不登校の子が発達障害である割合は?支援方法や親がやるべきことも併せて解説

  • #発達障害
  • #ADHD
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  • #LD
  • #不登校
    <この記事のポイント>

    • 不登校の子どもたちのうち、発達障害のある子の割合は5~40%
    • 不登校をきっかけに、発達障害であることが判明するケースが多い
    • 幼少期に発達障害であることがわかり適切な支援を受けられていると、不登校になる可能性はかなり低くなる

    不登校の状態にある子どもたちの数は、年々増加していることをご存じでしょうか。

    2021年の文部科学省の調査では、小中学生のうち244,940人が不登校の状態にあり、前年度から48,813人(24.9%)の増加となっています。(参考:児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査:文部科学省 (mext.go.jp)

    不登校の子どもたちの数は9年連続で増加しています。
    不登校の状態にある子どもたちの割合は全体に対して2.6%に上り、今やクラスに1人程度は不登校の子どもがいることになります。

    お子さまが不登校の状態になると、保護者さまとしては「どうしてうちの子が…」と不安や心配を感じることと思います。ですが、不登校は誰にでも起こり得るものですので、むやみにご自身やお子さまを責めることなく、冷静に対応していくことが大切です。

    不登校は誰にでも起こり得るものである一方、発達障害のお子さまの場合は不登校になりやすいという研究結果もあります。

    お子さまが不登校になって初めて発達障害であることが明らかになるケースも多く、「発達障害の特性を持ちながらも、懸命に“普通に”過ごそうとしてきた。でも限界になってしまった」というお子さまの思いを聞いていると、支援者の一人としていつも胸が痛みます。

    早い段階から特性に気付き、適切な配慮を受けられている発達障害のお子さまは、不登校になりにくいという研究もあります。
    発達障害の診断を受けることに抵抗を感じる保護者さまもいらっしゃるかもしれませんが、適切なサポートにつながることはお子さまの将来にとって必ず良い結果をもたらしますので、ためらわず専門機関に相談していただきたいと思います。

    私は、不登校・発達障害専門のプロ家庭教師や塾経営者として、長年にわたり活動してきました。
    発達障害で不登校の状態にあるお子さまは、学力面や生活面でさまざまな困りごとを抱えやすいですが、適切な支援につながることで困りごとは解決できます。

    不登校は、お子さまが学校生活で頑張り抜いたからこそ必要になった充電期間です。
    まずはしっかり休養を取り、心のエネルギーが回復するのを待ちましょう。周りの大人はお子さまを信じて見守るとともに、お子さまが再び頑張れるようサポートしていくことが大切です。

    この記事では、発達障害と不登校の関連性や、不登校の状態にあるお子さまへの接し方・支援例などを詳しく解説していきます。

    発達障害や不登校でお悩みの保護者さまにぜひお読みいただきたい内容となっていますので、最後までご覧いただけますと幸いです。

    <この記事はこんな方にオススメ>

    • 不登校のお子さまへの接し方に悩んでいる方
    • 不登校の背景に発達障害があることが分かり、戸惑っている方
    • 不登校や発達障害について、正しい知識を身に付けたい方
    【執筆・監修】
    不登校・発達障害専門のプロ家庭教師 
    妻鹿潤
    ・16年以上1500名以上の指導実績あり
    ・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
    ・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

    不登校の子どもが発達障害である割合

    不登校の子どもが発達障害である割合

    文部科学省が2012年に行った調査では、学習面や行動面で著しい困難のある子ども(=発達障害の疑いのある子ども)の割合は約6.5%とされています。
    (参考:通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について:文部科学省 (mext.go.jp)

    この調査は学校の先生を対象に行われたものであり、医学的な診断の有無は考慮されていませんが、40人のクラスであれば2~3人は「集団生活に馴染めない子ども」がいるということになります。

    また、不登校の状態にある子どもたちが発達障害である割合は、5~40%程度とされており、調査によっては不登校の子どもの4割に何らかの発達障害があるとされています。

    不登校の原因は人間関係・学力不振・いじめ・家庭環境など多岐にわたりますが、これらの調査結果を鑑みると、その背景に発達障害が関係しているケースは非常に多いと考えられます。

    不登校がきっかけで発達障害であることが判明するケースも多く、とある発達支援センターの調査では、相談者のうち9割が不登校になって初めて発達障害と診断されたと報告しています。

    もし早期に発達障害の特性に気付き適切な支援を受けていれば、不登校の状態にはならなかったかもしれません。

    不登校に限らず、発達障害による二次障害(※)を避けるためには、早めの気付きと適切なサポートが必要です。

    ※発達障害に伴う生きづらさやストレスが原因となって生じる、うつや不安障害などの精神疾患や、非行や不登校などの社会的な困難のこと。

    併せて、不登校には発達障害以外の身体的な症状(身体愁訴)が伴う場合があります。
    代表的なものは「朝起きられず、午前中に身体がだるい」という症状が現れる起立性調節障害ですが、ほかにも不安や緊張でお腹が痛くなる過敏性腸症候群を伴う場合などがあります。

    これらの身体症状は、不登校になる前から現れることが非常に多いため、「朝起きられない」「めまいがする」「お腹が頻繁に痛くなる」といった症状がある場合は、学校に通えていたとしても注意深く見守る必要があります。

    発達障害の子どもが不登校になりやすい理由

    発達障害の子どもが不登校になりやすい理由

    発達障害とは、生まれつき脳の発達の偏りが大きいために、社会生活において困難を抱えている状態を指します。
    あくまで生まれつきの性質ですので、親の育て方や本人の努力不足によるものではありません。

    発達障害に伴う困りごとには様々なものがありますが、お子さまの場合は「先生の指示が聞けない」「人間関係でトラブルが多い」「学力不振」などがあり、これらはいずれも不登校の要因となる可能性があります。

    子どもたちに不登校のきっかけを尋ねると、先生・友だち・勉強に関することという回答が多くなっており、発達障害の子どもが抱える困りごとと大部分が重複しています。

    こうした調査結果からも、発達障害と不登校には深い関連があると考えられます。

    <不登校のきっかけ>

    ○小学生6年生

    • 先生のこと(30%)
    • 身体のこと(27%)
    • 生活リズムの乱れ(26%)
    ○中学2年生

    • 身体の不調(33%)
    • 勉強がわからない(28%)
    • 先生のこと(28%)

    ※そのほか、小学生では「よくわからない」、中学生では「友だちのこと」という回答が多い。
    (文部科学省「令和2年度不登校児童生徒の実態調査」より)

    発達障害は、「ADHD」「ASD」「LD」の3つに分類することができます。
    それぞれの特性ごとに特に抱えやすい困りごとや不登校の要因がありますので、以下で順に解説していきます。

    発達障害と不登校の関連性①ADHD(注意欠如・多動症)

    発達障害と不登校の関連性①ADHD(注意欠如・多動症)

    ADHD(注意欠如・多動症)は、落ち着きの無さや集中のしづらさが特徴の発達障害です。

    お子さまの場合は授業中の立ち歩きや忘れ物の多さなどが目立ち、授業に集中しづらいことも相まって、学校の成績が伸びづらいケースなどがあります。

    <ADHDの特性>○不注意

  • 物事に集中しづらく、注意散漫である
  • ○多動性・衝動性

  • じっとしているのが苦手で落ち着きが無く、衝動的に行動してしまう
  • ADHDのお子さまの困りごとの例

    • 授業中に立ち歩く
    • 忘れ物が多い
    • 整理整頓が苦手
    • 思いついたことをすぐに口に出してしまう
    • おしゃべりがやめられない
    • 先生の話を聞いていない
    • 勉強に集中できない
    • 待つことが苦手、せっかちである
    • 順番抜かしをすることがある
    • 衝動的な言動が目立つ

    ADHDのお子さまは、注意散漫でいつもぼんやりしてしまう「不注意型」と、落ち着きが無く衝動性の強い「多動・衝動型」の方がいらっしゃいます。もちろん、どちらも伴っているお子様も多いです。

    不注意型の場合は勉強に集中できないことによる学力不振が、多動・衝動型の場合は先生やクラスメイトとのトラブルが不登校にきっかけになりやすいと考えられます。

    ADHDのお子さまの場合、先生による指摘が不登校のきっかけになるケースも多いと言われています。
    「君はいつも落ち着きが無いね」「うっかり屋さんだね」など、先生が何気ない気持ちで声掛けしたことでも、本人にとってはコンプレックスを指摘されたように感じ、心に傷を負ってしまうことがあります。

    また、そうした先生の声掛けが、同級生からのからかいやいじめのきっかけとなるケースもあるようです。もし保護者さまがお子さまの特性に気付いている場合は、「本人の生まれつきの特性なので、直接的な指摘は避けてほしい」と学校に対してはっきりと伝えるようにしましょう。

    発達障害への理解は学校現場でもかなり広がりつつありますが、残念ながら理解が不十分で、「うっかり屋さんだね」という声掛けが不適切であることに気付かない先生もいます。心無い言葉でお子さまが傷付いてしまわないためにも、先回りした対応に努めましょう。

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    発達障害と不登校の関連性②ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)

    発達障害と不登校の関連性②ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)

    ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)は、コミュニケーションの苦手さや特定の物事への強いこだわりを特徴に持つ発達障害です。
    早ければ1~2歳頃から「指差ししない」「目が合わない」といった特徴が現れるため、3歳児健診などで指摘を受け、ASDの診断に至るケースも少なくありません。

    そのため、特性に気付かないまま大人になるケースはADHDよりは少なく、早いうちから支援につながれることも多くなっています。
    一方で、特性がそれほど強くない方は大人になるまで診断を受ける機会が無く、「何となくコミュニケーションが取りづらい」「融通が利かなくてトラブルになる」などの困りごとを抱えたままになってしまう場合があります。

    <ASDの特性>

    • コミュニケーションの困難、社会性・対人関係の苦手さ
    • ⇨他人の気持ちへの共感が乏しく、言外の意味を想像するのが苦手

    • 限定された興味・こだわり、反復的な行動
    • ⇨特定の物事や自分なりのルールへのこだわりが強く、「いつもと同じ」であることを好む

    ASDのお子さまの困りごとの例

    • クラスメイトと人間関係が築けない
    • 自分の興味がある話を一方的にする
    • 冗談や皮肉が通じず、言葉を額面通りに受け取る
    • デリカシーの無い発言をする
    • 急な時間割の変更でパニックになる
    • イレギュラーな出来事に対して、臨機応変に対応できない
    • ルールを守ることに固執し、融通が利かない
    • 自分なりのルールやこだわりがあり、崩されると怒る
    • 特定の物事には興味があるが、それ以外のことには一切興味を示さない
    • 集中すると周りが全く見えなくなる

    ASDのお子さまが不登校になるきっかけは、コミュニケーションの苦手さが原因となって生じる仲間外れやいじめが多いとされています。
    また、「ルールを頑なに守り、融通が利かない」という点も、クラスメイトとの人間関係が悪くなるきっかけになることがあります。

    例えば、漫画の持ち込みや買い食いなど、ちょっとした校則違反も全て先生に報告するなどのケースです。

    先生から見れば優等生かもしれませんが、クラスメイトからは「いちいちチクるなんて」「良い子ぶって」と思われてしまい、良い関係が築けないばかりか、いじめにつながってしまうこともあります。

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    発達障害と不登校の関連性③LD(学習障害、SLD)

    発達障害と不登校の関連性③LD(学習障害、SLD)

    LD(学習障害、SLD)とは、知的な遅れや視覚・聴覚には問題が無いものの、読み・書き・計算のいずれか一つ以上の学習スキルに困難を抱える発達障害のことです。

    読み・書き・計算のどれに困難があるかによって、さらに3つに分類されます。

    <LDの3分類>
    ○読字障害(ディスレクシア) … 読むことに困難がある
    ○書字障害(ディスグラフィア) … 書くことに困難がある
    ○算数障害(ディスカリキュア) … 計算することに困難がある

    LDは、特定の技能以外には問題が無いため、小学3年生頃までは問題無く過ごせることがほとんどです。

    小学1~2年生の頃から読み・書き・計算に対する困難は生じていますが、低学年で勉強が簡単なうちは、教科書の本文や計算式を丸暗記するなど、記憶力で乗り切るお子さまがほとんどです。

    ですが、学年が上がって内容が複雑になってくると、丸暗記で乗り切ることは難しくなってきます。
    「内容が難しいから、テストで点が取れないのかな?」と思っていたら、そもそも読むこと自体に困難があったと判明するケースが非常に多くなっています。

    LDのお子さまが不登校になる要因は、やはり学力不振です。
    成績が悪いこと自体をショックに感じるだけでなく、「こんな簡単な事がなぜ分からないの?」と責められたり、音読がたどたどしいことや字がきれいに書けないこと、計算が遅いことなどをからかわれたりして学校に行きづらくなるケースも多くなっています。

    特性をきちんと理解し、本人のペースでゆっくりと勉強が進められていれば、不登校になることはほとんど無いはずです。
    ですが、残念ながら日本の学校では「皆が同じペースで、同じ内容を学ぶ」という画一的な授業が行われているため、LDのお子さまは「周りに付いていけない」ということでコンプレックスを抱えやすく、自己肯定感も下がりやすい傾向にあります。

    また、ADHDやASDに比べてLDの認知度は低く、学校の先生も「サボっているだけ」「反復練習が足りない」など誤った指導を行ってしまうことがあります。

    医師の中にもLDに対する理解が不十分で、「書くことを改善することはできないので、文字は書かせなくてよい」という適切ではない助言を行う場合が私の経験でもありました。(今は文字を書くことが得意ではないですが、問題なく文字をかけております)

    確かにLDのお子さまは、読み・書き・計算に困難があるため、定型発達のお子さまと同じようには学力が伸びないかもしれません。
    ですが、適切なトレーニングを行うことで苦手を小さくすることはできますし、周りと比べるのではなく、昨日までの自分と比較して「これができるようになった!」と感じることは、お子さまの成長にとって非常に大切です。

    お医者さまは教育のプロではありませんので、「どうせできないから、やらなくてよい」という言い方になってしまうのかもしれません。
    ですが、もし医師の指示に疑問を感じることがあれば、学校の先生や言語聴覚士、発達障害を専門にしているプロ家庭教師など、違う立場の専門家に意見を求めると良いでしょう。

    私も以前、強い読字障害を持つお子さまを受け持ったことがありますが、音韻処理の機能向上を目指した適切なトレーニングにより、大幅に状態を改善することができました。
    詳しくはこちらの記事「ASDとLD併発のSくんが私立中学受験合格を目指す奮闘記」でご紹介していますので、学習障害でお悩みの方は是非ご一読ください。

    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント

    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント

    不登校のお子さまは、多くの場合、学校に何とか順応しようと頑張り抜いた結果、心のエネルギーが切れた状態になってしまっています。

    学校に戻る気はあるのかと聞いてもはっきりとした答えが返ってこないことが多く、「このままずっと家にいるのだろうか?」「ひきこもりになってしまうのではないか?」と心配されている保護者さまも多いことと思います。

    不登校は心の充電期間であり、たっぷりと心のエネルギーを養うことでいずれ学校に復帰できることが多いです。

    また、学校に復帰することだけがお子さまにとっての正解とは限りません。フリースクールや通信制高校で必要な学力を身に付け、大学に進学したり、社会で活躍したりしている方はたくさんいらっしゃいます。

    まずはお子さまがこれまで頑張ってきたことを認め、「今はゆっくり休んでいいんだよ」とありのままを受け入れるようにしましょう。早く学校に行かせなければ、という焦りは必ずお子さまに伝わりますし、そのプレッシャーが状況をますます悪化させてしまうこともあります。

    不登校のお子さまに接する際には、保護者さまには以下の三か条を心に留めておいていただきたいと思います。

    <不登校のお子さまに接するときの三か条>
    ●まずはゆっくり休む
    ●心のエネルギーが回復すれば、いずれは学校に戻れる
    ●人生の歩み方は人それぞれであり、必ずしも学校に戻る必要は無い

    この三か条さえ忘れなければ、最終的には“何とかなる”ことが多いです。
    気負いすぎず、家族全員が心身とも健康に過ごすことを最優先しましょう。

    また、以下では不登校のお子さまに接するときの6つのポイントをご紹介していきます。
    この三か条と併せて、不登校のお子さまに接する際の参考にしていただければ幸いです。

    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント①不登校の3段階を知る

    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント①不登校の3段階を知る

    不登校には、「無気力期」「休息期」「回復期」の3つの段階があります。
    不登校のお子さまの場合は勉強の遅れも気になるところかと思いますが、この3つの段階をしっかりと見極めれば、不登校の状態であっても勉強に取り組むことは可能です。

    まず「無気力期」ですが、これは不登校になった直後に当たる時期で、心のエネルギーが完全に枯渇してしまっている状態です。そのため、学校に通わせようとしたり、勉強に向かわせようとしたりするのは禁物です。

    この時期のお子さまは、ずっと寝ているばかりか、ゲームやスマホばかりしていることがほとんどのため、保護者さまも一番心配される時期です。
    ついつい「学校に行かないの?何で?」と詮索してしまいたくなりますが、心のエネルギーが枯れているのだということを理解し、お子さまの気持ちに寄り添うようにしましょう。

    声掛けに悩むときは、普段通りであることを心掛けましょう。一緒に食事を取ったり、テレビを見たりしてのんびり過ごしていれば、そのうちお子さまの方から今の気持ちを話してくれます。
    お子さまの気持ちを否定せず、いつでも味方であることを言葉で伝えるように心掛けましょう。

    「休息期」は、心のエネルギーが少し回復してきた時期です。
    気持ちが前に向くようになり、学校や勉強についてお子さまの方から話題にすることもあります。家族との会話も増え、ゲームやスマホ以外にも関心が向くようになります。

    回復の傾向が見えてきたからといって、すぐに学校復帰を勧めたり、無理に勉強に向かわせたりすることは禁物です。
    回復期においても、基本的には無気力期と対応は同じで、お子さまの気持ちに寄り添い、見守ることを心掛けましょう。

    「回復期」は、心のエネルギーが不登校の状態になる前まで戻った状態です。無気力期や休息期と同じように過ごしているとお子さま自身も暇を持て余すようになり、「何かしたい」「学校に行こうかな」という気持ちが芽生えてきます。

    ただ、急に学校に復帰すると、勉強についていけないことで再び不登校になってしまうケースなどもありますので、授業の進度を学校に確認したり、まずは保健室登校から始めたりするなどして、徐々に学校に慣れていくというステップを踏む必要があります。

    また、お子さまがどうしても学校の集団生活に馴染まない場合は、フリースクールに通うなど、学校以外の居場所で「やりたいこと」を見つけていくのも良いでしょう。

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    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント②発達障害の特性を知る

    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント②発達障害の特性を知る

    発達障害について正しい知識を身に付けることはとても大切です。

    発達障害に対する理解が無いと、むやみに怒ることでお子さまの自己肯定感を傷付けてしまい、不登校から復帰できないばかりか、うつや不安障害などの二次障害を招いてしまうかもしれません。

    この記事を読んでいただいている保護者さまには釈迦に説法かもしれませんが、改めて発達障害の特性について確認し、「特性による行動を頭ごなしに怒らない」「人格を否定するような叱り方をしない」ということを意識していただければと思います。

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    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント③褒める

    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント③褒める

    学校に行けていないことをお子さま自身が負い目に感じ、「学校に行けていない自分はダメだ」と自己否定に陥ってしまうケースも少なくありません。

    そのため、不登校の状態にあるお子さまに対しては特に意識的に褒めるように心掛けましょう。

    休息期や回復期のお子さまであれば、食事の準備や洗濯などの家事を手伝ってもらうこともできます。
    「ありがとう。助かったよ」と伝えることで、「自分にもできることがあるんだ」「自分はここにいて良いんだ」という自己有用感や自己受容感を育むことができます。

    お手伝いが難しいお子さまの場合は、どんなに些細な事でも構いません。
    早く起きれた/早く寝られた、ご飯をしっかり食べられたなど、何でも良いので「あなたがいてくれて嬉しい」ということを全力でお子さまに伝えてあげてほしいと思います。

    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント④ペアレント・トレーニング

    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント④ペアレント・トレーニング

    ペアレント・トレーニングとは、子どもへの関わり方を保護者さまに学んでもらうためのプログラムのことです。

    「発達障害の知識があること」と「適切な関わり方ができること」は別で、どんなに発達障害に深い理解がある方でも、ついカッとなって大声を出してしまうことはあります。

    ペアレント・トレーニングでは、そういった怒りの感情をコントロールするアンガー・マネジメントや、保護者さま自身の認知(考え方)の特性を改善していくことができます。

    無理にイライラや不安を抑えることはストレスにつながり、最悪の場合、保護者さま自身が心身を崩してしまいかねません。
    「大きなストレスを感じている」「お子さまへ適切に関われない自分を責めることがある」などの悩みがある場合は、ペアレント・トレーニングの受講を検討するのも良いでしょう。

    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント⑤親の会に入る

    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント⑤親の会に入る

    不登校のお子さまの保護者さま同士のコミュニティ(親の会)に参加することは非常にオススメです。

    インターネットや書籍でいくら情報を集めても安心できなかった保護者さまが、当事者同士で交流することで「あ、大丈夫なんだ」とあっさりと心配を解消できたというお話は何度も耳にしました。

    世の中に不登校の状態にあるお子さまはたくさんいらっしゃいます。
    「うちの子に限って…」という気持ちになりがちですが、同じ状況の方がたくさんいることや、学校復帰された方のお話を聞くことで漠然とした不安を解消することができますので、ぜひ当事者同士でのつながりを持っていただきたいと思います。

    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント⑥学校や支援機関との連携

    発達障害で不登校のお子さまに接するときの6つのポイント⑥学校や支援機関との連携

    不登校の問題は、基本的にご家庭だけで解決できるものではありません。
    「家族で何とかしなければ」と思い詰めてしまう方もいらっしゃるようですが、そもそも学校の協力無しに不登校は解決できませんし、発達障害が関係している場合は医師や心理士の知見が必ず必要になります。

    もちろん、お子さまの拠り所として「家族」は大きな意味を持ちますが、家族だけでは解決できないものであるという前提のもと、困ったことがあればすぐに相談する習慣を付けましょう。

    具体的な相談先としては、学校や医療機関、教育支援センターなどが挙げられます。
    特に教育支援センターでは、不登校に特化した相談を行っていることも多いため、相談先に迷うときは地域の教育支援センターに問い合わせると良いでしょう。

    また、発達障害のことで悩みがある場合は、発達支援センターへの相談もオススメです。こちらは発達障害に関わる困りごと全般を相談できる施設で、各自治体が設置しています。

    発達障害と不登校のまとめ

    発達障害と不登校のまとめ

    この記事では、発達障害と不登校の関係について詳しく説明してきました。改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。

    <POINT>

    • 発達障害のお子さまは、定型発達に比べて不登校になりやすい傾向にある
    • 不登校は頑張り過ぎたお子さまの「心のエネルギー切れ」であり、まずはゆっくり休むことが必要
    • 発達障害のお子さまは、特性のために集団生活に馴染みにくく、そのために不登校になりやすい
    • 不登校のきっかけは、人間関係や学力不振など様々である
    • 不登校には「無気力期」「休息期」「回復期」の3段階があり、段階に合わせた対応が必要
    • お子さまの自己肯定感を育むためには、「頭ごなしに叱らない」「しっかり褒める」ことが大切

    不登校の背景に発達障害が関係している場合には、より一層丁寧な対応が必要になります。
    ご家庭だけで対処しようとせず、学校や専門機関と連携しながらお子さまをサポートしていただければと思います。

    私たちプロ家庭教師メガジュンでは、不登校・発達障害のお子さまを対象に、学校復帰へのサポートや受験指導を行っています。
    長年の経験で培った確かなノウハウを持った講師たちが、お子さまをしっかりサポートしてまいります。

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    1人でも多くのお子さまが、自分らしく人生を歩んでいけるよう、一同全力でサポートしてまいります。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

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