにしていました。

    また、お子さまに発破をかけるためによく使われる「この課題が早く終わったら残りは遊びの時間にしていいよ」というような曖昧な約束や、できない可能性もあるのに期待させてしまうような約束はしないようにしていました。

    もし頑張って早く終わったらAくんを大いに褒め、その場で「じゃあ早く終わったから10分だけ遊ぶ時間にしようね」と伝えていました。

    ですが、どうしても急に予定を変更せざるを得ないこともありました。そんなときは、「どのようにAくんに伝えたらよいか」「Aくんの不安を取り除くためにどんなことができるか」という2点にいつも配慮するようにしていました。

    それでも癇癪を起してしまった時は、無理強いをせず、パニック状態を長引かせないようクールダウンすることを目標に切り替えて対応していました。

    このような対応を繰り返していくと、お子さまは「思い通りにならいこともある」ということや「想定外のことがあっても自分は大丈夫」「不安でパニックになっても受け入れてもらえる」という安心感が生まれ、想定外の出来事でも少しずつ受け入れることができるようになっていきます。

    大切なのは、パニックになっているお子さまの不安に寄り添うことと、一緒に解決策を考えていくことですので、ぜひ意識していただければと思います。

    ③事前の予行練習で自信を持たせる

    ③事前の予行練習で自信を持たせる

    活動に対して「失敗するかもしれない」というネガティブな思考が強いお子さまには、事前の予行練習が効果的です。

    例えば、学校の授業で夏休みの思い出発表会がある時は、事前にご家庭で原稿を用意し、発表の練習をしておきます。

    このとき、きっちり本番と同じようなやり方でリハーサルすることで安心できる子、歯医者さんごっこや発表会ごっこのように遊び感覚でリハーサルしたほうが乗り気になる子など、お子さまの性格や不安の度合いに応じてやり方を変えるといいでしょう。

    実はこの方法は、定型発達のお子さまにとっても有効です。

    例えば、算数が苦手・嫌いという子は算数の授業に対して消極的です。彼らの表情からは、「先生の言っていることがわからない」「当てられたらどうしよう」「一生懸命やってもきっと理解できない」という不安が見られます。

    ですが、授業に先立って、授業で扱う問題と解き方のヒントを与えておくと、授業で手を挙げて発言できるほど自信をもって参加できるようになります。大人でも、やることがわかっていてある程度できるという保証があると、安心して取り組むことができますよね。

    分からないことに対する不安や自信の無さは、勉強に対するモチベーションの低さにもつながります。

    例えば、中学生以上のお子さまによく見られるような「英語は得意だけど、数学は苦手だからやる気が出ない」といったケースも根本的な原因は同じです。

    自分にはどうせ分からない
     ↓
    授業に積極的に参加できない
     ↓
    ますますわからなくなる

    という悪循環に陥ってしまうお子さまは非常に多いです。

    このような場合には、塾やプロ家庭教師を利用して学校の授業の内容を予習しておくと、苦手意識が払拭されて授業に前向きに参加できるようになり、成績アップにつながることが多いです。

    ただし、学校の課題に対して事前に練習をしておくためには、担任の先生との情報共有が欠かせません。

    お子さまがどんなことに不安を感じやすいのか、どのような対策をするとその不安が解消されそうかなど、日頃からお子さまの特性について先生と相談しておくことで、先生も事前の対策がしやすくなります。

    例えば、「来週の国語は作文を書くから、Aくんは嫌がりそうだな。おうちの方に連絡しておこう」と先生が判断して、ご家庭に連絡します。

    そして、ご家庭で家庭教師の先生と一緒に作文の下書きをしておいたことで、当日の授業では何の問題もなく課題に取り組むことができたというケースも実際にあります。

    お子さまの周りにいる大人が連携しながらサポートすることで、お子さま自身もみんなが助けてくれるという安心感を得ることができます。

    ですので、「お子さまがどんなことに不安を感じやすいか」についてはぜひ学校の先生とも共有していただければと思います。

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    ④別の考え方を提示して発想を転換させる

    発達障害をもつお子さまは、物事に対して「0か100」という基準で見てしまい、完璧でなければ失敗だ、もう自分はだめだという思いが強くなってしまう傾向にあります(=白黒思考、完璧主義)。

    視野が狭く、ネガティブな思い込みが強いお子さまに対しては、別の考え方を提示してあげることで気分が変わることがあります。

    例えば、プリントで1問でも間違えてしまうとパニックになってしまい、最後までできないお子さまに対しては、ミスをしそうなタイミングで声をかけて修正させるなど、ミスをしないように誘導することでパニックを防ぐことができます。

    ただし、毎回そのような声掛けをすることは難しく、どうしても間違えてしまうことはあります。

    そんなときは、まずは本人の悔しい気持ちをしっかりと受け止めた上で、「このプリントは90点で合格だよ!Aくんは合格だからシールごほうびGETだね。どのシールがいいかな?」などと声を掛け、「1問間違えてしまった」という考えから「合格点が取れて素晴らしかった」という考えに転換させて気持ちをリセットできるようサポートしていきます。

    また、このように「失敗したところはあっても頑張りは認めてもらえるんだ」という経験が増えていくことで、少しずつ白黒思考や完璧主義から抜け出していくことができます。

    >>関連記事:【ギフテッド実例】白黒思考で完璧主義なお子さまへの関わり方を解説|2E型・こだわり・特徴・教育法

    ⑤スモールステップで少しずつ成功体験を

    ⑤スモールステップで少しずつ成功体験を

    発達障害のあるお子さまは、他の子が軽くこなしてしまうような課題に対しても強い抵抗感を示すことがあります。

    その根本には「先が見えないこと」や「自信の無さ」から生じる不安感があり、それを無理してやり続けることは、お子さまに強いストレスを与えます。

    そのため、お子さまの不安やストレスを軽減するためには、「できた」という経験を増やし次につながる自信をつけさせてあげる必要があります。

    例えば、やるべき課題が5つあった場合は、事前に「5つあるけど、そのうち2つでもできたら、はなまるだよ」とその子の能力やその日の調子に応じて目標を低く設定することで、お子さまの不安感を減らすことができます。

    このとき注意していただきたいのは、お子さまが2つできたからといって欲を出して3つめ・4つめを無理にやらせないことです。

    お子さまの調子が上がってきて自ら取り組む姿勢を見せた場合は構いませんが、不安そうにしている場合はそれ以上は求めずに、「はなまるクリアできたね!」と頑張って取り組んだ2つのことを大いに褒めてあげましょう。

    例えば、発表会では、必ずしもみんなの前でしっかり声を出して発表できることだけが成功ではありません。

    みんなの前に立って声を出すことが無理ならば、事前に担任の先生にお願いして家で録音したものを流してもらうなど、別の選択肢を与えても構いません。

    「発表会に参加した」「みんなの前に立った」ということがお子さまにとって次のステップへの自信になります。

    今のお子さまにとって何ができたら“はなまる”なのか、学校の先生とも十分に話し合いながら、お子さまが自信を持てるようにサポートしていただければと思います。

    まとめ~不安を安心に変えるために親ができること~

    まとめ~不安を安心に変えるために親ができること~

    この記事では、発達障害の子どもが不安を感じやすい原因と対処法について詳しく解説してきました。改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。

    POINT
    • 発達障害の子どもは、その特性によって様々な場面で強い不安感に襲われ、それが原因でパニックや癇癪、活動拒否などの問題行動が起こる
    • 不安を感じる原因や場面を分析することで、対処法が見つかる
    • 事前の見通しを持たせることで不安を減らすことができる
    • 予定変更や想定外のことが起こったときの対処法を確認しておくことが大切
    • 事前の予行練習により自信を持たせると良い
    • 別の考え方を提示して発想を転換させる
    • スモールステップで少しずつ成功体験を増やす

    発達障害のお子さまは、日常のあらゆる場面で不安を感じています。それを「失敗しても大丈夫だからやってごらん」「みんなできてるんだから、あなたもやって」などと無理強いしてしまうと、余計にストレスや不安が強くなってしまいます。

    ですので、まずは周囲の大人がお子さまの特性を把握し、彼らの不安にしっかり寄り添うことが大切です。

    不安を吐露できる環境を作ったり、お子さまをしっかり抱きしめてあげたりするなど、周囲の対応の仕方でお子さまの気持ちが落ち着くこともあります。

    そして、上で述べてきた対策をしても彼らの不安が消えないときは、その不安を引き起こしていることを辞めたり、その場から離れたりしても構いません。

    まずはお子さまの心を落ち着かせ、安心して生活できるような環境を作ることが最も大切です。

    そうすれば、お子さまも少しずつ「不安なことがあっても大丈夫」「またすぐに安心できる」という考え方ができるようになってきます。

    私たちプロ家庭教師メガジュンでは、長年にわたり発達障害のお子さまの支援を行ってきました。

    「発達障害だから~」と決めつけるのではなく、また、知識だけに頼り切るのではなく、目の前のお子さまと真摯に向き合い、一人ひとりの状態を丁寧に把握しサポートしてまいります。

    • 発達障害について相談しても、一般的なことしか答えてもらえず困っている
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    などのお悩みがある方は、ぜひ一度プロ家庭教師メガジュンまでお問い合わせください。

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