【発達障害とグレーゾーン】特性に合わせた受験対策・勉強法と就職を見据えた進路選択
発達障害と一口に言っても、その特徴はお子さまによって様々です。
その中でも今回は、「グレーゾーン」――すなわち、発達障害の診断は受けていないものの、発達障害の傾向にある状態のお子さまについてこの記事にまとめました。
16年間教育業界に関わってきた発達障害専門のプロ家庭教師・キャリアアドバイザーとして、発達障害グレーゾーンのお子さまにふさわしい勉強法や、向いている職業についてご紹介します。
発達障害専門の受験プロ家庭教師
妻鹿潤
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中
「発達障害とは診断されなかったけど、やっぱり他の子とはちょっと違うみたい」
「発達障害やグレーゾーンって治るの?」
「グレーゾーンって診断されたけど、受験は大丈夫?どんな勉強方法がいいの?」
「はっきり発達障害と診断されるより、グレーゾーンの方が生きづらいって本当?」
はっきりと診断が出ていないがゆえに対策が分からず、不安になってしまうお気持ちは当然です。
ですが、グレーゾーンだからといって対策や支援が無いわけではありません。
以下に、発達障害専門のプロ家庭教師として、16年間の経験で培ったノウハウをまとめました。
はじめから順番に読んでいただく必要はございません。
項目ごとにまとめていますので、お子さまに当てはまる項目や関心のある項目からご覧いただければと思います。
*
▼目次
グレーゾーンとは?
実は、「グレーゾーン」に明確な定義はありません。“発達障害と診断されたわけではないが、発達障害に近い特徴がある”という状態を指すために、便宜上使われている言葉です。
発達障害は「障害」であり、克服・治療すべきデメリットであるという認識が、社会ではまだまだ一般的です。
しかし、発達障害は生まれ持った脳の機能の特性であり、治療すべき病気ではありません。(もちろん、現状での困りごとの解決や将来の自立、社会参加を目指して、療育などを行う場合はあります。)
発達障害をお子さまのユニークな個性として捉え、「長所」を伸ばすことが、より良い進路、ひいてはお子さま自身のより良い人生につながるのです。
実は、東大・京大生には発達障害のお子さまが多いことをご存知でしょうか。
詳しくは以下の記事をご覧いただければと思いますが、私が受け持った子どもたちの中にも、自分自身の個性と上手く付き合い、良いところを存分に伸ばして希望の進路を実現した子たちがたくさんいます。
(「東大・京大合格者は発達障害の性質を持つ人が多い!? 個性を活かした勉強法で難関を突破」)
発達障害・グレーゾーンの3分類とその特徴・対策
発達障害は、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)、ADHD(注意欠如多動性)、LD(学習障害系)の3つに分類されます。
グレーゾーンも、この3つの分類のどれかに近い性質のことを指します。
この章では、それぞれの特徴と対策を順にご紹介します。
ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)系のグレーゾーンの特徴と対策
ASDの特徴は大きく2つあります。
②感情的・こだわりが強い・特定の刺激に対して過敏あるいは鈍感
主に①の特徴から、学校生活になじめない、友だちとの関係が上手くいかないといったケースがASDのお子さまにはよく見られます。
とはいえ勉強面でも「登場人物の気持ちが分からない」「集中できない」といった困りごとがありますので、それぞれの具体例と対策・支援方法をご紹介します。
①「集団生活や人間関係が上手くいかない・苦手」の具体例
・一人遊びが多く、ごっこ遊びを好まない
・人見知りをしない
・セリフを棒読みするような話し方
・表情や雰囲気、相手の視線などから気持ちをくみ取ることができない(空気が読めない)
<対策>
具体例からも分かるとおり、感情の読み取りが苦手な分野になります。なので、国語の問題で「登場人物の心情を読み取って」と言われてもなかなか難しく感じてしまいます。
そんなときは、感情を直に読み取ろうとするのではなく、「パターン」から読み取る練習をしてみましょう。
「曇り空の描写が出てくる=悲しい、さみしい、辛い」「固く握りしめた拳=怒り、悔しい」など、文学作品にはある程度お決まりのパターンがあります。
それらのパターンを一つずつ暗記していくのです。積み重ねは必要ですが、一問一答のクイズのつもりで取り組んでいきましょう。
②「感情的・こだわりが強い・特定の刺激に対して過敏あるいは鈍感」の具体例
・ゆうづうが利かず、臨機応変に物事をこなすことができない
・予想していないことが起きると、パニックを起こす
・自分なりのやり方やルールにこだわりがある
・何かをやる際に、細部にとらわれてしまい、最後まで物事を遂行することが出来ない
・物を並べる、扇風機など回転するものが好き
<対策>
感情的になる場面やこだわりについては、お子さまによって様々です。そのため、まずは日頃のお子さまの様子をよく見ていただき、「どんな場面で感情的になってしまうのか」「何に対してこだわりが強く出るのか」といった傾向を把握しましょう。
動くもの、尖ったもの、ゆっくり動くもの、丸いもの、回転するもの、赤色や黄色などのビビッドカラー――過敏になる対象はお子さまによって千差万別です。
もちろん、自分の興味あるもの、例えば漫画やアニメ、芸能人の写真に過敏に反応するお子さまもいらっしゃいます。
対策としては、過敏になる対象のものを視界に入れないこと。視界に入れないだけでなく、連想してしまうものも遠ざけましょう。
好きな漫画のキャラクターが描かれている文房具も、場合によっては集中の妨げになってしまいます。勉強に集中しなければならないときはそれらをできる限り取り除き、勉強が終われば存分に楽しめば良いのです。
ADHD(注意欠如多動性)系のグレーゾーンの特徴と対策
ADHD(注意欠如多動性)の特徴は、その名称にもあるとおり「注意散漫になりがち」「落ち着きが無い」ところにあります。
具体的には、
・宿題をやっているときに、違うことに取り組もうとする
・失くしもの、落とし物が多い
・ルールを守ることが難しい(言われたことは理解できても、聞くことができない)
・「静かにしてください」と言われても、おしゃべりを続けてしまう
・片付けや整理整頓が苦手
・貧乏ゆすりが多い
・自分の気持ちの制御が苦手で、突発的な行動を起こしやすい
・ケアレスミスが多い
といったことが挙げられます。
<対策>
ADHDのお子さまは、エネルギーに満ちあふれていて制御できていない状態といえます。なので、できないところを責めるのではなく、できているところを褒めることが何よりも効果的です。(これは発達障害でないお子さまにも当てはまりますが、ADHDのお子さまには、とりわけ効果が顕著です。)
また、興奮して感情的になっている時は、まずは気持ちを落ち着かせてあげましょう。興味を持っている対象をそれとなく遠ざけたり、静かな環境に移動させた上で、こちらの指示や気持ちを伝えます。
いろいろなものに興味を持ってしまうのが、ADHDのお子さまです。何かに集中させたい時は、思わず興味を持ってしまいそうなもの、刺激のあるものは視界に入れず、遠ざけるようにしましょう。
お子さまによっては、視覚優位(目で見た情報が処理しやすい)のお子さまと聴覚優位(耳で聞いた情報が処理しやすい)のお子さまがいます。
これもADHDに限ったことではありませんが、お子さまの特性に適した伝え方・教え方をすることで、お子さまの理解は格段に良くなります。
目で見たことが伝わりやすいお子さまには、画像やイラスト、チェックリストなど視覚に訴える形で伝えてみる。
耳で聞いたことが伝わりやすいお子さまには、実際に読み上げてみる・お子さま自身にもこちらの言葉を繰り返してもらうなど、聴覚に訴える形で伝えてみる。
少し大人側の手間は増えてしまうかもしれませんが、丁寧に伝えることはとても重要です。
こちらも落ち着いた気持ちで、お子さまと目線を合わせ、1つずつ具体的に説明するだけで、伝わり方は随分違ってくるでしょう。
また、ADHDのお子さまにとって、ケアレスミスは当たり前に起こってしまうものです。ケアレスミスについては、「別記事:ADHD(注意欠如多動性)×受験のプロ直伝、ケアレスミス対策7選」に詳しく記載しております。
LD(学習障害)系のグレーゾーンの特徴と対策
LDは、以下の3つに分けられます。
・書字表出障害(ディスグラフィア)/書きの困難
・算数障害(ディスカリキュリア)/算数、推論の困難
LDを理解する際のポイントは、読みの困難であれば、読むことは困難なものの、それ以外に困難があるわけではない、ということです。
読むのが難しいからといって、知的・精神的に遅れがあるわけではありません。
ですので、読みが困難であれば、教材をUDフォントに変換したり、行間を広くしたりして読みやすくする工夫を行ってみましょう。書きの困難であれば、PCやタブレットでキーボード入力してみる、算数の困難であれば電卓を使うなど、上手く機材を使いながら、LDと付き合っていくことが大切です。
子どもの頃からそういった対処法や機材の扱いに慣れておくと、大人になったときにきっと役に立ちますよ。(学校の先生との交渉術も含めて……)
しかしながら、文章が読みづらいこと、文字が書きづらいこと、計算ができないことがハンデとなるのは一方で事実です。
その場合には、図形や図表に特化して勉強してみる、という手もあります。
最近の入試問題では従来型の読解や知識・理解だけでなく、グラフや資料の読み解きなども注目されています。
LDはまだ理解が進んでいない発達障害の一つですが、他の発達障害と同じく、前向きに捉えることは可能です。
グレーゾーンは治るのか?
冒頭でお伝えしたとおり、発達障害は生まれ持った脳の機能の特性であり、治療すべき病気ではない、というのが私の考えです。
また、治療を望む場合でも、保険診療は難しく、自由診療になる場合がほとんどです。
もちろん、必要に応じて薬による治療(薬物療法)を受けることを否定するものではありません。
治療薬としては、脳内の神経伝達物質(ドーパミンやノルアドレナリンなど)の調整を行うものが多く、主に注意や衝動制御の作用があります。
処方される薬によって、効果が出るまでの期間や一日の服薬回数、副作用などが異なるので、主治医と相談しながら現在の状況に合わせて処方してもらいましょう。
「グレーゾーンであれば、診断が無いので薬を出してもらえないのでは?」と思ってしまいますが、実はケースバイケースです。
診断が出ていても薬物療法を行わない場合もあれば、グレーゾーンでも投薬するケースもあります。
発達障害グレーゾーンと受験術
発達障害のお子さまは個性的、すなわち「得意と苦手」が突出しています。
なので、得意なところで思い切り勝負するのが良いでしょう。
そのため、どの分野にも満遍なく得点が必要になる高校受験、特に公立高校受験とは、残念ながら相性が良くありません。
逆に一部の教科や科目、問題傾向に特化した中学受験・大学受験であれば、上手く志望校を選ぶことで、個性を存分に生かした受験対策ができるのです。
公立高校受験は、都道府県ごとに細かな違いはありますが、内申点(学校の成績)の配点が非常に高く、50%以上を占めることがほとんどです。
また、内申点の配点も、教科ごとに均等配分であることが多くなっています。
つまり、「満遍なく全体ができる」「バランス型」のお子さまとの相性が良い制度になっています。
そのため、得意と苦手が突出している発達障害やグレーゾーンのお子さまとは相性が悪くなってしまいます。
私立高校受験は、内申点は不要であることが多いものの、筆記試験の科目は5教科100点の均等配分が多く、やはり相性はあまりよくありません。
一方、中学受験は配点や難易度にかなり偏りがあります。
算数の配点が高い学校もあれば、国語の配点が高い学校もある。
そのため、お子さまの得意な科目の配点が高く、そしてさらにその難易度が高ければ、発達障害のお子さまでも存分に個性を発揮し、受験を有利に進めることができます。
大学受験も中学受験と同じですね。お子さまと相性が良い科目に絞って受験することできますし、科目ごとの難易度のばらつきも中学受験より大きくなっています。
ですので、お子さまの相性にあった受験科目を見極め、志望校を決めることで、受験への不安はかなり解消できるはずです。
グレーゾーンと進路選び
上の項目では、受験術の観点による志望校選びをご紹介しました。
お子さまと相性の良い受験科目・難易度の学校は、お子さま自身にとって最適な環境であることも多いので、受験術の観点のみで志望校を選ぶことも、一概に悪いとは言えません。
ですが、お子さまの人生は志望校に合格した後も続きます。
お子さまが将来何になりたいか、どういう風に生きたいか。将来のキャリア全体を見据えた志望校選びも、もちろん重要です。
例えば、理系や一部の資格系職業は、それに対応した学部・学科に進学しなければ就くことができません。
代表的なものでいえば、お医者さんですね。それに、学校や幼稚園・保育園の先生・看護師さん・薬剤師さんなどは、養成系の大学・学部に進んで資格を取らなければ、その職業に就くことができません。
逆にいうと、それ以外の職業を目指すのであれば、大学や学部にこだわる必要は無いということです。
一部の士業を除けば、どの学部だから就職に有利・不利ということはほぼありません。
とはいえ、弁護士や裁判官であれば法学部への進学が近道ですし、公認会計士や税理士であれば商学部系への進学をお勧めします。
文系の資格系職業の多くは、その学部・学科に進まないと受験資格を得られないわけではないものの、学部・学科で勉強した内容がそのまま試験に出るものが多いからです。
発達障害グレーゾーンと学校の成績
「学校の成績をバランスよく上げる」ことは、発達障害やグレーゾーンのお子さまにとって不向きといえます。
残念ながら日本の教育制度は、まだまだオールマイティでバランス型、画一的な人材育成から抜け出せていません。(文科省も頑張って学習指導要領を改訂していますが、学校現場に理念が浸透するまでは相応の時間がかかると思います。)
ですので、発達障害の個性を生かした一点特化の学習法は、受験術としては役立つものの、いわゆる「頭が良い」「成績が良い」という状態にするのは難しい面があります。
とはいえ、絶対に不可能というわけではありません。
できることから少しずつ取り組むことで、お子さま自身の自信につながり、勉強が好き!とまではいかないまでも、以前よりはちょっと勉強する気になってきた、そしてそこから大きく飛躍する可能性ももちろんあります。
発達障害の特徴ごとの具体的な勉強方法は以下にまとめていますので、興味を持たれましたらぜひご一読ください。
■「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)を持つお子様の勉強・学習」
何よりも大切なのは、お子さま自身が前向きに人生を捉えることです。
自分は〇〇ができない、ダメな子どもなんだ──そんな風にお子さまが落ち込んでいる姿を見るのは、大人の私たちも辛いですよね。
自分は〇〇はできないけれど、■■するのはとても得意、△△には夢中で取り組むことができる!
そんな風に、お子さまが生き生きと輝き、個性を発揮できるお手伝いができればと考えています。
発達障害グレーゾーンと職業選択
では、発達障害のお子さまに向いている職業とは何でしょうか。
一般的には、ADHD・ASD系、あるいはそのグレーゾーンの方にとっては、マルチタスク(同時並行的に様々なことをやる職業)よりも、何かしら1つのことをこだわり抜く職業が向いているとされています。
実は、歴史的偉人や有名人の中にも、発達障害ではないかと言われている人はたくさんおり、中には天才と名高い人もいます。
この一覧を見ていただければ、発達障害やグレーゾーンは「個性」であり、磨けば天才と謳われるような「才能」にも昇華できるかもしれないことが、おわかりいただけると思います。
ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)
織田信長(戦国武将)、レオナルドダヴィンチ(美術、医学、天文学、建築)、アインシュタイン(物理学者)
イチロー(野球選手)、スティーブ・ジョブズ(経営者)、米津玄師(ミュージシャン)
ADHD(注意欠如多動性)
坂本竜馬(剣の達人、経営者、政治家)、エジソン(発明家)、モーツァルト(音楽家)
長嶋茂雄(野球選手・監督)、さかなクン(芸能人、さかなの知識が豊富)
LD(学習障害)
スティーブンスピルバーグ(映画監督)、トム・クルーズ(俳優)、ウォルト・ディズニー(芸術)
ただし、個性を磨くにしても、お子さまの個性が何に向いていて、何に向いていないかを見極めることが非常に重要です。その際のポイントは「個性の要素を丁寧に分解すること」です。
例えば、 LEGOが好きなお子さまの場合であれば、「細かい作業が好き」「自由に創造するのが好き」「空間把握能力が高い」などに分解できます。また、映画が好きなお子さまであれば、「動くものが好き」「細部まで観察できる」「立体的な音響に敏感」などに分解できるでしょう。
「細かい作業が好き」という要素からは、ものづくりに関連する職業が選択肢になりますし、「自由に創造するのが好き」という要素からは、デザイナーなどが思い浮かびますよね。
映画が好きであっても、必ずしも映画監督になる必要はありません。映像製作の仕事でも構いませんし、観察力を生かしてゲームのデバッカーとして活躍できるかもしれません。
「発達障害やグレーゾーンだから〇〇しかできない」というのではなく、お子さまの個性を丁寧に紐解くことで、選択肢や可能性を広げることができるのです。
保護者の方だからこそ、できること
繰り返しになりますが、発達障害は、必ずしも全てを克服・治療しなければならない「障害」ではありません。お子さま自身が生まれ持った個性であり才能であり、お子さまの一部です。
ピグマリオン効果をご存知でしょうか。大人が子どもをどう見ているかは、想像以上に子どもに伝わっています。
「ピグマリオン効果(コトバンク)」
お母さまやお父さまが、発達障害やグレーゾーンを悲観的・否定的に捉えていると、たちまちそれがお子さまに伝わって「自分はダメなんだ、お母さんやお父さんを不安にさせてしまう存在なんだ」と考えてしまうようになります。
とはいえ、お子さまが発達障害と診断されたら、あるいはグレーゾーンだとわかったら──不安になる気持ちは当然ですし、それを我慢して強がってしまうと、今後は親御さんの方が折れてしまいます。
そんな時は一人で溜め込まず、誰かに悩みをこぼして下さい。身近な気の許せるご友人や親族でも、学校の先生でも構いません。不安な気持ちを吐き出すだけで、以外と考えが整理できてスッキリするものです。
中には、お子さまが発達障害であることを誰にも話したくない、理解してもらえない状況もあるでしょう。そんな時は、地域の教育相談を受けてみるのも一つです。お住まいの地域の教育委員会に問い合わせれば、窓口を教えてもらえますよ。
お母さまやお父さまの不安な気持ちを払拭するために、小話を一つ。
明治維新の最も有名な豪傑の一人である坂本竜馬ですが、幼少期は泣き虫で、13歳までおねしょをしていたそうです。さらに整理整頓が下手で字は汚く、締め切りはほとんど守れない。今の学校にいれば、間違いなく問題児扱いされるような人物でしたが、素晴らしい歴史的偉業を成し遂げました。
不安になるのは、お子さまの将来を大切に思うからこそ。ですが、お母さまやお父さまがお子さまの個性を少しでも前向きに捉えようとしていれば、自ずとお子さまにもその気持ちは伝わります。
発達障害やグレーゾーンのお子さま自身も、そしてお母さま・お父さまも、胸を張ってより良く生きていけることを願っています。
まとめ
長くなりましたが、お伝えしたいことをまとめると以下のとおりです。
・発達障害やグレーゾーンは「障害」ではなく「個性」
・発達障害グレーゾーンはASD系・ADHD系・LD系に分かれ、その特徴や強度は様々。それぞれ異なる対策が必要
・発達障害グレーゾーンの保険診療は難しいが、自由診療では必要に応じ薬物療法もあり
・発達障害グレーゾーンのお子さまは、高校受験と相性が悪く、中学受験・大学受験では志望校選びが重要
・発達障害グレーゾーンのお子さまは、個性にあった進路・職業選択が重要
・保護者の方は短所よりも長所に目を向け、お子さまと肯定的な気持ちで接することが重要
1人でも多くの発達障害やグレーゾーンのお子さまのために、お役に立てれば幸いです。