【不登校×大学受験】高3からでも間に合う!プロが教える効率的な勉強法13選

「たくさん勉強しているのに、なかなかテストの点が伸びない」
「部活や習い事で忙しくて勉強時間が確保できない」

こんな悩みをお持ちではありませんか?実は、勉強時間とテストの点数は必ずしも比例するわけではありません。短い時間で効率よく勉強することで、成績は飛躍的にアップさせることができます。

この記事では、すぐに使える効率的な勉強法を全て、ご紹介します。 プロとして、16年間マンツーマンで指導してきたからこそ習得した、実践的なノウハウです。ぜひ御一読ください。

【執筆・監修】
点数アップ・受験対策のプロ家庭教師 
妻鹿潤
・16年以上1500名以上の指導実績あり
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

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▼目次

効率的な勉強法とは

勉強のやり方_効率
いつもの何倍も勉強したのにテストの結果が振るわないお子さまもいれば、数時間の勉強でいつも満点近いお子さまもいますよね。
その違いは一体何なのでしょうか。

地頭(素養として備わっている頭脳)の問題ももちろんありますが、勉強のやり方にもポイントがあります。効率的な勉強ができるお子さまは、

・必要な範囲の見極め
・それぞれの教科・科目に適した勉強法
・自分の状態や性質

が理解できており、一言で言えば、要領が良いお子さまです。

例えば大学受験では、志望校によっては漢文やリスニングが不要だったりしますよね。マーク式の出題であれば、漢字の書き取りや英単語のつづりは覚えなくてもOKです。また、ほとんどの人が解けないので点差につながらないとされる応用問題――いわゆる「捨て問」の対策もしなくて構いません。

一見不真面目な態度にも見えますが、受験対策としては大正解です。とにかく点数につながる勉強だけを集中してやる……真面目なお子さまはとにかく網羅的に頑張って勉強してしまいがちなので、結果として効率が落ちてしまいがちです。

暗記科目だからといって闇雲に暗記しようとしていませんか?
自分の集中力がどれくらい続くか、知っていますか?

これらのポイントを押さえることで勉強の効率はぐんとアップします。以下では、具体的な方法をご紹介します。

効率的なオススメ勉強法13選

効率的な勉強法

ここからは効率的に勉強するために、オススメの13の勉強法をご紹介します。

①問題を徹底的に分析する

効率的な勉強において最も重要と言えるのが、問題を徹底的に分析することです。

長年個別に生徒を見てきて、志望校の問題やテストに関係のない問題に、多くの時間をかけている生徒をたくさん見ます。 テストはマーク式なのか、記述式なのか、配点はどうか、どの教科書やプリントからどの程度出題されているか、難易度はどうか……

ゴールとなる入試問題や定期テストを徹底的に分析することで、どこから何点くらい出題されるかが見えてきます。 特に「何が出題されないか」が分かれば、勉強内容を大幅に削減することが可能です。(「国語の文法問題を対策しなくてOK」「英単語はスペルをかけなくてOK」「リスニングは出題されない」「応用問題を解かなくても合格できる」など、)

点数につながらない範囲・今の自分に不相応な範囲は、思い切って捨ててしまうことも必要です。

②テスト結果を振り返る(偏差値55の壁に挑むかどうかも事前に決める)

テスト結果を振り返る

皆さんは、テストの結果をきちんと振り返っていますか?
なぜ点数が取れなかったのかを振り返り、その対策を行えば効率的に点数アップが図れます。

・ケアレスミスで20点落としている
・時間が足りない(時間をかければ解ける)
・予想と全然違う問題が出た
・解けたと思った問題で間違っている

“何となく点数が悪かった”で終わらせるのではなく、上記のように原因を一つ一つ分析することで、間違いの傾向が見えてきます。その間違いの傾向は、全教科的に発生していることがほとんどです。そのため、間違いの傾向を1つ潰せば、全教科的に点数が上がることはよくあります

意外と多いのが、「予想と全然違う問題が出た」というパターンです。先生が出題する問題について何かヒントを言っていたけれど、聞き逃してしまいがち……

そんなときは、先生の話を丁寧に聞くのはもちろん、しっかりしている友達2~3人と一緒にテスト範囲を確認したり、テスト範囲の書かれたプリントを時間をかけて確認してみたりしましょう。どれも1時間もかからない作業ですが、これだけで点数は飛躍的にアップします。

テスト結果の振り返りは、どんな科目にも共通するスキルです。これができるようになれば全ての科目で点数アップが見込めますので、ぜひ挑戦してみてください。

③目標点数を設定する

目標点数を設定する

入試や定期テストで、100点満点を取らなければいけない、ということはかなり少ないと思います。

どの程度の点数が必要なのか、どの問題まで解くべき必要があるのか。把握して目標を決めましょう。目標点数が決まれば、ケアレスミス分を差し引いて「どの問題で何点を取るか」まで決めましょう。こうすることで「対策しなくても良い問題」が見えてきます。

あまりにも難易度の高い問題は誰も解くことができず、点数差につながりません。

また、受験では「偏差値55の壁」があります。偏差値55を越える時に必要な能力が異なるため、成績がこのラインを境に伸び止まる生徒がたくさんいます。 その原因は以下の通りです。

例えば、数学の入試問題の偏差値55以上レベルは「問題文に書かれている内容の理解」をする際でも「情報を整理する力」「国語的な言語理解能力」に加えて「知っている公式や解き方と結びつける類推能力」、さらには「どのような流れで解答までたどり着くのか」という「高い論理的思考力」があって初めて、解答欄にペンを走らせることができます。それぞれ高い能力が求められるため、点数が一気に伸び悩むのです。そのため、受験日までにこの力を鍛えることが難しそうなら、別科目・単元を伸ばしたり、出題傾向の違う志望校を選ぶ方が効率的な勉強ができます。

だからこそ、【①問題を分析する】とも関連しますが、難易度や正答率の分布を分析し、どの問題が合否を分けているのかを見極めましょう。

ただ、このような難易度の分析や合否ラインの選定は専門的な知識が必要な場合もありますので、分からない場合は学校や塾の先生に相談してみると良いでしょう。

④一つの問題集をやりきる

一つの問題集をやりきる

あれもこれもとたくさんの問題集に手を出してしまうのは、残念ながら効率の良い勉強法とは言えません。一つの問題集をやりきることで、初めてその分野を一通り学んだことになります

問題集を解き終わっていないのに次の問題集に手を出してしまう心理として、「問題が難しくなってきたので、新しい問題集で気分転換したい」といったものが挙げられます。ですが、問題集は基本的に徐々に難しくなっていくもの(後ろにいくほど難易度が上がるもの)です。難しい問題が出てきたからと解くのをやめてしまっては、いつまで経っても難しい問題は解けないままです。頻繁に問題集を変えてしまうお子さまは、逃げ癖が付いているかもしれませんので注意しましょう。

成績は、一朝一夕に伸びるわけではありません。どのお子さまにも、必ず伸び悩む時期があります。ですが、その「しんどい時期」を乗り越えたとき、多くのお子さまは大きく成長します。問題集を最後まで解ききることは、お子さまの粘り強さをはぐくむことにもつながります

もちろん、問題集との相性が悪いケースも全く無いわけでありません。ただ、どのような教材と相性が良いのかご家庭で判断するのは困難です。
「お子様のこと」「テストや入試のこと」「教材のこと」の3つを適切に把握しないといけないためです。そのため、問題集を解ききらないうちに変える場合は、学校や塾と相談するようにしてください。

⑤苦手な問題を重点的に解く(○△×勉強法)

○△×勉強法

すでに解ける問題を繰り返し解いても、残念ながら時間の無駄です。当然ですが、解けない問題が解けるようになることで、はじめて点数は伸びるのです。とはいえ、解けない問題ばかり相手にしていても、自信が無くなり気分が落ち込みますよね。そこでおすすめなのが、「○△×勉強法」です。

◯△×勉強法とは、問題を、

◯:次に出てきても絶対に解ける問題
△:次に出てきたときに、解けるどうかわからない問題
×:わからなかった問題、次に出たら解けない問題

の3つに分け、△と×の問題を繰り返し解いていく方法です。 回数を重ねるごとに△が○に、×が△に変わっていき、勉強の成果が目に見えてわかるため、やる気の向上につながります

また、時間が無いときは△を◯にすることだけに集中しましょう。とにかく今解ける問題の数を増やす作戦です。逆に余裕があるときは、×の問題の中でも基礎問題と応用問題を分け、基礎問題から順に解けるようにしていきましょう。

全ての問題が○になったら(この時点で定期テストなら60-70点は取れると思います)、別の問題集にチャレンジすると良いでしょう。 別の問題集を解くことで「同じ問題が異なる表現・形式で出された時に、同じ問題と気づけるかどうか」が養われます。別の問題集はお子様がそのテストで何点を取りたいかによりますが、90点以上を目指すなら、問題量の多い教材がオススメです。

⑥漫画の力を借りる

漫画の力を借りる

皆さんの教室の学級文庫に、あるいは学校の図書館に「歴史マンガ」はありますか?どうせ小学生向けだろう、とあなどってはいけません。

最近では大人が読んでも楽しく学べるような歴史マンガが多く出版されています歴史を学ぶ際に最も重要なのは、大きな流れをつかむことです。historyという言葉が「his(彼の)+story(物語)」であることからもわかるように、歴史は人類の物語です。マンガで流れをつかんでおくことで、その後の知識の習得スピードが格段に上がりますので、ぜひチャレンジしてみてください。

集英社 コンパクト版学習まんが 日本の歴史

シリーズごとに対象年齢は明記されていますが、高校受験なら3~4巻程度でまとまっているもの、大学受験なら15~20巻程度でまとまっているものが目安になります。

また、少し変化球的な勉強法になりますが、漫画の読み方にこだわれば、国語の読解力アップになります。
詳細は各種メディアに取り上げられた以下の私の記事になりますが、伏線や登場人物の心情を意識しながら読むだけでOKですので、漫画好きの場合は試してみてください。ただし、漫画の読み過ぎには注意してくださいね。

マンガを読んで成績アップ!?ワンピースや進撃の巨人が「教科書」になるワケ

⑦丸暗記はNG、成り立ちから覚えると忘れにくい・応用問題も解ける

丸暗記はNG

いわゆる暗記物と言われがちな英単語や地理歴史ですが、闇雲に覚えようとしてもなかなか上手くいきません。暗記物のコツは、“意味やつながりを理解すること”です。 多くの英単語は、「接頭語や接尾語+語根」といった形で成り立っています。

例えば、日本語でもよく使う「reform」は、

・「re」 … “再び”という意味の接頭語
・「form」… “形作る”という意味の語根

という成り立ちです。この成り立ちがわかっていれば、「改正する、改革する」といった意味が覚えやすくなりますよね。もし和訳問題で単語の意味が思い出せなくても、「改める、作り直す」といった訳ができれば点数がもらえるかもしれません。また、「rebirth」と言う別の語も「再生」と言う意味で、覚えやすくなります。
単語帳を覚える際には、その単語の成り立ちを意識してみると良いでしょう。

上記の成り立ちで覚える勉強法で単語の暗記を進めたい方は、以下の動画はオススメです。

【⑥漫画の力を借りる】で、歴史は大まかな流れをつかむことが重要とお伝えしました。歴史上の出来事や人物のつながりを理解した上で暗記すると、記憶がより定着しやすくなります。

さらに、地理でもこの手法は効果的です。その土地の地形や気候には必ず関連があります。例えば草原地帯であれば牧草地が多くなりますし、必然的に遊牧が主な産業になります。遊牧民が暮らしているのは移動式のゲルであり、輸出品は羊毛や畜産物が中心になるでしょう。

つまり、地形・気候・産業・文化はそれぞれ密接に関連しているため、それぞれを関連づけて理解すれば、忘れにくく、しかも地理学習の本質的理解につながります。

さらに、このような本質理解が求められる記述問題は定期テストでは10~15点程度、高校受験では多くて20~25点程度出題されるため、成績上位・上位校を目指すなら解けなければいけません。

特に大学受験の旧帝大や早慶上理の入試問題では、こういった地理的理解そのものについて出題されます。最難関レベルの大学を狙うのであれば、地理は暗記する科目ではなく、理解する科目ととらえましょう。

⑧学習した単元の内容を、自分で作ったノートにまとめる

ノートを作る
「学習した単元の内容を、自分で作ったノートにまとめる」という勉強法です。

ノートにイラストを描いたり、レイアウトを自分なりに考えたりするのが好きなお子さまにとって、ノート作りは効率的な勉強法になります。

歴史人物の似顔絵を描いたり、作物や動物の絵を描いても良いでしょう。勉強は嫌いだけど、ノートにまとめるなら楽しくてやる、というお子様は結構います。また、楽しみながらやることで、前向きに取り組むことができ、脳科学的にも記憶に残りやすくなります。

特に、地理歴史や生物・地学など、図や表での理解が効果的な科目は、この勉強法に適しています。最近は定期テストでも入試問題でも資料集から出題される傾向が年々増えているので、資料集を見ながら楽しく、絵を描くように自分なりのノートをまとめることで、点数アップにつながります。

⑨動画やゲームの力を借りる

動画やゲーム

数字をひたすら素数になるまで分解するゲームや、四則演算をゲーム的にできるものがあります。無料でダウンロードできるものもあるので、単純な計算力の強化のために利用してみるのも良いでしょう。

ワウゲーム 算数ゲームの無料ゲーム

また、勉強系の動画にも様々なものがあります。例えば、以下の動画は英語の前置詞を視覚的にとらえることができる動画で、英単語だけでなく、英文法や古文単語、化学、物理など、様々なパターンがあります。目で見たものが強く残るお子さまは、こういった動画を活用するのもひとつです。

英語コーチ-イングリッシュおさる 【完全イメージ化】前置詞44選【総集編】

⑩他人と約束する/他人に見張ってもらう

他人と約束する
自分ひとりで勉強しているとサボってしまうけれど、尊敬する人や信頼する人と約束すると頑張れたり、誰かに見られていると勉強せざるを得なくなったり、というのは大人でもありますよね。

「次のテストで○○点取ります!」と先生に約束するだけで点数が上がる子もいますし、家庭教師に横に居てもらうだけで集中できる子もいます。

他人からの評価に敏感なお子さまは、

・約束を守りたい(失望されたくない)
・良いところを見せたい(だらけているところを見られたくない)

といった心理がはたらくため、勉強へのモチベーションにつながります。 お友達や尊敬・信頼する友人とZOOMで繋いで勉強したり、学校や塾で尊敬・信頼する人の近くで勉強するなどがお勧めです。

⑪学習計画(カリキュラム)を作る

学習計画(カリキュラム)を作る

いつまでに、どのレベルに到達しなければならないのか。目標から逆算して、学年・学期ごとにクリアすべき内容を整理しましょう。カリキュラムは「今の勉強で間に合うのか?」を示す、ペースメーカーになるのです。

ただ漠然と勉強するだけでは「いつの間にか、いくら頑張ってももう間に合わない状態になっていた」ということになりますし、逆に「どれだけ勉強してよいのかわからず不安」といったケースもあり得ます。不安に駆られて追われるように勉強しても、頭に入りづらく、勉強の効率が落ちてしまいます。

受験勉強はマラソンと同じです。体力を温存しすぎてもいけませんし、飛ばしすぎて倒れてしまっては意味がありません。きちんとペース配分すること、すなわちお子さまに適した学習計画を立てることが何よりも重要です。

お子さまによって得意分野も違いますし、性格も異なります。本来的には、お子さまごとに個別の学習計画を作成すべきですが、学校や集団指導の塾では個別の学習計画を作ってもらうことは難しいでしょう。

お子さまに適した学習計画を作成するのであれば、個別指導塾やプロ家庭教師に依頼しましょう。

個別指導塾であれば教科の指導がセットになりますが、プロ家庭教師であれば学習計画の作成とサポートのみを依頼することができます。勉強自体は学校や塾で行い、その進め方のコーチングをプロ家庭教師に依頼する形です。費用面でもオススメの形態ですので、ぜひご一考ください。

プロ家庭教師 妻鹿潤

⑫心理的・身体的に100%の状態で勉強する

心理的・身体的に100%の状態

心理的・身体的に100%の状態で勉強をできていないお子さまは、意外と多いと感じます。
心理的・身体的に70%の状態で勉強すると、それだけ理解・暗記も70%になるため、かなり非効率な勉強になります。

また、当たり前ですが、睡眠と栄養をきちんと取りましょう。睡眠不足では本来の能力が発揮できませんし、記憶の精度も下がります。体調を崩してしまっては勉強どころではありません。疲れたときにはチョコレートなどの糖分を取って、脳の疲労を回復させましょう。

また、仮眠も効果的です。寝過ごすのが心配な場合はタイマーをかけたり、入眠前にコーヒーなどのカフェインを取っておくと寝覚めが良くなります。ただし、どうしても眠いのであれば、無理をせず寝ましょう。無理をして起きていても、勉強の効率は下がる一方です。

心の健康も重要です。心配事があると、それに気を取られて勉強に集中できません。心配事があるときは、紙に書いたり人に話したりして、アウトプットしてみましょう。心の整理ができますし、モヤモヤを吐き出すことでスッキリできますよ。

自分の好きなことや趣味で息抜きするのも良いですが、スマホはあまりおすすめしません。SNSやゲームは自制が効きづらく、目も酷使するので脳の疲労につながります。軽いストレッチや散歩などでリフレッシュしましょう。

⑬勉強環境を整える

勉強環境を整える

これも当たり前ですが意外とできていないことが多いのが、勉強に集中できる環境作りもです。

自習室や図書館など、静かで落ち着いた場所を選びましょう。教室や自分の部屋でも構いませんが、周りの声が気になったり、視界に気になるもの(マンガやポスターなど)があると集中できなかったりします。

発達障害でADHDやASDの傾向があるお子さまは、特に周りの音や物が気になりがちですので、静かな環境を選び、原色など視覚的にインパクトのあるものは視界に入らないよう工夫しましょう。

科目ごとのおすすめ勉強法

国語(現代文)

国語

国語の定期テストでありがちなのが、「時間不足」です。

テストのとき、問題本文をその場で読んでいませんか?問題本文はその場で読まず、事前に頭に入れておきましょう。テスト範囲の題材(小説や論説文)を事前にざっと読んでおくだけで、本文を読み込む時間をかなり節約できます。

また、授業内容がそのまま問題になることも多いので、ノートもあわせて読み込み、重要そうな箇所は暗記してしまいましょう。問題集や配布プリントからの出題もありますが、応用問題以外は暗記で対応できます。

国語の定期テストのポイントは、

・題材(小説や論説文)を読み返して流れを頭に入れる
・ノートを見返し、重要な箇所を暗記する
・問題集や配布プリントの内容を暗記する

となります。意外かもしれませんが、国語の定期テスト勉強では暗記が重要なのです。

また、漢字の書き取りは重要な得点ポイントです。出される範囲が限定されていて問題が予想できる場合は、必ず解けるようにしておきましょう。

入試や模試などのように、初見の題材を読まなければならない場合はどうすればよいのでしょうか。
高校受験や大学受験では、

・言葉の意味を理解する力=語彙力
・文章の内容を把握する力=理解力
・自分の言葉で説明する力=表現力

が試されますが、残念ながらこれらの力は簡単には身につきません。

特に、大学受験での関関同立・GMARCH以上であれば、題材の抽象度はかなり高くなります。

文学論・芸術論・生命倫理といった抽象概念だらけの論説文を読まなければなりません。何となく読んでいるだけではそもそも文章の意味が理解できないでしょう。普段から抽象的な概念に触れるとともに、それを自分の言葉で説明したり、身近な具体的事象に落とし込んだりする習慣が必要です。

小さい頃から読書の習慣が定着していたり、新聞を読む習慣があったりする場合であれば問題ありませんが、そもそも文章を読むことになれていないお子さまが、受験だからといって急に本を読み始めても何とかなるものではありません。

ですが、志望校が難関レベル以上になるほど、「全教科的に上述した国語力が必要」になります。そのため、国語力の向上は全教科的な点数の底上げに繋がります。

上述の国語力を上げる場合は、「1:1」で「適切な先生」を選ばなければなりません。どちらか一方でも欠けていれば、2年・3年と習っても全く成績が伸びないことがほとんどです。

具体的には

・国語専門ではなく、他教科も教えることができる
・センスではなく論理的に問題を解いている
・1:1の個別指導
・言語化能力や人物洞察能力を含め、高い指導力を持っている
・熱意がある

といった条件が「全て」そろっている先生を探しましょう。繰り返しになりますが、この条件を全て満たさなければ、長く習っても、たくさんの問題を解いても、偏差値が1も上がらないことがほとんどです。

最終的にはセンスを磨く勉強になりますので、短期的(3ヶ月程度)では成績はそれほど伸びません。ですが、国語のセンスの向上は全教科的な得点向上に繋がりますので、受験まで1年以上時間があるなら、国語のセンスの向上に力を入れることをオススメします。

逆に短期間での国語の点数アップを目指すのであれば、古文・漢文から手を付けるようにしましょう。

国語(古文・漢文)

高校受験までの古文と漢文はほぼ知識問題です。古文であれば単語や文法が、漢文であれば書き下し文や訓読文などが出題されますが、知識さえあれば解くことができます。
定期テストなら、それだけで7~8割の点数は取れるでしょう。

ですが、共通テストや大学受験の中堅私大以上(産近甲龍や日東駒専以上)の問題になると、読解力も必要になります。
読解力については国語(読解)でお伝えしたとおりですが、読解が苦手な場合は、ある程度で点数は上がり止まります。

数学

数学

数学は、積み重ねの科目です。効率良く勉強するためには、積み重なっている土台の単元の理解が不可欠となります。

小学校の足し算から始まり、やがて方程式や関数、微分積分までたどり着くのですが、最初の四則演算でつまずいていては、いくら方程式の勉強をしても身につきません。

単元の積み重なりについて、中学数学を例に具体的に見てみましょう。中学数学は大きく19の単元に分かれており、19の単元は5つの類型に分けることができます。

効率的な勉強のやり方_数学類型

〔図:数学の単元と類型〕

①計算系や②方程式系はその他の単元の土台になります。なので、①②が不十分なまま③関数系や④図形系を学習しても上手くいきません。二次関数が苦手というお子さまが、実は二次方程式の理解が不十分であることが原因だった、というケースはよくあります。

どの段階でつまずいているかを知るには、お子さまの解き方を丁寧に見ていくことが必要です。上述の例であれば、関数の読み取りはできているものの、方程式の立式になるとピタッと手が止まる、などの傾向が見られるでしょう。

1:1の個別指導やプロ家庭教師など、お子さまをしっかりと個別に見てもらえる指導体制がオススメです。

中学校の定期テストであれば、教科書問題や学校指定の問題集の対策、ノートの読み込みで十分点数は取れます。問題を暗記するような勉強法でも、70~80点程度は取れるでしょう。また、高校入試でも地域2~3番手の高校までであれば合格できます。

ですが、その単元の本質が理解できていないと、高校数学で確実につまずきます。公式は覚えるだけでなく、その成り立ちや使い方をきちんと理解して、なぜその解答になるのか、解き方を自分で説明できるようにしましょう。

英語

英語
まずは英単語の対策をしましょう。一番点数が伸びやすく、文法や読解などの土台にもなります。

文法も英語学習の土台です。中学校までは暗記で乗り切れますが、高校になると暗記だけでは難しくなってきます。
文法を理解するには、

・品詞
・文型
・時制

の3つの要素が重要です。中学段階からこれらの要素に注目し、じっくり時間をかけて理解していきましょう。この概念が理解できているだけで、勉強の効率は格段に上がります。

逆に、品詞・文型・時制がわかっていないと、高校英語で確実につまずきます。(高校受験までは分かっていなくても乗り切れます)例えば、不定詞の3用法の違いや前置詞のtoとの違いについて、自分の言葉で説明できますでしょうか?

高校英語でつまずきを感じている場合は、これらの概念が理解できているか一旦振り返ってチェックしてみましょう。

単語や文法を含め、英語の問題は、大きく6つに分類されます。

①リスニング
②発音・文強勢(アクセント)
③単語・熟語
④文法
⑤長文読解
⑥英作文

③単語・熟語が全ての土台になり、その上に④文法、さらに⑤長文読解、⑥英作文が積み重なります。
①リスニングと②発音・文強勢は単語・熟語の上に重なりますが、文法や長文読解とは独立しているイメージ
です。

効率的な勉強のやり方_英語類型

〔図:英語の問題分野と分類〕

ですので、単語・熟語が苦手なまま文法や長文問題を解こうとしても上手くいきませんし、文法がおろそかなまま長文・英作文問題を解くことはできません。各分野の積み重ねを意識した対策が重要です。

中学2年生の定期テストで、テスト範囲の単語と文法だけ勉強しても点数は取れません。なぜなら、テストには中学1年生で習った単語と文法も出てくるからです。これまでに習った単語や文法の積み上げが無くては点数が取れないのです。

さらに、単語・熟語・文法の対策だけでなく、長文読解の対策も必要です。どの分野のどの段階でつまずいているのか、しっかり分析しましょう。定期テストや模試の結果からも分析できますが、詳細な分析にはノウハウが必要です。個別指導塾やプロ家庭教師への依頼を検討してみてください。

理科

理科

生物・地学分野であれば、中学までは暗記で乗り切れるでしょう。時間をかけて暗記すれば、80~90点は取れます。

高校になると、暗記だけでは厳しくなってきます。「なぜそうなっているのか」が問われ、記述させる問題も増えてきます。おすすめ勉強法13選の【⑦丸暗記はNG】で紹介したように、意味や関連性を理解しながら暗記しましょう。

さらに問題の難易度が上がると、「原因や規則性から仮説構築し、検証する力」が求められます。生物の遺伝、地学のアイソスタシーや天体では、高校数学レベルの計算問題も出題されます。

これらは対策しづらい問題になりますので、最難関大を目指す・共通テストで80%以上を目指すなどでなければ、苦手な場合は暗記問題の対策を徹底し、あとは別の科目で点数を伸ばしましょう。

物理・化学分野も、中学までは問題パターンを暗記してしまえばほとんど乗り切れます。高校受験でも理解力や論理的思考力は一定必要ですが、暗記だけの対策でも60~70点は得点できます。

ですが高校になると、求められる理解力・論理的思考力のレベルが一気に上がります。公式の意味を理解し、問題に正しく当てはめ展開する必要がありますが、苦手な人であれば0~20点もあり得るほど、テストの難易度は高くなります。

物理・化学分野で求められる理解力・論理的思考力は、国語の読解力と同じで、本人のセンスによる部分が大きく、伸ばしづらい力です。1:1の個別指導で良い先生に教えてもらったり、お子さま自身がわかりやすいと思える映像授業や問題集を何度も見たり解いたりすることで伸ばすこともできますが、成果がわかりづらく、精神的負担感が大きくなります。

化学は、高校で有機・無機・理論の3つの分野に分かれます。有機・無機は暗記でほぼOKですが、理論は物理と同じように理解力や論理的思考力が求められます。

社会

社会

地理歴史・公民ともいわゆる暗記ものではありますが、おすすめ勉強法13選の【⑦丸暗記はNG】で紹介したように、闇雲に暗記するのではなく、意味やつながりを理解しながら覚えるようにしましょう。

さらに歴史分野であれば、おすすめ勉強法13選の【⑥漫画の力を借りる】で紹介したように、
漫画やアニメ、大河ドラマなどで大まかな流れをつかんでから暗記に取りかかると効率が上がります。

エビングハウスの忘却曲線をご存知でしょうか?
何度も繰り返し思い出すことで忘れるスピードが遅くなり、記憶は定着していきます。一気にすべてを覚えようとするのではなく、その日習ったことをその日のうちにさっと見返す、1週間分をさっと見返す……という習慣を作ってみてください。いつの間にか記憶が定着して、テスト前の勉強がぐっと楽になりますよ。

忘却曲線(Wikipedia)

性格に合わせた効率的な勉強法

性格に合わせた効率的な勉強法

お子さまの性格によって、相性の良い・効率的な勉強法は異なります。この項目では、お子さまの性格に合った勉強法について解説します。

【例1】真面目な子は、「ちゃんとやる」ことが目的化してしまう

女の子に多いパターンです。 「とにかくやらなければ」という意識が先行してしまい、自分で理解・解釈することがおろそかになりがちです。
期日までに課題を提出するという“形”や、「やるべきことはやる」という“形”が何よりも大切なので、本質的な理解はおいて、丸暗記などで問題を解いてしまいます。

高校受験までであれば暗記で乗り切れる問題がほとんどなので、定期テストでも70~80点程度は取れるでしょう。ですが、問題文をよく見て、情報を整理して、自分の力で解き方を見つけることが求められる応用問題では、すでにつまずきを感じているはずです。

高校になると、学習内容が中学と比べて3~5倍に増えるので、全てを暗記で対処することに限界が来ます。私は個別指導塾も経営してますが、高校1-2年生になってから、このような真面目な女の子の入塾が一気に増えます。

公式などの本質的理解や問題文の読み取りなど、自分で考え理解する力が求められ、一気に伸び悩むためです。特に、数学・物理・化学では厳しい状況になるでしょう。(そして、理系の選択肢が消えてしまいます)

大学生や社会人以上になると、暗記の力はほぼ必要ありません。ネット検索で何でも調べられるこの情報社会で、知識や記憶の価値は年々下がっていると言えます。

このタイプのお子さまは、言われたことを言われたとおりにやることは得意なのですが、ルーチンワークは今後、AIに取って代わられる可能性が高いです。お子さま自身の将来のためにも、小学校・中学校段階から、「自分なりに理解する」「情報を整理する」「仮説構築する」といった力を鍛える必要があります。

とはいえ、「ちゃんとやる」という真面目な姿勢はお子さまの性格であり、それ自体は良い性質ですし、すぐに修正できるものではありません。真面目な姿勢はきちんと評価しつつ、理解にこだわる勉強法を身に付けさせましょう。

具体的には、解けたから終わりではなく「どうやって解いたか」「なぜこの答えなのか」を自分の言葉で説明させましょう。丸暗記では本当の力にならないこと、きちんと理解することが今後の勉強にも役立つことを、お子さま自身が実感できることが大切です。

【例2】楽をしたい子には、効率化の提案を

楽に勉強をしたい子には、効率化の提案を

男の子に多いパターンです。
真面目にやることがカッコ悪いと思っていてギリギリまで勉強せず、テスト直前に火がついたように勉強します。もちろん、一夜漬け的で身になりません。

このタイプのお子さまは「楽をしたい」というモチベーションを上手く利用することで、効率的な勉強法に誘導することができます。

例えば、おすすめ勉強法13選の【①問題を分析する】で紹介したように、「どんな問題が出されているのか」「どれくらいの難易度なのか」「先生は授業中にどんなヒントを出していたか」を一緒に分析します。重点的に勉強すべき部分とそうでない部分について本人が納得できると、「重要な部分は最低限やろう」という意識になります。

また、以下のように勉強することのメリットを示すのも有効です。

・大学に入れば、将来良い職業に就いてお金がたくさん稼げる
・テストで一定以上の点数を取れば、補習を受けなくていい
・お母さんに怒られない

「楽をしたい、上手く乗り切りたい」という意識が根底にあるので、本人にとって心から良いと思えることと結びつけることで、勉強のモチベーションにつながります。
同じ理由から、1日当たりの必要勉強量やテストまでの必要勉強量を示して、「これだけ勉強すれば、あとは遊んでも良い」というゴールを見せることも有効です。

このタイプのお子さまは、上手く乗り切ることを常に考えているため、理解力や思考力は意外と高い場合が多いです。
要領も良く地頭の良いお子さまは、相手の力量や価値観にも注目していますので、指導する大人が舐められず、それでいて信頼関係をしっかり築くことも重要です。

勉強の効率を重視するデメリットは?本当に力はつくの?

勉強の効率を重視するデメリットは

テストに出る内容だけ、自分の得意な部分だけ――効率的に勉強するがあまり、何か漏れ落ちているようで不安だったり、受験に対応できるのか・本当の意味で学力がついているのか心配だったりしますよね。

ですが、心配はいりません。テストに出る問題は、重要な内容なのでテストに出ています。合否を分けるような問題であれば、なおさら重要といえます。効率的に勉強することは、必要かつ重要な内容をきちんと押さえることでもあるのです。

また、闇雲な暗記や、テストをやりっ放しで振り返らない状態では、次回以降も同じ課題やミスを繰り返してしまいます。自己分析やPDCAサイクルによってテストや受験を効率的に攻略することは、お子さま自身の課題解決力の成長につながります。

先の見通せないことばかりの現代社会ですが、お子さまはこれから自分の力で生き抜いていかなければなりません。お子さまの人生において「効率よく勉強すること」は必ず糧になりますので、安心して効率的な勉強法を実践してください。

保護者の方へのお願い

長い目で見ることも大切

ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
効率的な勉強法を身に付けるためには、学校や塾の指導だけでは限界があります。本気で効率的な勉強法の習得を目指すのであれば、家庭教師などプロによる個別指導が必須です。

ただし、プロに頼んでしまえば安心というわけではありません。親御さんの協力無しに、お子さまの成長はあり得ません。そこで、保護者の方には以下の3つをお願いしています。

①お子さまの性質や学力を正しく伝えること

お子さまに最適なアプローチをするために、お子さまの性質や学力といった情報は欠かせません。質の良い指導者であればあるほど、詳細な情報を求めています。細かすぎて不要かな、と思う情報でも気にせず積極的に伝えてみてください。

②ご家庭での様子を伝えること

お子さまは一日の多くを家庭で過ごします。日々のご様子には様々な情報が含まれていますので、①と同様、できる限り詳細にお伝えいただけると助かります。

③家庭教師・塾と家庭の協力関係

家庭教師・塾と家庭の協力関係が強固であるほど、それだけ大きな成果も生まれやすくなります。
勉強時間にスマホを預かってもらう、厳しい家庭教師であれば心理的なフォローを親御さんにしてもらう、逆に厳しい親御さんであれば家庭教師がフォローするなど、お互いの役割を理解し、お子さまに接することが理想です。

【まとめ】効率的な勉強法

【まとめ】効率的な勉強法

いかがでしたでしょうか。効率の良い勉強方法を身に付けるために、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

効率の良い勉強法のポイント

・勉強時間とテストの点数は必ずしも比例しない
・効率の良い勉強法=範囲の見極め×科目ごとの勉強法×自分の性質
・問題分析が何よりも重要
・やりっ放しにせず、テスト結果を振り返ろう
・目標点数を設定しよう
・あれこれ手を出さず、一つの問題集をやりきろう
・苦手な問題を重点的に解こう(○△×勉強法)
・漫画の力を借りてみよう
・丸暗記はダメ!関連づけて覚えよう
・イラスト好きなら、ノートを作ろう
・動画やゲームの力も借りてしまおう
・他人と約束しよう、他人に見張ってもらおう
・学習計画(カリキュラム)を作ろう
・心身ともに健康に過ごそう
・集中できる環境を整えよう
・国語の読解力はセンスが必要。古文や漢文で得点しよう
・数学は積み重ねの科目。つまずいたときは、土台の単元を振り返ろう
・英語は「品詞」「文型」「時制」を理解しよう
・物理や化学は数学的センスが必要。苦手な場合は生物や地学の暗記部分で得点しよう
・地歴公民はコツコツと復習して記憶を定着させよう
・丸暗記で解かず、なぜその答えなのか自分なりに理解しよう
・一夜漬けよりも問題分析の方が、結果的にラクできる
・効率的に勉強することで、生きる力につながる
・ご家庭と塾・家庭教師で強力なタッグを組もう

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