中学受験後に成績低迷…2E型ギフテッドのお子さまが深海魚状態から再び自信を取り戻すまで
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- 2E型ギフテッドのお子さまが中学受験後につまずく理由
- 「深海魚化」したお子さまがやる気を取り戻すために必要なこと
- 得意科目を活かしながら、苦手科目を無理なく克服する方法
- メガジュンの指導で実際に成績が向上したBさんの学習プロセス
「中学受験に成功し、憧れの中学校へ。でも入学後、急に授業についていけなくなり、成績が低迷。やる気もなくなり、何をしても楽しくない……。」
このような悩みを抱えるお子さまは少なくありません。
小学生の頃は得意な科目で勝負し、効率よく中学受験を突破。しかし、中学校に進学すると、課題の多さや授業スピードの速さに対応できず、結果的に「深海魚」(成績下位・無気力状態)になってしまうケースがあります。
本記事では、中学受験後につまずき、勉強への自信を失ってしまったBさんの事例を紹介します。
メガジュンの指導を通じて、Bさんがどのようにして学習の方向性を立て直し、成績を向上させたのかを具体的に解説します。
「2E型ギフテッドの子どもに合った学習方法を見つけたい」
このようなお悩みをお持ちの保護者さまの参考になれば幸いです。
この記事はこんな方におすすめ
- 小学校のときは勉強が得意だったが、中学受験後に成績不振になった
- 得意科目に偏った学習をしてきたため、バランスが取れず苦戦している
- 「自分は勉強ができない」と思い込み、学習意欲が低下している
- 中学校での授業スピードに対応できず、無気力状態になっている
- お子さまの特性に合った学習方法を知りたいと考えている
▼目次
【2E型ギフテッドと中学受験】Bさんのつまずき|思考力で勝負するタイプだが、暗記が苦手
Bさんは、小学校の頃から論理的思考力に優れ、パターン認識や推論が得意でした。特に、算数では解法を丸暗記するのではなく、「なぜこうなるのか?」を考えて理解するタイプで、公式を暗記せずとも基本的なルールをもとに自分で考えながら問題を解くことができました。
国語でも、読書好きで文章に触れる機会が多く、読解問題は「なんとなくの感覚」で正解を選ぶことができたため、小学生の間は苦手意識を持つことはありませんでした。
一方で、決められた内容をそのまま暗記することには苦手意識がありました。
理科や社会では、知識を関連づけて理解することはできても、単純な用語の暗記は嫌いで、興味の無い範囲の内容はなかなか覚えられませんでした。
このように、「考える力」には長けていたものの、「暗記の量が多い科目にはモチベーションが湧かない」 というのがBさんの特徴でした。
中学受験に向けての学習法|思考力を活かして突破
Bさんは「思考力で解決できる科目を武器にし、暗記の負担を減らす」 という戦略で中学受験に臨みました。
特に算数では、
という強みを発揮し、算数はほぼ満点レベルの得点源となりました。
国語でも、「文章全体の流れを掴む」「直感的に正解を選ぶ」というスタイルで高得点をキープ。ただし、記述問題では「なぜそう思ったのか」を説明することが苦手だったため、選択肢問題で点を稼ぐ形になっていました。
一方で、理科・社会は「暗記科目」として取り組む必要があり、なかなかモチベーションが上がりませんでした。
「なぜこの現象が起こるのか?」を考えるのが好きだったため、理科については興味のある分野ではある程度得点できたものの、社会の歴史や地理の単純な暗記には最後まで苦戦しました。
とはいえ、得意な数学と国語で大きく得点を稼ぐことができたので、理科・社会は最低限の対策で乗り切る形で合格を果たしました。
Bさんが中学校入学後に直面した課題
Bさんは、中学校入学後に以下のような課題に直面しました。
- ① 暗記量の増加によるモチベーション低下
- ② 思考力だけでは解決できない数学につまずく
- ③ 「勘で解く」国語が通用しなくなる
- ④ 成績低迷により無気力化(深海魚化)
①暗記量の増加によるモチベーション低下
Bさんが進学した中学校は、授業のスピードが速いだけでなく、課題の量や定期テストの問題量が多いことが特徴的でした。
そのため、
- 数学で公式や定理を覚えていないと時間内に問題を解き切れない
- 国語の記述問題では、根拠を明確にして説明しないと点数がもらえない
- 理科や社会の暗記量が急増する
といった状況に直面し、Bさんの学習意欲は急激に低下していきました。
という気持ちが強くなり、得意だった数学や国語に対しても苦手意識が生まれたことで一気にモチベーションが下がってしまいました。
②思考力だけでは解決できない数学につまずく
Bさんは算数が得意でしたが、中学校の数学では 「考えれば解ける問題」だけでなく、「知識を前提にしないと解けない問題」が増えました。
- 「この定理を知っているかどうか」が問われる問題
- 知識が無いと考え始めることすらできない問題
- 時間制限が厳しく、考え込んでいると最後まで解ききれない
こうした問題が増えると、Bさんの「考えるのが楽しい」という感覚が失われていきました。
この結果、Bさんは数学に対して「時間が足りないし、もう解ける気がしない」 という感覚を持つようになり、次第に「数学は得意」という自信を失っていきました。
③ 「勘で解く」国語が通用しなくなる
国語では、
- 選択肢問題は勘で解けることが多かったが、難易度が上がるにつれて正答率が下がる
- 「なぜそう思ったのか」を説明する記述問題で点数が取れない
- 古文は単純な暗記の要素が多く、興味が湧かない
といった状況になり、得点源だったはずの国語も、徐々に「何をすれば点が伸びるのか分からない科目」になっていきました。
という不満が積もり、国語の勉強へのモチベーションも大きく低下していきました。
④ 成績低迷により無気力化(深海魚化)
- 数学は公式やパターンを覚えないと解けない問題が増えて、得点が下がる
- 国語は「読めるけど点数が取れない」状態になり、対策が分からなくなる
- 理科・社会は覚えるべき範囲が膨大で、暗記の負担に耐えられない
このような課題に直面する中で、考えれば解けることで成功体験を積んできたBさんは、思考力だけでなくコツコツと暗記しないと戦えない中学校の学習環境で自信を喪失し、無気力化(深海魚化)してしまいました。
次の章では、Bさんの保護者さまがどのように不安を感じ、メガジュンに相談されるに至ったかの経緯についてお伝えします。
ギフテッド・発達障害専門のプロ家庭教師メガジュンでは、お子さまの強みを活かしながら、無理なく学習を進められるようサポートします。計画的な学習習慣を身につけ、成績アップにつなげる方法を知りたい方は、ぜひご相談ください。
【2E型ギフテッドと中学受験】保護者さまからの相談内容
Bさんの保護者さまからのご相談は、Bさんの学力の低下と、それに伴って学習意欲も低下していることを懸念したものでした。
暗記をとにかく嫌がるせいで成績が上がらない
Bさんは、考えることには楽しさを感じるものの、「覚えなければならないこと」に対して強い抵抗感を持っていました。
数学の公式や国語の漢字・古文単語、社会の年号や出来事など、「理屈を考える余地がない暗記」になると、途端にやる気を失うという状態でした。
その結果、「暗記をすれば点が取れる科目」での成績が上がらず、全体の成績を押し下げていることが最大の課題でした。
成績不振のせいでモチベーションが下がっている
Bさんの中学校は課題の量も多く、授業の進度も速いため、ある程度の自己管理能力が求められる状況にありました。
ですが、Bさんはとにかく暗記を嫌っていたため、
という悪循環に陥っていました。
授業中も、特に苦手な社会や古典の時間は、「どうせ覚えられないし、意味が分からない」と諦め、集中力が持続しない状態に。
ついには、担任の先生から「最近、Bさんが授業中に寝ていることが増えました」「提出物の遅れが多くなっています」と指摘され、保護者さまも本格的にBさんの状況を心配するようになりました。
「勉強する意味が分からない」という言葉へのショック
中学受験までは、考えれば解ける問題が多かったため、Bさんも「勉強は楽しい」と感じながら取り組めていました。
ですが、中学校ではとにかく覚えるべきことが多い環境に変わり、暗記しないことには点数が取れない状況になったことで、「勉強の意味が分からない」「もう勉強したくない」という発言が増えていきました。
こうしたBさんの変化を目の当たりにし、保護者さまは「このままではBが勉強そのものを嫌いになってしまうのではないか」と強い不安を感じるようになりました。
このままの状態では、Bさんのモチベーションはますます下がり、成績も下降する一方になってしまいます。
そこで保護者さまは、「Bの性質に合った学習方法を見つけ、もう一度勉強へのモチベーションを取り戻してほしい」と考え、私たちメガジュンの元に相談されました。
特に、保護者さまは次の2点に期待されていました。
①Bさんの特性に合った学習方法を見つけ、モチベーションを回復させる
Bさんは暗記が苦手ですが、思考力を活かした学習には強みがあります。
そこで、思考力を活かしながら暗記にも取り組むことで、勉強への抵抗感を減らし、やる気を回復させられるのではないかと保護者さまは考えておられました。
②学習習慣を改善し、再び成績アップを目指す
保護者さまは、Bさんの学習習慣にも課題を感じておられました。Bさんは気分次第で好きな科目ばかりに取り組み、計画性の無い学習を続けていました。
保護者さまは、優先順位を整理しながら計画的に学習を進める習慣を身につける必要があると考え、日々の学習フォローも可能であるメガジュンにサポートを依頼されました。
保護者さまは、「Bが勉強に対して前向きな気持ちを取り戻し、無理なく成績を上げていけるようにサポートしてほしい」と強く願っておられました。
次の章では、メガジュンが実際にBさんをどのようにサポートし、暗記の負担を減らしながら学習習慣を立て直したのかを具体的に解説していきます。
「暗記が苦手なお子さまへの適切なアプローチ」や「学習習慣の改善方法」について詳しくご紹介しますので、同じような悩みをお持ちの保護者さまはぜひご参考にしていただければと思います。
【2E型ギフテッドと中学受験】メガジュンのサポート開始
Bさんのサポートを開始するにあたり、まずは 「何ができるのか」「どこでつまずいているのか」を明確にすることからスタートしました。
そこで、初回の面談では次のような点を確認しました。
こうしたBさんの性質を踏まえ、まずは 「得意なことを活かして、自信を取り戻すこと」を第一の目標に設定しました。
苦手な暗記を無理やりやらせるのではなく、学ぶことに楽しさを感じる状態を作ることが、Bさんにとっては最優先であると考えたからです。
そこで、まずは 「得意科目での成功体験」 からスタートし、少しずつ勉強へのモチベーションを回復させることにしました。
Bさんに適した学習プランの作成
Bさんの「暗記が嫌い」「考えることは好き」という性質を踏まえ、丸暗記ではなく、根拠やストーリーを理解しながら学ぶことを軸にした学習プランを立てました。
具体的には、Bさんが「丸暗記だ」と感じている科目について、実は背景や理由、ストーリーがあることを説明し、考えながら学べる方法を取り入れることにしました。
→ 単なる年号の暗記ではなく、「なぜその事件が起きたのか」を考えながら学ぶ。
- 「○○の戦いがあった」ではなく、「その戦いが起きた原因は?その後どうなった?」とつなげることで、意味のある流れとして理解できるようにしました。
→ 単語を丸暗記するのではなく、成り立ちや背景を知る。
- 例えば、「『あはれ』は、感動語『あは』に接尾語の『れ』が付いたもので、喜びも悲しみも含めて、心の底から湧き出る感情の全てを表すもの」。
- 語源を学ぶことで、ただの暗記ではなく、「なるほど、こういう成り立ちなんだ」と理解しながら暗記できるようになりました。
→ 公式の「なぜ」を考えることで、ただの暗記ではなく、思考力を活かした学習に。
- 例えば、三平方の定理(ピタゴラスの定理)を覚えるのではなく、図形を使って「なぜこの関係が成り立つのか」を実際に考えながら学習し、「覚える」のではなく、「納得する」ことで理解を深める方法を取り入れました。
こうしたアプローチを通じて、「実は、本当に丸暗記しか方法が無いことはごくわずか」 ということをBさんに伝え、「この方法なら自分もできるかもしれない」という希望を持ってもらうことを目指しました。
過集中を活かす学習方法
Bさんは、興味があることに対しては 驚異的な集中力(過集中)を発揮するタイプでした。
そのため、苦手科目を長時間ダラダラ勉強するのではなく、短時間でも集中して取り組むことを意識した学習計画を立てました。
計画的な学習習慣の確立(短時間集中・スモールステップ)
暗記が苦手なBさんにとって、「一気に詰め込む学習」は苦痛であり、やる気を奪う要因となっていました。そのため、「スモールステップ」で少しずつ学習を積み重ねる方法を導入しました。
- ■ 最初の5分でできることを設定
- 例えば、「まずは歴史の流れを1つだけ理解しよう」など、小さな目標を立てることで、負担なくスタートできるようにしました。
- ■ 1日1つでも前進すればOK
- 苦手な暗記も、「1日1つだけでも覚えられたらOK」とし、少しずつ達成感を積み重ねることで、無理なく学習を続けられる環境を作りました。
- ■ 学んだことをアウトプットする習慣
- 「歴史の流れを説明してみる」「古文単語の語源を家族に話してみる」など、アウトプットの機会を増やし、覚えたことを定着させる方法を取り入れました。
まとめ|Bさんの学習プラン
次の章では、Bさんがこの学習プランをどのように実践し、実際にどのような変化があったのかを詳しくお伝えします。
「苦手な暗記を克服しながら、得意を活かして成績を向上させるプロセス」を具体的に紹介していきますので、ぜひ続けてご覧ください。
ギフテッド専門のプロ家庭教師メガジュンでは、お子さまの得意分野を伸ばしながら、苦手な科目の克服についてもサポート。暗記が苦手でも「理解しながら覚える」という方法を取り入れ、無理なく成績アップを目指します。まずはお気軽にご相談ください。>>無料相談を申し込む
【2E型ギフテッドと中学受験】Bさんの変化①国語
Bさんは小学校時代、「読書好き」「なんとなくの勘」で国語を得点源にしていたため、中学受験では特に対策を意識せずとも高得点を取れていました。
小学校時代の特徴
- 幼少期から本を読むことが好きで、自然と文章に慣れ親しんでいた
- 「選択肢問題」は文章全体の流れをなんとなく掴んで正解できていた
- 漢字の書き取りは苦手だったものの、大きな失点にはならなかった
しかし、中学に進学すると、「論理的な読解力」や「記述式の解答」が求められるようになり、正答率が低下しました。
中学進学後につまずいたポイント
- ■ 読解問題で「解答の根拠を見つけられない」
- これまでは「感覚で選んで正解する」ことが多かったが、論理的に答えを導く力が必要になり、根拠を見つけるのが難しくなった。
- ■ 記述問題で「何を書けばよいか分からない」
- 「なぜこの答えになるのか」を明確に説明することが苦手で、記述式問題の点数が伸びなくなった。
- ■ 古文の単語・文法が暗記中心でモチベーションが低下
- これまでの国語は「考えればできる科目」だったが、古文に関しては「とにかく覚えること」が増えたため、やる気をなくしてしまった。
記述問題の型の把握と解法の習得
Bさんの国語の成績が下がってしまった最大の原因は、今まで「勘」で解いてきたことが上手くアウトプット(言語化)できず、点数につながっていないことにありました。
そこでメガジュンでは、以下のアプローチを行いました。
論理的読解の練習(設問ごとに解答の根拠を明確化)
まずは、Bさんが苦手としていた「解答の根拠を見つけること」の練習を徹底しました。
記述問題の型を習得(構成パターンを整理)
Bさんは、記述問題になると「何を書けばいいか分からない」という状態になってしまっていました。
そこで、「記述問題の型(構成パターン)」を整理し、どのように答えれば点が取れるのかを明確化しました。
古文の暗記に関しては、語源などのストーリーと併せて覚える
Bさんは 「丸暗記を強いられること」に対して強い抵抗感を持っていたため、古文の単語や文法については、「意味の背景や語源のストーリー」を交えて学ぶ方法を採用しました。
Bさんの変化
これらの取組を行った結果、Bさんには以下のような変化が見られました。
- ■ 読解問題の「根拠を見つける力」が向上
- 「勘で選ぶ」のではなく、「文章のどこを見れば答えが書いてあるか」に着目できるようになった
- ■ 記述問題への抵抗感が減り、得点が安定
- テンプレートを使うことで「何を書けばいいか分からない」という状態を脱し、少しずつ自信が持てるようになった
- ■ 古文の学習が「単なる暗記」ではなく「理解するもの」に変わった
- 単語の成り立ちを意識することで、丸暗記ではなく「納得しながら覚えること」ができるようになった
次の章では、数学のアプローチについて詳しく解説していきます。
覚えなければならない公式や定理が増えたことでつまずいていたBさんが、得意な論理的思考を活かして数学を再び得意科目に変えていった過程をご紹介します。
【2E型ギフテッドと中学受験】Bさんの変化②数学
Bさんは小学校時代、考えれば解けるタイプの算数の問題が得意で、受験でも得点源としていました。
小学校時代の算数の学び方
- 公式やパターンを丸暗記するのではなく、「なぜこの解き方になるのか?」を理解して考える力を重視
- 規則性やパターンの発見が得意で、初見の問題にも柔軟に対応できた
- 計算も速く、論理的に考える必要がある問題ほど楽しんで取り組めた
ですが、中学校に進学すると、数学の学習内容が思考力だけでは対応しにくいものに変わり、つまずきが増えてしまいました。
中学進学後につまずいたポイント
- 知識を前提とする問題が増え、考える前に知識が必要になった
- 定理や公式を知っていないと手も足も出ない問題が増えた。
- 問題のバリエーションが増え、パターンを覚えないと対応できないものが増えた
- これまで考えて解くことに慣れていたため、「この公式を使う」と割り切る学習ができなかった。
- 問題の量が多く、じっくり考える余裕がない
- 課題の量が多いため、じっくり考えながら解いているとその日の課題を終わらせることができなかった。
- 加えて、定期テストの問題量も多く、考えながら解いていると時間内に解き切ることができなかった。
この結果、Bさんは次第に「数学が得意」という自信を失い、「考える時間が足りない」「公式を覚えないと解けないのは納得できない」と感じ、学習意欲が低下していきました。
メガジュンの指導アプローチ
そこでメガジュンでは、Bさんの数学の強みを活かしながら「考えながら理解する数学」と「必要な知識を身につける数学」を両立する学習方法を取り入れました。
数学の公式を「理解して使える形」に整理
Bさんは 「公式の丸暗記」に抵抗があり、「なぜこの公式が成り立つのか?」を知ることで納得して学べるタイプでした。
そこで、公式を単なる暗記ではなく、導出の過程や背景を理解する形で学習を進めました。
例えば、
- 二次方程式の解の公式
- 「なぜ平方完成をするとこの形になるのか?」を図示しながら解説
- 三平方の定理
- 「面積の関係」や「ピタゴラス数の成り立ち」を理解することで、公式を自然に使えるように
- 確率の計算
- 「なぜこの計算式になるのか?」を視覚的に説明し、計算の意味を理解できるように
このように対応することで、Bさんは「数学が暗記ではなく、考えることで理解できるものだ」と再認識し、少しずつ学習意欲を取り戻すことができました。
「考える数学」と「覚える数学」のバランスを取る
Bさんの強みは「思考力」でしたが、試験では考える時間が無い問題も多く、機械的に解くための知識のインプットが不可欠でした。
そこで、次のように学習を組み立てました。
- まずは「考えてみる時間」を設けるが、解けなかったら公式を活用する習慣をつける
- 「使える知識を増やす」と割り切り、最低限の公式はスムーズに使えるように練習する
- 暗記が嫌いなBさんのために公式をグループ化し、「この3つは同じ考え方で導ける」と整理
こうした学習を進めることで、Bさんは「考えること」と「覚えること」のバランスを取りながら数学に取り組めるようになりました。
時間制限のある演習を導入
Bさんは「じっくり考える」ことが得意でしたが、テストでは考えすぎると時間が足りなくなるという問題がありました。
そこで、短時間で解く練習(タイムアタック演習)を取り入れ、解答のスピードを向上させました。
ポイント
- 制限時間を決めて解くことで、スピード感を身につける
- 時間配分を意識し、解けそうな問題から優先して解く習慣をつける
Bさんの変化
これらの取組を行った結果、Bさんには以下のような変化が見られました。
- ■ 数学に対する興味が戻り、「考えることが楽しい」と思えるようになった
- →公式を丸暗記するのではなく、その意味を理解しながら学ぶ方法を取り入れたことで、「考えれば解ける」という自信を持てるようになった。
- ■ 公式を「使うもの」として整理し、スムーズに活用できるようになった
- →どの場面でどの公式を使えばよいかを明確にし、適切に活用できるようになったことで、解ける問題が格段に増えた。
- ■ 試験時間内に解ける問題数が増え、得点が安定
- →時間を意識したトレーニングにより、「解けるけれど時間が足りない状態」を脱し、試験本番でも落ち着いて解答できるようになった。
次の章では、「計画的な学習の習慣づけ」について詳しく解説していきます。
Bさんが、やるべきことを明確にし、スモールステップで実践することで学習の習慣を取り戻していったプロセスをご紹介しますので、ぜひ続けてご覧ください。
【2E型ギフテッドと中学受験】Bさんの変化③学習習慣
Bさんは、以前は「思いついたときに得意な科目だけをやる」という学習スタイルが中心で、苦手な科目に自主的に取り組むのが難しい状態にありました。
そこで、「計画的に学習を進める習慣」を身につけるために、以下のアプローチを行いました。
学習計画を一緒に作成し、実行できる形に落とし込む
- 「何をどの順番で進めるか」を整理し、学習の優先順位を明確化
- 得意科目と苦手科目をバランスよく組み合わせ、モチベーションを維持
1週間単位で「どの科目をどの程度まで進めるか」を設定
- とりあえず勉強するのではなく、「今週は国語の記述問題5問、数学の応用問題10問」と具体的な目標を設定する
- 短期間で成果が見えやすい課題を取り入れ、達成感を感じられる仕組みを導入する
「できた」という達成感を可視化し、モチベーションを維持
- 学習の進捗を記録し、「ここまで進んだ!」という実感を得られるようにする
- 「1週間後にはこの範囲が終わる」「3週間後にはこの単元をマスターする」と目標を見える形にすることで、やる気を持続させる
学習習慣の変化
計画的な学習を取り入れたことで、Bさんの学習に対する姿勢に次第に変化が現れました。
また、Bさんは、もともと「興味のあることには集中できるが、計画的な学習が苦手」という性質がありました。
ですが、「考えること」と「覚えること」をバランス良く学習に取り入れるとともに、計画的に学習を進めることで「やればできる」という実感を得ることで、学習に前向きに取り組めるようになりました。
- 苦手な暗記も、ストーリーを交えて覚えることで抵抗感を減らせた
- 数学は公式を理解する方法を取り入れたことで、得意意識を取り戻せた
- 計画的に学習を進めることで、「やればできる」という実感が生まれた
こうした変化を通じて、Bさんは「学習に対するモチベーション」を取り戻し、継続的に学ぶ習慣を身につけることができました。
成績の向上
学習習慣が改善できたことで、成績も次第に回復してきました。
指導を開始してから3か月が経った頃、Bさんの定期テストの結果には明らかな変化が見られるようになりました。
自信回復
成績が上がり始めたことで、Bさんの中に「やればできる」という実感が生まれ、学習全体に対するモチベーションも変化していきました。
- 「勉強が楽しくなってきた」「自分はできる」という実感
- 暗記が苦手だった科目も、ストーリーや理由を理解することで「学ぶこと自体が面白い」と感じられるように
- 得意な数学では「考える楽しさ」を取り戻し、「もっと問題を解いてみたい」という意欲が湧いてきた
- 得意科目の成功体験を通じて、他科目にも前向きに取り組むようになる
- 数学の理解が進むにつれて、苦手な社会や理科の学習にも前向きに挑戦できるように
- これまで避けていた「暗記が必要な学習」も、「覚えるべきことの意味を考える方法」を取り入れることで、抵抗感が減少
Bさんは、学習の仕方を変えたことで「勉強ができないのではなく、やり方が合っていなかっただけだった」と気づき、学習そのものに前向きな姿勢が持てるようになりました。
「やればできる」という成功体験を得たことにより、Bさんは再び勉強に対するモチベ―ションを取り戻し、学力の向上を実現。さらにモチベーションがアップするという好循環を生み出すことができました。
ギフテッド専門のプロ家庭教師メガジュンでは、お子さまが「やればできる」と実感することで自信を取り戻し、もう一度勉強に前向きに取り組めるようにサポートします。「中学校進学後に成績が低迷している…」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。>>無料相談を申し込む
中学受験後の成績低迷からの回復方法|まとめ
Bさんのケースを通して、2E型ギフテッドのお子さまが中学受験後につまずく原因と、その解決策を具体的に見てきました。
思考力を活かして受験を突破したものの、中学進学後に求められる暗記量の増加や、スピード重視の授業についていけず、深海魚状態に陥る——これは2E型ギフテッドのお子さまにとって決して珍しいことではありません。
ですが、適切な学習方法を見つけることで、成績不振やモチベーション低下の状態から脱却することは十分可能です。
Bさんの場合は、
という方法を取り入れたことで、わずか3か月で定期テストの成績が向上し、学習意欲を取り戻すことができました。
「やる気が出ないまま勉強を続けていて成果が出ない」
このようなお悩みを解決するためには、お子さまの性質に合わせた個別の学習サポートが欠かせません。お子さまの性質を理解し、適切な学習スタイルを見つけることが、成績向上と学習意欲の回復につながります。
私たちプロ家庭教師メガジュンでは、ギフテッドや発達障害のお子さまを長年にわたりサポートしてきました。お子さまが持っている性質を徹底的に分析し、お子さまに合った学習方法を提案できることが何よりの強みです。
さらに、勉強以外の困りごとや塾との併用など、それぞれのニーズに合わせて柔軟に対応いたしますので、お子さまのことでお悩みのある方はぜひ一度プロ家庭教師メガジュンまでご相談ください。
また、指導や面談はオンラインでも承っています。全国各地からご利用いただけるほか、これまで海外在住の方や帰国子女の方にもご利用いただき、ご好評をいただいてきました。
初回の授業と面談は無料ですので、オンラインで授業が受けられるか心配な方もお気軽にお試しいただけます。
一人ひとりのお子さまの才能を伸ばしていけるよう、一同全力でサポートしてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。