発達障害の人が苦手なことって何?仕事でのサポートや克服法を紹介
発達障害のある方は、集中しづらかったり、上手くコミュニケーションが取れなかったりと、特性によって様々な「苦手なこと」を持っています。
発達障害の特性そのものを無くすことはできませんが、自分が苦手なことを把握し、対処法を考えたり、別のやり方を見つけたりすることで、特性によって生じる困りごとは軽減することができます。
発達障害の方で仕事や勉強が上手くいかないとお悩みの方は、まずは現状の分析から始めましょう。どんな時に、どのような困りごとが生じているのかを具体的に見ていくことで、対策を立てることができます。
私は、発達障害専門のプロ家庭教師として長年にわたり活動してきました。お子さまの困りごとや勉強でのつまずきを解消していくために、私たちはまず、お子さまの現在の状況を詳しく聞き取ることから始めます。
現状について医師や心理士、プロ家庭教師などに説明することで、当事者自身も改めて気付くことがあるかもしれません。「何となく生きづらいけれど、困りごとが漠然としている」という方は、今困っていることについて誰かに相談してみるのも良いでしょう。
この記事では、発達障害専門のプロ家庭教師ならではの視点で、発達障害の方が苦手なこととその解決方法について解説していきます。
ご自身が発達障害である方だけでなく、発達障害の方への接し方に悩んでいる方や発達障害のお子さまの保護者さまにとっても役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
▼目次
発達障害の方が苦手なこと
発達障害は、ASD・ADHD・LDの3つに分類されます。それぞれが併発することも多く、ASDとADHDのどちらの特徴にも当てはまるという人も少なくありません。
発達障害の方が苦手なことへの対策を考えていくためには、その背景にある特性の本質を知ることが大切です。「コミュニケーションが苦手」という表面的な事象だけではなく、なぜコミュニケーションが苦手なのかまでをしっかりと理解するようにしましょう。
以下では、それぞれの発達障害の特性と、それに伴って生じる苦手なこと、そしてその対策法をご紹介します。
ASD(自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群))
ASDとはAutism Spectrum Disorderの略で、日本語では自閉スペクトラム症と訳されます。ASDの特性は「社会性の不全」「コミュニケーションの不全」「限定された興味やこだわり」といった表現がされますが、その根本には想像力(イマジネーション)の障害があると考えられています。(参考:発達障害|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省 (mhlw.go.jp)))
社会性やコミュニケーションの不全は「相手の立場に立って考えるという想像力」が、限定された興味やこだわりについては「未来のことやイレギュラーな出来事に対する想像力」が、それぞれ上手く働かないことから生じていると考えられます。
したがって、ASDの方の困りごとを解消していくためには、「想像力の不足を補う」という視点が重要です。言わなくてもわかるだろう、空気を読んでやってほしい…こうした状況はASDの方は非常に苦手ですので、一つずつ具体的に伝えることを心掛けましょう。
また、ASDの方はパターン化されたタスクをこなすことは非常に得意ですので、多様なパターンをマニュアルに落とし込んだり、イレギュラーが起きづらくコツコツと取り組むことが求められるような作業してもらったりすることで、苦手を軽減し、得意を発揮することができます。
コミュニケーション能力は仕事や家庭などあらゆる場面で求められるため、コミュニケーションに苦手を感じている方は人間不信や社会的孤立に陥りやすくなります。うつや不安障害、強迫性障害がきっかけで医療機関を受診したところ、背景にASDがあることがわかったというケースも少なくありません。
ASDの特徴として当てはまるものが多い方は、早めに医療機関や専門機関に相談し、困りごとを小さくしていけるように対策していきましょう。
以下では、ASDの特性を「①社会性の不全」「②コミュニケーションの不全」「③イマジネーションの不全」の3つに分け、それぞれの特徴と行動例、対処方法をご紹介していきます。
①社会性の不全
社会性の不全とは、社会への参加や他者との関わり合いにおいて、忌避感が強かったり、うまく関われなかったりする状態のことを指します。社会性の不全自体は、一部のパーソナリティ障害やその他の精神疾患でも見られる症状のため、社会性の不全があるだけでASDと診断されることはありません。
とある精神科医の話によると、「人間関係が上手くいかない。自分はASDなのではないか」と言って受診する人は多いものの、ASDと診断されるのは2割程度で、残りは別の診断となっているそうです。
社会性の不全の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
<社会性の不全の特徴>
- 人との関わりにおいて受け身、または一方的
- 他者との共感性に乏しい
- その場の雰囲気に応じて行動するのが苦手
- 自分の感情を把握するのが苦手
- 暗黙の了解が理解できない
- 年齢相応の常識が身に付けられない
こうした特徴を要因として、具体的には次のような行動が見られます。
<社会性の不全に伴う行動例>
- 自分の話を一方的に続け、相手が嫌がっていることがわからない
- 自分の関心がある分野の話ばかりして、会議やミーティングの進行を妨げる
- 「太っていますね」「化粧が濃いですね」など、外見に関することを相手に直接言う
- 親しい人でも距離感のある話し方をしたり、逆に初対面の人に馴れ馴れしく話したりする(相手によって言葉遣いが変えられない)
- 話しかけるときの物理的な距離が近い
- TPOに合わせた服装がわからず、いつもフォーマルな格好でやり過ごしている
- 他人の机や鞄の中身を勝手に見たり触ったりすることに抵抗が無く、人の物を勝手に使うこともある
社会性の不全を一言で表すと、「空気が読めない」ということになります。職場や学校では「わざわざ言わなくてもわかるだろう」という暗黙のルールがわからず、場を乱してしまったり、一見すると失礼な言動を取ってしまったりすることがあります。
ただ、本人に悪気があるわけではなく、「思ったことをそのまま受け取っただけ」「以前はそれで上手くいったから」と本人なりの理由があることがほとんどです。
こうした特性を持つASDの方に対して、「常識的に考えて」「人の気持ちを考えて」と言っても伝わりません。表面的には分かったように見えても、一つのパターンとして記憶しただけで、それを応用しながら臨機応変に対応できないのもASDの社会不全の特徴と言えます。
ASDの方の社会不全に伴う困りごとを解消するためには、以下のような方法が効果的です。
<社会性の不全への対処方法>
○具体的かつ端的に伝える
-「電話対応は丁寧に」と指示するだけでなく、フロー図を使ったマニュアルを作成する
-「忙しいから後で」と言うときは、具体的に何分後まで待てば良いのか伝える
○暗黙のルールでもはっきりと伝える
-「目上の人には敬語を使いましょう」
-「人と話すときは1m程度の距離を取りましょう」
○口頭だけで伝わりづらいときは、メモに書いたり、図やイラストを使ったりして伝える
②コミュニケーションの不全
コミュニケーションの不全は、言葉を扱うことの苦手さと深い関係があります。パターン化された言い回しをよく使ったり、会話の流れや文章の文脈が理解できなかったりといった特徴が見られます。
言葉を直接的に受け取ってしまうことも多く、比喩が分からなかったり皮肉や冗談が通じなかったりと、「ちょっと変わった人」と思われてしまうこともあります。
<コミュニケーションの不全の特徴>
- 使う単語や言い回しに偏りがある
- 独り言やオウム返しが多い
- 話すときの抑揚が不自然
- 口頭でも書き言葉のような堅苦しい話し方をする
- 抽象的な概念を理解するのが苦手
- 比喩や慣用表現の理解が苦手
- 文脈や会話の流れを理解するのが苦手
- 言葉を文字通りに受け取る
- 緊張したり不安を感じたりすると、コミュニケーションが取りづらくなる
コミュニケーションの不全は、大人になるにつれてそれらしく振る舞えるようになり目立たなくなることもありますが、表面上は問題が無いようでも、いざというときに会話が噛み合わないというケースもあります。
コミュニケーションの不全から生じる困りごとには、以下のような例が挙げられます。
<コミュニケーションの不全による行動例>
- 質問の答えになっていなかったり、会話がズレたりすることが多い
- 「最近どう?」という質問の意図が分からない
- 会話の流れに付いていけず、周りがなぜ笑っているのか分からないことがある
- メモを取るとき、一字一句書き取ろうとする
- 電話で「○○さんはいますか?」と聞かれて、「います」とだけ答える(電話を取り次ごうとしない)
- 「子どもの様子を見ておいて」と言われたら、本当に見ているだけで世話をしない
- 怒られたときの謝り方がいつも同じで、こちらの気持ちが届いている感じがしない
「冷たい人」「変わった人」と思われることの多いASDのコミュニケーション不全ですが、本人に悪気があるわけではありません。本人も周りと上手くやっていきたいのに上手くいかないというストレスが溜まり、うつや不安障害などの二次障害が生じてしまうこともあります。
また、人間関係のトラブルから不登校になったり、転職を繰り返したりしてしまうこともあります。周りが特性を理解しサポートするとともに、本人もソーシャルスキルトレーニングに取り組むなど、環境の調整と療育の両方から状況を改善していく必要があります。
<コミュニケーションの不全への対処方法>
○会話をパターン化し、シミュレーションしながら身に付ける
-「最近どう?」と聞かれたら、最近あった出来事について具体的なエピソードを話せば良い
-意識して相槌を打つ(そうなんですね/なるほど/すごい)
-相手の言葉をオウム返ししながら聞く(「良い天気ですね」「そうですね、良い天気ですね」)
○やってほしいことをストレートに伝える
-「子どもの様子を見ておいて」ではなく、「○時にご飯をあげて、○時間ごとにオムツをチェックして」と具体的に伝える
-「議事録を作っておいて」ではなく、あらかじめメモしてほしいポイントを伝えておく(議事録のひな型を作る)
③イマジネーションの不全
ASDの方が特定の物事に対して強いこだわりを持ったり、反復的・常同的な行動を好んだりするのは、イマジネーション(想像力)に苦手さがあるためと考えられています。
イマジネーションとは、目の前の現実には無いものについて頭の中で考え、操作する脳の働きのことです。
このイマジネーションの働きがあるからこそ、私たちは想定外の出来事が起こったとしても、それまでの経験や知識との共通項を見つけ出し、「そういうこともある」「きっとこういう風に対処すれば大丈夫」と心を落ち着けて解決策を見つけることができます。
イマジネーションの力が弱いと、想定外の出来事が起こったときに過去の出来事や経験と結びつけることができないため、全くの未知の状況に陥っている感覚になります。どうすれば良いのかが何も分からない状況においては、人は強いストレスを感じ、パニックになってしまうこともあります。
そのため、イマジネーションの力が弱い人は無意識に想定外の出来事を避け、いつも通りであることを好むようになります。ASDの方がルーティンを好んだり、特定の物を集めたりするのは、同じパターンを繰り返すことによって想定外の出来事をできるだけ避けようとするためと考えられます。
ASDの方がルールに強くこだわったり、他人の失敗に厳しかったりするのも、イマジネーションの不全が関係しています。ルール通りであることや他人が想定通りに行動することは、想像する力の弱いASDの方にとっては一種の安心材料になるためです。
これらのほかにも、以下のような例がASDのイマジネーションの不全の特徴として挙げられます。
<イマジネーションの不全の特徴>
- 見通しが持てない状況が苦手で、強い不安を感じる
- 知らない場所や初対面の人に対して極度に緊張する
- 不測の事態が起きるとパニックになる
- 予定が変更されるとストレスを感じる
- 特定の物事に対する執着が強く、収集癖があったり知識を膨大に蓄えたりする
- ルールを守ることに固執し、例外は認めたくない
- 完璧主義である
こうした特徴によって生じる具体的な行動例は以下のとおりです。
<イマジネーション不全に基づく行動例>
- 子どもの場合は遠足や運動会などの学校行事、大人の場合は飲み会や慰安旅行など、イレギュラーなイベントを嫌がり参加しない
- 道が混んでいても、いつも通りの経路で行くことにこだわり迂回しない
- 「6月までは長袖」と決めたら、いくら暑くても半袖を着ない
- 上司や先生が「今日くらいは良いよ」と言った場合でも、原則的なルールを守ろうとする
- ミスをすると機嫌が悪くなったり、極端にふさぎ込んだりする
- 問題を間違えることを嫌い、簡単な問題ばかりを解く
- 間違いを指摘されると怒る
- 資料が完璧に完成するまで、誰にも見せない
- コンプリートするまでゲームをやめられない
イレギュラーな出来事に対応できなかったり、自分や他人のミスに厳しすぎたりすると、仕事や勉強が上手くいかないだけでなく、本人も大きなストレスを感じることになります。人間関係を円滑にするとともに、イレギュラーを許容する姿勢を身に付けるためには、以下のような対策が効果的です。
<イマジネーションの不全への対処方法>
○スケジュールを明確に示し、変更がある場合は早めに伝える
-△月△日には○○のイベントがあります。ただし、雨が降ったら中止で代わりに○○をします。
-1か月後から○○プロジェクトが始まります。毎週金曜日15時から定期ミーティングがあるので、そこで1週間の進捗を報告してください。
○物事の優先順位を明確に示す
-○○プロジェクトの資料作りをしてください。経費の計算は最後にしてください。
-英単語を30分やってから、数学の問題集を解きましょう。
○こだわりを無理にやめさせない
-「暑苦しいからネクタイくらい外したら?」→周りに直接的な迷惑が無い場合は指摘しない。
-「もっと他のことにも興味を持ちなさい」→こだわり=安心であることを理解し、無理にやめさせない。
ADHD(注意欠如・多動症)
ADHD(注意欠如・多動症)の特性には、「不注意」と「多動性・衝動性」の2つがあります。このうち、多動性・衝動性は子どもの頃に目立ちやすく、早めにサポートにつながれる場合が多くなっています。また、多動性・衝動性は大人になるにつれ落ち着く場合も多く、比較的対処しやすい特性となっています。(参考:学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)及び高機能自閉症について:文部科学省 (mext.go.jp))
一方、不注意の特性は「ぼーっとしている」「ケアレスミスが多い」など、受け身型の困りごとが多く、子どもの頃は特性が目立ちにくい傾向にあります。
立ち歩きや順番抜かしなどが多いADHDの子はクラスでも目立つため、先生も気を付けて指導するのですが、ぼんやりしていて集中力が低いタイプの子は、クラスの中では目立たず大人しい子に見えるため、特性に気付かれづらい状況にあります。
ADHDの方の行動例には、以下のようなものが挙げられます。
<ADHDの方の行動例>
○多動性・衝動性
-じっと座っているのが苦手で立ち歩く
-おしゃべりが止められない
-深く考えずに発言し、相手を傷つけたりトラブルを起こしたりする
-イライラしたときに大声で怒鳴ってしまう
-周りに相談せずに重大な決断をする
-衝動買いが多い
○不注意
-忘れ物や失くし物が多い
-ケアレスミスが多い
-整理整頓が苦手
-遅刻が多い
-家事や仕事を段取りよく進めるのが苦手
-複数のタスクが重なると、どれかをすっかり忘れてしまう
-一つの物事について集中して考えるのが苦手
-あることに集中していたつもりでも、いつの間にか他のことを始めてしまう
-いろいろな考えが常に頭の中をめぐっている
-話の内容があちこちに飛ぶ
ADHDの特性は、脳の報酬系の働きの不全によって生じると考えられています。ADHDの方は、脳の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの分泌が不足しているため、神経伝達の調節に異常が生じるとされています。
これらの脳の特性は薬によってある程度はコントロールが可能で、コンサータやインチュニブなどが治療薬として用いられています。
多動性・衝動性が強く出ている場合は「インチュニブ」が処方される場合が多く、α2Aアドレナリン受容体を刺激することで前頭葉の働きを活性化させ、情動を安定させ多動性・衝動性を抑制します。
不注意の特性が強い場合は「コンサータ」が処方される場合が多く、脳内のドーパミンを増やして脳の覚醒度を上げ、頭の中をすっきりさせることができます。
コンサータはADHDの治療薬として強い効果を発揮する一方、中枢神経を直接刺激するため、依存のリスクを含んでいます。また、脳の興奮を高める作用を持つため、不眠や不安感の増強、万能感などを伴う躁状態、食欲減退などの副作用を引き起こす場合があります。
ADHDの特性全般に効果がある薬として、「ストラテラ」が処方される場合もあります。ストラテラはADHDの特性に効果があるだけでなく、不安症状を和らげる効果もあるとされています。ADHDの二次障害として双極性障害や不安障害がある場合、脳の興奮を高める作用のあるコンサータは処方できませんが、ストラテラの場合は処方可能であるだけでなく、さらに二次障害に対する治療効果も期待できます。
ただ、コンサータが服用したその日に効果が現れるのに対し、ストラテラの効き方は非常にゆっくりで、服用開始から効果が現れるまで1~2週間かかり、安定した効果が実感できるまでには6~8週間かかるとされています。また、飲み初めには頭痛や吐き気などの副作用が生じる場合もあるため、体質との相性を見ながら服用していく必要があります。
ADHDの特性は薬である程度抑えることができますが、人によって薬の効果は様々であり、体質的に薬が服用できなかったり、効果が現れづらかったりする方もいらっしゃいます。そのため、薬物療法だけでなく、環境の調整や周りのサポートに取り組むことが大切であり、具体的には以下のような対処法が考えられます。
<ADHDの困りごとへの対処法>
○集中できる環境を整える
-机の上に余計なものを置かない
-窓の外が見えない席に座る
-パーティションで席を区切る
-集中したいときは別室で作業する
-スモールステップで目標を設定し、達成感を感じられるようにする
-一度に長時間集中せず、こまめに休憩を取る
-マルチタスクを避け、一つずつ処理する
○多動性・衝動性を発散させる
-休憩時間にストレッチをする
-昼休みに軽い運動をする
-イライラしたら一粒チョコを食べるなど、気持ちを落ちつけるためのルーティンを作る
○タスク管理のためのツールを活用する
-ToDoリストを作る
-ホワイトボードなどでタスクを共有する
-タイマーを使い、時間を区切って作業する
-朝の準備などの手順が決まっていることは、紙に書いて目につく場所に貼っておく
発達障害の方が苦手なことのまとめ
この記事では、発達障害の方が苦手なことやその対処方法について詳しく解説してきました。改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。
<POINT>
- 発達障害はASD・ADHD・LDの3つに分類されるが、併発することも多い
- ASDの特性には「社会性の不全」「コミュニケーションの不全」「イマジネーションの不全」の3つがある
- ASDの社会性の不全に対しては、抽象的な表現を避け、暗黙の了解であってもはっきりと言葉にして伝えることが必要
- ASDのコミュニケーションの不全に対しては、会話をパターン化してシミュレーションするほか、間接的な言い回しを避けるなどが効果的
- ASDのイマジネーションの不全に対しては、見通しを伝えることのほか、他人に影響を与えないこだわりについては見守ることも必要
- ADHDの特性は「不注意」「多動性・衝動性」の2つがある
- 多動性・衝動性に伴う行動は目立ちやすく気付かれやすいが、不注意の特性は受動的なものが多いため気付かれにくい
- ADHDの特性は、薬によってコントロールすることもできる
- ADHDの特性に対しては、集中できる環境を整えたり、タスク管理のためのツールなどを活用したりすると良い
発達障害の方には苦手なことも多いですが、背景にある特性をきちんと理解することで、適切に対処していくことは可能です。特性それ自体を無くすことはできませんが、苦手なことへの付き合い方や避け方を見つけていくことで、発達障害の方の困りごとは格段に小さくすることができます。
私が以前受け持った生徒のAさんは、ASDとADHDの併発との診断を受けていました。苦手なことを克服しようと人一倍努力しており、人間関係にも常に気を使っている子でしたが、中学2年生の時にとうとう心のエネルギーが切れてしまい、不登校になってしまいました。
私はAさんへの学習支援を行う中で、
- 苦手なことは苦手なままで構わないこと
- Aさんの素敵な部分を伸ばすことの方が大切であること
を根気よく伝え続けました。勉強やスポーツができることは素晴らしいことですが、人間の価値はそれだけでは決まりません。
やがてAさんは、自分には自分なりの良さがあることに気付いてくれました。苦手な国語の成績は最後まで伸び悩みましたが、理数系の科目をしっかり伸ばし、無事に第一志望の高校に合格することができました。
私たちプロ家庭教師メガジュンでは、お子さまの特性をしっかりと見極め、お子さまにとって何が一番大切かをご本人と保護者さまと一緒に考え、提案させていただきます。高い偏差値の学校に入ることだけが正解ではありません。お子さまにとってより良い選択ができるよう全力でサポートいたしますので、発達障害に知見のあるプロ家庭教師をお探しの方は、ぜひ一度プロ家庭教師メガジュンまでお問合せください。
また、授業や面談はオンラインでも承っています。遠方にお住まいの方でも受講いただけますし、これまで海外在住の方や帰国子女の方にもご利用をいただいてきました。オンラインで授業が受けられるか不安なお子さまも、初回授業は無料ですのでお気軽にお試しいただけます。
さらに、プロ家庭教師メガジュンでは、体験授業の講師がお申し込み後も継続してお子さまを担当いたします。「体験授業の先生が良かったのに、申し込み後は別の先生になってしまった…」ということもありませんのでご安心ください。
1人でも多くのお子さまが伸び伸びと成長していけるよう、一同全力でサポートしてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。