発達障害の子がルーティンを続けられない理由|ADHD・ASDタイプ別の支援と”自信”を育てる工夫
- 発達障害(ADHD・ASD)におけるルーティンのつまずきパターン
- 年齢・学年に応じた習慣化のヒントと支援の工夫
- 家庭でできる工夫と、プロによるサポートの実例
「宿題の習慣がまったく身につかない」
発達障害のあるお子さまを育てる保護者さまから、こうしたお悩みをよく伺います。
発達障害のお子さまにとって、日々のルーティンを習慣づけるのは簡単なことではありません。
ADHD(注意欠如・多動症)傾向があると注意が逸れやすく、興味が続かないことで生活のリズムが乱れがちになります。
一方、ASD(自閉スペクトラム症)の場合は、ルーティンに対する強いこだわりから、日々の習慣が一度崩れるとパニックになってしまうというケースもあります。
どちらの特性においても、「うまくルーティン化できない」ことは、お子さま本人だけでなく、保護者さまにとっても大きなストレスになります。
本記事では、ADHD・ASDそれぞれの特性に応じたルーティンのつまずき方と、その支援方法について詳しく解説します。
また、年齢や成長段階に応じた声かけ・工夫の実例や、プロ家庭教師による習慣化支援の事例も紹介しながら、今日から実践できるヒントをお届けします。
この記事はこんな方におすすめ
- ルーティンが苦手なお子さまへの接し方に悩んでいる保護者さま
- ADHDやASDの特性に合わせた生活習慣づくりを知りたい方
- 家庭での支援に限界を感じ、外部のサポートを検討している方
▼目次
ADHDとASDの“ルーティンのつまずき方”は違う
「ルーティンがうまくいかない」と一口に言っても、その背景には発達特性の違いがあります。
ADHDとASDでは、つまずき方や困りごとの現れ方が大きく異なるため、それぞれに合った対応が必要です。
ADHDのお子さまがルーティンを続けられない理由
ADHDの特性を持つお子さまは、「今やるべきこと」に注意を向け続けるのが難しい傾向があります。
例えば、朝の支度中にテレビの音が聞こえると、そちらに気を取られて動きが止まってしまうことがあります。
本人の意志の弱さではなく、「集中が続かない」「順序立てて行動するのが苦手」という特性によるものです。
また、興味のあること以外への関心が極端に低く、苦手な作業や退屈に感じることは後回しにしがちです。
そのため、「宿題はこなすので精一杯」「机に向かってもノートを開かない」といった様子が日常的に見られることも。
忘れ物の多さや時間管理の難しさも、ルーティンの妨げになります。
「毎日やると分かっていても、ランドセルに入れ忘れる」「提出物の締切を忘れる」などが続くと、保護者さまはつい叱ってしまいがちです。
ですが、「やる気がない」のではなく、「記憶や行動をコントロールする力」に特性があることを理解することが第一歩となります。
ASDのお子さまがルーティンにこだわりすぎてしまう理由
一方、ASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つお子さまの場合、「決まった流れ」に強い安心感を覚える傾向があります。
そのため、毎日のルーティンがほんの少し変わっただけで不安や混乱を起こしてしまうことも。
例えば、朝の支度の順番が崩れたことで不機嫌になる、予定の変更にパニックになるといった場面が見られるかもしれません。
また、自分なりの「やり方」に固執するあまり、片づけや準備が進まないというケースもあります。
保護者さまが「ちょっとだけ変えてもいいじゃない」と思ってしまうようなことでも、本人にとっては大きなストレスになるのです。
そのため、「予告」や「見通し」の工夫を加えるなどして、変化に少しずつ慣れていけるように支援することが大切です。
年齢別に見る、つまずきポイントと対応法
発達特性があるお子さまは、年齢や発達段階に応じてルーティン化へのつまずき方が変化していきます。
「小さいうちはスムーズにできていたのに、学年が上がって急に難しくなった」と感じる場面も多いかもしれません。
ここでは、小学校の学年ごとに分けて、よく見られる困りごとと支援のヒントを整理していきます。
小1〜小2:やるべきことの見通しが持てない
この時期は、目の前のことに気を取られやすく、先のことを考えて行動するのが難しい時期です。
「宿題をやってから遊ぶ」といった2つ以上の行動の順番を認識するのが難しく、「やりなさい」と言われても手が止まってしまうことも。
また、視覚的な情報や気になる物音に注意がそれて、今やるべきことを忘れてしまうこともよくあります。
対応のポイントは、「今やること」を具体的に見える形で提示することです。
- やることリストをホワイトボードや付箋で見える化する
- 手順を1つずつ区切って伝える(「今は○○」→全部終わってから「次は△△」)
- 終わったことをチェックできる仕組みをつくる
小3〜小4:自分でやりたいが順序立てができない
この頃になると、「自分でできるようになりたい」という意欲が出てきます。
一方で、計画を立てたり、優先順位を考えたりする力はまだ未熟です。
「明日の準備をして」と伝えても、筆箱だけ入れ忘れてしまう…といったケースも増えます。
親が先回りしすぎず、でも完全に任せきりにしないというバランスが大切です。
- 手順を一緒に確認しながら実行する(「最初に、次に、最後に」)
- 失敗したときは「どこがうまくいかなかったか」を一緒に振り返る
- 自分でチェックできるチェックリストを作る
小5〜小6:自我が芽生え、反発や完璧主義が出てくる
高学年になると、「自分はこうしたい」という意思が強くなる一方で、現実との折り合いに苦しむ場面も出てきます。
完璧主義や白黒思考が強くなる子もおり、「どうせできないからやらない」「中途半端な形で出すのは嫌」といった反発が見られることもあります。
こうした時期には、目標を高く掲げすぎず、まず一歩を踏み出す経験を積み重ねていくことが大切です。
- 小さな成功体験を積みやすいルールや仕組みをつくる
- うまくできたときに具体的にほめる(「◯◯のこの部分が自分でできたね」)
- 「失敗しても大丈夫」と伝えながら安心感を育む
「ルーティンがうまくいかない…」とお悩みの方へ
発達障害のお子さまのサポートにおいては、年齢や特性に合わせた対応が必要です。
「どこから支援すればよいか分からない」という方は、まずは無料でお話をお聞かせください。
メガジュンでは、お子さまのタイプに合わせた習慣づくりを一緒に考えるサポートを行っています。
メガジュンでの支援例|こんなお子さまをサポートしています
実際にプロ家庭教師メガジュンでご相談の多いのが、「ルーティンが定着しない」「やるべきことを後回しにしてしまう」といったお悩みです。
ここでは、発達特性をもつお子さまに対してどのようなアプローチで日常行動の改善を支援しているか、具体的な実例をご紹介いたします。
例①:提出物が出せない・忘れ物が多い小3の男の子(ADHD傾向)
小学校3年生の男の子。授業中の集中力に波があり、宿題や連絡帳の確認、提出物の管理がうまくいかないという状況でした。
学校でも注意されることが増え、自己肯定感の低下や「どうせ僕はダメなんだ」という発言も見られるようになっていました。
そこで、まずはご家庭と連携しながら「朝の準備」「帰宅後の流れ」などを見える化するチェックリストを作成。
お子さまが自分で1つずつ確認できるようにした上で、保護者さまとはメッセージアプリを活用して、「できたこと」を一緒に共有・確認する習慣を始めました。
また、週1回の授業では勉強だけでなく、日常生活での小さな成功体験をフィードバックする声かけも意識的に行いました。
「昨日はプリントを忘れずに出せたって聞いたよ、すごいね!」
こうした声かけを続けることで、本人が「がんばろう」と思えるきっかけが少しずつ増え、提出物の忘れも徐々に減っていきました。
例②:自分のルーティンを崩せず、優先順位がつけられない小5男子(ASD傾向・中学受験)
こちらはASD傾向がある小学5年生の男の子。決まった手順や「いつも通りの順番」で物事を進めることに安心感を覚えるタイプで、日々の学習にもその傾向が強く出ていました。
特に中学受験に向けた勉強では、「まず社会からやる」という自分の中の順番にこだわっており、本来優先すべき算数や国語の対策が後回しになってしまうことが課題となっていました。
塾では「算数を強化して」「国語の記述対策を」といった指示が出ていたものの、本人にとっては「なぜ順番を変える必要があるのか」が腑に落ちず、学習計画の切り替えに強い抵抗感がありました。
そこで、まずはテスト日程や各科目の出題比率を一緒に確認しながら、週間単位の学習スケジュールを「視覚的に整理」。
- 「この週は社会を少なめにしても間に合うよ」
- 「算数の演習はここでまとめてやっておくと、後で困らないよ」
このように、「いつ・何を・どのくらい」やるのかを本人と一緒に見える形に落とし込みながら、「納得して変更する」プロセスを丁寧に積み上げていきました。
頭ごなしに「その順番はダメ」と否定するのではなく、「この順番に変えるとどうなるか」を一緒に考えるスタイルで進めた結果、少しずつ学習内容の組み替えに柔軟さが出てくるようになりました。
今では、「今日は算数からやる日」と自分で言える場面も増えており、無理なくペース配分を変える力が育ちつつあります。
特性のあるお子さまにとって、「自分のルーティンを崩すこと」はとても大きな負担です。
その負担を和らげるには、「なぜそうした方が良いのか」への納得感と、先の見通しを持てるような工夫が不可欠です。
私たちは、こうした過程を丁寧に一緒にたどりながら、本人の意志を尊重しつつ、柔軟性と実行力の両方を育てる支援を心がけています。
無理のないルーティン化で「自信」を育てる
ADHDやASDのお子さまにとって、日々のルーティンをこなすことは、想像以上に大きなハードルになることがあります。
大人から見れば「当たり前」のことも、本人にとっては「気づけない」「切り替えられない」「こだわりを崩せない」といった特性が重なり、うまくいかないことが重なってしまいます。
そこで重要になるのが、「できた」「やれた」という実感を言語化・視覚化しながら積み重ねていくことです。
例えば、支援例でご紹介した小3のADHD傾向の男児は、朝の準備や宿題などの「やるべきこと」が抜けてしまうことが多く、保護者さまもつい「また忘れてる!」と叱ってしまいがちでした。
しかし、一緒にチェックリストを確認しながら「今日◯◯ができてたね!」と具体的にフィードバックを重ねることで、「あ、できてたんだ」「またやってみよう」という気持ちが少しずつ育っていきました。
ASD傾向のお子さまの場合も、「自分で選べた」「納得して取り組めた」という体験が、「安心して変化に対応する力」につながっていきます。
ルーティンはあくまで“手段”であり、目的は「自信を持って次の行動に踏み出せるようにすること」です。
小さな成功の積み重ねが、やがて学習面や対人面での前向きな行動にもつながっていく―― そんな土台作りの一歩として、日常の中に“意味あるルーティン”を根づかせていくことが大切です。
「自分はできる」という実感が育つと、学習面にも前向きな姿勢が出てくるお子さまも多くいらっしゃいます。
以下の関連記事では、スモールステップを活かした自信の育て方と学習支援について詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
お子さまのタイプ別・おすすめツールまとめ
ルーティン支援では、声かけや関わり方に加えて、お子さまの特性に合ったツールを取り入れることで負担がぐっと軽くなります。
ここでは、ADHDタイプ・ASDタイプのお子さまに向けた、ツール活用の具体例と注意点をご紹介します。
ADHDタイプのお子さまにおすすめのツール
ADHDのお子さまは、集中が続きにくい・予定を忘れやすい・急な切り替えが苦手といった傾向があります。
そのため、ADHDのお子さまには以下のようなツールがおすすめです。
- ■タイマーアプリ(例:Time Timer)
- 色や円で時間の経過を視覚的に知らせることで、「あと何分?」のストレスを軽減できます。
- ■チェックリストやToDo表
- 1つ終わるごとにシールを貼る、色を塗るなどの“ご褒美演出”を加えると、達成感が得やすくなります。
- ■音声付きアラーム
- 「○○を始める時間だよ」など、音声でも行動を促すことで切り替えがしやすくなります。
これらのツールを使う際には、お子さまと保護者さまが一緒に「何から始めるか」「どの順番で進めるか」「タイマーは何分に設定するか」などを話し合いながら決めていくことが大切です。
大人が使い方を決めるのではなく、お子さまと一緒に「どう使うか?」を決めていくことで、お子さま自身の納得感や主体性が育ちやすくなります。
ASDタイプのお子さまにおすすめのツール
ASDのお子さまは、いつも通りの手順を好み、予定外の変化に不安を感じやすい傾向があります。
また、視覚情報の処理が比較的得意なお子さまが多いため、図や表で見通しを示してあげると安心できることが多いです。
- ■スケジュールボード
- 1日の予定をカードやアイコンで示し、見通しを持って行動できるようサポートします。
- ■色分けされたタスクカード
- 「今やる」「あとでやる」「お楽しみ」などの分類が視覚的に整理されると、切り替えがしやすくなります。
- ■ルーティン表(視覚支援)
- 朝の支度、帰宅後の行動などを順番に並べた一覧表で、「この順番通りにすればOK」という安心感を支えます。
これらのツールを活用する際には、お子さま本人がカードを並び替える、順番を決めるなど、操作に参加できるようにすることで「自分で管理する感覚」が身に付きやすくなります。
また、予定の変更がある場合は事前に伝えておくことも大切です。
共通のポイント
いずれのツールも、「ただ使う」のではなく、お子さまと一緒に使い方を考えることが大切です。
例えば、「あと3分で切り替えようね」と一緒にタイマーを見る、「今日は3つのうち2つできたね」とToDoを振り返るなどの共通体験の積み重ねが信頼関係にもつながります。
また、これらのツールはすべてのお子さまに合うわけではありません。「合わなければやめる」「少しずつアレンジする」という柔軟さも大切にしていきましょう。
また、このように「自分で考えてやってみる→振り返る」という経験の積み重ねが、いずれは受験や進路選択にもつながる「学びの習慣」に発展していくこともあります。
生活習慣と学習習慣には連続性がありますので、ぜひその視点からも前向きに取り組んでいただければと思います。
まとめ|お子さまに合わせた習慣づくりを一緒に考えませんか?
ルーティンや習慣づくりは、発達特性のあるお子さまにとって、ときに大きなハードルとなることがあります。
保護者さまが日々工夫を重ねながら、時間管理や行動切り替えのサポートをされていることに、私たちは心から敬意を抱いています。
ただ、その工夫が「うまくいかない」「続かない」と感じるときには、お子さまの特性や認知のスタイルに合っていない可能性もあります。
そのようなときこそ、第三者の専門的な視点を取り入れてみることが、お子さまの力を無理なく伸ばしていく第一歩につながります。
プロ家庭教師メガジュンでは、ADHDやASDの傾向があるお子さまの特性を丁寧に理解しながら、ご家庭の環境づくりや保護者さまの関わり方も含めたサポートを行っています。
ルーティンは叱らずに身に付けることもできる——その実感をご家庭で得られるよう、丁寧に伴走してまいります。
もしよろしければ、お気軽に無料相談をご利用ください。
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