不登校の前兆とは?親が知っておくべきサインと対処法
お子さまが不登校になってしまう場合、いきなりその状態になるわけではありません。
不登校の状態になるまでにはいくつかのステップがあり、何らかの前兆が現れることがほとんどです。
例えば、登校時になると頭痛や腹痛を訴える、先生やクラスメイトに対するネガティブな発言が増えるなど、「いつもと少し様子が違うかも?」という印象を受けるような一定の傾向が見られます。
そこでこの記事では、お子さまが不登校になる前兆や注意しておきたい行動、対処法などについて解説していきます。
不登校専門のプロ家庭教師である筆者が、これまでの指導経験から得た知見をお伝えしていきますので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
はじめに|不登校の定義について
この章では、不登校の定義と全国的な状況などについて解説します。既に知識をお持ちの方は、「2.不登校でよくある前兆10個」までお進みください。
文部科学省が定める不登校の定義は、以下のとおりです。(参考:不登校:文部科学省 (mext.go.jp))
- 年間30日以上欠席した者(病気や経済的な理由による者は除く)
- 何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因や背景により、児童・生徒が登校しない、あるいはしたくともできない状況にあること
また、近年不登校の状態にある子どもたちの数は増加傾向にあります。
学年が上がるにつれ不登校の割合は高くなっており、周囲の環境が変化したり、勉強の内容が難しくなったりすることが不登校の主な原因であると考えられています。
- 不登校の子どもの数は増加傾向
- 学年が上がるにつれ、不登校の割合が高くなる
- 不登校の原因は、環境の変化や勉強が難しくなることによるストレスなど
不登校は今や珍しいことではなく、子どもを取り巻く環境の変化や成長過程における心の不安定さなどから、誰でも起こりうる問題と言えます。
文部科学省が実施している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、不登校のきっかけは「学校生活」の割合が最も多く、次に「本人の問題」、「家庭生活」と続きます。(参考:児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査:文部科学省 (mext.go.jp))
不登校の原因は、人間関係や家庭環境、無気力、いじめ、学業不振、発達障害など様々なものがあり、複数の要因が絡み合っているケースも多いです。
しかしながら、どんな理由であっても不登校は子どもが自分を守るための行動であると同時に、子ども自身が大きな不安や悩みを抱えていることに違いはありません。
ですので、不登校の子どもの支援においては、学校に行かせることを絶対的なゴールとするのではなく、子どもの気持ちをまずはしっかりと聴き取り、行動や表情の変化を見守りながら学校や関係機関と連携し、不登校の背景にある不安や悩みを解消していくことが大切です。
このような状況を踏まえ、文部科学省は「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策COCOLOプラン」を策定しました。(参考:誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)について:文部科学省 (mext.go.jp))
COCOLOプランでは、行政だけでなく、学校・地域・家庭・NPOなどが相互に理解や連携をしながら、子どもたちのためにそれぞれの持ち場で取組を進める必要があると述べられています。
また、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)や、不登校や学校に馴染みにくい子どもたちを受け入れる公立高校なども増えつつあります。(参考:学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧 :文部科学省 (mext.go.jp))
行政としても、不登校の子どもたちの増加は看過できない課題と認識されており、これからも様々な施策が進められることが予想されます。
併せて、COCOLOプランにおいては、「学校に再び登校する」という結果だけを求める支援ではなく、子ども自身が進路を主体的に捉え、社会的な自立を目指すことを基本的な考えとしています。
不登校の原因や理由は様々で、複数の事情が絡み合っている場合もあるため、ただ復学することだけが不登校の解決になるとは言えません。
不登校の解決に当たっては、フリースクールやホームスクーリング、通信制の学校に通うことなども選択肢に入れ、不登校の原因や理由を把握した上で継続的な支援を行い、学びの機会の確保に努めるとともに、将来子どもが社会的に自立できることを目指すのが望ましい支援の在り方であると言えます。
不登校の支援機関・相談先
不登校のサポートを行っている公的な機関には、以下のものが挙げられます。
① 教育支援センター・教育相談所…教育委員会が設置する公的機関。子どもの教育に関する様々な相談を受け付けている。
② 児童相談所…児童福祉法に基づいて設置された行政機関
③ 子ども家庭支援センター…主に市区町村により設置されている、地域の子育てを支援するための機関
④ 保健所…地域住民の健康相談などを受け付けている。
⑤ 精神保健福祉センター…精神保健福祉法に基づいて設置された行政機関。精神保健に関する困りごとを包括的にサポートする。
⑥ ひきこもり地域支援センター…厚生労働省が設置する、引きこもり支援や自立支援のための機関
このうち、不登校に関しては「①教育支援センター・教育相談所」が最も関連性が高く、学校から相談先として案内されることも多いです。
②~⑥については、不登校に直接的に関係する機関ではありませんが、家庭環境や心身の健康に関して悩みがある場合は、相談先として併せて検討すると良いでしょう。
不登校をサポートする民間団体としては、以下のものが挙げられます。
① フリースクール…学校に代わる学びの場として、NPO法人や個人、ボランティア団体などが運営している民間の教育機関
② 不登校専門の塾・プロ家庭教師…不登校の子どもに専門特化してサポートを行う。学習支援のほか、カウンセリングなどを行っている場合もある。
③ 親の会…不登校などの問題を抱える親たちが自身の体験を共有したり、アドバイスしたりしながら交流するグループ
これらの支援機関と連携するメリットは様々ありますが、中でもお子さまにとって「居場所ができること」は非常に大切です。
不登校の状態にあるお子さまは、不登校になった自分を責めてしまうことも多く、一方で、保護者さまに心配をかけたくないからと苦しい気持ちを言葉にできずにしんどい思いをしていることがあります。
学校や家庭ではない第三の居場所があることで、お子さまは自分の気持ちを素直に表現することができ、また、それを受け入れてもらうことでお子さまが自分自身を受け入れられるようになります。
心が疲弊してしまっていたお子さまも、「受け入れてもらう」という経験を出発点として、自分自身を受け入れ、他者の気持ちを受け入れ、心のしなやかさを身に付けることができるようになっていきます。
このようなプロセスを経て、閉じていた気持ちが少しずつ回復してくると、また頑張ろうという気持ちが芽生え、物事に前向きに取り組めるようになります。
もちろん、前述したように必ずしも学校に通うことがゴールではありませんが、適切なサポートや関わりを行えば、お子さまの心は必ず回復します。
不登校のお子さまのサポートにおいては、こうしたお子さまの居場所や心の在り方に理解のあるフリースクールや塾・プロ家庭教師などの活用も検討していただければと思います。
不登校でよくある前兆10個
不登校の前兆には、以下のようなものが挙げられます。
① 腹痛や頭痛、吐き気などの体調不良
② 顔色や様子がいつもと違う
③ 登校前の行き渋り、遅刻・早退が増える
④ 勉強が手につかなくなる
⑤ 学校や部活、習い事を休みがちになる
⑥ イライラして、口数が減る
⑦ 学校や友達の話を急にしなくなる
⑧ とても疲れている
⑨ 不眠または過眠の傾向がある
⑩ ゲーム依存・スマホ依存
それぞれについて、以下で詳しく解説していきます。
不登校でよくある前兆①腹痛や頭痛、吐き気などの体調不良
不登校の前兆として多くのお子さまに見られるのが、「腹痛や頭痛、吐き気などの体調不良」です。
前日に学校の準備をしているときや、当日の朝に腹痛・頭痛・吐き気などの体調不良が増えている場合は注意が必要です。
特に、日曜日の夜など、休日が終わって明日から学校というタイミングで体調不良になることが多い場合は、不登校の前兆である可能性が高いです。
これらの体調不良は、ストレスから来る心因性の症状か、もしくは「学校へ行きたくない」というサインの1つであると考えられます。
学校をサボりたいから仮病を使っているわけではなく、実際にストレスで頭やお腹が痛くなっている場合がほとんどですので、無理をさせないことが大切です。
不登校でよくある前兆②顔色や様子がいつもと違う
「顔色や様子がいつもと違う」という前兆は、普段からお子さまの様子に気を配っている保護者さまだからこそ気付けるものであり、最もわかりやすい前兆でもあります。
不登校の前兆として見られるお子さまの様子には、以下のようなものが挙げられます。
- 顔色が悪い
- 表情が暗い
- 笑顔が無い
- 無気力さがにじみ出ている
- 不安そうである
- 明らかに元気が無い
このような様子が見られるときは、お子さまが相当なストレスを感じていると思われますので、学校での様子を先生に聞いたりするなどし、ストレスの原因を探すようにしましょう。(→3-5.不登校の前兆が現れたときの対処法⑤学校に相談する)
不登校でよくある前兆③登校前の行き渋り、遅刻・早退が増える
行き渋りや遅刻・早退は、学校へ行きたくないという気持ちが如実に現れている行動です。
学校へ行くつもりはあっても体が動かなかったり、朝起きられなかったり、時間通りに家を出ても「学校に行きたくない」という気持ちが強いために必要以上に時間がかかって遅刻をするなどのケースがあります。
また、学校へ行けたとしても、途中で気分が悪くなって早退するケースなどもあります。
不登校でよくある前兆④勉強が手につかなくなる
以前に比べて勉強が手につかなくなるというのも、不登校の前兆である場合があります。
例えば、学校へ行くこと自体がしんどかったり、教室で授業を受けていても周囲の目が気になったり、クラスの閉鎖的な人間関係に苦痛を感じていたりすると、勉強は嫌いではないけれど、授業が頭に入ってこないという状態になります。
すると、徐々にわからないことが積み上がっていき、問題を解こうとしても解けない、宿題をやろうとしてもわからないので手が止まる、という状態になります。
元々学校に苦手さを感じていることに加え、勉強の苦手さも重なってしまうため、さらに不登校になりやすくなってしまいます。
不登校でよくある前兆⑤学校や部活、習い事を休みがちになる
不登校の前兆として、学校だけでなく、好きでやっているはずの部活や習い事も休みがちになることがあります。
部活そのものが不登校の原因(人間関係など)である場合もあれば、別の原因で心が疲弊してしまい、好きだった部活も楽しめない状態になっている場合もあります。
習い事に関しても、心が疲弊して好きだったのに楽しめない状態になっている可能性があるほか、何らかの原因で自信を失ってしまい「自分は何をやってもダメだ」とやる気が起きなくなってしまっているケースもあります。
不登校の原因の一つに、「何をやってもダメだ、意味が無い」という無気力感が挙げられますが、部活や習い事を休みがちになるのは無気力感の表れである場合が多いため、注意が必要です。
不登校でよくある前兆⑥イライラして口数が減る
イライラして口数が減るのも、不登校の前兆である場合があります。
ただし、反抗期や思春期でもこのような状態になることが多いため、不登校の前兆かどうかの見極めはやや難しいと言えます。
お子さまがイライラしたり、以前と比べて口数が減ったりした場合は、その他の不登校の前兆があるかどうかも併せて確認していただければと思います。
不登校でよくある前兆⑦学校や友達の話を急にしなくなる
学校や友達の話を急にしなくなることが、不登校の前兆である場合もあります。
学校や友達の話をしないのは、これまでの人間関係が崩れ、学校が楽しい場所ではなくなったことが原因かもしれません。
仲の良い友達がいたとしても、ちょっとしたことがきっかけで不仲になることもありますので、「友達がいるから安心」とは言い切れない点に注意しましょう。
また、お子さまは社会性が未熟なため、「相手が思い通りに行動しないこと」に対して大人が思っている以上にストレスを感じることがあります。(例:遊びに誘ったが、相手に用事があったので断られた。用事があったなら仕方ないと割り切ることができず、「何で断るんだ」と怒ったり、断られたことに必要以上にショックを受けたりする)
学校の中での人間関係は思いのほか不安定で脆いものですので、お子さまの様子には十分注意するようにしましょう。
また、先生との距離感でストレスを感じる場合もあります。
例えば、もの静かで人付き合いが苦手なお子さまは、活発でクラスの中で目立っている子どもよりも先生との関係が希薄になりがちです。
そのため、他の子よりも自分は気に掛けてもらえていないと感じたり、悩みがあっても先生に相談できずストレスを抱え込んでしまったりすることがあります。
不登校でよくある前兆⑧とても疲れている
学校から帰宅すると、とても疲れた様子で口数が少なく、笑顔が少なかったり、ゴロゴロしているだけで何もしなかったりするような場合は、不登校の前兆かもしれません。
単なる身体の疲れだけであれば休めばまた元気になりますが、しっかり休養を取っても疲れが取れない場合は、疲れの原因が精神的なものである可能性があります。
精神的な疲れの要因としては、勉強の遅れや受験のプレッシャー、人間関係などが挙げられます。
これらのストレスは日々少しずつ心に蓄積していくものなので、ストレスが溜まっていることにも気付きにくく、また、一朝一夕に全てを解消することも難しくなります。
お子さまの精神的なストレスが「疲れ」として現れたときには、ストレスの原因をしっかりと分析して、それらを一つずつ取り除いてあげることが大切です。
不登校でよくある前兆⑨不眠または過眠の傾向がある
不眠や過眠も、不登校の前兆である場合があります。
不登校の前段階にあり、学校に行くことにストレスを感じているお子さまは、倦怠感や意欲低下、抑うつ気分などの精神的な不調や、頭痛・腹痛・吐き気などの身体的な不調を訴えることがあります。(→2-1.不登校でよくある前兆①腹痛や頭痛、吐き気などの体調不良)
こうしたストレスによる不調の一つに「不眠」があります。
↓
寝不足になり朝起きるのが辛い
↓
さらに学校に行くのがしんどくなる
という悪循環に陥ってしまうお子さまも多いです。
また、不眠は学校に行くのがしんどくなるだけでなく、自律神経の乱れや免疫力の低下、成長ホルモンの分泌阻害など、健康面でも様々な悪影響を与えます。
ですので、眠りたくても眠れないといった症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
過眠については、心のエネルギーを使い果たしてしまっているお子さまによく見られる症状です。
過眠の症状は、不登校の前兆が現れている段階や、不登校の状態になったばかりのお子さまによく見られ、「朝から晩までずっと寝てばかりいる」という状態になります。
過眠の多くは、頑張りすぎた脳や身体を休めるための自然な反応であり、しばらく様子を見ていると通常の睡眠リズム(一日9~12時間程度)に戻ることがほとんどです。
ただし、過眠が長く続く場合は、何らかの疾患が隠れている可能性もありますので、医療機関を受診するようにしましょう。
不登校でよくある前兆⑩ゲーム依存・スマホ依存
ゲームやスマホへの依存が不登校の前兆である場合もあります。
学校に行くのが辛いと感じているお子さまは、学校のことを少しでも忘れるために、ゲームやスマホに熱中することがあります。
ゲームやスマホに熱中しすぎた結果、夜更かしをして朝起きるのが辛くなり、ますます学校に行きたくなくなってしまうという悪循環に陥ることもあります。
この場合、ゲームやスマホを禁止した方が良いのではと考えてしまいますが、依存の原因はゲームやスマホそのものではなく、「学校に行きたくない」という気持ちであり、「学校に行きたくない」と感じさせているストレス自体が原因です。
ですので、対症療法的にゲームやスマホを禁止するのではなく、ストレスの原因を明らかにし、それらを取り除くことが大切です。
また、もしゲームやスマホの使用を制限する場合は、お子さまとよく話し合い、お子さまが納得した上でルールを作ることが大切です。
不登校の前兆が現れたときの対処法7つ
この章では、不登校の前兆が現れたときの対処法について解説していきます。不登校の前兆が現れたときの対処法としては、以下の7点が挙げられます。
① 親が慌てない、落ち込まない
② 学校を休ませる
③ ありのままを受け入れ、頑張りを認める
④ 子どもの話をしっかり聴く
⑤ 学校に相談する
⑥ サポート団体の利用や学校以外の学習機会を提案する
⑦ 転校を検討する
これらについて、順に解説していきます。
不登校の前兆が現れたときの対処法①親が慌てない、落ち込まない
「ひょっとして不登校になりかけているのかも?」と思ったときに、保護者さまが慌てたり落ち込んだりすると、それがお子さまにも伝わり、お子さまがますますストレスを感じて不登校に近づいてしまう場合があります。
また、人間は焦ると視野が狭くなってしまいますので、まずは保護者さま自身が気持ちを落ち着けて、「前兆の段階で気付けて良かった!」と前向きに捉えることを心掛けましょう。
お子さまが不登校になりかけていると分かったときに、保護者さまがショックを受けるのは自然なことです。
「ショックだ」「どうしよう」という気持ちそのものを否定する必要はありませんが、そうした気持ちに振り回されてしまうことはお子さまにとってもマイナスですので、まずは保護者さま自身の気持ちを落ち着けることを意識していただければと思います。
不登校の前兆が現れたときの対処法②学校を休ませる
不登校の前兆が現れている段階において、お子さまに無理をさせることは禁物です。
不登校の前兆が現れている段階は、お子さまの心のエネルギーがどんどん減っていっている局面とも言えます。
ですので、できるだけこれ以上エネルギーが減らないように「無理して学校に行かなくても大丈夫だよ」と伝え、あとはお子さまの意思に任せるのが良いでしょう。
また、学校へ行きたくない理由についても無理に聞き出さず、まずは「自分には逃げ道がある」ということを分かってもらうことが大切です。
学校には無理していかなくて良いということを伝えるとともに、「これからのことは、ゆっくり休んでからまた一緒に考えよう」といったように、今後の見通しを持てるような声掛けをしていただければと思います。
不登校の前兆が現れたときの対処法③ありのままを受け入れ、頑張りを認める
不登校のお子さまの中には、「自分はダメだ」と自分を否定する気持ちが強く、学校に行けないことでさらに自信を無くしてしまう方もいらっしゃいます。
なので、自信が無く自己否定が強いお子さまに対しては、学校に行かないことは悪いことではないということを伝えるとともに、お子さまの良いところや頑張っているところを言葉にしてたくさん伝えてあげてほしいと思います。
「優しくて思いやりがあるね」「いつもお手伝いしてくれてありがとう」など具体的に伝え、学校へ行けない自分を責める気持ちや申し訳ないと思う気持ちを軽くしてあげることを意識しましょう。
併せて、人と比べるのではなく、「あなたはあなたのままで良い」ということも、言葉にしてしっかり伝えていただければと思います。
不登校の前兆が現れたときの対処法④子どもの話をしっかり聴く
不登校の前兆が現れたときには、お子さまの話をしっかりと聴くことがとても大切です。
とはいえ、自分の気持ちを言葉で表現するのは大人でも難しいことであり、お子さまがすんなりと話してくれることはほとんどありません。
「話を聴くよ」と言ったその日に答えが返ってくることを期待するのではなく、数日から数週間かけて、少しずつお子さまの気持ちを引き出すつもりで耳を傾けていただければと思います。
また、お子さまが「自分の気持ちを話す」というモードになったら、途中で言葉を挟まず、全て話し終わるまで、静かに、目を見てしっかり聴くようにしましょう。
お子さまの話し方は、ほとんどの場合非常にゆっくりで、言葉を一つひとつ紡ぐようなスピードです。
じっくりと待つのは大変ではありますが、「○○ということだね」などと先回りして言葉を挟むと、お子さまの話そうという気持ちを削いでしまうこともありますので、根気よくお子さまの言葉を待っていただければと思います。
さらに話を聴き出せそうなときには、「これからどうしたい?」「勉強はどうする?」というように、自分の意見や考えを言いやすいような質問をし、フォローすると良いでしょう。
その際も、大人の意向を伝えるのではなく、あくまでお子さまの気持ちを聴くことに徹し、「こうしたら良いよ」とアドバイスすることはできるだけ避けましょう。
お子さまの意見や考えには非現実的なものが含まれているかもしれませんが、まずは「そういう風に考えているんだね。話してくれてありがとう」と全面的に受け入れることが大切です。
勉強や学校復帰を具体的にどうするかについては、別の機会に一緒に考えれば大丈夫です。
不登校の前兆が現れたときの対処法⑤学校に相談する
お子さまに不登校の前兆が現れたときは、学校に相談することも大切です。
学校での過ごし方や、以前と比べて変わった様子は無いかなど、できるだけ詳しく先生から聞き取るようにしましょう。
学校の様子を聞き取る中で、ストレスの原因と思われるものがいくつか見つけられるはずですので、一つずつ整理しながら、それぞれどのように解決できそうか、今後の対応について学校と相談していきましょう。
また、不登校になると出席日数が足りなかったり、テストが受けられなかったりして内申点がつけられず、進級や進学に影響するのではという心配もあると思います。
進級や進学に関しても、保健室登校を出席と見なしたり、テストの日だけ登校したりするなどの対応が可能な場合もありますので、今後不登校になった場合にどのような対応が可能であるか、早めに学校に確認しておくことも大切です。
不登校の前兆が現れたときの対処法⑥サポート団体の利用や学校以外の学習機会を提案する
お子さまに不登校の前兆が現れた際には、「学校に行かなくても、こんな選択肢があるよ」とフリースクールなど別の選択肢を提示してあげることも大切です。
お子さまは、「学校=世界のすべて」と認識していることも多く、学校に行くしかないのだと思い詰めていることもあります。
お子さまがまだ頑張りたいと思っているときに、先回りしてフリースクールの見学に行ったりする必要はありませんが、「学校だけがすべてじゃないよ」というメッセージとして複数の選択肢を提示することは非常に効果的ですので、ぜひ検討いただければと思います。
不登校の前兆が現れたときの対処法⑦転校を検討する
お子さまの不登校の原因がはっきりとわかっていて、転校して環境が一新すればストレスなく学校に通えるという場合は、転校も一つの選択肢となります。
一方で、不登校の原因は一つではなく、複数の要因が重なっていることがほとんどです。
また、転校しなければ取り除けない要因もあるかもしれませんが、学習支援の方法を変えたり、お子さまの認知の偏りを改善したりすることで、不登校の要因を取り除ける場合も多いです。
転校に関しては手続きの負担があるだけでなく、環境の変化がマイナスに働くこともあるため、慎重に判断していただければと思います。
不登校の前兆のまとめ
この記事では、不登校の前兆と対処法について詳しく解説してきました。改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。
- 不登校の前兆としては、「体調不良や不眠・過眠など心因性の身体症状により安定した登校が難しくなる」「顔色や様子がいつもと違って、元気がなく、疲れている様子」「学校や友達の話をしなくなり、勉強が手につかなくなる」「ゲーム依存・スマホ依存」などが挙げられる。
- 「我が子は不登校になりかけている?」と思ったら、親は慌てたり、落ち込んだり、怒ったりしない。子どもと真剣に向き合う良いチャンスだと捉え、子どもの話をしっかり聞き、親子がともに成長できる大切な時間にする。
- 不登校には複数の原因が重なっていることも多いため、学校や支援機関、民間のサポート団体や不登校専門の塾・プロ家庭教師などと連携し、家庭だけで悩みを抱え込まないようにする。
お子さまに不登校の前兆が現れると、保護者さまはとても心配されることと思います。
不登校になりかけているお子さまをすぐに回復させることは難しいかもしれませんが、前兆が現れている段階で適切に対応すれば、長期化を免れたり、学びの機会の損失を最小限に抑えたりすることができます。
また、不登校の問題をご家庭だけで解決するのは非常に困難です。
不登校の原因は複数の要因が複合的に重なっていることも多く、要因をしっかりと分析し、一つずつ地道に解決していくことが大切です。
私たちプロ家庭教師メガジュンでは、長年にわたり不登校のお子さまのサポートを行ってきました。
その中でも、学力不振が不登校の原因の一つであるケースは非常に多いです。
そのため、プロ家庭教師がお子さまのペースや性質に合わせた学習支援を行うことで勉強に対する自信を取り戻し、学校に復帰できたという方はこれまでたくさんいらっしゃいます。
また、学習支援だけでなく、お子さまの性質に合わせたコミュニケーション支援など、幅広いサポートを承っています。
不登校に関する相談先が見つからずお困りの方や、お子さま一人ひとりに合わせたサポートを受けたいとお考えの方は、ぜひ一度プロ家庭教師メガジュンまでお問合わせください。
また、授業や面談はオンラインでも承っています。全国各地からご利用いただけるほか、海外にお住まいの方や帰国子女の方にもこれまでご利用いただき、多数のご好評の声をいただいてきました。
初回の授業・面談は無料ですので、オンラインで授業が受けられるか不安な方もお気軽にお問合せください。
一人でも多くのお子さまが、心身とも健やかに成長していけるよう一同全力でサポートしてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。