発達障害の学習支援の方法は?教材・塾・家庭教師の選び方、資格の信頼性も解説!
発達障害のお子さまで、勉強が苦手という方はたくさんいらっしゃいます。その背景には、「集中力が続かない」「読み書きに時間がかかる」といった発達障害の特性が関係していることが多く、お子さま自身の努力や理解力が不足しているわけではありません。
また、必ずしも「発達障害=低学力」というわけではなく、自身の特性を活かすことで難関大学に進学したり、社会で目覚ましい活躍をされたりする方もたくさんいらっしゃいます。
私は、発達障害専門のプロ家庭教師や塾経営者として、長年にわたり活動してきました。発達障害のお子さまの学力を伸ばすためには、ただ机に向かわせれば良いわけではありません。
発達障害のお子さまの学力を伸ばすには、特性に応じた学習支援が必要です。そのためには、「何が苦手の原因となっているのか」「どのようにアプローチするのが効果的か」を徹底的に分析する必要があります。
経験のある講師がお子さまに合った学習方法を示してあげることで、お子さまの学力は見違えるほどに伸びていきます。
また、保護者さまがお子さまの頑張りを応援し、ありのままを受け入れてあげること、そして何より、お子さま自身が自分の特性を理解し、「こうすれば上手くいくんだ」という経験を得ることが大切です。
この記事では、発達障害のお子さまの学習支援の方法や教材の選び方について、プロ家庭教師ならではの視点で解説していきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
発達障害のための学習支援の方法と6つのポイント
- 集中力が続かない
- 問題文を読むのに時間がかかる
- 勉強へのやる気が起きない
発達障害のお子さまが抱えているこのようなお悩みの背景には、多くの場合、発達障害の特性が関係しています。
そのため、「もっと頑張って」「練習すればできる」といった声掛けだけでは改善が難しく、特性を踏まえた対応が必要となります。
例えば、集中力が続かないお子さまでも、1時間続けて集中するのではなく10分ごとに休憩を挟むことで効果的に集中できる場合があります。
また、やる気が起きないのは「いくら頑張っても減点される/成績が上がらない」という自信の無さが背景となっている場合があります。
それぞれの悩みの原因となっている特性を見極め、適切にアプローチしていくことが発達障害のお子さまの学習支援においては非常に重要です。
以下では、発達障害のお子さまの学習支援のポイントについて解説していきます。
発達障害のための学習支援の方法と6つのポイント①周囲の環境を整える
発達障害のお子さまの学習支援において最も重要かつ即効性の高い支援方法は、「環境の調整」です。
発達障害には3つの分類がありますが、そのどれもが集中しづらくなる特性を持っています。
○ ADHD(注意欠如・多動症)
– いろいろな物が気になる。思考の整理が苦手。
○ ASD(自閉スペクトラム症)
– 感覚過敏(特に聴覚過敏)を併せ持つことが多く、ちょっとした物音が気になる。
○ LD(学習障害、SLD(限局性学習症))
– 読み書きが苦手なため、勉強の時に人一倍頭を使うことになる。
お子さまのどんな特性が原因で集中しづらくなっているのかをまずは分析し、どのように環境を調整すべきか検討していきましょう。
ADHDで注意があちこちに向いてしまうお子さまの場合は、勉強机の周りから気が散るもの(漫画やゲーム、窓の外の景色など)を取り除くようにしましょう。本棚に目隠しのカーテンを付けたり、机の近くに窓がある場合は机の場所を変えたりすると良いでしょう。
私が受け持ったADHDのお子さまの中には、窓側にあった机の向きを変えただけで驚くほど勉強がはかどるようになった方もいらっしゃいました。「それだけで?」というようなことが絶大な効果を発揮することもありますので、いろいろ試しながら自分なりの最適な環境を見つけていただければと思います。
ASDの方の場合は、聴覚過敏や触覚過敏などの感覚過敏によって集中しづらいケースが多くなっています。静かな環境を整えてあげるほか、椅子の座り心地や部屋の明るさなどが本人にとって集中しやすいものかどうか、改めて点検してみると良いでしょう。
LDの方の場合は、文字を読み書きするだけでも大変なエネルギーを消耗します。そのため、長く集中するのが難しかったり、問題文を読むのに精一杯で問題の内容まで頭が回らなかったりというケースが多くなっています。
読み書きのトレーニングは並行して進めつつ、勉強の内容そのものを理解したいときは、デジタル機器の読み上げ機能を使ったり、解答をキーボードやスマホのフリック入力で行ったりといった工夫を行うと良いでしょう。
発達障害のための学習支援の方法と6つのポイント②優位感覚に合わせて工夫する
目で見た情報を処理するのが得意な「視覚優位」、耳で聞いた情報を処理するのが得意な「聴覚優位」、言葉で理解するのが得意な「言語感覚優位」など、人にはそれぞれ処理しやすい感覚=優位感覚があります。
発達障害の方は、優位感覚の凸凹も定型発達の人と比べて大きい傾向にあるため、優位感覚を知り、上手く利用していくことが大切です。
一般的には、発達障害の方は視覚優位の場合が多いとされており、育児書などではよく「イラストを使って説明しましょう」とアドバイスされています。
私のこれまでの指導経験上、確かに視覚優位の方は多いものの、聴覚優位のお子さまもかなりの割合でいらっしゃいます。
特に英単語や歴史などの暗記物については、カメラアイ的に視覚情報として記憶するお子さまだけでなく(※)、口に出して読んでみたりCDを聞いたりする方が覚えやすいというお子さまもたくさんいらっしゃいます。
また、視覚優位・聴覚優位のお子さまと比べて数は多くありませんが、言語感覚優位のお子さまもいらっしゃいます。
言語感覚優位のお子さまにいくらイラストを見せても効果はありませんので、分かりやすい言葉で箇条書きするなどして説明するようにしましょう。
さらに最近では、「動画だと理解しやすい」というお子さまも増えてきました。動画は、イメージを映像で見ながら(視覚)、音声で解説してくれて(聴覚)、さらに字幕もついている(言語感覚)ため、複数の感覚から同時に情報を得ることができます。
発達障害のお子さまに限らず、動画で勉強することはこれからのスタンダードになっていくかもしれません。
発達障害のための学習支援の方法と6つのポイント③やることリストを作成する
発達障害のお子さまは、やるべきことが複数ある状況や先の見通しが立たない状況が苦手です。
そのため、何から手を付けて良いか分からず漫然と時間を過ごしてしまったり、物事に優先順位が付けられず、テストまでにすべての範囲の勉強が終えられなかったりしてしまいます。
計画的に勉強を進めるための第一歩として、まずはやることリストを作成しましょう。最初は大人がそばについて、一緒にやることリストを作っていきます。
発達障害のお子さまはワーキングメモリーが低いため、頭の中だけでやるべきことを整理するのが苦手です。そのため、まずは思いつく限りのやるべきことを書き出し、それから番号を付けたり、並べ替えるなどしてリストを整理していくと良いでしょう。
並べ替えしやすいよう、付箋を使ったり、ホワイトボードにマグネットでメモを貼ったりする方法がオススメです。
また、スマホやタブレットを使うのも良いでしょう。ToDoリストを作成するためのアプリもありますので、使いやすいものを探してみましょう。
発達障害のための学習支援の方法と6つのポイント④興味のあることをきっかけにする
勉強に対して自信を無くしてしまったりしてどうしてもやる気が起きないときは、お子さまの好きなものを入り口にして勉強に取り組む方法がオススメです。
英語であれば好きな曲の歌詞を英訳してみたり、アニメやゲームの英語版に触れてみたりすることから始めましょう。教科書とは関係の無い内容でも構いませんので、「知らない単語があれば調べる」「分からない文法があれば参考書を開く」といった習慣をまずは身に付けましょう。少しずつ英語への抵抗感が薄れていくはずです。
数学に関しても、ゲームのダメージ計算をしてみたり、パズルを解いてみたりと、数字や図形に親しむことから始めましょう。
買い物やお小遣いの計算など、お金に関することだと興味を持ってくれるお子さまもいらっしゃいます。
「クラスに同じ誕生日の人がいる確率」など、雑学的な内容から入るのも良いですね。(参考:ドラえもん探究ワールド おもしろいぞ! 数の世界 | 書籍 | 小学館 (shogakukan.co.jp))
発達障害のための学習支援の方法と6つのポイント⑤しっかり褒める
お子さまが少しでも勉強に向かうことができたら、その都度必ず褒めるようにしましょう。
発達障害のお子さまは、勉強面だけでなく生活面でも、特性ゆえに注意を受けることが多く、自己肯定感が下がりやすい傾向にあります。
ですので、お子さまが勉強に取り組めたら、しっかりと言葉で褒めるようにしましょう。時間をあけて褒めると「勉強したから褒められた」という感覚が薄れてしまう(なぜ褒められたのかピンとこない)場合も多いため、勉強が終わった後すぐに「今日もしっかり勉強できたんだね」と声を掛けてあげましょう。
ただし、“褒められるために勉強する”といった目的と手段の逆転が起きないように注意が必要です。この状態になるとお子さまは、「勉強しない自分はダメなんだ」「お母さん/お父さんは自分自身ではなく、“勉強を頑張る自分”が好きなんだ」と逆に自己肯定感が下がってしまう可能性があります。
お子さまが勉強に取り組めないときも強く叱責しすぎず、また、勉強以外においてもお子さまの存在を肯定してあげるような声掛けを心掛けましょう。苦手なことが多い発達障害のお子さまは、“誰かの役に立っている/自分には存在意義がある”という自己有用感も低い傾向にあります。
ちょっとしたお手伝いを頼み、「ありがとう、あなたのおかげで助かったよ」と伝えるだけでお子さまの自己肯定感・自己有用感はぐっと高まります。
自己肯定感が高まると、「自分にもできるはずだ」と物事にも前向きに取り組めるようになっていきますので、ぜひ日頃から温かい声掛けと見守りを心掛けていただきたいと思います。
発達障害のための学習支援の方法と6つのポイント⑥学校や専門機関と連携する
発達障害のお子さまの学習支援について、ご家庭だけで取り組むのは難しいものです。
お子さまの特性を分析するにしても、ご家庭だけでなく学校での様子も踏まえる必要がありますし、発達障害の診断を受けるためには、当然ですが医師の診察が必要です。
また、学力向上のためのアプローチに関しても、発達障害について確かな知識のある指導者の視点が欠かせませんし、発達障害の特性によっては言語聴覚士や作業療法士のサポートも必要です。
発達障害のお子さまの学力向上のためには、家庭・学校・医療機関・専門の塾やプロ家庭教師といった様々な立場の人が協力していくことが大切です。
いろいろな機関に相談するのは労力が必要かもしれませんが、ご家庭だけで抱え込んでしまっては、お家の中でも閉塞感が生じ、お子さまにとっても、そして保護者さまにとってもストレスになってしまいます。
良好な親子関係はお子さまの成長にとって非常に大切です。
効率良く学力を伸ばしていくためにも、また、お子さまが心身とも健やかに成長していくためにも、学校や専門機関と積極的に連携するようにしましょう。
発達障害のための教材・塾・家庭教師の選び方のコツ
発達障害のお子さまの学習支援のために、通信教材や塾、家庭教師を検討されている保護者さまも多いのではないでしょうか。
この章では、発達障害のお子さまに適した教材の選び方や、塾や家庭教師を選ぶ際のポイントについて解説していきます。
利用目的を明確にする
教材を選ぶにしても、塾や家庭教師を検討するにしても、まずは利用する目的を明確にすることが大切です。
発達障害のお子さまがこれらのサービスを利用する目的には、
② 中学受験の対策をするため
③ 特性による困りごとを軽減するため(=療育)
といったものが挙げられます。
①学校の授業の補習をするため
集中力が持続しづらかったり、読み書きに苦手があったりして、学校の授業に遅れがちな場合や、集団生活に馴染みづらく不登校の傾向にあるお子さまの場合、学校の授業の補習のために教材や塾を利用することがあります。
学校の授業の補習を目的とした学習塾は数多く存在しますが、その中で発達障害のお子さまに対応できる塾はそれほど多くありません。
補習系の塾は、その地域の子どもたちを広く受け入れる方が効率良く収益を得ることができるため、どちらかといえば質より量を重視する傾向にあります。
ですので、一人一人に丁寧な対応をするよりも、
- 近隣の学校の授業の進捗に合っている
- 近隣の学校の定期テストの傾向を把握している
といったことをアピールポイントにしている場合がほとんどです。
また、個人指導の塾でも、個々に合わせて指導の内容を変えるのではなく、どの子に対しても同じ内容・同じ手法で教えているケースも少なくありません。
こうした量産型の補習塾と、発達障害のお子さまとの相性は良いとは言えません。もし発達障害のお子さまが学校の塾の補習として学習支援サービスを利用しようとする場合は、発達障害を専門にしている塾やプロ家庭教師を選ぶか、もしくは身近な人(親戚の大学生やごく少人数の地域の個人塾など)に付きっきりで指導してもらう形の方が良いでしょう。
ただし、「発達障害専門塾」を謳っている場合でも、講師の質にバラつきがあったり、付け焼刃の知識で対応するだけの塾もあったりします。質の良いサポートが受けられそうかどうかは、体験授業や入塾面談でしっかりと確認しましょう。
②中学受験の対策をするため
発達障害のお子さまは、その地域の子どもが幅広く集まる公立中学校よりも、一定以上の学力を持った子どもが集まる私立中学校に進学した方が落ち着いて過ごせる場合があります。
高校受験や大学受験の場合は、学校の授業の内容がそのまま入試に出題されるため、学校や補習系の塾でも対策することができますが、中学受験の場合は、教科書の知識を越えた内容が出題されるため、専門の塾に通う必要があります。
中学受験向けの塾の場合は、元々の学力が高い子どもたちが集まるほか、個別指導で丁寧なサポートを受けられる場合も多く、補習系の塾よりは発達障害のお子さまも通いやすいと言えます。
ですが、集団指導の教室で立ち歩いてしまったり、授業中におしゃべりが止められなかったりする場合、塾側から受け入れが難しいと言われることがありますし、個別指導だからと言って必ずしも発達障害の特性に合わせたサポートが受けられるとは限りません。
中学受験を目的として塾を選ぶ場合は、お子さまの特性を塾側に詳しく説明するようにしましょう。必ずしも発達障害であることを伝える必要は無く、「集中が続かない」「問題文を読むのに時間が掛かる」「きつく指導されると拗ねてしまう」など、具体的な困りごとを伝えると良いでしょう。
むしろ、「発達障害である」と伝えることで、塾側が過度に身構えてしまったり、不要なバイアスを持ってしまったりする可能性もあります。
どんな困りごとがあって、どうすれば解決できそうかということに焦点を当てて伝えることをおすすめします。
③特性による困りごとを軽減するため(=療育)
コミュニケーション能力や手先の不器用さ、読み書きの苦手さなど、勉強ではなく社会面・生活面の困りごとを解決するために塾や教材を利用したいと考えている人もいらっしゃるかもしれません。
こうしたソーシャルスキルの向上や困りごとの解決を目指すためのトレーニングは「療育」と呼ばれます。療育とは、「治療」と「教育」を合わせた言葉です。
療育は、一般的な学習塾ではなく、児童発達支援センターや児童発達支援事業所、放課後等デイサービスで受けることができます。これらの施設を利用するためには各自治体の認定が必要となりますので、療育を受けたい場合は、まず自治体の担当窓口に問い合わせましょう。
施設に空きが無かったり、認定が下りなかったりしてこれらの施設が利用できない場合や、こういった施設以外でも療育を受けたい場合は、療育的なサポートを中心とした発達障害専門塾を検討することになります。
療育系の発達障害専門塾では、特性に応じた様々なサポートを受けることができます。ソーシャルスキルトレーニングや作業療法といった一般的な療育だけでなく、学習支援や保護者向けのペアレント・トレーニングを行っている塾などもあります。
療育系専門塾では、専門性の高いサービスが受けられる分、費用は高くなる傾向にあります。
最低限の療育は公的施設で受けられますので、まずは自治体の支援を受け、民間のサービスについてはプラスαとして考えると良いでしょう。
指導形態ごとの特徴とお子さまの特性の相性を知る
この章では、「集団指導塾」「個別指導塾」「プロ家庭教師」「通信教育」といった代表的な学習支援の指導形態の特徴と、発達障害のお子さまとの相性を解説していきます。
お子さまの特性をしっかり見極め、お子さまに合った指導形態を見つけていただければと思います。
①集団指導塾
集団指導塾は、業界大手の企業が独占的な市場を展開しています。課題の量やお子さまへのプレッシャーの掛け方など、企業ごとの指導方針には特色があるため、どの会社の指導方針と相性が良いのかを分析することが大切です。
また、指導方針だけでなく、その塾が得意とする教科も会社によって違います。
国語を中心とした記述力の向上に長けた塾もあれば、スパイラル方式(※)の復習によって、算数・数学の知識を定着させる手法に長けている塾もあります。
積み上げ型の教科で高い効果を発揮する。
お子さまの苦手を無くす、あるいは得意を伸ばすという視点で、学びたい教科の指導に長けた塾を選ぶと良いでしょう。
発達障害のお子さまは、一般的には個別指導塾やプロ家庭教師のようにマンツーマンで教えてもらえる環境の方が適していると言えますが、周りの子と適度に競争させることでモチベーションが上がるお子さまや、「点数が伸びていくのが楽しい」とゲーム感覚で勉強に取り組めるお子さまは、集団指導塾の方が向いている場合もあります。
また、塾によっては「得意な数学は集団指導で受講し、苦手な国語は個別指導を受ける」というカスタマイズも可能です。
経済面も考慮しながら、お子さまに合った授業を受けるようにしましょう。
②個別指導塾
個別指導塾と聞くと、一人一人に合わせた指導が受けられそうなイメージがありますし、「あなただけのための特別なカリキュラムを作成します!」と謳っている塾の宣伝を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ですが、実際のところ、本当に一人一人に合わせたカリキュラムを組んでくれる個別指導塾はごくわずかです。多くの場合はテンプレートのカリキュラムがあり、塾生の希望によって追加で授業を受ける形となっています。
追加の授業についても、本当に必要な授業を提案してもらえる場合もありますが、売り上げを上げるために、「このままでは合格できませんよ」と不安を煽る形で講習を受けさせる場合も少なくありません。
質の良い個別指導塾かどうかを見極めるためには、こちらから積極的に質問することが大切です。
「お子さまに合わせたカリキュラムです」と言われたら、「このカリキュラムのどの部分がうちの子向けなのですか?」と具体的に質問してみましょう。一般論的な答えしか返ってこない場合は、どの子にも同じような説明をしている可能性が高いと言えます。
発達障害のお子さまの場合は、「うちの子の特性について、先生はどのように分析されていますか?」「どのようなアプローチが効果的だと思われますか?」といった質問をすると良いでしょう。
また、「同じようなタイプの子を指導された経験はありますか?」という質問も効果的です。
発達障害の認知度が高まったことから、知識や経験が十分でないにもかかわらず「発達障害のお子さまも対応可能」と看板を掲げる塾も増えています。
不適切な指導は学力が伸びないばかりか、自己肯定感が下がってしまう可能性もありますので、塾が確かなノウハウを持っているかどうか、入塾前にしっかりと確認しておきましょう。
③プロ家庭教師
発達障害のお子さまの場合は、学生アルバイトなどによる一般的な家庭教師よりも、プロ家庭教師の方が圧倒的におすすめです。
プロ家庭教師は学生と違い、専業の指導者です。指導の質が高いのはもちろんのこと、授業時間の変更なども柔軟に対応できることは大きなメリットと言えます。
特に発達障害のお子さまで、精神面も不安定な傾向にある方は、直前に授業をキャンセルしてしまうことも多くなります。
大手の派遣教師会社の場合ですと、振替授業を行うことは難しく、その分のお金も返ってこないことがほとんどですが、専任のプロ家庭教師であれば、突然のキャンセルや授業の振替にも柔軟に対応することができます。
また、プロ家庭教師の授業は、オンラインで受けられる場合もあります。
都市部以外の地域で発達障害に対応できる塾や家庭教師がそもそも見つからない場合は、プロ家庭教師のオンライン授業を検討するのも良いでしょう。なお、オンラインの場合は、対面よりも安価であることが多くなっています。
④通信教育
通信教育は、オンラインで授業を受けるタイプ(教室型)と、教材だけが送られてきて自学自習するタイプ(自学自習型)の2種類があります。
いずれの場合も自宅に居ながら自主的に勉強に向かうことが必要なため、漫画やゲームなどの誘惑に弱いお子さまは避けた方が良いでしょう。
逆に、周りに人がいない方が集中しやすかったり、自分のペースで勉強を進めるのが好きなお子さまの場合は、通信教育向きと言えます。また、人見知りが激しく人に会いたくない、不登校の状態にあり家から出るのがしんどいといった事情のあるお子さまにも、通信教育はおすすめです。
ただし、丸付けやPCのセッティングなど、保護者さまのサポートが必要となる点には注意しましょう。
お仕事が忙しくお子さまの勉強のフォローに時間が割きづらい場合は、通信教育はあまりおすすめできません。
発達障害学習支援サポーター資格って何?
発達障害学習支援サポーターとは、一般社団法人子ども・青少年育成支援協会が実施している資格制度です。
発達障害に関する専門講座を受講の上、試験を受験することで資格を得ることができます。(参考:発達障害学習支援サポーター資格制度 | 発達障害サポーターズスクール (cysa.or.jp))
発達障害について体系的な知識を身に付けているという証明にはなりますが、あくまで民間資格である点には注意しましょう。講座受講と試験受験にはそれなりの費用が必要なほか、年度ごとの更新料も必要です。
当該資格を持っていない方でも、発達障害のお子さまの指導に長けた先生はたくさんいますので、資格の有無だけにこだわるのは避けましょう。
資格の確認よりも、面談の時の対応などをしっかり観察する方が何倍も重要です。
発達障害のお子さまの学習支援のまとめ
この記事では、発達障害のお子さまの学習支援について詳しく解説してきました。
改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。
- 発達障害のお子さまには、特性に合わせた学習支援を行うことが大切
- ADHD/ASD/LDの特性は、それぞれ集中しづらくなる要因となり得る
- 発達障害のお子さまの学習支援として、まずは環境の調整から始める
- お子さまの優位感覚を知り、優位感覚に合わせた伝え方をすると効果的
- やることリストの作成は、学習支援でも役立つ
- 苦手に注目せず、できたことを褒めることが大切
- 家庭だけでなく、学校や専門機関と一緒に取り組むことが大切
- 塾や家庭教師を選ぶ際には、講師の質をしっかり見極めることが重要
発達障害のお子さまは、特性ゆえに学力が伸び悩むことも多いですが、お子さまに合った学習支援を行うことにより、苦手を克服することは十分可能です。
発達障害のお子さまの特性を見極め、適切なアプローチを行うには、専門的な知識と経験のある講師の存在が欠かせません。
プロ家庭教師メガジュンでは、確かなノウハウを持った講師たちがしっかりとサポートさせていただきます。また、代表は塾経営の経験もありますので、塾選びのアドバイスも可能です。
発達障害のお子さまの塾選びや家庭教師選びでお困りの方は、ぜひ一度プロ家庭教師メガジュンまでお問い合わせください。
また、授業や面談はオンラインでも承っています。
遠隔地からもご利用いただけるほか、これまで海外在住の方や帰国子女の方からもご利用いただき、数多くのご好評の声をいただいてきました。オンラインでの授業が不安なお子さまも、初回授業や初回面談は無料でお試しいただけますのでお気軽にご相談ください。
さらにプロ家庭教師メガジュンでは、体験授業の講師がそのまま継続してお子さまを担当させていただきます。
「体験授業の先生が良かったのに、授業が始まると別の先生をあてられた…」ということもありませんのでご安心ください。
1人でも多くのお子さまが、自分らしく伸び伸びと成長していけるよう、一同全力でサポートしてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。