発達障害と中学受験~学校選びのコツは?そもそもすべき?メリットは?~

「発達障害があるからこそ、環境の良い場所で学ばせたい」「公立中学校と相性が良くない気がする」と考えておられる保護者さまはたくさんいらっしゃいます。

一人一人に応じた丁寧な指導を受けられる点や、一定の学力層以上の子どもたちが集まる点において、公立中学校よりも私立中学校の方が過ごしやすいことが多く、私たちもご相談を受けた際には、基本的には中学受験をおすすめしています。

しかしながら、発達障害だからと言って必ずしも中学受験が必要というわけではありません
また、私立中学校であればどこでも良いのではなく、お子さまの特性をしっかり見極め、お子さまと相性の良い学校を選ぶ必要があります。

そして、お子さまの意思を尊重することが大切です。
お子さまが自分の意思で「この学校に行きたい!」と思い、合格という目標に向かって頑張り抜くからこそ、中学受験はかけがえのない経験となり、お子さまの成長につながります。

保護者さまは「お子さまと相性の良さそうな私立中学を見つけたので、絶対に進学してほしい」と思っていても、お子さま自身はお友達と同じ公立中学校に進学したいと考えている場合などは注意が必要です。

もちろん、未来のことは誰にも分かりませんし、私立中学で過ごす方が良い結果をもたらすこともあるでしょう。
ですが、「親に言われたから受験した」という原体験ができてしまうと、「自分の人生を決めるのは親なのだ」という意識が根付いてしまい、自分の人生を自分で決めることができないまま大人になってしまいます。

適切な学校選びやサポートがあるからこそ、中学受験はお子さまにとってかけがえのない経験となり得ます。

この記事では、学校の選び方やメリット・デメリットだけにとどまらず、お子さまをどのように導くか、お子さまの精神面での成長にどう結び付けるかという視点も含めてお伝えしていきます。

発達障害のお子さまで中学受験を検討しておられる方にぜひお読みいただきたい内容となっていますので、最後までご覧いただけますと幸いです。

<この記事でわかること>

  •  発達障害のお子さまが中学受験するメリット
  • 中学受験する時の学校選びのポイント
  • 中学受験をお子さまの成長につなげるためにやるべきこと
発達障害・ギフテッド専門のプロ家庭教師
妻鹿潤
・16年以上1500名以上の指導実績あり
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

▼目次

発達障害の子どもが中学受験をする5つのメリット

発達障害の子どもが中学受験をする5つのメリット

発達障害はADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)、LD(学習障害、SLD)の3つに分類されます。

それぞれ特性は異なりますが、いずれの場合も「特性をきちんと見極め、適切なサポートを受けること」が何よりも重要です。
発達障害のお子さまは、私立中学校に進学することで必要なサポートにつながりやすくなるほか、中学受験をとおして成功体験を得られるなどのメリットがあります。

この章では、発達障害のお子さまが中学受験をする際のメリットについて詳しく紹介していきます。

発達障害の子どもが中学受験をする5つのメリット①丁寧な指導が受けられる

発達障害の子どもが中学受験をする5つのメリット①丁寧な指導が受けられる

一般的に、公立中学校よりも私立中学校の方が丁寧な指導が受けられます。

公立中学校では先生の数も限られており、40人程度の生徒に対して先生1人で対応しなければならない場合がほとんどです。
そのため、一人一人に合わせた丁寧に指導を行うことがどうしても難しくなってしまいます。

例外として、公立中学校でも特別支援学級であれば一人一人に応じた指導を受けることができますが、内申点の扱いが通常学級と異なるなど、高校受験やその後の進路に大きな影響を与える場合があります。
ですので、公立の特別支援学級への進学については慎重に検討した方が良いでしょう。

私立中学校の場合は人員の配置なども柔軟に対応することができ、学習においても手厚いフォローが期待できます。
特に発達障害のお子さまの受入れを積極的に行っている学校であれば、発達障害に関してしっかりとした知識のある先生に指導してもらうことができます。

さらに、ICT環境が整っているのも私立中学校の特徴です。

公立中学校においてもGIGAスクール構想によって一人一台のタブレット端末が整備されるなど、一昔前よりはICT機器の整備が進んでいますが、持ち帰りが禁止されたり、使いこなせる先生が少なかったりと、私立でICT化が進んでいる学校に比べれば、その活用のレベルは高いとは言えません。(参考:GIGAスクール構想の実現について:文部科学省 (mext.go.jp)

宿題や提出物などはデジタル上で管理した方がやりやすいという発達障害のお子さまは多くいらっしゃいます
また、マルチタスクが苦手で板書が苦手なお子さまや、読むこと・書くことに困難があるLDのお子さまにとっては、電子黒板やタブレットでの学習が非常に効果的です。

発達障害のお子さまにとってICTの整備状況は大きなポイントになりますので、志望校を検討する際には必ずチェックしておきましょう。

発達障害の子どもが中学受験をする5つのメリット②人間関係をリセットできる

発達障害の子どもが中学受験をする5つのメリット②人間関係をリセットできる

多くの市町村では「学区制」が採用されており、住んでいる場所によって自動的に進学する中学校が決まります
地域内の学校を自由にできる「学校選択制」や、隣接する区域内で学校を選択できる「隣接区域選択制」を採用している地域もありますが、東京都や大阪府のごく一部に限られます。

発達障害のお子さまの中には、いじめなどの様々な理由から、小学校時代の人間関係を中学校に持ち越したくないという方がいらっしゃいます。

私立中学校に進学すれば人間関係を一新できるため、「中学校からは新しい環境で頑張りたい」と思っているお子さまにとって、中学受験は大きなメリットがあります。

発達障害の子どもが中学受験をする5つのメリット③一定の学力層以上の子どもが集まる

発達障害の子どもが中学受験をする5つのメリット③一定の学力層以上の子どもが集まる

公立中学校には、基本的にその地域に住んでいる子どもたち全員が通うことになります。
そのため、学力層のバラつきも大きく、精神的な成熟の度合いもまちまちです。

精神的に幼い生徒の場合、自分とは違う性質を持った存在を受け入れることができず、「あの子、ちょっと変だよね」と発達障害のあるお子さまをからかったりいじめたりしてしまう場合があります。
特に中学生は多感な時期で同質性を求める意識も非常に強いため、こうした行動が現れやすいと言えます。

私立中学校であれば、受験に合格できる学力のある子どもたちだけが集まります。
学力と精神的な成熟はある程度相関しますので、私立中学校では他者への受容性が高く、発達障害のお子さまの言動についても個性として受け入れてくれるクラスメイトの割合が高くなるでしょう。

中学校生活を送る上で人間関係は非常に重要な要素となりますので、精神面で落ち着いた子どもたちが集まる私立中学校は、発達障害のお子さまに非常にオススメです。

また、発達障害のお子さまが受験しやすい私立中学校には、同じように発達障害のある子どもたちが集まりやすいため、そもそも特性自体が目立たないというケースもあります。

発達障害の子どもが中学受験をする5つのメリット④成功体験を得られる

発達障害の子どもが中学受験をする5つのメリット④成功体験を得られる

発達障害のお子さまは、特性のために苦手なことが目立ち、日頃から注意や指摘を受けることが多くなっています。
そのため、自分に自信が無く、自己肯定感も低くなりやすい傾向にあります。

発達障害のあるお子さまが自信を付けるためには、周りが褒めるだけでなく、本人が自分の意思でやると決めたことをやり抜く、という経験が必要です。
「目標を持って勉強を頑張る」という中学受験は、そういった点で発達障害のお子さまが自信を付けるのに適していると言えます。

また、中学受験にこだわらず、趣味や習い事などをとおして「これだけは負けない」「頑張り抜いた」という経験を得るのも良いでしょう。

発達障害の子どもが中学受験をする5つのメリット⑤一貫校であれば高校・大学受験が必要無い

発達障害の子どもが中学受験をする5つのメリット⑤一貫校であれば高校・大学受験が必要無い

公立高校を受験する場合、内申点が非常に重要視されます。

提出物が苦手だったり、授業態度が評価されづらかったりする発達障害のお子さまは、たとえ入試当日のペーパーテストで点が取れても、内申点の面で合格が難しくなるケースがあります。

中高一貫校であれば、内申点に関係なく進学できるケースがほとんどですので、受験に対する不安を抱えずに済みます。
大学の付属校であれば大学までエスカレーター式で進学できる場合もありますが、内部進学のためにテストが課されることも多いため、一貫校の進学の仕組みについては事前にしっかりチェックしておきましょう。

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発達障害の子どもが中学受験するデメリット4点

発達障害の子どもが中学受験するデメリット4点

環境の良い場所で学べることや成功体験を得られることなど、発達障害のお子さまにとって中学受験のメリットは非常に大きいため、私たちプロ家庭教師メガジュンでも、基本的に発達障害のお子さまに対しては中学受験をおすすめしています。

一方で、費用の面やお子さまの負担感など、考慮しておくべきデメリットもあります。

発達障害のお子さま全員にとって中学受験が適しているわけではなく、中には公立中学校の方が相性の良い方もいらっしゃいますので、「発達障害=中学受験すべき」と一概に言うことはできません。

この章では、中学受験を検討する際に意識しておくべきデメリットについて解説していきます。

発達障害の子どもが中学受験するデメリット4点①費用面の問題

発達障害の子どもが中学受験するデメリット4点①費用面の問題

中学受験を考える際に、費用面を無視することはできません。

私立中学校に通う場合に生じる費用には、授業料だけでなく受験料や塾代、通学定期代なども含まれます。

<公立・私立の費用比較>
中学受験記事 写真
(出典:文部科学省 平成30年度子供の学費調査

授業料だけでも、公立中学校に比べると私立中学校では3年間で約290万円多く掛かるとされています。
また、一貫校で高校まで6年間通う場合は、約440万円多く掛かります。

さらに、中学受験のために小学4年生から塾に通い始めたとすると、塾代だけでおよそ200~300万円は掛かると言われているため、中学受験については家庭の経済事情もしっかり考慮する必要があります。

発達障害の子どもが中学受験するデメリット4点②お子さまの負担感

発達障害の子どもが中学受験するデメリット4点②お子さまの負担感

お子さまに無理に受験させることは避けなければならないのはもちろんのこと、お子さま自身も自覚のないうちに疲労やストレスを溜めてしまい、ある日突然体調を崩したり、精神的にしんどくなってしまったりするケースもあります。

中学受験を考えていると言ってもまだまだ小学生のお子さまにとって、自分の体調や気持ちを客観的に捉えることは非常に難しいものです。
また、素直なお子さまであればあるほど、「お母さん、お父さんが応援してくれているから」と無理をしてしまうこともあります。

お子さま自身が中学受験をしたいと思っているのか、それとも保護者さまの意向に影響されて「頑張りたい」と言っているのか、明確に区別することはできません。
小学生は精神的にも未熟であり、保護者さまから気持ちが完全に独立しているかと言えば、そうとは言い切れないのです。

本人の意志はしっかり尊重してあげるとともに、保護者さまから見て「頑張り過ぎている」「負担やプレッシャーを感じている」と思うときは、本人のプライドを傷つけない形でブレーキを掛けてあげることも時には必要です。

せっかく頑張ってきたのだから志望校を落としたくないと仰るお子さまもたくさんいらっしゃいますが、入学した後に勉強についていけるのか、そもそも受験を乗り切れるかなど、大人の客観的な視点が必要なこともあります。

保護者さまから伝えるのが難しいときは、塾や学校の先生の力も借りながら、お子さまを最適な選択へと導いてあげるのが周りの大人の役目と言えます。

発達障害の子どもが中学受験するデメリット4点③留年や退学

発達障害の子どもが中学受験するデメリット4点③留年や退学

私立中学校は公立中学校と違い、成績が悪ければ留年や退学の措置が取られることがあります。
留年の場合は学校に残ることもできますが、年頃のお子さまにとって年下の集団と同じ教室で学ぶことは抵抗も大きいため、退学して公立中学校に転入するケースが多くなっています。

もちろん、学校としても留年者や退学者を出したくはないため、中学生の段階で厳しい措置が取られることは稀ですが、例えば「内部進学できる可能性は低い」と伝えられたり、外部の進路を検討しておくよう暗に伝えられたりするケースはあります。

中学受験には「成功体験を得る」という意味があるにもかかわらず、進学後に留年・退学といった苦い経験をしてしまっては中学受験した意味が帳消しになってしまいます。

こうした結果を防ぐためには、事前にしっかりと学校について調べ、学力レベルや校風とのミスマッチが起きないようにすることが大切です。

発達障害の子どもが中学受験するデメリット4点④行政の目が届かない

発達障害の子どもが中学受験するデメリット4点④行政の目が届かない

公立中学校は、各市町村教育委員会が設置者となっています。
そのため、私立中学校に比べるとしっかりと行政の目が行き届いており、不適切な指導や何らかの問題があった際には、教育委員会に相談することができます。

一方、私立学校の設置者は法人等であり、教育委員会や市町村が直接管理しているわけではありません。
その分、学校ごとに特色があり自由な教育ができるというメリットがあるわけですが、一方で悪く言えば「好き放題できる」ということでもあります。

最近では、関西の名門である洛南高校附属小学校で、宿題を忘れた児童を机ごと廊下に出し、授業を受けさせないなどの不適切な指導をしていたことがニュースで取り上げられました。(参考:宿題忘れた児童、授業受けさせず机ごと廊下に 京都の小学校で不適切指導|社会|地域のニュース|京都新聞 (kyoto-np.co.jp)ン

私立学校での不適切な指導については、保護者が都道府県の所管部署に相談するしかなく、問題の解決に時間が掛かります。
そのため、学校に通えないまま時間ばかりが過ぎ、調査が始まる頃には自主退学を余儀なくされていたり、既に卒業してしまっていたりするケースも少なくありません。

私立学校の自由で煌びやかな面に惹かれることも多いと思いますが、一方で公立学校が持っている実直さや「誰一人取り残さない」という公教育の意味もしっかりと理解しておきましょう。

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発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント

発達障害のお子さまが中学受験する際には、「本人の意志を尊重すること」「負担の無い範囲で頑張ること」「学校についてしっかり調べること」など、いくつかのポイントがあります。

お子さまにとって中学受験が良い経験になるかどうかは周囲の大人のサポート次第ですので、中学受験を検討しているご家庭においては、ぜひ以下の6点を心掛けていただきたいと思います。

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント①お子さまの意思を尊重する

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント①お子さまの意思を尊重する

中学受験について、まずはご家庭の中でしっかり話し合い、お子さまの本当の気持ちを聞き取るようにしましょう。

小学生は周りの大人の影響を受けやすいため、本当はそこまで受験したいわけではないけれど、何となく「受験したい」と言ってしまう場合もあります。

中学受験したいかどうかを聞くだけでなく、中学校でどんな風に過ごしたいか、中学生になったらやりたいことはあるか、将来の夢は何かなど、目の前の受験だけでなくさらに先の未来のことまでを含めて、家族みんなでじっくり話し合うようにしましょう。

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント②担任の先生やスクールカウンセラーの意見を聞く

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント②担任の先生やスクールカウンセラーの意見を聞く

学校では、ご家庭では見せない一面をお子さまが見せているかもしれません。
大人しい子だと思っていたお子さまが学校では活発に行動していたり、家ではわがままなお子さまが、学校では優等生として頑張っていたりすることもあります。

どんな校風の学校が良いか、どんな受験制度の学校が良いかなどは、できれば担任の先生やスクールカウンセラーの意見も含めて、様々な視点から検討するようにしましょう。

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント③学校の制度や校風を調べる

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント③学校の制度や校風を調べる

学校選びの際には、まず進級や卒業の要件を調べましょう。

出席日数が重視されるのか、それともペーパーテストが重視されるのかといった点も非常に重要です。
私立中学校は公立中学校と違い、自動的に進学・卒業できるわけではありません。せっかく入った中学校で挫折してしまわないためにも、まずは進学・卒業要件をチェックしましょう。

続いて確認すべきは「校風」です。
発達障害のお子さまの特性は千差万別であり、静かで落ち着いた雰囲気を好むお子さまもいれば、賑やかで自由な学校を好むお子さまもいらっしゃいます。

校風を調べるときには、必ず実際に見学に行くようにしましょう。
オープンキャンパスや文化祭など、受験生が見学可能なイベントがありますので、保護者さまとお子さまとで一緒に見学に行くと良いでしょう。
また、オープンキャンパスや文化祭などではない、日常的な学校の下校時の生徒の様子を見て、「うちの子があの中に混じっていてもしっくりくるか」どうかはとても大切です。

下校時は登校時と違い、その学校で1日過ごした素の生徒様の様子が見れるため、その中にうちの子がいても違和感がなさそうであれば、その学校と相性が良い可能性は高まります。

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント④通学手段・時間を確認する

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント④通学手段・時間を確認する

入学した後は、3年間(中高一貫であれば6年間)毎日通学することになります。
お子さまの特性によっては、感覚過敏で満員電車が辛かったり、長い時間をかけて通学するのが苦痛に感じたりする場合があります。

時間帯によって電車の混み具合も違うため、できれば一度は実際の通学時間どおりに電車に乗ってみて、負担が大きすぎないかを確認しておくようにしましょう。「通学手段くらいで…」と思われるかもしれませんが、大人でも満員電車での毎日の通勤は辛いものです。

発達障害のあるお子さまはよりストレスを感じやすい傾向にありますので、通学手段についても事前にしっかり確認しておきましょう。

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント⑤学習環境を徹底的に調べる

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント⑤学習環境を徹底的に調べる

発達障害に対する配慮を受けられるかも含め、学習環境についてはしっかり確認しておきましょう。
特に感覚が過敏なお子さまは、自動車の排気ガスや振動が体に合わなかったり、教室の塗装で気分が悪くなってしまったり(シックハウス症候群)する場合もあります。学校見学の際にはこれらの教室環境もしっかり確認しておきましょう。

他にも、生徒数や学校の敷地の広さ、給食なのか弁当なのか、水泳の授業はあるか、図書室や保健室、相談室など教室以外で落ち着いて過ごせそうな場所があるかなど、細かい点も徹底的にチェックしておきましょう。

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント⑥専門機関や発達障害専門の塾・プロ家庭教師の協力を得る

発達障害の子どもが私立中学校を受験する時の6つのポイント⑥専門機関や発達障害専門の塾・プロ家庭教師の協力を得る

発達障害のお子さまの中学受験は、一筋縄ではいきません。
体調面やメンタル面で気を使わなければならないのはもちろんのこと、特性によって学習につまずきが生じるケースも少なくないためです。

発達障害のお子さまの特性を見極めた上で適切なサポートや学習指導を行うためには、専門的な知識を持った指導者の存在が欠かせません
いくら中学受験の指導に優れた先生がいたとしても、発達障害についての知見が無ければ特性を持ったお子さまを指導するのは難しいでしょう。

体調面やメンタル面のサポートについては、主治医や心理士、スクールカウンセラーにこまめに相談するようにしましょう。少しでも普段と変わった様子が見られる場合には決して無理させず、休ませるようにしましょう。

発達障害のお子さまは、過集中と呼ばれる状態に陥ってしまうことがあります。
過集中とは、寝食を忘れて過度に熱中してしまうことで、ゲームに熱中して徹夜してしまったり、掃除の途中で漫画に夢中になって一日が終わってしまったりといったケースが代表的ですが、中には勉強に熱中しすぎて体調を崩してしまうケースもあります。

無理なく頑張れるよう周りの大人から適度に声掛けを行うとともに、保護者さまから伝えても本人が納得しづらい場合は、学校や塾の先生、お医者さまなど他の人から声を掛けてもらうのも良いでしょう。

学習指導に関しては、発達障害を専門としている塾やプロ家庭教師の指導を受けるのが最も望ましいでしょう。定型発達のお子さまに対する受験指導と、発達障害の特性を踏まえた指導では手法が全く異なります。

また、発達障害専門を謳っている塾や家庭教師でも、その質にはかなりバラつきがあります。
塾や家庭教師を選ぶ際には、必ず体験授業を受けるようにするとともに、申し込み後も同じ先生に授業をしてもらえるかどうかなどを必ずチェックしておきましょう。

発達障害のお子さまの塾の選び方については以下の記事で詳しくご紹介していますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。

発達障害の学習塾のオススメは?個別指導・家庭教師などポイントを解説
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・発達障害の子どもは学習塾に通った方がいい? ・発達障害でも塾で受け入れてもらえる? ・発達障害の子どもはどんな塾を選ぶと良い? 発達障害のお子さまの保護者さま…

発達障害と中学受験のまとめ

発達障害と中学受験のまとめ

この記事では、発達障害のお子さまの中学受験について、メリット・デメリットや気を付けるべき点などを詳しくご紹介してきました。

改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。

<POINT>

  • 発達障害のお子さまは、私立中学校に進学することで手厚いサポートを受けやすくなる
  • 発達障害のお子さまは、苦手が多く自己肯定感が低くなりがちだが、中学受験をとおして自信を付けることができる
  • 私立中学校には一定の学力以上の子どもたちが集まるため、落ち着いて過ごすことができる
  • 私立中学校を選ぶ際には、「進学・卒業要件」「教室の環境」「校風」を必ずチェックする
  • 発達障害のお子さまの受験指導においては、特性について理解ある先生の指導が不可欠

発達障害のお子さまと中学受験の相性は非常に良く、経済面などの条件がクリアできるのであれば積極的にチャレンジすることをおすすめしています。
一方で、受験勉強が大きな負担になったり、偏差値だけで学校を選んでしまい進学後に挫折してしまったりすると、お子さまの成長にマイナスの影響を与えてしまうこともあります。

中学受験をとおしてお子さまに何を身に付けてほしいのかを明確にするとともに、周りの大人が全力でサポートしていく覚悟を持ちましょう。
また、学習指導については、発達障害について専門的な知識を持つ先生を見つけて指導してもらうことが大切です。

私たちプロ家庭教師メガジュンでは、長年にわたり発達障害のお子さまを専門に学習指導を行ってきました。
中学受験に向けた勉強のサポートはもちろんのこと、生活上の困りごとのご相談なども含め、幅広く支援を行っています。

経験豊富な講師たちがお子さまをしっかりサポートしてまいりますので、プロ家庭教師をお探しの方は、ぜひ一度プロ家庭教師メガジュンまでお問い合わせください。

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1人でも多くのお子さまが、個性を生かしながら社会で活躍していけるよう、一同全力でサポートしてまいります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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