【ギフテッド実例】白黒思考で完璧主義なお子さまへの関わり方を解説|2E型・こだわり・特徴・教育法

ギフテッドのお子さまの中には、白黒思考や完璧主義になりやすく、「完璧にできなくちゃ嫌だ!」というこだわりが強いタイプの方がいらっしゃいます。

例えば、国語や算数の勉強は非常に得意で自分からどんどん取り組める一方で、図工で絵を描く課題が出ると、「思ったように上手く描けない」とすぐに投げ出してしまうようなお子さまの場合です。

ギフテッド専門のプロ家庭教師メガジュンでは、このように完璧主義なギフテッドのお子さまが、物事にほどほどに折り合いを付け、できるだけストレスを感じず柔軟に生きていく力を身に付けるためのサポートを行っています。

以下では、実際にご相談のあったケースを元に、白黒思考・完璧主義が強いギフテッドのお子さまへの関わり方のポイントについて具体的に解説していきます。

<この記事はこんな方にオススメ>

  • お子さまの完璧主義が強くて困っている
  • 得意なことには前向きだが、苦手なことはすぐ諦めたり避けたりする
  • 自分の思い通りにならないと機嫌が悪くなる

ギフテッドのお子さまのことでお悩みの方に役立つ内容になっていますので、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。

発達障害専門のプロ家庭教師
妻鹿潤
・16年以上1500名以上の指導実績あり
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

【ギフテッド実例】苦手なことをすぐに投げ出してしまうCさん

【ギフテッド実例】苦手なことをすぐに投げ出してしまうCさん

Cさんは、小学3年生の女の子で、学校の勉強がとても得意です。
特に国語と理科が得意で、小学2年生ながら柄谷行人や鷲田清一といった哲学者の著作を読み、その内容について保護者さまと議論を交わすこともあるそうです。

Cさんのお母さまも哲学に関して造詣が深いため、Cさんのお話の相手は十分にできているそうですが、「わが娘ながら、小学3年生とは思えないほど抽象的な内容でもきちんと理解できている」と感心しておられました。

さらにCさんは理科も得意で、特にサメの生態について強い関心を持っていました。
Cさんのお気に入りはノコギリザメで、図鑑を眺めるだけでなく、図書館で専門書を借りて読んだりしているとのことでした。

Cさんは学校の成績も申し分なく、三段階評価でオール3が取れていました。

ここまで聞くと、Cさんは何も困りごとが無く、順調に日々を過ごせているように思いますが、保護者さまはCさんのある一面を心配されていました。

それは、Cさんは自分が得意なことについては積極的にどんどん取り組める一方で、自分が苦手なことに直面したり、思い通りにいかないことがあったりすると、機嫌が悪くなったり、投げ出してしまったりすることがあるという点です。

Cさんのこうした一面を象徴するエピソードとして、小学2年生の夏休みの宿題の一件があります。

Cさんが小学2年生の夏休みに、図工の宿題として「夏休みの思い出の絵を描くこと」という課題が出されました。

そこでCさんは、家族旅行で行った伊勢神宮の絵を描こうとしたのですが、思ったように鳥居の絵が描けず、イライラして道具を雑に扱い、最終的には「もう描きたくない」と言って片付けもしないまま自分の部屋に閉じこもってしまったそうです。
これ以外にも似たようなケースで、「習字で上手く書けない」「学級新聞の清書が上手くできない」といった場面でも、Cさんは拗ねて投げ出してしまうことがありました。

また、少しパターンは違いますが、算数のテストでケアレスミスをしてしまったとき、それまでずっと100点満点が続いていたCさんは「こんなミスをしてしまうなんて」と落ち込み、ご飯が喉を通らない状況が数日続いたとのことです。

保護者さまは、Cさんのそのような様子を見て、「このままではCはすごく生きづらい人生になってしまうのではないか。もう少し気楽に、完璧主義ではない考え方を身に付けてほしい」と考えるようになりました。

しかしながら、Cさんは勉強に困っているわけでは無いため、単なる塾や家庭教師を利用するだけではこうした困りごとを解決することは難しいと保護者さまは考えました。
学校の先生にも面談の際に「Cさんの完璧主義な一面を心配している」と伝えたそうですが、クラスにはCさんよりも困難な状況にある子がたくさんいることもあり、「少しずつ良くなりますよ」と言われただけでした。

そこでCさんの保護者さまは、インターネットで「家庭教師 ギフテッド」と検索し、勉強だけでなく心の在り方や生き方まで目を向けてサポートしてくれそうなサービスを探すことにしたそうです。

そんな中、Cさんの保護者さまはプロ家庭教師メガジュンの以下の記事をご覧になってくださいました。

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この記事を読み、保護者さまは「ここならCの心の面にしっかりと目を向け、サポートしてくれそうだ」と感じてお問合せをしてくださったそうです。

我々もCさんの保護者さまからのメールを拝見し、ぜひCさんの力になりたいと考えました。

また、Cさんのような完璧主義や白黒思考が強いギフテッドのお子さまをサポートさせていただいた経験も多くあるため、プロ家庭教師メガジュンのこれまでの知見を活かしながらサポートすることが可能であると考えました。
そこで早速、私たちはオンラインで保護者さまとの面談を行い、Cさんの困りごとと改善策について整理し、サポートを始めていくことにしました。

次の章から、サポートの流れについて詳しくご紹介していきます。

【ギフテッド実例】完璧主義・白黒思考の改善方法

【ギフテッド実例】完璧主義・白黒思考の改善方法

子どもの完璧主義については、「親の育て方が原因(過程ではなく結果を褒める、失敗を責めるなど)」と言われていることがありますが、必ずしも育て方だけが原因ではありません。

実際にCさんの保護者さまも、Cさんの失敗を責めるような言い方はこれまでしたことがないと仰っていました。
ただし、Cさんは学校のテストではいつも100点が取れているため、「100点が取れてすごいね」と結果を褒める言い方になってしまうことは多いと仰っていました。

そこで、保護者さまがまずできることとして、「結果だけでなく過程を褒める」ということを意識していただくようにしました。

「計算ドリルができたね」「漢字を15回ずつ練習したんだ、大変なのにすごいね」など、Cさんが当たり前のようにこれまでできていたことでも、改めて口に出して褒め、保護者さまは結果だけでなく過程もしっかり見ているということを伝えていただくことにしました。
もちろん、いきなり褒めだすとCさんも違和感を持ってしまうため、初めのうちはさり気なく褒めるようにし、徐々に過程を褒める頻度を増やすようなイメージで取り組んでいただくようにしました。

また、ギフテッドのお子さまが白黒思考になりやすい一因として、「失敗の経験が極端に少ない」ということが挙げられます。

ギフテッドのお子さまは他のお子さまに比べると知能の発達が早く、同じ年齢の子どもができないことでも易々とクリアできることが多いため、「できない自分」に直面することがほとんどありません。
そのため、「失敗する」という経験がそもそも少ないため、ちょっとした失敗でも大きなショックを受けてしまう場合が多いです。

こうした点に関しては、「失敗は大したことではない」「優秀な人でも失敗する」ということを少しずつ学び、失敗に慣れていくことで改善することができます。

さらにギフテッドのお子さまの場合は、失敗を分析し、知的好奇心を刺激することによって失敗を受け入れる姿勢を身に付けるという方法も効果的です。

例えば、Cさんのように「鳥居の絵が上手く描けなかった」というときには、「どの線とどの線が平行なのか」を改めて見返して改善点を見つけたり、さらにダイナミックにするために三点透視図法を調べてみたりするなど、「できない!」という感情で終わらせず、「なぜできないんだろう?」という疑問へと感情を変換することで、失敗を前向きに捉えて改善することができるようになる場合が多いです。

Cさんの完璧主義が出やすい場面は、

  • 図工や書写で思ったように表現できない
  • ケアレスミスをしてしまう

の2つでしたので、「図工や書写で思ったように表現できない」に関しては技法を調べるなど改善点を見つけていく方法で、「ケアレスミスをしてしまう」に関しては、ケアレスミスを防ぐ方法を考えながらも、「人は誰しもミスをしてしまう」ということを受けられるようサポートしていく方針としました。

面談の中で、Cさんの完璧主義・白黒思考の原因や改善方法をお話ししていくと、保護者さまはとても安心してくださり、面談終了後に以下のようなコメントをくださいました。

<Cさんの保護者さまからの初回面談終了後のコメント>

本日は面談いただきましてありがとうございました。
Cの完璧主義や白黒思考がどこから来ているのか、丁寧に分析してくださったことで親としてもとても安心し、今後の見通しも持つことができました。

「育て方が悪かったのかな」と自分たちを責めることもありましたが、「ギフテッドの子で完璧主義になることは多いです」と言い切ってくださったことで、肩の荷が下りた感じもします。
これからは仰っていただいたように、過程を意識した声掛けをしていこうと思います。

また、失敗を受容する姿勢について身に付けられるようサポートをお世話になりますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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【ギフテッド実例】Cさんが失敗を受け入れられるようになるまで

【ギフテッド実例】Cさんが失敗を受け入れられるようになるまで

Cさんの授業は週1回、その日出た学校の宿題を一緒に解いた後に、1週間分の「良かったこと・上手くいったこと」と「上手くいかなかったこと」についてお話しするという構成にしました。

まず、宿題についてはCさんは「やって当たり前」という高いレベルにいましたが、逆にCさん自身のハードルを上げてしまっている面もあると考えられました。

初回の面談後、保護者さまからも「宿題をやること自体がすごいことだよ」と改めて褒めてもらっていましたが、週1のプロ家庭教師の授業においても「それ自体がすごいことだ」という認識をCさんに持ってもらいたかったからです。

Cさんは学校でも優等生であると周りから見られており、「優等生でいなければならない」というプレッシャーを感じやすい状況にあります。
そのため、学校とは違うプロ家庭教師による授業によって、Cさんの中に違う評価や価値観が生まれれば良いなと考えました。
また、宿題に取り組む中でケアレスミスなどがあれば失敗を学ぶ良い機会になるとも考えましたが、基本的にCさんはミスをしなかったため、失敗を学ぶ機会としてはあまり活用できませんでした。

一方で、Cさんにとって「失敗」は非常にレアな経験であることも分かり、失敗することはCさんの9年間の人生の中で非常に大きなインパクトを与えるものであることが分かりました。
そうしたCさんの状況を理解する上では「プロ家庭教師と一緒に宿題をする」ということは大きな意味があったと考えます。

後半の「1週間分の『良かったこと・上手くいったこと』と『上手くいかなかったこと』についてお話しする」という時間は、Cさんが失敗を受容し、原因を分析して次につなげるという習慣のきっかけになればと思い設定しました。

担当講師がプリントを作成し、上半分に『良かったこと・上手くいったこと』を、下半分に『上手くいかなかったこと』を書いてもらうことにしました。
各5行ずつのレイアウトですが、Cさんが“完璧”を目指してしまわないよう、「思いつかなければ書かなくてよい」とあらかじめ伝えました。

授業が始まった当初、Cさんは「上手くいかなかったこと」をあまり書いてきませんでした。

完璧主義のお子さまの場合、失敗に目を向けること自体に抵抗感を示すことがあります。
とはいえ、「本当に上手くいかなかったことはないの?」とCさんを問い詰めるような形になってしまってはいけないため、「上手くいかなかったこと」に何も書かれていないときは、「上手くいったこと」についてお話しし、Cさんとの信頼関係を築いていくことにしました。

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そんな中、Cさんはある日の授業で「上手くいかなかったこと」を書いてきてくれました。
その内容は、次のようなものでした。

<Cさんの上手くいかなかったこと>

授業中にAさんとBさんがおしゃべりしていたので、注意しました。
それからAさんとBさんは私と話さないようになり、私の方をチラチラ見ながら何か悪口を言っているように見えることもあります。
注意しない方が良かったのかなと思いました。

「良かれと思って注意したのに、そのせいで関係が悪くなってしまった」というCさんのエピソードは、真面目なタイプのお子さまによくあるものです。

加えてギフテッドのお子さまの場合は「おしゃべりが我慢できない」「授業に集中できない」という他の子の感覚が理解しづらいこともあり、「なぜそんな簡単なこと(静かに授業を聴く)」ができないのだろう?」とストレスを感じてしまうこともあります。

Cさんがこのエピソードを書いてきてくれたとき、講師はCさんをまずはたくさん褒めました。

「Cさんはいつも静かに授業を聴けているんですね。それに、クラスメイトに注意できるのも立派なことだと思います。だけど、結果としてAさん、Bさんとは仲が悪くなってしまったことが気がかりなんですね」

「そうです。注意しない方が良かったのかなって思います」

Cさんの答えからは、「注意するか、しないか」という二者択一の考え方になっていることが見受けられました。

  • 注意すること=失敗
  • 注意しないこと=成功

という白黒思考にもつながるものがあると考えた講師は、失敗でも成功でもない「中間/グレーゾーン」があることにCさんに気付けるようにアドバイスしていくことにしました。

「でも、注意しなかったらAさんとBさんはおしゃべりを続けていたかもしれませんね」
「確かにそうかもしれないです」
「そうしたら、Cさんはイライラしたり、周りの人も授業に集中できなかったりしたかもしれないですね」
「それは、その通りです」
「じゃあ、注意したことでAさんとBさんが静かになって、良かった面もあると考えられますね」

Cさんは講師の話を聴いて、「なるほど」という表情になってくれました。

「つまり、『注意をした』という行動には、良かった面も悪かった面も両方あるのだと、先生は思います」
「なるほど…。『注意しなきゃよかった』と思っていたけれど、ちょっと気持ちが楽になりました」
「Cさんがそう言ってくれて先生も嬉しいです。あともう一つ、先生からアドバイスしても良いですか?」
「何ですか、聴きたいです」

もう一つの観点は、ギフテッドのお子さまにとても効果的な「分析する」という視点です。

思い通りに物事が進まなかったときに、上手くいかなかったことに対して怒ったり悲しんだりするのではなく、「なぜ上手くいかなかったんだろう?」と分析の視点で捉え、次につなげていくという習慣が身に付けられると、日常生活で感じるストレスを大幅に軽減することができます。

これは、いわゆる「PDCAサイクルを回す」ということなのですが、ギフテッドのお子さまは知的好奇心が強く、考えること自体が好きな方が多いため、イライラしたり落ち込んだりする心の動きを、「考える」という頭の動きに変換しやすいという強みがあります。

定型発達のお子さまの場合は、考えることよりも心の動き(感情)が上回ってしまうことも多く、こうしたアドバイスはなかなか実践しづらいのですが、ギフテッドのお子さまの場合は講師が「こうすれば良いよ」と教えるだけで実践できるケースが多いです。

講師は「分析」の視点について、Cさんに次のように具体的にお伝えしました。

「今回の場合だと、『なぜAさんとBさんはCさんを避けるようになったのか』という点がポイントですね」
「私が二人を注意したから、ですか?」
「そうですね。では、なぜ注意されたからといって相手を避けるんでしょう」
「腹が立ったり、嫌な気持ちになったりしたからでしょうか」
「そうかもしれないですね。では、腹が立ったり嫌な気持ちになったりしなければ、二人がCさんを避けることもなかったかもしれません」

Cさんはここでしばらく考えこんでいたので、講師もCさんの答えをじっくりと待ちました。

「注意されると腹が立つ、という気持ちは分かります。だから、注意しないんじゃなくて、ええっと…伝え方?みたいなことが大切なのかなと思いました」
「さすがCさん、良いアイデアですね」

Cさんは、講師が気付いてほしかった点にまさに気付いてくれました。

真面目で優等生タイプのお子さまと周りの子どもたちとの間に軋轢ができてしまうとき、その原因として「声の掛け方のトーンが強すぎる」というケースは非常に多いです。

ギフテッドとはいえ、お子さまはまだまだ社会経験が少なく、コミュニケーションのバリエーションも多くはありません。
また、あくまでギフテッドのお子さまは「正しいこと(正論)」を言っているため、自信があり、堂々とした言い方になってしまうことも多いです。

論理性に乏しく正当性の無い内容を話すとき(例えば「言い訳」など)、人間は往々にして小さな声で自信無さげにしゃべってしまいます。
ですが、ギフテッドのお子さまの話し方・伝え方はその逆であると捉えると理解しやすいと思います。

Cさんは失敗を分析し、自分自身で「伝え方の問題」に気付くことができました。

「もっと優しく言うとかができれば良いと思いました」
「そうですね。他にも、おしゃべりしている人に『静かにして』と直接言うのではなく、『先生が○○の話をしているよ。一緒に聴こうよ』と誘いかける形などもありますね」
「なるほど!いろんなパターンがあるんですね」

Cさんは講師の提案した「誘いかける言い方」にとても感銘を受けた様子だったので、講師は他にも「先生の声が聞こえにくいから、ちょっと小さい声で話してくれる?」と自分の困り感を伝える方法なども教えました。

Cさんは、「注意の仕方や伝え方にはいろいろな方法がある」ということに強い関心を持ったようでしたので、さらに学べるように以下の参考文献を紹介しました。

<コミュニケーションのための参考文献>

大人向けの本もありますが、Cさんの理解力があれば十分読み切れるものばかりです。

コミュニケーション能力は、社会的な経験を重ねていく中で成長していきますが、小学生同士のやり取りだと限界があります。
そのため、こうした書籍から知識を身に付けるのはギフテッドのCさんにとってはとても良い方法で、効果が出ることが多いです。

Cさんは紹介した本を「早速読んでみます!」と今までにないワクワクした表情で答えてくれました。

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【ギフテッド実例】白黒思考・完璧主義の改善のポイント

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「おしゃべりしているクラスメイトへの注意の仕方」の件をきっかけに、Cさんの視野はぐっと広がったようでした。

これまでは、クラスメイトが先生の話を聴けなかったり、授業に集中できていなかったりすると、Cさんは内心では「どうしてそんなこともできないんだろう」と批判的な気持ちで捉えることが多かったそうですが、最近は「そういう子もいるんだな」「どんな伝え方をしたら改善できるんだろう」と一歩引いて考えることができるようになったそうです。

それと同時に、CさんはCさん自身に対しても客観的な視点を持つことができるようになってきました。

例えば、以前は図工や書写の時間で「思ったように表現できない自分」に憤りを感じていましたが、「自分はこれが苦手なのだ」と理解した上で挑めるようになったため、「どうやったら上手くできるかな?」「前よりは上手くできて良かった」と、分析を通して今の自分の現状を冷静に受け止めることができるようになっていました。

以前のCさんは、自分の思い通りになれば100点、そうでなければ0点といった極端な思考に陥ってしまっていて、思い通りにいかないときにショックを受けたり、投げ出したりしてしまっていましたが、今は80点くらいの出来であっても前向きに捉え、次につなげれば良い、という穏やかな考え方ができるようになっていました。

Cさんの保護者さまも、Cさんの変化に驚き、そしてとても喜んでくださいました。
特に、コミュニケーションに関する本を読みたいとCさんが言ったときには明らかな変化を感じたそうで、「Cなりに視野を広げようとしていることが分かり、親バカかもしれないが、我が子の成長を感じてとても嬉しかった」と仰ってくださいました。

コミュニケーションに関する学びが白黒思考・完璧主義の改善に結び付くことは、当初は予想していませんでした。

ですが、ギフテッドのお子さま自身、完璧に近い形で勉強をこなしたり、日常生活を送れたりするからこそ、ちょっとしたミスが受け入れられないことが白黒思考・完璧主義の原因となっていることを踏まえると、決して完璧とは言えない他者の存在への理解を深めることが、「完璧であることは当たり前ではない」という事実に気付くことにつながり、ひいては白黒思考・完璧主義の改善へとつながったことは、ごく自然なこととも言えるかもしれません。

また、Cさんには完璧主義なところがあったため、保護者さまはCさんに中学受験をさせるかどうか非常に迷っておられました。

というのも、中学受験の勉強を進める中で解けない問題に直面すると、完璧主義のCさんは投げ出したり、ストレスを感じたりするのではないかと保護者さまは心配されていたからです。

ですが、メガジュンの家庭教師の授業を通してCさんの完璧主義は改善しつつあったので、保護者さまは今後、Cさんに中学受験を提案してみたいと仰っていました。
私どもとしては、中学受験をすることで、進学先ではCさんの知的好奇心を満たすレベルの高い授業が受けられるので、とてもオススメであることをお伝えしました。

また、中学受験の勉強を進める中で、Cさんの解けない問題にも必ず直面することになりますが、その際のフォローもプロ家庭教師メガジュンであれば丁寧に行うことができますので、その点のご心配も無用であることをお伝えしました。
もちろん、Cさん自身の意志が一番大切ですが、Cさんがどんな選択をしたとしても、私たちは引き続きフォローを続けていきたいと考えています。

以上が、白黒思考・完璧主義でお困りのギフテッドのお子さまのサポートの実例となります。

同じようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度プロ家庭教師メガジュンまでご相談ください。お子さまの生きづらさが改善できるよう、一同全力でサポートしてまいります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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