82.クラスメイトを注意してから関係が悪くなり、学校に行きづらくなった(ASDの場合)

クラスメイトの悪ノリを注意したら、「ノリの分からない奴だ」と思われてしまい、それ以降クラスに馴染めず学校にも行きづらくなってしまった…というケースがあります。特にASDのお子さまによく見られるケースで、ASDの『ルールにこだわりすぎる』という特性が要因となっています。

ルールを守ることは決して悪いことではありませんが、一方で子どもたちにとっては「一緒にルールを破る」ことがコミュニティの一員である証のようになっていたりもします。また、「制服のボタンは一番上まで締める」というルールを真夏でも守るなどして、周りから特異な目で見られてしまうなどの場合もあります。空気を読むことや同調圧力が蔓延する学校の教室は、ASDのお子さまにとっては非常に過ごしづらく、時にはからかいの対象になってしまうこともあります。

こうした状況において、ASDのお子さまに対して周りに合わせるよう強いるのは望ましくありません。無理に周りに合わせるとストレスが溜まり、不登校やうつ病、不安障害といった二次障害を引き起こすこともあります。ASDのお子さまの場合は、本人のルールを守りたいという気持ちは尊重しつつ、周りに対して同じようにルールを守ることを求めないようにするという落としどころを見つけることが大切です。

例えば、自習時間にクラスメイトが騒いでいるというケースでは、「自習の時間は静かに勉強する」というルールはお子さま自身が守れていればOKで、他のクラスメイトに対してそれを守らせる必要は無いということを説明しましょう。この場合、他のクラスメイトを注意するのは先生の役割であり、お子さま自身が注意する必要はありません。

ASDのお子さまはケースバイケースで柔軟に対応することが苦手ですので、できるだけたくさん具体例を出し、それぞれの場面で適切な行動の例を示して覚えていくというトレーニングを積み重ねると良いでしょう。通級指導教室や療育センターではこうしたソーシャル・スキル・トレーニング(SST)を受けることができますので、積極的に参加してみると良いでしょう。

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