4教科指導で崖っぷちからの内部進学達成!ASDの小学生Eさんとの勉強奮闘記①
2021.05.06

ここでは、実際に私が指導したASDのEさんとの勉強奮闘記をご紹介します。
少しでも、学習指導や子育てにお役に立てれば幸いです。

■内部進学を目指すEさん、国語と社会がお手上げ状態

Eさんとの出会いは、私立小学校6年生の時。
通われている小学校の中学部では年々、外部受験組の倍率やレベルが上がっていて、内部生といえども20%のお子様が内部進学できない状況でした。

当時、Eさんは内部進学できるかスレスレより少し下の状態。
お母様も、Eさんも「このまま、地元の公立中学校に行くことになるのか??」と強い不安を持たれてました。
そのため、私に中学校への内部進学対策で依頼を下さったという流れでした。

内部進学への勝負は11月にある算数・国語・理科・社会の4教科の大きなテスト。
ここで合計平均85点以上取れるかどうかで内部進学ができるかどうか決まるという、まさに一発勝負の状態でした。
そのため、授業科目はこだわらず、4教科全ての指導を行いました。

■Eさんは本当に「変わった子」??

ASDと診断されていたEさんは、確かに周りによく言われる「変わった子」に見えますが、丁寧に見ていくと「変わった子」ではなかったです。
ただ、確かに、同年代のお友達はもちろん、保護者さん達もそこまで見抜くことは難しいだろうと感じました。

例えば、ASD特有の「白か黒かで決めたがる(曖昧が分かりにくい。灰色がない)」や「相手の感情を読むことが苦手」のため、会話をしていても突然、全然違う話題になります。
また、1度に2つ以上の話題が入ると、途端に混乱されたり。
外の物音やサイレンの音などが気になり、音がなくなるまでは集中できない(外の音に意識がいってしまう)などがありました。
ただ、それはあくまで誰しもがある個性の延長であり、また、後に詳しく述べてます性質の延長でしかありませんでした。

初回体験授業でのEさんは好きな絵のお話しや音楽の話をたくさんしてくれて、絵については実際に描いてくれて、すぐに仲良くなることができました。
描かれている絵も思い切りがあって、こちらも元気になるような絵でした。また、絵を書いているときや絵についてお話ししてくれる時は、本当に活き活きした表情を見せてくれ、たくさんの元気をもらいました。

■実際の勉強は??得意と苦手がハッキリ分かれている

しかし、実際の勉強はどんなものか??
これまでのテストを見せてもらうと、Eさんは得意と苦手が本当にハッキリ分かれていました。
数学・理科(特に物理領域や化学領域)は相当難しい問題でも完全に解けていて、落としているものはケアレスミスがほとんど。
逆に国語と社会、特に国語が本当に苦手で、Eさんも「暗記物って苦手なんですよね。。」と、苦手意識も強く持たれてました。

そのため、大きな対策の方向としては、数学と理科はケアレスミスが出ないような対策をすることと、国語と社会の点数を上げること。
また、数学と理科も「勉強が及んでいないところで失点している」状態だったため、「どの教材の、どこを勉強すれば良いか」「何曜日の何時にその勉強をするか」という計画表を一緒に作りました。

Eさんは「YちゃんとかIちゃんとか、今の学校は仲の良い友達が多いから、絶対内部進学したい。地元の公立中学校に行っても、仲良くなれるかどうか、いじめられないか心配。。」と、内部進学について強く頑張る気持ちを持ちながらも、友達付き合いで自信がないことは気になりました。

■苦手科目の本丸の国語。意外と対策は難しくない!?

国語については、意外とすぐに点数を上げることができました。
Eさんの国語の特徴的なものに、テストの問題は真っ白、何かを書いた跡がなかった、というものがありました。
「Eさん、国語のテストって線とか引かないの?」
「線を引くってどうゆうことですか??」

お話ししていて感じたことは「ただただ文章を読んで、解説に答えていた」ので、文章を構造的に把握できておらず、全体像も掴めていなかったのです。
これでは、どれだけ賢いお子様でも、国語で点数が取れなくて当然です。

反面、算数の授業をしていて、Eさんは抜群の論理的思考と、ハマった時の強い集中力を見せてくれていました。そのため、
「国語も算数みたいに解こうか!」と伝えました。

「例えば」があれば、その前後は=の関係。
「しかし」があれば、その前後は逆の関係。「しかし」の後が筆者の言いたいこと。

段落ごとがどのような構造になっているか。
1番目の段落で「どんな話をするか」が述べられる。筆者が「問題提起」か「結論を先に述べる」ことが多い。
今回の文章だと1番目の段落が「問題提起」で2番目・3番目の段落が「筆者の意見を具体的に深めている」段落で4番目・5番目が「筆者への反対意見を述べている段落で。。。」など。

Eさんは「全体を見る」ということや「構造的に見る」ことができていなかったため、「部分だけ見て、問題文を見て、何を聞かれているか分からない。話の繋がりが見えない」があっただけでした。
そのため、文章を最初に「ざっとで良いので、どのような構造になっているか」を全文読んでもらって、およその「全体像」をイメージしてもらってから「各段落・各文章」を読むと「あ、これってそうゆうこと言ってるんですね!」と一気に理解してくれました。
また、Eさんは視覚優位(視覚的に見たことが強く意識される・記憶に残る)の性質のため、文章ごとがどのような構造になっているかを線を引いたり、段落ごとを丸で囲って段落ごとの関係を→で示すようにすると、正確に構造を理解しました。

このような取り組みの結果、国語で文章が読めるようになり、11月のテストではこれまでより30点近く点数を上げることができました。

そして、最後に取り組んだ科目が暗記物の社会でした。