【ADHD/ASD×海外現地校】プレゼン・調べ学習が苦手なお子さまの支援事例
この記事はこんな方におすすめ
- 海外在住のお子さまが現地校の学習スタイルに馴染めず悩んでいる保護者さま
- ADHDやASDの傾向があるお子さまの学習支援を探している方
- 調べ学習やプレゼンが中心の授業で、お子さまがついていけなくなっているケースに悩んでいる方
「うちの子、現地校の授業についていけなくて……」
そんなご相談が、近年メガジュンには増えてきています。
特に海外の現地校では、日本とは異なり、次のような学び方が主流になることが多くあります:
- グループワークやディスカッション中心
- 自分でテーマを決めて調べ、発表する形式(調べ学習+プレゼン)
- 提出物や発表における自己表現力が重視される
このような環境は、発達障害の傾向をもつお子さまにとっては、負担が重なりやすく、うまく適応できないことも少なくありません。
そこでこの記事では、プロ家庭教師メガジュンで実際に支援を行った海外在住・発達特性のあるお子さまの事例をご紹介します。
▼目次
海外子女で発達障害のお子さまへの学習支援の実例
今回ご紹介するのは、アメリカの現地校に通う小学4年生の男の子(Aくん)のケースです。日本では1年生まで通学していた経験があり、2年生の1年間は家庭学習を中心に過ごしていました。
渡航後すぐに現地校や日本人学校に通わず、家庭での学習を選ばれた背景には、言語面や発達特性への配慮、さらには生活環境に慣れるまでの“緩衝期間”といった意図がありました。
実はこのように、「一時的に学校に通わず家庭学習で学びを続ける」という選択は、海外子女のお子さまの中でも少数ながら見られるケースです。
特に、ADHDやASDの傾向があるお子さまの場合、集団生活への不安や情報処理の負担が大きいため、無理に通学させるよりも、本人のペースで落ち着いて学べる環境を優先されるご家庭もあります。
Aくんの場合は、現地の言語や学習スタイルへの不安もあり、3年生から現地校に転校することになりました。
また、Aくんの場合は診断は受けていないものの、保護者さまから見るとADHDとASDの両方の傾向があるとのことで、以下のような困りごとを感じていらっしゃいました。
- 調べ学習のテーマが出ても「何から始めたらいいか」がわからない
- 提出期限より「今気になっていること」に夢中になってしまう
- たとえば、理科の課題には積極的なのに、社会や英語はまったく進まない
- 提出が間に合わず、評価も低くなり、ますます自信をなくしてしまう
- プレゼン資料の「見た目のきれいさ」に過度にこだわる
- フォントの統一、スライドの整列、色使いのバランスなど、細部に固執
- 結果、他の子が1~2時間で仕上げる課題が、丸1日かけても終わらない
- 内容はよくできているのに未提出が続き、評価がつかない
このような状況が続き、お子さまは学校を休みがちに。保護者さまも「どう支援すればいいか分からない」と悩まれていました。
メガジュンでの支援内容
メガジュンでは、まず保護者さまとの無料相談を通じて、現在の学習状況やご本人の困り感を詳しくヒアリング。そのうえで、オンラインでの個別指導と日々のタスク管理サポートを組み合わせて支援を開始しました。
- タスクを「今週やること」「今日やること」に分けて見える化
- 好きな教科(理科)にも取り組みながら、提出期限が近い課題を優先する仕組みづくり
- 指導中に「次は何をするか」「どこまでやればOKか」を明確にする
- LINEや共有ドキュメントで、タスク表を週ごとに更新
- 小さな達成をほめて、「やればできる」という自己効力感を育てる
- プレゼン資料の「ここまでやればOK」のラインを一緒に設定
- フォントや色の細かい設定を「気にしてもいいけど、今回はここで終わろう」と声かけ
- 完璧を求めすぎない「納得できる7割」の感覚を少しずつ伝える
- 「これは成績に大きく影響しないから、思い切って時間をかけすぎないでOK」といった“捨て課題”の判断をサポート
- 得意なテーマでは、発表練習の時間をとって成功体験を積む
このように、「どこまでやるか」「どこを頑張るか」を整理し、こだわりすぎによる疲弊や未提出を防ぐよう支援していきました。
【学習スタイルの壁】海外校ならではの難しさと対応
海外の現地校では、学習内容そのもの以上に「自ら調べてまとめる」「発表する」「意見を持つ」といった非認知スキルが強く求められます。
一見すると自由度が高く楽しそうにも思えるこのスタイルですが、発達特性のあるお子さまにとっては、次のような困難につながることが少なくありません:
- 情報収集に没頭してしまい、まとめや結論にたどり着かない(ADHD傾向)
- 発表内容の順番や構成がとっちらかってしまい、何を伝えたいかが分かりにくくなる(ADHD傾向)
- 「相手に合わせて簡単に伝える」よりも「正確に細部まで伝えたい」というこだわりが出る(ASD傾向)
- テーマを自由に決めてよいと言われると、逆に選べず止まってしまう(ASD傾向)
こうした課題は、日本の学校ではある程度「型」がある中で過ごせていたお子さまにとって、突然の難易度アップにも感じられます。
メガジュンでは、まずこの“学び方の文化差”を理解したうえで、お子さまが困っているのは「能力の不足」ではなく「やり方のミスマッチ」だという視点で関わっていきました。
「うちの子も似たようなことで困ってるかも…」
お悩みに共感された方は、ぜひお気軽にご相談ください。メガジュンでは、海外在住・発達特性のあるお子さまへの支援実績も多数ございます。
実際に、ADHDのお子さまは「選択肢が多い状況」や「自由に決めてよい課題」に直面すると決定が困難になり、行動の優先順位が曖昧になることが指摘されています(Barkley, 2015)。
また、ASD傾向のあるお子さまにとっては、「曖昧な指示」や「自由度の高いタスク」が強いストレスになることがあり、構造化された課題の方がパフォーマンスを発揮しやすいとされています(Frith, 2003)。
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【帰国子女ASD指導実例】親が教えても反抗する!「どうせ無理」が口癖のM君が「算数できた」と言ってくれるまで
→ASD傾向のある海外子女のお子さまの葛藤と変化を描いたリアルな実例。お子さまが自信を取り戻していく過程は、今回の記事と多くの共通点があります。 - 【実話】ADHDで書字障害(LD)、海外子女のRさんは日本の高校に合格できる?
→ADHD傾向とLDを持つ海外子女のお子さまの進学実例。学びのつまずきと向き合うご家庭の姿に共感される方も多くいらっしゃいます。
ご家庭での葛藤と、サポートを始めるまでの経緯
保護者さまも、最初から「家庭教師をつけよう」と決めていたわけではありませんでした。
「本人が嫌がっているのに無理やりやらせていいのか?」
「家庭学習でできていたのに、学校に入ったとたんこんなに苦しそうで……」
「何かいい方法があるのではと思って、でも何をどう相談すればいいのか分からない」
こうした思いの中で、インターネットでさまざまな支援先を調べる中で、メガジュンの存在を知っていただきました。
無料相談では、今の困りごとだけでなく、2年生のときに家庭学習をしていたときのこと、現地校に入る際の不安、そして今感じている違和感や期待について、丁寧に共有していただきました。
「学校に通うこと」が目的ではなく、「本人らしく学べること」が大切。そんな共通認識を持てたことが、サポート開始の大きな一歩になりました。
【サポートの流れ】具体的な支援ステップをご紹介
メガジュンの授業はすべてZoomを使ったオンライン形式で進めました。週に1回、60分〜80分の授業に加え、日々のタスク管理やモチベーション維持のために、保護者さまとのLINE連携も併用しました。
タスク表の活用と「できる感覚」の可視化
毎週、担当講師と一緒に「今週やるべきこと」と「今日やること」をリスト化。Googleドキュメント上でお子さまも講師も保護者さまも見られるようにし、進捗に応じて色分けやチェックマークを入れていきました。
課題が積み重なると頭の中が真っ白になってしまうタイプのお子さまだったため、「やることが見えること」「終わったことが分かること」が安心につながり、自発的に「今日はこれだけやればいいんだね」と言える場面も増えていきました。
「捨て課題」「がんばり課題」の線引き
すべてを完璧に仕上げようとすると、どれも終わらなくなる――。 そんな状況を打開するために、講師と一緒に「どこを頑張るか」「どこは捨てていいか」を整理しました。
たとえば、成績評価に直結しない日記形式のレポートは「今回は3行だけ書いて出そう」と決め、逆に理科のプロジェクトやスライド発表など、得意分野では「ここだけは本気でやろう」と集中。課題にメリハリをつけることで、負荷を減らしながらも成果はしっかり出せるように工夫しました。
授業中の雰囲気とリアクション
Zoomでの授業では、常に「今日は何をするか」を画面共有で示し、取り組むたびに小さな「できたね!」を一緒に積み重ねていきました。
途中で気が逸れてしまったときも、雑談をはさみながら「じゃあ5分だけ集中してここまでやってみようか」と切り替えを促し、お子さまのペースに合わせて進めていきました。
画面越しでも、お子さまの表情や声のトーンが少しずつ変わっていくのが分かり、「これならできるかも」という小さな前向きさが、週を追うごとに育っていくのを感じました。
【担当講師の声】関わりの中で見えたお子さまの変化
今回のサポートを担当した講師から、当時の印象と指導中に意識していたことについてコメントをもらいました。
けれど、保護者さまのお話から「好きなものはとことん調べるタイプ」であることが分かり、そのこだわりや興味の深さを大事にしたいと感じました。
授業では、まずは「話しやすい関係」を築くことを最優先にしました。アイスブレイクとして、毎回最初の5分ほどは好きな科学の話題を一緒に調べたり、雑談を挟んだりする時間を設けることで、少しずつ笑顔が見られるようになりました。
「じゃあ今日は何からやる?」「この前のやつ、どうだった?」と声をかけると、前よりも自信を持って話してくれるようになったのが嬉しかったです。
成長を感じたのは、やはり自分から「これは今日中に出さなきゃ」と言って、苦手な教科にも前向きに取り組むようになったこと。小さな成功を積み重ねることで、勉強に対する姿勢そのものが変わってきたと実感しています。
【お子さまの変化】前向きな姿勢が見えてきた日々
支援を始めて2〜3ヶ月が経つころ、お子さまに少しずつ前向きな変化が見られるようになりました。
- 学校での課題について「まず何をやればいいか」が分かるようになり、提出が続くように
- プレゼン資料も、時間をかけすぎず“提出できる範囲”で完成させられるようになった
- タスク表を見ながら「今日はこれだけやればいい」と安心して取り組めるように
- 理科や算数の課題では「ここはちょっと自信ある」と話せるように
保護者さまからは、
という嬉しいお声もいただきました。
また、完全な登校復帰とまではいかないものの、「今日は行ってみようかな」と自分で判断して登校する日も増えてきました。
特に、理科の授業や、自分の興味のあるテーマで発表する日には、朝から表情も明るく、支度もスムーズに進むように。
先生やクラスの友達から「すごいね」と褒められたことが自信につながっており、“やり切れるイメージ”が少しずつ育っていることが感じられます。
どんなお子さまにも「合う学び方」はある
海外子女として現地校で学ぶというだけでも、大きなチャレンジです。そこに発達特性が重なることで、さらに複雑な困りごとが生まれることもあります。
ですが、メガジュンでは、そうした一人ひとりの背景や特性に合わせて学びのスタイルを一緒に見つけていくことを大切にしています。
「何から手をつけていいかわからない」 「うまくできない自分に自信が持てない」 そんなお子さまの不安を受け止め、「ここまでできたらOKだよ」 「それで十分。次はこっちに取り組もう」 と具体的に寄り添うことで、少しずつ学びの手応えを取り戻していきます。
海外で悩む保護者さまへ:抱え込まずにぜひご相談ください
海外で子育てをしていると、ちょっとした悩みでも「誰に相談したらいいのか分からない」という状況に直面することがあります。
特に、発達特性のあるお子さまの場合、現地校の先生と話がかみ合わなかったり、日本と教育文化が違いすぎて参考にできる情報が見つからなかったりと、孤立しやすい構造があります。
今回ご紹介したご家庭も、最初は「この子には無理なのではないか」と感じるほど追い詰められていました。けれど、少しずつ形を整えながら、自分たちのペースで学びの道をつくっていくことで、確実に前に進んでいます。
「みんなができていることが、うちの子だけできない」と感じたとき、「自分の子育てが間違っていたのでは」と不安になってしまうこともあるかもしれません。
ですが、学びの環境を整えてあげることで、お子さまは必ず本来の力を発揮できるようになります。
私たちメガジュンは、そうしたお悩みに寄り添いながら、お子さまに合った学び方や支援の方法を一緒に考えていきます。どんな小さなご相談でも構いませんので、安心してお話しください。
【保護者さまの声】実際にいただいた感想をご紹介します
ご本人の変化を最も身近で見守ってきた保護者さまからは、こんなお声をいただいています。
授業では「自分で調べて、自分の意見を発表してください」という課題が多く、何をどこまでやればいいのかが本人にはとてもわかりづらかったようです。
うちの子はADHDとASDの傾向があり、特に「優先順位をつけて進める」「完成度を決めて切り上げる」といったことが難しいタイプです。
調べ学習では情報を集めすぎて疲れてしまい、プレゼンではスライドの装飾やフォントサイズに延々と悩んでしまって、結局提出できない……ということが続いていました。
「自分はできない」「こんな授業、意味があるの?」と投げやりな気持ちが強くなり、次第に学校にも行きたがらなくなっていきました。
親としてもどう関わっていいかわからず、孤独感のようなものを感じていました。
そんなときに出会ったのが、メガジュンさんでした。
初回の面談で、「発達特性のあるお子さまにとって、海外校のスタイルは特に負荷が大きくなることが多いです」と言っていただき、ようやく“わかってくれる人がいた”という気持ちになれました。
指導では、毎週のZoomコンサルで「この課題は捨ててOK」「これは最低限ここまでやってみよう」と、本人の状態に合わせた計画を一緒に立ててくださいました。
理科など本人が興味を持って取り組める課題では、あえてプレゼンまでしっかり挑戦させてもらい、成功体験につながったと思います。
また、「できたことを一緒に見つけてくれること」が本人にとってすごく大きかったようです。
少しずつですが、「今日はここまで進められた」と自信を持って話す姿が見られるようになりました。
今は波もありつつ、週に何度かは学校に行けるようになり、プレゼン課題にも時間内で取り組めるようになってきました。 あの頃のように、毎朝お腹が痛い、眠れないということも減ってきて、家の中の空気も穏やかになっています。
海外で、そして発達特性がある子どもと向き合う中で、こうして一緒に悩んでくれる存在がいることは、私たち親にとって何よりの安心材料でした。
よくあるご質問(FAQ)
【無料相談のご案内】今のお悩みを一緒に整理しませんか?
もし「うちの子も似たような状況かも……」と感じた保護者さまがいらっしゃいましたら、どうかお一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
メガジュンでは、海外在住・発達特性のあるお子さま向けのサポート実績も豊富です。
「相談してみようかな」と思われた方は、まずは現在のお困りごとやこれまでの経緯などを簡単にお聞かせください。
お子さまの現在の状況をお聞かせいただければ、ご家庭に合わせた具体的なサポート方法をご提案させていただきます。
参考文献・出典一覧(補足)
本記事では、以下の教育・発達研究の知見をもとに構成しています。
- Barkley, R. A. (2015). Attention-Deficit Hyperactivity Disorder: A Handbook for Diagnosis and Treatment
- Frith, U. (2003). Autism: Explaining the Enigma
これらの理論的背景を踏まえながら、個別のご家庭に合った柔軟なサポートを行っています。