不登校で勉強の遅れが心配…無理せず学習をサポートする方法を徹底解説
不登校の期間が長引くと、「勉強が遅れてしまうのではないか?」という不安を感じる保護者さまやご本人さまはたくさんいらっしゃいます。
また、単に勉強が遅れてしまうだけでなく、進級や進学ができるのかという将来に対する心配も出てきますし、勉強の遅れが積み重なることで、自信を失い、学校に復帰すること自体がさらに難しくなるケースも少なくありません。
こうしたケースを防ぐためには、学校に行くのが難しい状況であっても、無理のないペースかつお子さまに合った方法で勉強を続けておくことが大切です。
そこでこの記事では、不登校中でも勉強に取り組む方法について具体的に解説していきます。
不登校専門のプロ家庭教師としての経験やノウハウを盛り込んだ内容となっていますので、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
不登校中でも勉強した方が良い理由
この章では、不登校中でも勉強に取り組んだ方が良い理由についてお伝えします。
「勉強をした方が良い」と漠然と思っているだけでは、なかなかモチベーションが上がりません。
また、保護者さまがお子さまに勉強をするように伝えるときも、「なぜ勉強すべきか?」という根拠を持って伝えた方が、より伝わりやすくなります。
ですので、勉強をした方が良いのは当然のことではありますが、改めて勉強する理由について考え、整理した上でお子さまへの声掛けや関わりを意識していただければと思います。
さて、学校に通っていないことで、他の子どもたちと比べて勉強が遅れてしまうのではないかという心配は誰もが抱くものです。
保護者さまが心配されることもあれば、お子さま自身が「このままで良いのだろうか…」と大きな不安を抱えていらっしゃるケースも非常に多いです。
ですので、不登校中に勉強を続ける最も大きな理由としては、「勉強の遅れに対する不安を解消するため」ということが挙げられます。
ただし、無理に勉強に取り組むと、心がしんどくなって学校復帰が難しくなる場合もありますので、お子さまに合ったペースとやり方で学習を進めることが大切です。
自分に合ったやり方で勉強に取り組み、学力の向上が実感できると、自信を取り戻して学校に復帰できたり、進学先で伸び伸びと過ごせたりするようになるお子さまはとても多いです。
不登校中に勉強を続けることは、こうした不安の解消や自己肯定感の向上のほか、生活リズムを整えるという点でも非常に大きな意義があります。
以下では、不登校中でも勉強を続ける意義について、
- 将来の選択肢を広げる
- 生活リズムを整える
- 自己肯定感を高める
という3つの観点から詳しく解説していきます。
不登校中に勉強すべき理由①将来の選択肢を広げるため
不登校の状態にあっても勉強を続けた方が良い理由の一つとして、「将来の選択肢を広げるため」ということが挙げられます。
学校に行けない間に勉強を完全にやめてしまうと、進級や進学に支障をきたす可能性があります。
例えば、小学校や中学校の場合は、学校に通っていない間に授業がどんどん先に進んでしまうため、学校復帰した際に勉強についていけなくなってしまう可能性があります。
特に算数(数学)や英語は積み上げ型の教科ですので、基礎となる範囲や単元が十分に習得できていないと、その後の学習で大きくつまずいてしまうことがあります。
それによって学力不振や自己肯定感の低下を招き、充実した学校生活を送れなかったり、再び不登校の状態になってしまったりするケースもあります。
また、中学校の定期テストで点数が取れないと、内申点に影響し、志望校に進学できない可能性もあります。
内申点に関しては、不登校の場合の出席の扱いについて柔軟な対応が行われるケース(※)も増えてきていますが、出席日数が考慮されない分、定期テストの比率が高くなるなどの可能性も考えられます。
ですので、定期テストで十分点が取れる状態にしておく方がより安心であると言えます。
高校の場合は義務教育ではないため、不登校の状態が続くと出席日数が足りず、そもそも進級できない場合があります。
また、不登校の生徒に対しては、定期テストやそれに代わる補修授業・課題をもって進級が認められる場合もありますが、不登校中に勉強に取り組むことができないと、それらの課題がクリアできない可能性もあります。
さらに、大学進学を考えている場合は、学力が十分に身に付いていないと選べる進路も限られてしまいます。
ですので、不登校中であっても自宅で勉強を続けておき、さまざまな選択肢を選べるように備えておくことがとても大切です。
心身の状態から家から出るのがしんどいというお子さまの場合は、通信制高校やプロ家庭教師によるオンライン授業など、さまざまな形で学習を継続することが可能です。
学校に通わず家にいながらでも学習を進める方法はありますので、様々な方法を検討し、勉強の遅れを最小限に抑えることが重要です。
不登校中に勉強すべき理由②生活リズムを整えるため
不登校の期間が長くなると、生活リズムが乱れることがよくあります。学校に行かなくなると、朝起きる時間が遅くなったり、日中はダラダラと過ごしがちになったり、夜更かしが習慣化したりすることもあります。
このような状態になると、精神的にも身体的にも悪い影響が出てしまうことがあります。
もちろん、お子さまの心のエネルギーが枯渇してしまっている段階(=不登校の進行期)においては、無理に生活リズムを整えようとすると余計にしんどくなってしまうことがあるため注意が必要です。
ですが、ある程度心のエネルギーが回復してきたら、規則正しい生活を取り戻すことを意識しましょう。
勉強を習慣化することで毎日にメリハリが生まれますし、たとえ短時間でも決まった時間に勉強することを日課にすると、朝起きて規則正しい生活を送る動機付けにもつながります。
特に、午前中に勉強に取り組むことによって、その後の一日のリズムが整いやすく、心身の安定にもつながります。
さらに、規則的に勉強することが習慣化すれば、自然と生活全体のリズムも取り戻しやすくなり、勉強だけでなく、食事や睡眠といった他の生活習慣も整えられる場合が多いです。
これにより精神的な安定が得られ、再び学校に通うための準備も整えやすくなります。
不登校中に勉強すべき理由③自己肯定感の向上
不登校中は、どうしても「学校に行けない自分」を否定的に感じてしまうことが多くなります。このような時期にこそ、勉強を続けて小さな成功体験を重ねることが非常に大切です。
例えば、毎日少しずつ勉強を進めることで、前にできなかった問題が解けるようになったり、知っている単語を増やしたりすることができます。
このような小さな成功体験を積み重ねていくと、自分が何かを達成できたという実感が湧き、自己肯定感を高めることができます。自己肯定感が高まれば、自分の力で何かを成し遂げる自信がつき、他のことにも前向きに取り組もうとする意欲が生まれます。
また、勉強を続けることによって、「不登校中でも前に進んでいる」という感覚を持つことができます。
「学校に行けなくても、自分なりに成長できている」という実感があると、学校復帰を目指す際にありがちな「自分は何もできていない」という焦りや不安を軽減することができます。
ですので、不登校の状態にあるお子さまが勉強に取り組む際には、学力の向上だけでなく、「成功体験を得ること」を大きな目的の一つとして捉えていただければと思います。
不登校でも勉強を続けるための5つの方法
この章では、不登校でも無理なく勉強を続けられる方法について紹介していきます。お子さまに合った勉強方法を見つけていただき、焦らず取り組んでいただければと思います。
不登校でも勉強を続けるための5つの方法①通信制高校やオンライン学習サービスを活用する
最近では、通信制高校やオンライン学習サービス(スタディサプリや塾や予備校の動画配信サービスなど)が充実しており、自宅にいながらでも質の高い教育を受けられるようになってきました。
通信制高校やオンライン学習には、次のようなメリットがあります。
○自分のペースで学習できる
通信制高校やオンライン学習の最大の特徴は、カリキュラムを自分のペースで進められる点です。
また、登校する必要が無いため、通学のストレスや時間的な制約が無くなります。そのため、お子さまの心身の状態に合わせて、集中できる時間にだけ学習に取り組むことができます。
例えば、午前中はゆっくり過ごし、午後から数時間だけ集中するというような柔軟なスケジュールで学習を進めることも可能です。
○学習コンテンツが充実している
オンライン学習サービスでは、さまざまな教科やスキルに特化したコンテンツが提供されています。
単に授業動画が配信されるだけでなく、オンラインでテストが受けられたり、クイズやゲーム形式で勉強できたり、会話型AIを活用した語学学習ができたりするなど、双方向性の高い教材(インタラクティブ教材)を活用した学びも取り入れられています。
そのため、単なるテキスト学習よりもオンライン学習の方が分かりやすく、学びやすいというお子さまもいらっしゃいます。
○孤独感や不安感を軽減するサポートが充実している
通信制高校やオンライン学習サービスの中には、孤独感や不安感をケアする体制が整っているものもあります。
分からない問題があれば先生にチャットやメールで質問できるだけでなく、メンタル面でのケアをチャットやメール・電話で行っている通信制高校などもあります。
通信制高校やオンライン学習の場合は、自分一人で勉強に取り組まなければならないことから、孤独感や不安感を抱えやすいです。
そのため、こうしたメンタル面でのサポート体制が整っている学校やサービスを選ぶことも大切です。
不登校中でも勉強を続けるための5つの方法②プロ家庭教師や個別指導を利用する
自分で計画を立ててペース配分しながら勉強するのが苦手なお子さまの場合は、プロ家庭教師や個別指導塾を利用するのがおすすめです。
プロ家庭教師や個別指導塾を利用するメリットは以下のとおりです。
○自分の学習ペースに合わせた指導
学校の授業と違い、プロ家庭教師や個別指導塾は完全なマンツーマンでの授業となります。そのため、一人ひとりの学力や理解度に合わせて授業内容を調整することができます。
例えば、理解が不十分な部分は繰り返し説明してもらったり、じっくり時間をかけて授業を進めたりしてもらうことができます。逆に、得意な分野に関してはスピーディに進めることが可能です。
また、学習を進める早さだけでなく、「簡単な問題をたくさん解いて自信を付ける」「手ごたえのある問題を解いて達成感を得る」など、お子さまの性質に合わせて問題を選び、ペース配分しながら解かせるといった指導も可能です。
さらに、志望校合格を目指した長期的なカリキュラムを作成したり、毎日の勉強スケジュールを立てたりするなど、長期~短期の学習計画を作成してもらうこともできます。
プロ家庭教師や個別指導塾においては、経験豊富な講師に教えてもらうことによって、かなり質の高い指導を受けることができます。
ですので、プロ家庭教師や個別指導塾を利用する際には、講師の指導経験や「お子さまを主語とした指導ができるかどうか」に注目していただき、お子さまに寄り添った指導ができる先生を選んでいただければと思います。
○学習の習慣づけがしやすい
プロ家庭教師や個別指導塾を利用することで、学習の習慣を確立しやすくなるというメリットがあります。
特に、「○曜日の○時から」という形で決まった時間に勉強する約束をしていると、勉強を優先する意識が高まります。
毎週の授業があると勉強のリズムを整えられるため、自然と学習習慣を身に付けられる場合が多いです。
○モチベーションの維持
1対1の授業では、講師とお子さまのコミュニケーションが非常に密になります。
そのため、講師は勉強の進捗に細かく対応でき、理解度が上がるごとにこまめに褒めることができます。これにより、お子さまのモチベーションを維持しやすくなります。
また、「少しでもできることが増えたら褒める」ということを繰り返すことによって、苦手科目でも自分から頑張ろうと思えるようになるお子さまもたくさんいらっしゃいます。
不登校中でも勉強を続けるための5つの方法③得意な科目や好きな科目、興味のある分野から学ぶ
不登校の状態にあるときには、必ずしも学校のカリキュラムに縛られず、自分の興味のある分野や好きな科目から学習を進めることも効果的です。
少しでも前向きに取り組める科目があり「これだけは大丈夫」という自信が持てると、学校復帰にもつながりやすいです。
そのため、不登校中に勉強に取り組む際には、好きな科目・得意な科目から始めることも検討していただければと思います。
また、好きな科目や興味のある分野であれば、勉強に対する意欲が湧きやすくなります。
例えば、歴史が好きなお子さまであれば、特定の時代について深く調べたり、数学が得意なお子さまであれば、応用問題に挑戦したりするなどして、楽しみながら学ぶことができます。
このように興味を持った分野での成功体験を積むことで、勉強に対するネガティブな感情が薄まり、他の教科に対しても前向きに取り組めるきっかけとできる場合も多いです。
また、不登校中は学校のカリキュラムの枠を超えた新しい学びに挑戦するチャンスでもあります。
例えば、プログラミングやデザイン、音楽制作など、興味がある分野について学ぶことは、学校では学べないスキルを身につけることにつながります。
学ぶことの楽しさを再発見できる機会でもありますので、お子さまの視野を広げ、モチベーションを高めることを意識していただければと思います。
不登校中でも勉強を続けるための5つの方法④スモールステップを大切にする
不登校の状態にあると、何をいつまでに、どのように学べば良いかが分からず、勉強に対して漠然としたイメージしか持てないことがあります。
漠然としたイメージしか持てないと、何から手を付けて良いか分からず、また「勉強ができるようになった自分」を想像することも難しいため、なかなかモチベーションが上がりません。
ですので、いつまでに何をして、何ができるようになることを目指すのかについて、具体的に考えることが非常に大切です。
また、「○○大学に合格する」というような大きな目標ではなく、例えば、「二次関数の標準問題が解けるようになる」というように、無理のない小さな目標から始めることが大切です。
最初から大きな目標を立ててしまうと、目標が遠すぎるため、日々の具体的な勉強の内容まで落とし込むのが難しくなってしまいます。
また、目標自体がプレッシャーとなり、途中でしんどくなってしまってしまうこともあります。
ですので、最初はできるだけ小さな目標を立て、それらをクリアしていくというスモールステップから始めることがとても大切です。
スモールステップをクリアすることで達成感が得られ、それが次の目標へのモチベーションにつながります。
加えて、勉強の進み具合を可視化し、具体的に計画を立てることも大切です。
例えば、「1週間で特定の単元を終わらせる」「1か月でテスト範囲を復習する」といったように、学習内容を細かく分割してスケジュールを作成します。
このとき、計画表やチェックリストを使うと、毎日どれだけ進んだかを確認できるため、モチベーションをより保ちやすくなります。
不登校中でも勉強を続けるための5つの方法⑤学習環境を整える
効果的に勉強を進めるためには、環境づくりも非常に重要です。
自宅での学習は集中力が続かないというお子さまも多いのですが、適切な環境を整えることで、集中力をある程度向上させることができます。
以下では、自宅学習で集中力を高めるための環境づくりのポイントを紹介していきます。
○静かで落ち着ける場所を確保する
静かな場所の方が集中しやすいというお子さまはとても多いです。
逆に、テレビが付いていたり、リビングなど人の出入りが多い場所であったりすると、集中力が途切れやすくなります。また、窓の外の風景や物音で気が散ってしまうというお子さまもいらっしゃいます。
このような場合は、お子さま専用の勉強スペースを確保し、勉強に没頭できる環境を整えるようにしましょう。
お子さまの自室に勉強机を置くのが最も一般的ですが、子ども部屋を兄弟と共用していて集中できないような場合は、保護者さまの寝室の一角に机を置いたりするなどの工夫が考えられます。
また、机の前に衝立を設けて視界を遮断したり、窓に向かって置いていた机を壁向きに配置して視覚的な情報を少なくしたりすることで集中しやすくなったというお子さまもいらっしゃいます。
ご自宅の環境に合わせて、可能な方法で環境を整えていただければと思います。
○スマホやゲームなどの誘惑を遠ざける
勉強を始めても、ついスマホに手が伸びてしまうことは誰にでもあります。
これを防ぐためには、スマホを勉強部屋の外に置く、勉強中は電源を切る、集中モードに設定するなど、誘惑から物理的に距離を取れるように工夫すると良いでしょう。
また、SNSやゲームの時間を決めておくことでメリハリをつけ、勉強時間とリフレッシュタイムを上手に切り替えることも大切です。
○リラックスできる空間を作る
勉強に取り組む際には、心地良い環境を整えることも大切です。リラックスできる音楽を流したり、好きなアロマを焚いたりして、集中しやすい雰囲気を作るのも良いでしょう。
ただし、感覚が過敏なお子さまは逆に気が散ってしまうこともあるので、音楽やアロマについてはお子さまの性質に合わせて検討するようにしましょう。
また、長時間座っていると姿勢が崩れやすいので、椅子や机の高さをお子さまに合ったものにすることも非常に大切です。
○適度に休憩を取る
集中力を持続させるためには、適度な休憩も必要です。
特に、ADHDの性質があり、集中力のコントロールが苦手なお子さまの場合は、一定の時間勉強してから短い休憩を取る方法(=ポモドーロ・テクニック)が効果的です。
例えば、25分間集中して5分休憩を取る、あるいはもっとサイクルを短くして、5分集中して1分休憩するといった形で集中と休憩を繰り返すことで、疲れを溜めずに学習を続けられる場合があります。
お子さまの性質によって適切なサイクルは異なりますので、お子さまの状態をよく見てペースを作ってあげることが大切です。
休憩中の過ごし方としては、軽いストレッチや散歩をするなど、体をリフレッシュさせると次の勉強時間も集中しやすいと言われています。
ただし、身体を動かすと勉強モードが解除されて完全に集中が切れてしまうというお子さまもいますので、「雑談をする」「ぼーっとする」など、休憩中の過ごし方についてもお子さまの性質に合わせて調整していただければと思います。
不登校中の勉強において親や周りの人ができるサポート|3つのポイント
不登校中に勉強を続けるためには、お子さま自身の努力だけでなく、周囲の大人のサポートが非常に重要です。親や周囲の大人がどのように接し、サポートするかによって、お子さまの学習意欲や自己肯定感は大きく変わります。
この章では、不登校中の勉強をサポートする際のポイントについて、
- 過度なプレッシャーをかけない
- 成功体験をほめる
- 気軽に相談できる関係を作る
の3つの視点から解説していきます。
不登校中の勉強において親や周りの人ができるサポート①過度なプレッシャーをかけない
親や周りの大人が「勉強しなさい」「進級が危ない」などと強く言い過ぎると、お子さまはそのプレッシャーによって逆に学習意欲が低下してしまうことがあります。
また、勉強に対する不安やストレスが大きい時期に無理に勉強を押し付けると、心の負担が増え、結果的に勉強からさらに遠ざかってしまう可能性が高くなります。
そのため、本人のペースを尊重することを最優先し、過度なプレッシャーをかけないように注意しましょう。
お子さまが置かれている状況や心の状態は一人ひとり異なります。
大切なのは、周りの大人が焦らずに、お子さまのペースに合わせてサポートすることです。
例えば、毎日30分の勉強から始めてみたり、1週間に1度、少しだけ学習内容を進めたりするなど、無理の無い目標を設定してあげることが大切です。
このように無理なく始められる環境を作ることで、少しずつ学習に対する不安を軽減し、お子さまの自主的に学ぼうとする気持ちを育むことができます。
また、休むことやリラックスする時間を作ることもポイントです。
不登校中は心身ともに疲れていることが多いので、勉強以外にもリラックスできる時間を持つことを心掛けましょう。
例えば、映画を一緒に観たり、散歩をしたりして、勉強のプレッシャーから解放される時間を作ると、勉強への抵抗感が少しずつ薄れていくことが多いです。
また、保護者さまがお子さまと一緒にリラックスすることでコミュニケーションが円滑になり、結果として親子の関係を深めることができる場合もあります。
不登校中の勉強において親や周りの人ができるサポート②成功体験をほめる
成功体験を積み重ねることは、学習意欲の向上において非常に重要です。お子さまが小さな成功を体験した際に、それをしっかりと褒めてあげることで、自己肯定感を高めることができます。
例えば、たった10分間でも集中して勉強ができたら、「今日はしっかり集中できたね!」と声をかけることで、次も頑張ろうという気持ちを育むことができます。
また、具体的に褒めることも大切です。
「すごいね」と漠然と褒めるのではなく、「今日はこの問題を一人で解けたね」「自分から勉強を始めたね」など、具体的な行動を褒めると達成感を感じやすくなります。
というのも、具体的に褒められることによって、お子さまはどの部分が上手くいっているのかを自覚できるようになります。
すると、「この調子で頑張れば良いのだな」という自信が生まれ、次のステップにつながりやすくなります。
また、お子さまにとって保護者さまに褒められることは非常に嬉しい経験ですので、勉強を続けるモチベーションも自然と高めることができます。
加えて、不登校の状態にあるお子さまの場合は、大きな進展を期待するのではなく、小さな一歩を重視することも大切です。
例えば、「問題を1問解く」「音読を1回する」など、目に見える成果を一つずつ評価してあげることで、お子さまは「自分でもできるんだ」と感じやすくなります。
このように小さな成功体験を積み重ねることで、自己肯定感が増し、勉強に対するポジティブな感情を育てることができます。
不登校中の勉強において親や周りの人ができるサポート③気軽に相談できる関係を作る
勉強が上手く進まなかったり、学校に戻ることへの不安が募ったりする時期には、お子さまが気軽に相談できる環境を整えることが大切です。
そのためには、大人が聞き役に徹することを意識しましょう。
勉強が行き詰まったり、気持ちが落ち込んだりしたときに、大人がすぐに「どうして勉強しないの?」「もっと頑張りなさい」と声をかけると、お子さまはもっと気持ちがしんどくなってしまいます。
お子さまの気持ちが落ち込んでいるときは、指導するのではなく、まずはお子さまの気持ちを聞いてあげることが大切です。
大人が自分を否定せず話を聞いてくれると感じられると、お子さまは悩みや不安を抱え込まずに話せるようになり、心の負担を軽くすることができます。
具体的には、「どう思っている?」「最近はどんなことが楽しい?」などオープンクエスチョンを心掛け、お子さまが自分の気持ちを話しやすい雰囲気を作るようにしましょう。
また、保護者さまや学校の先生だけで対応しきれない場合は、カウンセラーや専門機関の助けを借りることも選択肢の一つとなります。
児童精神科や発達支援センター・教育相談センターでは、子どもの心のケアや学習サポートを専門的に行っているため、さまざまなアドバイスを受けることができます。
また、オンラインのカウンセリングや不登校に特化したサポートサービスもありますので、状況に合わせて利用し、ご家庭だけでしんどさを抱え込まないようにしましょう。
さらに、不登校の状態にあるお子さまは、学習面だけでなく、心の問題や社会との関わりに対する不安なども抱えていることがあります。
このように問題が多面的である場合、例えばお母さまだけで問題を抱えてしまうと、親子ともパンクしてしまう可能性があります。
ですので、お子さまがいろいろな面で不安や心配を抱えている場合は、家族全体で共有するとともに、学校の先生やスクールカウンセラー、医師や心理士といった様々な人が関わり合いながら支えることが非常に大切です。
不登校中の勉強のまとめ
この記事では、不登校中の勉強の進め方やサポート方法について詳しく解説してきました。改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。
- 不登校であっても勉強を続けることで、将来の選択肢を広げられるだけでなく、生活リズムを整えたり、自己肯定感を高めたりできる
- 不登校中でも無理なく続けられる勉強方法としては、通信制高校やオンライン学習のほか、プロ家庭教師や個別指導塾などがある
- 不登校中に勉強に取り組む際には、大きな目標ではなく、達成可能なスモールステップを意識することが大切
- お子さまが気軽に相談できる関係性を築くとともに、必要に応じてカウンセラーや専門機関を頼ることも大切
不登校中の勉強については、学校に通えないからこそ、無理なく適切な方法で続けることが非常に重要です。
お子さま自身のペースを尊重しながら、生活リズムや学習習慣を整え、小さな成功の積み重ねをとおして自己肯定感を育むことを目指しましょう。
お子さまが不登校の状態にあるときは、どうしても不安やストレスを感じやすくなってしまいます。
ですが、適切なサポートがあれば、不登校中であっても充実した時間を過ごし、将来に備えることができますので、焦らず対応していただければと思います。
また、学校に戻ることがすぐには難しいとしても、さまざまな学習の方法があることを知り、それを実践していくことで、お子さまは自信を持って前に進めるようになります。
学校復帰だけが目標ではないことを念頭に置きながら、保護者さまと周りの大人が連携し、一緒になってサポートしていくことが大切です。
私たちプロ家庭教師メガジュンでは、長年にわたり不登校のお子さまのサポートを行ってきました。
お子さま一人ひとりのペースや性質に合わせた授業を行うことで勉強に対する自信を取り戻し、お子さまの自己肯定感を育むことを大切にしています。
その結果、自分なりの進路を見つけることができたお子さまや、学校復帰ができたお子さまもこれまでたくさんいらっしゃいます。
また、学習支援だけでなく、お子さまの性質に合わせたコミュニケーション支援など、幅広いサポートを承っています。
不登校に関する相談先が見つからずお困りの方や、お子さま一人ひとりに合わせたサポートを受けたいとお考えの方は、ぜひ一度プロ家庭教師メガジュンまでお問合わせください。
また、授業や面談はオンラインでも承っています。全国各地からご利用いただけるほか、海外にお住まいの方や帰国子女の方にもこれまでご利用いただき、多数のご好評の声をいただいてきました。
初回の授業・面談は無料ですので、オンラインで授業が受けられるか不安な方もお気軽にお問合せください。
一人でも多くのお子さまが、心身とも健やかに成長していけるよう一同全力でサポートしてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。