ADHDのグレーゾーンって?対処法も合わせてご紹介!
発達障害専門の受験プロ家庭教師
妻鹿潤
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中
はじめに
ADHDの特性に似ているな…
医師に「ADHDの傾向があります」と言われたけどいまいちよくわからない…
そんな方に向けてADHDのグレーゾーンについてご紹介します。
ADHDとは
ADHDとはAttention Deficit Hyperactivity Disabilityの略称で、注意欠如障害:ADD(Attention Deficit Disability)と、多動性障害:HD(Hyperactivity Disability)のどちらもを認められる障害です。
ちなみに「Disability」を使用するのは教育関係の業界で、医学界では「Disorder」と表します。
一方正式名称では「注意欠陥・多動性障害」と言われます。文部科学省のガイドラインでは、「年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力及び/又は衝動性多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。」と定義されています。
具体的には以下のような特徴です。
注意欠陥
・物をすぐに失くす/忘れ物が多い
・話を聞いていない、またはその様に見える
・気が散りやすい/すぐに他に注意が逸れる
・作業にミスが多い
・持続的に集中しなければならないことを嫌がる
・計画を立ててひとつづつこなしていくのが苦手
など
多動性(衝動性)
・ずっとソワソワしている
・ずっと自分の話を続けてしまう
・人の邪魔をしてしまう
・突然大きな声を出す
・人の邪魔をしてしまう/待てない
など
グレーゾーンとは?
まずはじめに、「グレーゾーン」は正式な診断・病名ではなく、「発達障害の傾向はあるが、確定診断が下りない、または下りていない」状態です。
医師からは「ADHDの傾向はありますが、診断基準は満たしておりません。」といった形で伝えられます。
しかし、診断はその時その場での診断です。その日の体調や調子、気分などで左右されることも多いでしょう。そのため、診断時には基準を満たさないが、日常的にその傾向/特性が強く出ている、またはあるといったケースもあります。
その人それぞれに特徴やその程度の強弱があるため、一度の診断結果だけではなく、継続的に医師の診断を受けるなどの対応をするのが良いでしょう。
また中には、ネットなどの情報を元に自己診断をしているケースもあります。
前述のように、その日の体調や気分などで変わるので安易な自己診断は正確ではありません。病院に行くこと=発達障害であることではないので、気になった際には専門家や医師に相談するのもひとつの手段です。
グレーゾーンの症状への対処法
グレーゾーンには2つのパターンが考えられます。
①「発達障害の要件を満たす項目が少ないパターン」と②「発達障害の程度を満たさないパターン」です。
どちらの場合にも影響する特性に対して、対策を工夫する方法が有効です。
例えば気が散りやすい場合は、作業する場所に余計な物を出さない、静かな場所で作業する、ミスが多い場合にはチェックリストを作ったり、最後にダブルチェックをする、といったものです。
①の場合はその特性が強く出やすいパターンですので、しっかりと対策をするほうがよいでしょう。
②の場合はそこまで強く特性がでないとも言えますので、その特性に対応した対策をまずはひとつづつ試してみましょう。うまく行かなければ対策を細かくしていったり、他の対策を追加していき、自分にあった対策リストを作成することで防ぐこともできます。
誰しも多少なりとも似たような特性を持っており、その対応策を実践しているかと思います。
同様のアプローチで解決することもありますので、まずは試してみて試行錯誤していくことも大切です。
まずはご気軽にご相談ください
私妻鹿潤は教育業界にて16年以上携わり、のべ1,500名以上の生徒を受け持ってきました。
発達障害をお持ちのお子様の傾向はひとりひとり違います。まずはお子様に「勉強がわかる、できるんだ、楽しい!」と学習意欲を取り戻してもらうことが第一です。
そのためにそれぞれのお子様の目標や保護者様のお話をお伺いし、保護者様、お子様、妻鹿の3人4脚で一歩づつ目標達成に向かって進んで行くことを大事にしております。
ご質問や、少し話を聞いてみたいなど、ほんの少しの理由で大丈夫です。
まずはご気軽にお問い合わせください。
おわりに
発達障害やADHDと聞くと漠然とした不安を感じたり、自分の言動の傾向が当てはまってしまうこともあるかと思います。
そのうえで「グレーゾーン」という言葉を聞くとより混乱することもあるかと思います。
しかし「グレーゾーン」という言葉に惑わされず、その人それぞれの特性を理解し、その対処をすることによってちょうどいい距離感で付き合っていくことが大切です。
その手助けができれば幸いです。
■参考文献/出典:
・厚生労働省-発達障害
・文部科学省-小・中学校におけるLD( 学習障害)、ADHD(注意欠陥/ 多動性障害)、高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の 整備のためのガイドライン
・e-ヘルスネット-ADHD