【受験のプロ監修】ADHD(注意欠如多動性)のケアレスミス対策7選
2021.07.30

ADHD(注意欠如多動性)だからこそ、起こりがちなケアレスミスとその対策をこの1本の記事にまとめました。

16年教育業界に関わり、ADHDを中心とした発達障害専門の受験プロ家庭教師・キャリアコンサルタントとしてのノウハウをまとめたものです。

「うちの子、ADHDだからか、どうしてもケアレスミスが直らない。。。」
「ADHDと診断されました、どのような学習上の対策が必要でしょうか?」

このようなご相談を頂くことが多かったです。

注意不足、多動性などの性質があるからこそ、ご不安に思われる保護者様も多いでしょう。

ですが、様々なメディアに掲載された私の記事東大・京大には発達障害のお子様が多いにもあるように、東大生・京大生にADHDの方が多いこともまた、事実です。

ADHDの性質を踏まえて、どのようなケアレスミス対策をすることが良いのでしょうか?
ここでは、学習上で起こりがちな7つの状態とその具体的な対策をご紹介します。

そのノウハウを以下の目次に沿って内容別にまとめてます。
ご興味のあるところから、お子様が該当するところからご覧ください。

発達障害専門の受験プロ家庭教師 妻鹿潤
・16年以上1500名以上の指導実績あり
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

ADHDのケアレスミスって、そもそも直せる?どこまでが許容範囲??

ADHDで起こりやすいケアレスミス対策
ケアレスミスは完全には直せない、でもほぼ直せる。
これが、16年以上、指導してきた結論です。

まず、これまで1500人以上のお子様を指導する中で、どれだけ点数が高い・ケアレスミスが少ないお子様でも、ケアレスミスがずっと0点ということはほぼあり得ません。

では、どこまでのケアレスミスが許容範囲でしょうか?
それはズバリ、「5点以下」です。

ケアレスミスが6点〜10点だと、平均的なケアレスミスの点数です。
しかしながら、まだ改善の余地はありますので、ケアレスミス対策に力を入れても良いでしょう。

そして、10点(10%)以上ケアレスミスで落としていれば、対策が必要です。
ただ、経験上、ADHDのお子様の場合にはケアレスミスが6点〜7点までは許容範囲の印象です。
この範囲内であれば、ケアレスミス対策よりも未対策の単元の対策・長所や得意領域を伸ばすような勉強をする方が良いケースが多いです。

ADHDのケアレスミス対策の注意点

「ケアレスミスをなくすこと」だけを目的にしないこと

ケアレスミス対策だけを目的にしない
特に受験間近のお子様であれば、時間は大切です。
そのため、いかに短期間で点数が上がるところに時間を割くか。
いわゆる、コストパフォーマンスにこだわった方が良いでしょう。

ケアレスミスは、ただ何となく起きているわけではありません。
ケアレスミスごとにお子様の傾向があり、そのお子様の性質と深く結びついていることが大半
です。

そのため、同じお子様でも「すぐに直せるケアレスミス」と「直すことが相当に難しいケアレスミス」に分けられます。
前者の「すぐに直せるケアレスミス」は、早急に対策すべきです。
ですが、「直すことが相当に難しいケアレスミス」は、他のケアレスミス対策に時間をかけるか、思い切ってそのケアレスミスは「仕方ないもの」としてと割り切ることも重要です。

そしてその生まれた時間で、点数の取りやすいところ・配点の高いところの勉強に時間をかける方が、結果、高得点を取れることが多いです。

ADHD(注意欠如・多動症)だからこそ、起こりやすい特徴を把握して対策

ADHDのケアレスミス対策
起こりやすい特徴としては、「注意不足」、「衝動的に行動する」、「多動的な動きをすること」です。
記事ADHDを持つお子様への教え方にもあるように、それぞれに適切な対策がございます。
ケアレスミスが起こる前提の性質にどのようなものがあるか、捉えておくことも大切だと思います。

ADHDで生じやすいケアレスミスと対策7選

ここからは本題の、学習上で起こりがちな7つの状態とその対策をご紹介します。
以下の7つは起こりがちなことですが、全て起こるADHDのお子様もいれば、部分的に当てはまるお子様もおられるくらい、個別性が高いものです。
お子様を想定しながら、読んで頂くとイメージしやすいと思います。

①問題文を読み間違いのケアレスミス

問題文を読み間違いケアレスミスと対策
ADHDのお子様で多いケアレスミスは、「文章を読んでいるようで読んでいない」ことです。
文章の最初の方にある文字だけを見て「あ、これはあのことを言っている」と思って、後半は流し読みなので頭に入っていない。
文章を見て、知っている式や英文構造があって「あ、これはあれを使う問題だ」と思って、そのまま解き出すことが多いです。

対策としては「上記のような状態にならないくらい、見た瞬間に解き方がわかるくらいまで何度も解く」ことです。
特に「解き方が分からなかった問題」は、最低でも4-5回は同じ問題を解くと良いでしょう。
この時「1日後、1週間後、2週間後、テスト前日、テスト当日」のように、一定期間を置いて問題を解くと、記憶のメカニズム的にも効果的です。

②計算ミスのケアレスミス

計算ミスのケアレスミスと対策
計算ミスのケアレスミスは、お子様によってかなり傾向があります。
よくあるものでは、以下の5つの傾向と対策があります。

【1】「途中式を書かない」場合は、途中式を書く習慣をつける。
【2】「1度に2つ以上のことをする(通分をして、さらに、かけ算とマイナスをかけるなど)」ことでのケアレスミスは、1度に1つの計算しかしないようにする。
【3】「途中式を書く場所を統一しない」ことで、数字を混合するケアレスミスは、書く順番に自分なりのルールを作る。
【4】暗算で解こうとすることで起こるケアレスミスは、少しでも複雑な暗算でも必ず筆算をする(筆算をする方が、見直すときに時間短縮になることを実感してもらう)。
【5】字が小さいことで起こるケアレスミスは、できるだけ大きな数字を書く。

③単位のつけ忘れ、「?」や「。」のつけ忘れによるケアレスミス

単位のつけ忘れケアレスミスと対策
ADHD以外のお子様でも多い方は多いケアレスミスですが、ADHDのお子様はさらにその傾向が強いです。

この種類のケアレスミスは、お子様ごとに傾向があります。
そのため、「お子様はどのようなケアレスミスが多いか」「そのケアレスミスについてどうすべきか」が一覧されて一目で分かる、チェックリストを作ることをオススメします。

「この問題の時には、どこの何をどのようにチェックする」までチェックリストに入れるのです。
ADHDのお子様は、ルーティン的な定形業務になると強いので、その性質を活かします。

例えば、単位のつけわすれが多いお子様には、問題を見ると、最初に単位に◯をつけるようにチェックリストに書く。
?のつけ忘れや、アルファベットの最初の文字を小文字にすることが多いお子様は、見直しの際に必ず、「文章の最初が大文字かどうか」「文章の終わりが適切かどうか」を見るようなチェックリストを作ると良いでしょう。
また、作るだけではなく、テストまでに何度も実際に見直しをすることで、自然にそうやってしまうくらい、対策しましょう。

④集中力が切れると、途端に増えるケアレスミス

集中力が切れると、途端に増えるケアレスミスと対策
これも、ADHDのお子様に多い傾向のケアレスミスです。
「集中力を切らすな」と言っても、限界があるため、「集中力を切らさないような道筋を作ること」「集中力が切れた時に、切り替えられるやり方を見つけること」が大切です。
「集中力を切らさないような道筋を作ること」は、別の項目にもある、「気になるものを近くに置かないこと」や、「分からない・難しい問題を1人で解こうとしない」などが良いでしょう。
また、5分以上考えて分からない問題は、◯をつけて解き方を友人や先生に聞く、でも良いと思います。
そのような問題があると、集中力が切れてしまいやすいことと、基本的に受験問題の大半は、5分以上考えて初めて解き方が開けるようなレベルのものが相当に少ないためです。

「集中力が切れた時に、切り替えられるやり方」は、かなり人それぞれです。
眠気が強い場合は、タイマーをセットして5-10分の仮眠をとる。
集中力回復のために、好きな科目・解ける問題に取り組む、などはオススメです。

⑤初めての場所で勉強するときに、増えるケアレスミス

初めての場所で勉強するときに、増えるケアレスミスと対策
「中学生に上がり、学校が変わる」などの、場所が変わった時にケアレスミスが増えるADHDのお子様も多いです。
頭の中にたくさんの情報が入ってくるため、整理できず、そちらに気が取られてしまい起こるケアレスミスです。
そのため、ケアレスミスに限らず、そのような環境の変化自体に負担を感じてしまいます。

解決策としては、早い段階で学校に慣れるために、信頼できるお友達と学校を探検してみること。
自身自身が、慣れるまでは不安感が強いことを把握しておくことなどがオススメの対応策でです。

上記の延長で最も怖いものが、入試でのパニックです。
入試会場は環境や状況がこれまでと大きく変わるため、ADHDのお子様でなくてもパニックになることがあります。
対策は、できるだけ早くに試験会場についておくなど、早くに慣れておくこと。
オープンキャンパスや学園祭などに行き、先に学校に慣れておくことが大切です。

⑥不安や疑問があることで生まれるケアレスミス

不安や疑問があることで生まれるケアレスミスと対策
何か気になること・不安なことがあると、ケアレスミスは増えます。
脳内のキャパシティーがそちらに取られ、意識が引っ張られてしまうためです。
そのため、対応としては、不安や疑問を解消することになります。

例えば、まずは何が気になっているか、紙に書いて発散すること。
発散した後に、項目ごとに分けて整理まですること。
誰か信頼できる人に、ただモヤモヤしていることを聞いてもらうことも良いでしょう。
ポイントは、モヤモヤを途中で止めずに出し切ることです。

モヤモヤしているものは整理されると、気持ちもスッキリして、ケアレスミスが減ります。

⑦ながら勉強や、気になるもの・好きなものを視界に入れることでのケアレスミス

ながら勉強や、視界に入れることでのケアレスミスと対策
音楽を聴きながらの勉強や、テレビを見ながらの勉強など、ながら勉強は相当にケアレスミスを生みやすいです。
特にADHDの方は過集中になりやすいので、いつの間にか音楽やテレビに100%の意識をとられがちです。

この延長で「視界内に気になるもの・興味があるものを入れない」ことも大切です。
たとえば、漫画が好きなら、漫画を視界に入れないこと。
スマホを視界に入れないことが大切です。

他にも、原色は気になりやすいので、勉強する空間には置かない方が良いでしょう。
そのため、たとえば文房具でも、気になる形や好きなキャラクターのものをあえて置かないようにする、見えない場所に置く。
机や壁の色や柄もシンプル・淡い色にするなどの配慮をすることで、勉強に集中できることがあります。

最後に

上記で7パターンのケアレスミス対策をご紹介しましたが、基本的にはADHDのお子様は長所を伸ばす方が良いです。
長所を伸ばしに行くことを念頭におきながら、完璧を求めすぎず、ケアレスミスはできる限り抑える方法として、この記事が役立てば幸いです。