ワーキングメモリーが低い原因とは?発達障害のお子さまの特性と改善のためのアプローチ

 

  • 宿題を始めても気が散ってしまい、最後まで終わらせるのが難しい
  • お子さまに「おもちゃを片付けたら○○してね」と伝えたのに、片付けた後で次に何をするかを忘れてしまう

お子さまに関してこのような悩みをお持ちの保護者さまも多いのではないでしょうか。

特に、ADHDやASD(アスペルガー、自閉スペクトラム症)といった発達障害のお子さまにおいては、ワーキングメモリーの低さが目立つことがあります。

ワーキングメモリーとは、目の前の情報を一時的に保持し活用する能力で、日常生活や学習の土台を支える重要な役割を担っています。

この記事では、発達障害のお子さまの特徴の一つである「ワーキングメモリーの低さ」について、その原因と改善に向けたサポート方法を詳しく解説します。

発達障害・ギフテッド専門のプロ家庭教師
妻鹿潤
・16年以上1500名以上の指導実績あり
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

ワーキングメモリーとは?

ワーキングメモリーとは、私たちが一時的に情報を保持し、必要なときにそれを取り出して活用するための能力を指します。

具体的には、耳で聞いた電話番号を一瞬だけ記憶し、実際に手を動かしてメモを取るときの瞬間的な記憶力、または数学の問題を解く際に途中の計算結果を一時的に覚えておく力などに関わっています。

このワーキングメモリーは、単なる記憶力とは異なり、「情報の保持と活用のプロセス」が重要な要素となっています。

一時的に保持された情報を処理し、適切なタイミングで取り出すという複雑な役割を果たしているため、「短期記憶」とは異なる脳の働きであるとも言われています。

学習や日常生活において、ワーキングメモリーは以下のような役割を果たしています。

  • 情報の一時的な保持
    短時間のうちに必要な情報を覚えておく能力で、例えば会話の内容を聞きながら適切な返答を考えるなどの場面に関係します。
  • 情報の加工と組み立て
    例えば、文章を読むときに前の文の意味を覚えつつ新しい情報を理解したり、計算問題で途中の結果を記憶しながら解答を導き出したりする際に必要です。
  • 注意と集中力の保持
    ワーキングメモリーがしっかりと機能することで、周囲の情報に惑わされずに目の前の課題に集中することが可能になります。

つまり、ワーキングメモリーとは、私たちが日々のタスクを効率的にこなし、複数のステップを経て目標を達成する際の基盤となる能力であると言えます。

ワーキングメモリーと発達障害の関連性

発達障害のお子さまにとって、ワーキングメモリーの機能が弱いということは、しばしば日常生活や学習面での困難につながることがあります。

特にADHDやASD(アスペルガー、自閉スペクトラム症)といった発達障害のあるお子さまにおいては、ワーキングメモリーの働きが不安定または弱化していることが研究で指摘されています。

このため、一般的に難なくこなせるタスクが、発達障害のお子さまには大きな壁となり得るのです。

ワーキングメモリーが低いことで、発達障害のお子さまに現れる特有の行動例をいくつか紹介します。

  • 指示を忘れる、または順序を混乱させる
    例えば、「ランドセルを片付けたら、手を洗ってね」と伝えても、ランドセルを片付けているうちに次の指示を忘れてしまうことがあります。また、複数の手順が含まれるタスクを行う際には、順序を混乱させてしまうことが多いです。
  • 複数の情報を一度に処理できない
    複雑な情報を同時に処理することが難しく、例えば、先生の説明を聞きながらノートにまとめるといった作業が困難に感じられます。
  • 作業を途中でやめてしまう
    ワーキングメモリーの低さは、集中力の持続にも影響します。例えば、宿題の途中で他のことに気を取られやすく、結果的にやり遂げられない場合などがあります。

ワーキングメモリーの脳科学的背景

ワーキングメモリーの能力は、主に脳の前頭葉(前頭前野)で管理されています。

発達障害のお子さまは、この前頭葉の働きが他の子どもたちと異なっている場合があるとされ、これがワーキングメモリーの低さに結びつくと考えられています。

また、ワーキングメモリーは「視覚的ワーキングメモリー」と「聴覚的ワーキングメモリー」に分けられます。

「視覚的ワーキングメモリー」は目で見た情報を保持する力であり、「聴覚的ワーキングメモリー」は耳で聞いた情報を保持する力です。

ADHDのあるお子さまは、特に聴覚的ワーキングメモリーが弱く、聞いたことをすぐに忘れてしまうことがあるため、口頭での指示を理解するのに時間がかかることがあります。

一方で、ASDのあるお子さまは、視覚的な情報を理解する能力は高いものの、視覚的ワーキングメモリーは弱いというアンバランスさがあるため、次にすべき行動へと移行するのが難しい場合があります。

学習面におけるワーキングメモリーの重要性

ワーキングメモリーは、学習において特に重要な役割を果たしています。

ワーキングメモリーが弱い場合、情報を一時的に保持しつつ新しい情報を取り入れることが難しいため、勉強の内容がうまく頭に入らず、学校の成績に影響が出ることも少なくありません。

特に、算数や国語の学習においては、ワーキングメモリーが低いことによる影響が顕著に現れます。

例えば、算数の計算問題では、途中の計算結果を覚えたまま次のステップに進む必要があります。

ワーキングメモリーが弱いと、この「途中の結果を記憶しつつ計算を続ける」という作業が難しく、解答を導き出すまでに多くのミスが発生することがあります。

また、国語の読解問題でも、前の文章の内容を踏まえながら読み進めていく必要があるため、ワーキングメモリーが弱いと話の流れを見失いやすくなります。

日常生活におけるワーキングメモリーの影響

ワーキングメモリーの弱さは、日常生活にも影響を及ぼします。

例えば、「お風呂から出たら、まずは身体を拭いてね」と伝えても、身体を拭くのを忘れてそのままパジャマを着てしまうなどがあります。

また、「ランドセルを置いて、手を洗ってからおやつを食べてね」といった指示も、途中で内容を忘れてしまい、手を洗わないままおやつを食べてしまうことなどがあります。

このように、ワーキングメモリーが低いお子さまは、指示通りに行動できないことが多いため、保護者さまが何度も確認や指示を出す必要が生じてしまいます。

ワーキングメモリーは、発達障害のあるお子さまにとって生活面でも学習面でも大きな課題となることが多いです。

ですが、その機能を理解しサポートする方法を知ることで、お子さまの困りごとを軽減することは可能です。

本記事では、ワーキングメモリーの低さに対応するための実践的なサポート方法も紹介していますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。(→3.ワーキングメモリーの低さをサポートするための方法4選)

ワーキングメモリーが低い原因

ワーキングメモリーが低い原因は一つではなく、発達障害の特性や神経発達の影響、さらに環境的な要因などが複雑に関係しています。

特に、ADHDやASD(アスペルガー、自閉スペクトラム症)といった発達障害を持つお子さまにとって、ワーキングメモリーの低さは日常生活や学習面において困難を引き起こす一因となっています。

この章では、ワーキングメモリーの低さの原因について詳しく解説します。

ワーキングメモリーが低い原因①発達障害の特性としての要因

ADHDやASDの特性は、ワーキングメモリーの低さと密接に関連しています。

まず、ADHDのお子さまは、注意の維持が難しいとされています。

例えば、先生の話を聞きながら板書を取る、または一度に複数の指示を受けるといった場面で注意が散漫になる傾向があり、結果としてワーキングメモリーの機能が十分に働かないことが多くなります。

一つのことに注意を向け続ける力が弱いことで、途中で指示の内容を忘れてしまったり、あるいは違うことに気を取られたりしてしまい、最終的に指示されたことを完了できないといったケースが見られます。

一方、ASDのお子さまは、特定の情報に集中しやすい一方で、周囲の状況を幅広く捉えることが難しい傾向があります。

ASDの特性として、視覚や聴覚など感覚の過敏さや鈍感さが影響する場合も多く、感覚的な処理が定型発達の場合と異なるため、指示の内容を覚えておくためのワーキングメモリーが効率的に働かないことがあります。

特に、ASDのお子さまは目の前の事柄に強く意識が向いてしまいがちで、全体的な指示の流れを把握することが難しくなる場合があります。これにより、一度に複数の指示を実行することが困難になるとされています。

ワーキングメモリーが低い原因②視覚的・聴覚的な要因

ワーキングメモリーの低さには、視覚情報や聴覚情報の処理が遅れがちなことも関わっています。

例えば、ADHDのお子さまは聴覚的なワーキングメモリーが弱いことが多く、耳で聞いた指示内容をすぐに忘れてしまう傾向が見られます。

これは、音声としての情報を保持する力が通常よりも低いため、特に複数のステップを含む指示を理解・記憶するのが難しくなるものと考えられます。

これにより、授業中に先生の説明を聞きながら内容をノートに書き写すことも一苦労となり、重要な情報をすぐに忘れてしまうことも少なくありません。

ASDのお子さまでは、視覚情報の処理が独自のパターンを持っている場合が多いです。

視覚的ワーキングメモリーが弱いと、目にした情報を一時的に記憶して活用するのが難しくなり、例えば、図形や文字の配置などを覚えて作業を進めるのが困難になります。

また、視覚的な情報処理において、特定の部分に注目しすぎて全体を把握しづらくなることもあり、結果として次に行うべき行動がわからなくなってしまうことがあります。

このように、発達障害のお子さまにおいては、視覚や聴覚などの感覚特性がワーキングメモリーの機能に影響を与えるため、指示や情報の伝え方を工夫する必要があります。

ワーキングメモリーが低い原因③神経発達の影響

ワーキングメモリーには、脳の前頭葉、特に前頭前野と呼ばれる部位が関わるとされています。

発達障害のお子さまの場合、この前頭前野の発達が通常と異なる場合があり、これがワーキングメモリーの低さにつながると考えられています。

前頭前野は、記憶や注意、感情の調整をつかさどる重要な部位であり、ここが適切に働かないと、情報を一時的に保持して活用するワーキングメモリーの機能が十分に発揮されません。

例えば、ADHDのお子さまでは、前頭前野の活動が通常よりも低いことがわかっており、これが注意の散漫さや計画性の欠如に影響を与えると考えられています。

この脳の働きの違いがワーキングメモリーの低さにつながり、結果として日常生活や学習での困難が生じます。

また、ASDのお子さまは、前頭前野と他の脳領域との情報伝達がスムーズでないことがあり、これがワーキングメモリーの低下や、指示を順序立てて実行することの困難さにつながるとされています。

ワーキングメモリーの低さに関する研究は近年進んでおり、専門家からも発達障害のお子さまにおけるワーキングメモリーの重要性が指摘されています。

例えば、発達心理学の分野では、ワーキングメモリーの低さがお子さまの学習や行動面での課題の一因となることが示されています。

さらに、神経科学の視点からは、前頭前野の活動を促進することでワーキングメモリーの機能を向上させられる可能性があるとされており、トレーニングやサポートによってある程度の困りごとの改善が可能であることを示唆しています。(参考:Working Memory in the Prefrontal Cortex (mdpi.com)Working Memory Training (Chapter 29) – The Cambridge Handbook of Cognitive Development

ワーキングメモリーが低い原因④環境的な要因

周囲の環境も、ワーキングメモリーの働きに大きな影響を及ぼすことがあります。

例えば、家庭や学校でのストレスや、サポートの不足が原因で、お子さまのワーキングメモリーがうまく働かないことがあります。

特に、発達障害のお子さまの場合は、周囲の環境が適切に整っていないと不安感やストレスが増し、結果としてワーキングメモリーの機能がさらに低下することがあります。

家庭内でのサポートが十分でない場合や、学校でのサポートが不足していると、学習面や生活面での負担が増加します。

このような環境の中では、お子さまは過度な緊張状態に陥りやすく、情報を保持して活用するための脳のエネルギーがストレスへの対処に割かれてしまうことになります。

例えば、毎日新しい指示やルールに適応しなければならない状況では、お子さまは情報を覚えられないばかりか、注意力も散漫になりやすいです。

また、学習環境においては、先生が一度に多くの指示を出したり、教室内の音や光などの刺激が強すぎたりする場合も、お子さまにとっては負担となり、ワーキングメモリーの機能が低下しやすくなります。

こうした環境的な要因が重なることで、学習面での遅れや日常生活での課題がさらに増大し、ワーキングメモリーが低くなるという悪循環に陥ることもあります。

ワーキングメモリーが低い原因は、発達障害の特性や神経発達の違い、さらには環境的な要因といった複数の要素が重なり合って生じています。

こうした原因を理解し、お子さまの特性や環境に合った支援を行うことが大切です。

ワーキングメモリーの低さをサポートするための方法4選

発達障害のお子さまが感じている日常生活や学習面での困りごとを軽減するためには、ワーキングメモリーの低さをカバーするためのサポートが不可欠です。

この章では、指示の伝え方や視覚的サポート、リマインダーの活用といった具体的な方法について紹介します。

ワーキングメモリーのサポート方法4選①シンプルな指示を使う

お子さまに何かを指示する際には、短く具体的で、シンプルな表現を心がけるようにしましょう。

ワーキングメモリーが低いお子さまは、一度に多くの情報を処理するのが難しいため、指示が長いと途中で内容を忘れてしまい、混乱しやすくなります。

具体的な工夫のポイントは、以下のとおりです。

  • 一回につき1つだけの指示を伝える
    「手を洗ってから宿題をしてね」ではなく、「まずは手を洗おうね」といったように、行動を一つずつ分けて伝えると、お子さまは次の行動に集中しやすくなります。
  • 具体的な言葉を使う
    抽象的な指示(例:「授業の準備をしよう」)は、お子さまにとって理解しづらい場合があります。例えば、「自由帳をしまおう」「教科書を出そう」というように、行動を明確に伝えることで理解がしやすくなります。
  • 簡単なキーワードで指示を繰り返す
    同じ行動を毎回同じ言葉で伝えると、繰り返し伝えられることで意味を理解しやすくなり、行動習慣の定着を図ることができます。

シンプルな指示は、お子さまにとって分かりやすく記憶しやすいだけでなく、「○○がわかった、できた」という自信を育む効果もあります。

また、次に何をすれば良いかがはっきりしていることで、お子さまの不安が軽減され、スムーズに行動できるようになりますので、ぜひ実践していただければと思います。

ワーキングメモリーのサポート方法4選②視覚的なサポート

視覚的サポートは、ワーキングメモリーが低いお子さまにとって非常に効果的な支援方法です。

視覚的なサポートを行うことで、情報を目で確認しながら行動に移すことができるため、お子さまの負担を軽減することができます。

具体的な工夫のポイントは、以下のとおりです。

  • ToDoリストの利用
    お子さまが行うべきタスクをリスト化し、一目で確認できるようにすると良いでしょう。視覚的に一覧として示すことで、次にすべき行動を見失わずに進めることができます。
    また、ToDoリストは完了した項目をチェックする形にすると達成感も得られ、モチベーションを維持する助けになります。
  • 写真やイラストで予定を示す
    特に幼いお子さまには、文字だけでなく写真やイラストを活用して指示内容を視覚化する方法が効果的です。
    例えば、朝の準備を「顔を洗う」「朝食を食べる」「歯を磨く」といった手順ごとにイラストで表現し、順番に確認しながら行動できるようにします。これにより、毎朝の行動が習慣化しやすくなります。
  • 色や形で情報を区別
    特定の色や形で情報を区別することも視覚的なサポートの一環です。
    例えば、学校で必要なものを「教科書は青」「筆記用具は黄色」といった形で色分けしてラベルを貼ると、お子さまがスムーズに必要な物を取り出せるようになります。

視覚的サポートによって、お子さまは聞いた指示を頭の中で一時的に保持する必要が無くなるため、ワーキングメモリーの負担を軽減することができます。

また、保護者さまや先生に口頭で指示されなくても、お子さまが自発的に行動できるようになるため、お子さまの自信や自己肯定感を養う助けにもなります。

ワーキングメモリーのサポート方法4選③反復とリマインダー

反復とリマインダーは、お子さまが忘れやすい情報を定着させるために非常に重要です。

特に、ワーキングメモリーが低い場合は、同じ指示や情報を繰り返し確認することで指示の内容を覚えやすくなります。

また、リマインダーによって、お子さまは日常生活で必要な行動を漏れなく行えるようなるため、非常に効果的なサポート方法と言えます。

具体的な工夫のポイントは、以下のとおりです。

  1. 音やタイマーでのリマインダー
    例えば、家事の合間に行う指示など、逐一声掛けをするのが難しいような場面では、音のリマインダーやタイマーを使って時間を知らせて、行動のきっかけを与えるという方法があります。
    朝の支度に時間を区切り、タイマーを使って「着替えが終わったらタイマーをセットして次の行動に進む」といったように、タイマーと合わせて行動を確認させるのが効果的です。
  2. 同じ場所にメモを置く
    特定の行動を促すメモやリマインダーは、いつも同じ場所に置くようにすることで、お子さまにとってわかりやすいサインになります。
    例えば、ランドセルの横に「宿題をする」と書いたメモを貼っておけば、毎日確認できるため習慣化しやすくなります。
  3. 視覚と聴覚を合わせたリマインダー
    視覚と聴覚の両方を使ったリマインダーも効果的です。
    例えば、家族カレンダーに「遠足」と書くとともに、数日前には口頭で「来週は遠足だね」と話しかけて、日付が近づいたらさらに再確認するなどして繰り返し確認を行うと、重要な行事や予定を覚えやすくなります。

ワーキングメモリーのサポート方法4選④行動の流れを見せることで自立を促す

ワーキングメモリーが低いお子さまは、次にすべき行動を見失いやすいため、一連の流れを目で確認できるように工夫することが重要なポイントです。

特に、複数のステップを伴う作業の場合は、流れを示すことで順序を間違えずに進められるようになります。

具体的な工夫のポイントは、以下のとおりです。

  1. フローチャートでの行動の可視化
    例えば「帰宅後の流れ」を「ランドセルを置く→手を洗う→宿題をする→自由時間」といった流れでフローチャートにし、目に見える形で掲示することで、お子さまは指示を一度に理解することができ、行動がスムーズに進むようになります。
  2. 写真やステップごとの案内板
    特に、家庭内で行う一連の作業(例:朝の準備、片付け、歯磨きなど)については、ステップごとに写真やイラストを示し、手順に従って進めることができる案内板を作ると、お子さまが自ら次の行動に移りやすくなります。

このように、一連の行動を示すことによって、ワーキングメモリーが低いお子さまでも次にすべき行動を見失わず、計画的に進められるようにサポートすることができます。

「言われなくても自分でやり遂げることができた」という成功体験が増えると、自信が培われ自立を促せるため、お子さまのさらなる成長にもつながります。

総じて、発達障害のお子さまが日常生活や学習をスムーズに進めるためには、ワーキングメモリーの負担を軽減し、理解しやすい形で指示を伝えることが大切です。

シンプルな指示、視覚的サポート、反復やリマインダーを駆使することで、お子さまは行動しやすくなり、自信や自己肯定感を育てることができます。

保護者さまの工夫がお子さまにとって大きな支えとなり、安心感と成長につながりますので、ぜひ試してみていただければと思います。

ワーキングメモリーの弱さの支援|専門機関や医師・心理士に相談する

ワーキングメモリーが低いお子さまが抱えている日常生活や学習における困難は、ご家庭での工夫だけでは解決しきれない場合があります。

そうした場合には、専門の支援機関のサポートを受けることが大きな助けになります。

この章では、発達支援の専門機関や療育センターといった相談先の具体例と、それぞれが提供するサポートの内容について紹介します。

ワーキングメモリーに関する支援機関①発達支援センター

各地域に設置されている発達支援センターは、発達に遅れや特性を持つお子さまとそのご家族を支援する施設です。

ワーキングメモリーに関する悩みも含め、様々な発達課題について専門家と相談ができるため、初めて相談を考えている方には適した窓口となります。

発達支援センターでは、お子さまの特性に合わせたアセスメントを実施し、必要に応じて個別の支援計画を立ててもらうことができます。

また、センターの心理士や発達支援の専門家によるカウンセリングやアドバイスを通じて、家庭や学校での対応方法も具体的に教えてもらうことができます。

ワーキングメモリーの支援機関②療育センター

療育センターは、障害の有無にかかわらず、発達に関する支援が必要なお子さまを対象に専門的な療育プログラムを提供する施設です。

ここでは、ワーキングメモリーのトレーニングを含む認知機能の強化に特化した支援も受けることができます。

例えば、視覚的な記憶を養う訓練や、指示の流れを理解するためのタスクの反復練習など、個別に設定されたプログラムが用意されています。

こうしたプログラムは日常生活での応用にもつながるため、療育センターでの取組がご家庭でのサポートにも役立ちます。

ワーキングメモリーの支援機関③心理士によるカウンセリング

ワーキングメモリーに限らず、発達障害のお子さまが抱える悩みについては臨床心理士や公認心理師といった専門家によるカウンセリングを受けることも大切です。

心理士のカウンセリングでは、ワーキングメモリーに困難があることで感じる不安や、自信の低下について話し、心のケアを行うことができます。

特に、ワーキングメモリーが低いために学校生活での挫折感が強いお子さまにおかれては、心理士のサポートを通じて自己肯定感を高めることが非常に重要です。

また、心理士は保護者さまに対してもさまざまな助言が可能であるため、ご家庭で困ったことがある際には積極的に相談するようにしましょう。

ワーキングメモリーの支援機関④放課後等デイサービス

発達障害のあるお子さまにとって、放課後等デイサービスは学校以外で安心して過ごせる居場所であり、日常的な支援やサポートを受けることができる場でもあります。

放課後等デイサービスでは、日常生活に必要なスキルを高めるための活動や、他のお子さまとコミュニケーションを図りながら社会性を養う機会が提供されています。

ワーキングメモリーに関しても、記憶力や注意力を鍛える活動が取り入れられることが多く、グループ活動の中で少しずつスキルを伸ばせるため、家庭だけでは補えない部分の支援が可能です。

ワーキングメモリーの支援機関⑤専門医による発達検査

発達障害のお子さまにおいてワーキングメモリーの低さが目立つ場合、専門医による発達検査を受けることで、より正確な診断や適切な支援計画が立てられることがあります。

例えば、児童精神科や発達障害専門の医療機関による検査を通じて、具体的な特性やワーキングメモリーの状態を把握し、その結果に基づいて支援の方針を決定することができます。

専門医の診断を受けることで、療育センターや学校との連携がスムーズになり、お子さまにとって最適な支援が提供されやすくなります。

これらの専門機関を活用することで、お子さまのワーキングメモリーをサポートし、日常生活や学習に必要なスキルを少しずつ身に付けていくことができます。

支援の形はお子さまの特性やニーズによって異なりますが、必要に応じてこれらの機関を活用し適切なサポートを受けることで、お子さまが安心して生活し、自信を持って成長できる環境が整います。

保護者さまが一人で悩む必要はありませんので、ぜひ気軽に専門機関に相談していただければと思います。

ワーキングメモリーが低い原因のまとめ

この記事では、ワーキングメモリーが低い原因や、ワーキングメモリーが低いことで生じる困りごとのサポート方法などについて詳しく解説してきました。

改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。

<POINT>

  • ワーキングメモリーとは、短期的な情報保持と活用を支える機能で、学習や生活に欠かせない要素である
  • ADHDやASDのあるお子さまは、ワーキングメモリーが低いことが多く、記憶と注意維持の難しさが特徴的
  • 脳の前頭前野が未発達の場合、ワーキングメモリーの低さが生じやすい。
  • 視覚や聴覚情報の処理に難しさがあると、記憶の保持が困難になり、ワーキングメモリーの低さの一因となる
  • 不安やサポート不足がストレスを引き起こし、ワーキングメモリーの低下に結びつくこともある
  • ワーキングメモリーが低いお子さまに指示を出す際には、短く分かりやすい言葉で一つずつ伝えることが大切

私たちプロ家庭教師メガジュンでは、長年にわたり発達障害のお子さまのサポートを行ってきました。

WISC検査の結果、ワーキングメモリーが低いと言われて困っているというご相談にも数多くお応えし、学力の向上や日常生活の困りごとの改善などのサポートを行ってきました。

「発達障害だから~」と決めつけるのではなく、また、知識だけに頼り切るのではなく、目の前のお子さまと真摯に向き合い、一人ひとりの状態を丁寧に把握しサポートしてまいります。

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