通信制高校に保健室ってあるの?実態と利用方法を徹底解説
通信制高校を検討している方の中には、心身の健康について不安を抱えている方もいらっしゃることと思います。
特に、体調不良が多かったり、中学校のときに保健室登校だったりした方は、「高校の保健室はどんな雰囲気かな?」「そもそも通信制高校に保健室はあるのだろうか?」ということが非常に気になるのではないでしょうか。
実際のところ、通信制高校では全日制高校のような常設の保健室は無いケースが多いです。
ただし、常設の保健室が無い一方で、電話やオンラインで健康相談を行ったり、スクーリングのときだけ保健室を臨時で設置したりするなど、通信制高校では様々な方法で健康面でのサポートを行っています。
そこでこの記事では、通信制高校における保健室や健康サポートの実態を詳しく解説するとともに、利用時の注意点などについて紹介します。
経験豊富なプロ家庭教師の視点から、心身の健康を守り、安心して学業に励むためのポイントを解説していきますので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
▼目次
通信制高校とは?|制度と特徴
この章では、通信制高校の概要について詳しく解説していきます。
通信制高校の制度や特徴について既にご存知の方は、「2.通信制高校の保健室の実態」までお進みください。
通信制高校の制度について
日本において、高校は「全日制」「定時制」「通信制」の3つに分かれます。
全日制高校や定時制高校と比較すると、通信制高校は通学頻度が大幅に少なく、自宅での学習を中心に進めることが特徴です。
全日制高校では、基本的に毎日学校に通い、決まった時間に授業を受けます。
定時制高校も同様に、学校に通って授業を受けますが、全日制高校に比べると夜間に授業を行ったり、1日当たりの授業数が少なかったりするのが特徴です。
そのため、定時制高校では、働きながら学ぶなど一人ひとりのペースに合わせて学習を進めることができます。
一方、通信制高校は学校に通うのではなく、自宅学習が基本になります。
自宅学習に加えて、定期的なスクーリングとレポート提出を組み合わせながら学習を進めていきます。
スクーリングの頻度は学校やコースによって異なり、週に1〜3回通学する形式もあれば、月に数回や、年間に数日だけ集中して登校するケースもあります。
このように、通信制高校は全日制や定時制と比べると学習スタイルの自由度が非常に高いのが特徴です。
自由度が高い分、通信制高校では自己管理能力が求められますが、働きながら学ぶ必要があったり、身体的な理由で定期的な通学が難しかったりする方にとっては、非常に適した学習環境と言えます。
また、年齢制限がほとんどないため、幅広い年齢層の生徒が在籍でき学び続けられることも魅力の一つとなっています。
通信制高校の特徴について
通信制高校での学習は、自学自習が中心です。
科目ごとに指定された教材を使って自宅で学習を進め、レポートを提出することで単位が認定されます。
レポートが主な評価基準であり、全日制高校のように頻繁に定期試験が行われるわけではありません。そのため、自分のペースで学習を進められるのが特徴です。
一方、スクーリングも重要な要素です。
スクーリングとは、学校に通って直接授業を受ける活動のことを指し、主に対面での授業やクラスメイトとの交流の場となっています。
スクーリングの頻度は、学校によって異なります。
スクーリングのタイプは概ね「通学型」「集中型」「合宿型」の3つに分かれ、最も通学頻度が高い通学型スクーリングでは、週に1〜3回程度の登校が求められます。
一方、集中型スクーリングでは年に数日間、短期集中でまとめてスクーリングが実施されます。また、合宿型は年に1回の合宿形式のスクーリングとなります。
スクーリングの形式は、通信制高校を選ぶ際の重要なポイントになります。
どんなタイプのスクーリングが自分に合っているのか、よく調べてから進学先を選ぶようにしましょう。
また、基本的に通信制高校に通う場合は、高い自立性と自己管理能力が求められます。
というのも、通信制高校では、授業の参加や学習の進捗管理は自分自身で行わなくてはなりません。
すなわち、「期日までにレポートを提出する」「スクーリングの日程を把握して漏れなく出席する」といったことを自主的にやっていく必要があります。
通信制高校は自由かつ柔軟に学べることが魅力ですが、一方で「自分で学ぶ」という自律的な姿勢が求められます。
ですので、自学自習や自律的な生活が苦手な方は、塾やプロ家庭教師などを併用し、学習のサポートを受けることをおすすめします。
通信制高校の保健室の実態
多くの通信制高校では、通学頻度が少なくオンライン学習が主体であることから、従来の「学校に常設された保健室」という形態である場合は少なくなっています。
ですが、保健室相当の役割を果たすサポート体制は多くの学校で整備されており、生徒の心身の健康をサポートする重要な役割を担っています。
特に、通信制高校では孤独感や不安感を感じる生徒が多いことから、心の健康をサポートするための相談窓口やカウンセリングが充実している場合が多いです。
また、必要に応じて対面でのケアが受けられる学校もあります。
以下では、通信制高校における健康サポート体制について、
② オンラインや電話によるサポート
③ スクーリング時の保健サポート
の3つの場合に分けて解説していきます。
通信制高校の保健室の実態①保健室が物理的に存在する場合
通信制高校の一部、特に通学型スクーリングで生徒の通学頻度が高い学校では、物理的な保健室が設置されているケースもあります。
このような学校の場合は、全日制高校や定時制高校と同様に、スクーリングでの体調不良や怪我があった場合に保健室で休むことができ、必要に応じて応急処置を受けることができます。
また、保健室の先生(養護教諭)はその場限りの処置を行うだけでなく、医療機関やスクールカウンセラーと生徒の状況を共有し、長期的な支援に繋げる役割も担っています。
通信制高校の保健室の実態②オンラインや電話によるサポート
通信制高校では、常設の保健室の代わりに電話やオンラインで生徒の心身のサポートを行っている場合が多いです。
スクーリングの日数が少なく直接訪問できる保健室が無い学校でも、このような電話やオンラインでの相談窓口を設置することで、身体的・精神的な悩みにすぐに対応できるようになっています。
例えば、健康に関する悩みや不調を感じた場合は、学校に所属する保健師やカウンセラーに相談することができます。
病院に行くほどではないちょっとした体調不良なども早めに相談できるため、体調を崩しやすい方にとっては非常に安心であると言えます。
また、通信制高校では孤立感や不安感を抱える生徒さんも少なくありません。
そのため、メンタルヘルスのサポートが特に重視されており、心理カウンセリングや定期的なメンタルチェックを受けられる体制が整っている学校もあります。
こうしたサポートはオンラインや電話相談で行われることが多いですが、必要に応じて対面でのカウンセリングを受けられる場合もあります。
通信制高校の保健室の実態③スクーリング時の保健サポート
スクーリングが行われる通信制高校では、スクーリングの際に保健に関するサポートを受けられる場合があります。
例えば、全日制・定時制と通信制が併設されている学校において、通信制の生徒がスクーリング中に体調を崩した場合、他の課程の生徒と同じように保健室が使えることがほとんどです。
また、常設の保健室が無い学校でも、集中スクーリング期間中には臨時で保健室が設置され、応急処置を受けられることがあります。
起立性調節障害やその他の疾患などで体調を崩しやすく、スクーリングが不安という方は、スクーリング時に保健室を利用できるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
通信制高校の保健室|心身の健康サポートが充実している高校5選
この章では、保健室や健康面でのサポート体制が充実している学校を紹介していきます。
保健室が物理的に存在するかどうかや、オンラインでの健康相談やカウンセリングが充実しているかは学校選びの大きなポイントになりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
○ 常設の保健室あり
- クラーク記念国際高等学校
- 明聖高等学校
○ 電話・オンラインでの相談窓口のみ
- N高等学校(N高)
- NHK学園高等学校
○ その他(スクーリング期間中のみ設置)
- 屋久島おおぞら高校
心身の健康サポートが充実している通信制高校①クラーク記念国際高等学校
クラーク記念国際高等学校は、全国各地にキャンパスを持ち、通学型とオンライン型の両方のコースを提供している通信制高校です。
クラーク記念国際高校では、キャンパスに保健室が常設されているため、通学時には生徒が直接利用できる環境が整っています。
体調が悪い場合や不安を感じた際には、すぐに保健室を利用して休息や簡単な医療ケアを受けることが可能です。
また、クラーク記念国際高校では、定期的なカウンセリングや進路相談を通じて生徒のメンタルケアも行われています。
特に、進路や将来に不安を抱える生徒に対してはカウンセリングを行い、学校生活や学業に対するモチベーションを維持できるよう支援しています(参考:通信制高校 | クラーク記念国際高等学校 (clark.ed.jp))。
心身の健康サポートが充実している通信制高校②明聖高等学校
明聖高等学校は、通学型とオンライン型のハイブリッド教育を提供する通信制高校で、心身の健康サポートにも力を入れています。
特に、スクーリング中には保健室を利用でき、体調不良時にはすぐに保健師のケアを受けることが可能です。
また、メールや電話による健康相談サービスも提供しており、生徒が困ったときに迅速に対応できる体制が整っています。
さらに、明聖高校では、教員がカウンセリングやメンタルヘルスの研修を受け資格を取得しています。
生徒の悩みや不安に対応するためのスキルを持った教員が常に見守っているため、安心して相談ができます。
また、校内にはカウンセラーが常駐しており、学校生活における不安や悩みについて、担任の先生だけでなく、専門のカウンセラーに相談することができます。
生徒一人ひとりに対するきめ細かいサポート体制が整えられており、特にメンタルヘルスに関しては、定期的なカウンセリングの機会も提供されています。
このように、明聖高等学校は、学業だけでなく心身の健康サポートにおいても非常に充実した体制を整えており、生徒の多様なニーズに応えられる環境が魅力となっています。(参考:明聖高等学校 – 千葉・中野・WEBの総合通信制高校 (meisei-hs.ac.jp))。
心身の健康サポートが充実している通信制高校③N高等学校(N高)
N高等学校(N高)は、2016年に設立された新しいタイプの通信制高校で、オンライン教育に特化しています。
N高では、主に「オンライン相談窓口」を通じて心身の健康サポートが行われています。
保健師やカウンセラーが常駐しているわけではありませんが、オンラインでの健康相談やカウンセリングが可能で、特にメンタルヘルスのケアに力を入れています。
N高では、学校生活に不安を感じた生徒や保護者向けに、定期的にメンタルヘルスチェックを行っており、ストレスや精神的な問題に対して早期対応ができる体制が整っています。
オンラインカウンセリングは、対面のカウンセリングと同様に専門家が対応し、生徒の心理的な安定をサポートする仕組みとなっています(参考:N高等学校・S高等学校・R高等学校 (2025年4月開校準備中) (nnn.ed.jp))。
心身の健康サポートが充実している通信制高校④NHK学園高等学校
NHK学園高等学校は、ネット学習コースを主体とする通信制高校で、健康サポート体制にも優れています。
特に、年間4日間の集中スクーリング中には、専任の保健スタッフが生徒の体調管理を行い、医療機関との連携も図っています。
また、日常的にはオンラインでの健康相談が可能で、保健室が無い代わりに、オンラインでのカウンセリングが充実しています。
NHK学園は、特にメンタルケアに力を入れており、ストレスや精神的な問題を抱えている生徒にはカウンセリングを行うだけでなく、必要に応じて専門医の紹介も行っています。
オンライン学習が中心であるため物理的な保健室はありませんが、その他のサポート体制が整っているため、安心して学べると言えます(NHK学園高等学校|全国から入学できる広域通信制高校 (n-gaku.jp))。
心身の健康サポートが充実している通信制高校⑤屋久島おおぞら高校
屋久島おおぞら高校は、年1回の合宿型スクーリングが特徴的な通信制高校で、特に自然体験を通じた学びや体験を重視しています。
屋久島おおぞら高校のスクーリングは、校名にもあるとおり、屋久島の自然の中で行われます。
長期間かつ屋外での活動が多いことから、スクーリング期間中は保健室が設置され、医療スタッフが常駐します。
そのため、体調不良や怪我があった場合にもすぐに対応が可能です。
さらに、屋久島おおぞら高校では、自然体験やグループ活動を通じた心理的なサポートも行われています。
自然の中での体験活動が生徒のストレス軽減やメンタルケアに効果的であるとされており、スクーリングは学業の一環としてだけでなく、心身の健康を整えるための重要な機会であるとも捉えられています(屋久島おおぞら高等学校 – おおぞら高校 | 大自然に囲まれた通信制高校 (ohzora.ac.jp))。
通信制高校の保健室を利用する際の5つの注意点
通信制高校の保健室や健康相談サービスを利用する際には、以下のような注意点があります。
① 利用可能なサービスを事前に確認する
② 相談サービスの予約やアクセス方法
③ 個人情報の扱い
④ 早めに相談する
⑤ カウンセリングは定期的に受ける
以下で順に解説していきます。
通信制高校の保健室を利用する際の5つの注意点①利用可能なサービスを事前に確認する
通信制高校の保健室や相談サービスの内容は、学校ごとに異なります。
物理的な保健室がなく、オンラインや電話による相談のみである場合は、事前に利用方法や担当スタッフの資格(看護師や保健師、心理士など)を把握しておきましょう。
無資格者によるカウンセリングは、心の状態を逆に悪化させてしまうこともあります。
学校で本格的なカウンセリングを受けたい場合は、カウンセラーの資格の有無についても十分確認するようにしましょう。
通信制高校の保健室を利用する際の5つの注意点②相談サービスの予約やアクセス方法
通信制高校の相談サービスは、多くの場合、事前に予約が必要です。
特にカウンセリングや医療相談の場合、時間や日程が限られていることが多いため、早めに予約を取るようにしましょう。
また、電話やオンラインによるサービスの場合、アクセス方法(専用アプリやポータルサイト)や利用の手順も事前に確認しておきましょう。
通信制高校の保健室を利用する際の5つの注意点③個人情報の扱い
相談サービスを利用する際には、個人情報がどのように取り扱われるかも確認しておきましょう。
特に、健康やメンタルヘルスに関する情報はデリケートなため、プライバシーの保護がしっかりされているか、学校の規約や個人情報保護ポリシーを確認してから利用するのが望ましいと言えます。
通信制高校の保健室を利用する際の5つの注意点④早めに相談する
体調不良やストレスを感じた際には、早めに相談することが大切です。
症状がひどくなったり、問題が大きくなったりする前に相談することで、早めの対処が可能になり、適切なサポートを受けられる可能性が高くなります。
また、電話やオンラインの相談の場合、直接表情を見たり、触診したりすることができません。
ですので、症状や悩みについては具体的かつ明確に伝えることが大切です。
話しているうちに伝えたいことを忘れたり、上手く表現できなかったりすることもあるため、相談したい内容は事前にメモなどにまとめておくと良いでしょう。
通信制高校の保健室を利用する際の5つの注意点⑤カウンセリングは定期的に受ける
メンタルヘルスに関するカウンセリングについては、できるだけ定期的に受けるようにしましょう。
多くの場合、カウンセリングの効果は1回だけでは十分に現れません。
継続して受けることで効果が得られる場合がほとんどですので、カウンセラーの指示に従い、スクーリングのタイミングなどに合わせて定期的に受けるようにしましょう。
また、予約が取りづらく定期的にカウンセリングを受けることが難しい場合は、別途医療機関を受診するなどの方法も検討しましょう。
通信制高校の保健室のまとめ
この記事では、通信制高校の保健室や健康相談サービスについて詳しく解説してきました。
改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。
○ 通信制高校の保健サポートは学校ごとに異なる
通信制高校では、必ずしも物理的な保健室が常設されていません。電話やオンラインでの健康相談やカウンセリングが提供される学校が多いため、事前に確認しましょう。
○ メンタルヘルスケアが重要
孤立感や不安感に対応するために、オンラインカウンセリングやメンタルチェックが充実している学校が多いので、活用しましょう。
○ スクーリング時の保健サポートの活用
集中型や合宿型のスクーリングでは、体調不良時に保健スタッフや臨時の保健室が対応してくれるため、安心して参加できます。
○ オンライン相談は予約が必要な場合も
相談には予約が必要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。また、相談内容を事前に整理し、悩みを具体的に伝えることで、より適切なサポートを受けることができます。
通信制高校に常設の保健室が設置されていることは稀ですが、その代わりに電話やオンラインでの健康相談やカウンセリングの制度を設けている学校もあります。
特に、通信制高校の場合は自分一人で学習を進めなければならないため、不安感や孤立感といったメンタル面での不調を抱えやすいです。
ですので、通信制高校を選ぶ際には、メンタル面でのケアやサポートが充実しているかどうかにも注目すると良いでしょう。
また、自分で学習の計画を立てて自立的に勉強することが苦手な方の場合は、通信制高校と併せて塾やプロ家庭教師を利用するのもおすすめです。
プロ家庭教師メガジュンでは、長年にわたり通信制高校生の方の学習指導や学習計画の作成・進捗管理のサポートを行ってきました。
また、学習指導だけでなく、孤立感の解消やモチベーション維持のための面談やカウンセリングも承っています。
通信制高校の学習フォローやメンタルケア、通信制高校からの大学受験を検討されている方は、ぜひプロ家庭教師メガジュンにご相談ください。
また、授業やご相談の面談はオンラインでも承っています。全国各地からご利用いただけるほか、海外にお住まいの方や帰国子女の方にもこれまでご利用いただき、多数のご好評の声をいただいてきました。
初回の授業・ご相談の面談は無料ですので、オンラインで授業が受けられるか不安な方もお気軽にお問合せください。
一人でも多くのお子さまが、自分らしく人生を歩んでいけるよう、一同全力でサポートしてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。