【不登校の高校受験】勉強方法をプロの家庭教師が徹底解説!
2021.07.10

不登校中の高校受験
不登校中の高校受験に関する内容を、この記事にまとめました。

「受験に合格できるのでしょうか?」
「そもそも卒業できるのでしょうか?」
「どのように勉強すれば良いでしょうか?」

受験生の保護者様なら、不安に思われると思います。
この記事では、そのような様々なご不安にお応えします。
特に、「どう勉強すれば良いか」は科目別に詳しく記載してます。

この記事に必要な情報を全て入れたために長文となっておりますので、目次を参照に必要なところに絞って読まれることをオススメします。

不登校専門の受験プロ家庭教師 
妻鹿潤
・16年以上1500名以上の指導実績あり
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

不登校でも卒業できます!

卒業できるのでしょうか?
卒業はまず間違いなくできます。
正式には通われている中学校の校長先生が「進級」「卒業」を許可すればできるのですが、校長先生が許可しないことは滅多にありません。

不登校でも高校受験には合格できます!

不登校でも高校受験には合格できます!
合格となると、ハードルは一気に上がります。
その内容は、公立高校受験と私立高校受験で異なります。

不登校の公立高校受験

不登校の公立高校受験
公立高校受験は、不登校期間が長いほど、不利になると言わざるを得ないです。
「欠席日数の多さ」と「定期テストを受けたかどうか、点数はどうか」の2点が重要です。

欠席日数の多さをどう扱うか、は都道府県や高校によって異なります。
ただ、募集要項・実施要項で不利になることを書かれている場合がほとんどです。
特に推薦入試では、欠席日数を評価対象として大きく判断することが多く、不登校のお子様と相性が悪いです。

公立高校受験の合格に必要なこと

公立高校受験の合格はどうやって決まるの?
一般的に公立高校受験は「内申点」と「当日のテストの点数」の合計で決まります。
この合計の配分や算出方法は、都道府県や受験する学校によってかなり異なりますが、内申点の比重が半分近くという学校が多いです。
そのため、不登校期間が長いほど、公立高校受験との相性は悪くなります。

内申点を取ろう

内申点はどう決まるの?
内申点は①定期テストの点数、②実力テストの点数、③提出物、④授業態度、などを合計して算出されます。
その比重は学校によって異なりますが、「①定期テストの点数>>>>②実力テストの点数>>③提出物>④授業態度」が実態に近いと思います。

どのように勉強すれば良いのでしょうか?

どのように勉強すれば良いのでしょうか?
不登校のお子様にオススメの勉強法は、内申点を取りやすい勉強です。
お子様が年間の欠席日数が30日以内に収まりそうで、定期テストを受けられて公立高校受験をするなら、副教科の勉強から始めることをオススメします。
その理由は4つあります。

①都道府県にもよりますが、副教科の内申点の比重が5教科より大きいことがほとんどであること。
②副教科は中間テストにはなく期末テストだけで出題されることが多く、この1回のテストの点数が良ければ内申点が高くなること。
③副教科を真剣に勉強するお子様は少ないので、点数が良かった時の内申点への反映は大きいこと。
④副教科は英語や数学と違い、前の単元が理解できていないと点数が取れない、ということがないこと。(今回のテスト範囲だけ理解できれば、それで点数が上がること)

上記の理由から、副教科は内申点対策において最もコストパフォーマンスが高いため、ここから勉強すると良いでしょう。

都道府県によりますが、内申点は中学3年生のみの出席日数・定期テストの成績で決まる場合がほとんどです。
1・2年生に不登校の状況が重く、3年時の今が軽い状態であれば、内申点にそれほど響かない可能性もあります。
こちらは担任の先生に聞く、学校の進路指導の先生に聞くと良いでしょう。

不登校の私立高校受験

不登校の私立高校受験
私立高校が中学校の欠席日数・学校の成績をどう捉えるか、は学校によって様々です。
公立高校以上に厳しく判断する学校もあれば、本当に参考程度で当日のテストの点数でほぼ合否を決める学校まであります。
学校がどのように判断するか、ホームページを見るだけでは分からないことも多いと思います。
その際は、思い切って学校に電話すると良いでしょう。

正直なお話、私立高校は偏差値が低い学校ほど、生徒集めに苦労してます。
私は塾の経営もしておりますが、塾には頻繁に私立高校の先生が「ぜひ、うちの学校に良い生徒さんをご紹介ください!」と営業に来られます。
それほどに、生徒獲得に躍起になっている私立高校が多いです。
そのため、突然のお電話でもまず間違いなく、快く対応してくれます。

私立学校ではオープンキャンパスや文化祭を受験生のために開放していることも多く、見に行くこともオススメします。
特に不登校のお子様にとっては外出する機会になり、印象が良ければ勉強へのモチベーションにもなります。
オープンキャンパスや文化祭は学校をアピールする絶好の機会のため、各学校かなり気合を入れて臨みます。
そのため、お子様にとって「この学校良さそう」と思わせる工夫をかなりしているため、勉強や登校への意欲も高まることが多いです。

反面、保護者の方にとっては注意が必要です。
というのも、「実態以上にかなりよく見せている」ことがほとんどのため、オープンキャンパスや文化祭の印象そのままでその学校を評価することは危険です。

実際、学校から見せたくない場所を封鎖・立ち入り禁止にして見せないようにしたり、校内で最も印象がよく見える生徒を選抜して案内係にしたりなど、気合の入れようが凄いです。
そのため、保護者の方にとってのオススメは、「オープンキャンパスや文化祭以外の日に学校見学をさせてもらうこと」です。
学校側からすると「見られたくないものを見られるリスク」があるため、少し嫌がられる可能性もありますが「志望度が高いため、さらに足を運ばせて頂きたい」と伝えれば、学校も気分良く快諾してくれるでしょう。

このように学校の日常を見ることが、実態を把握する上でかなり重要です。
ただ、お子様に実態を見せてしまうと意欲を低下するリスクもあります。
お子様と一緒に行く方が良いかどうかは、お子様の状態・教育方針によって決定すると良いでしょう。

5教科で点数を上げやすい科目の順番

私立高校受験、5教科で点数を上げやすい順番
点数が上げやすい科目の順番は、ズバリ「社会>理科>数学>英語>国語」です。
これは最速・最短での受験合格までの勉強のやり方で詳細に記載してますが、「前の単元の理解がどこまで必要か」と関係があります。

社会は全て、理科の化学・物理分野の一部以外は、学習単元の理解のみで点数が上がります。
アメリカの地理を知らなくてもヨーロッパの地理を勉強すれば、その範囲の問題は解けます。
鎌倉時代を知らなくても、江戸時代の勉強をすればその範囲の問題は解けます。
植物を知らなくても、岩石や地層を勉強すればその範囲の問題は解けます。

これが数学・英語となると話は変わります。
数学で二次関数を理解するためには「正負の数・式と計算・方程式・二次方程式・比例・一次関数」の理解が必要です。
空間図形を理解するためには「正負の数・式と計算・方程式」の理解が必要です。
さらに言えば、小学生算数の理解から必要です。

欠席日数が多い場合の受験

私立高校受験や、欠席日数がかなり多い場合
この場合は公立高校受験ではなく、私立高校受験や通信制・定時制の学校を目指されることが多いと思います。
その場合は内申点よりも5教科で受験することになるため、副教科よりも5教科対策に振り切ったほうが良いでしょう。
志望校によって配点は異なりますが、5教科全て100点満点の出題が一般的です。

科目ごとの点数配分が同じなら、「取れる科目で点数を取りに行く」ことをオススメします。
具体的には得意な科目を勉強すること・点数が上がりやすい科目で勉強することです。

得意な科目の勉強はお子様にとっても「点数が取れそう」と自信に繋がります。
また、得意な科目はお子様も前向きに勉強するため、勉強時間・意欲が上がることがほとんどです。
勉強時間の比重を多くして、ここで点数を取っておきたいところです。

ただ、100点まで目指すとなると相当の勉強をしなければならなくなるので、よほど得意な科目でも90点くらいまでを目指すと良いでしょう。
100点まで目指す時間で他の科目の勉強に時間を割いたほうが、5教科合計の点数は上がります。

社会理科

社会と理科
最も点数を伸ばしやすいこの2科目ですが、お子様によって好き・嫌いがハッキリする科目・分野でもあります。
歴史は好きだけど地理・公民が嫌い。
さらに言えば、歴史の戦国時代・幕末は好きだけど、それ以外は興味がない。
理科も植物や動物は好きだけど、物理や化学は嫌い、など。

本当は好きな単元だけ勉強することをオススメしたいですが、公立高校受験においてはそれはできません。
その理由は、受験する都道府県によって出題傾向はかなり違うものの、一般的には「どの分野も満遍なく出題されること」が多いからです。
具体的には社会は「地理30点、歴史40点、公民30点」の配分の出題が多いです。
歴史の配分が大きい理由は、歴史のボリュームが地理・公民よりも大きいからです。

また、地理・歴史・公民もその範囲は満遍なく出題されることが多いので、「広く浅い勉強」が得点に繋がります
ちなみに社会は地理の「気候・雨温図」と「時差」はどの学校でもよく出題されますが、この2つは数学的な理解が必要です。
社会は暗記と言われますが、この2つは数学に近いと捉えてもらえればと思います。

理科も、社会と同じ傾向を持ちます。
理科は生物3単元(植物・動物・遺伝)、物理3単元(光音力・電気電流・力とエネルギー)、化学3単元(液体気体固体・原子分子化学反応・イオン)、地学3単元(地震岩石地層・天気・天体)の12単元で構成されていることがほとんどです。
そして出題は12単元全単元から満遍なく出題されたり、生物3単元のうち2単元、物理3単元のうち2単元、化学や地学も同様などの出題が多いです。

そのため、社会と同様、「広く浅い勉強」が得点に繋がります。

ちなみに、化学のイオンのみ、前単元の原子・分子・化学反応の理解が必要です。
また、物理の電気電流・力とエネルギーは数学の方程式系の理解が必要です。

数学

数学
理科や社会と違って、前単元の理解が必要です。
大きくは「計算系・方程式系・関数系・平面図形・空間図形・(確率)・(資料や統計)」に分かれます。
確率や資料・統計は独立していて、この単元だけ理解すれば得点できますが、出題は1-3問程度であることが多く、大きな得点に繋がりません。

上記単元の中でも、空間図形は必要な前単元の知識が少ないため、勉強しても良いでしょう。
ただ、空間図形は得意不得意がかなり分かれるので、不得意な方は無理して勉強しなくて良いです。

平面図形・方程式も関数に比べれば必要な前単元の知識は少ないです。
苦手でないなら、平面図形・方程式で点数を取ることをオススメします。

英語

英語
英語は数学よりも前提の理解が必要で、「単語・熟語・前学年の文法(特に「時制」と「複数形」。次に「代名詞」「形容詞」「前置詞」「疑問詞」の理解が必要です)」の理解が前提で、さらに長文問題・英作文対策をして点数が上がります。
上記の復習を終えて初めて点数が上がるため、コストパフォーマンスは低いです。

ただし、リスニングは別です。
リスニングはテクニックを身につければ容易に点数を上げることができます。
テクニックとは例えば以下です。

・リスニングされる前に問題文を読み込み、何を聞き取れば良いかを事前に把握する。
・図や絵があれば、その図や絵を英単語に置き換えて、その英単語が流れてきた前後を特に集中して聞く
・「5W1Hで問題文が聴かれていれば、その内容に絞って聞き取る。例えば、whenやwhereなら時間や場所について特に意識して聞き取り、メモをする」など

発音問題が出題されるなら、ここも点数を上げることは容易なので、
発音問題の勉強に時間をかけても良いでしょう。

国語

国語
国語において特に説明文・小説は、最も点数を上げにくい単元です。
説明文・小説の点数を上げるためには「語彙の理解」「文構造の理解「段落の理解」「記述問題で文章を書く力」などが必要で、これは「日々の本人の言語能力」に即します。
いわば現在の年齢に至るまでの習慣によって身についた力で、お子様の数ほどクセもあります。
クセは本人も無自覚で、自然に出てしまうため、直すにはかなり意識しないといけないですし、根気強く修正しつづけることが必要です。

逆に、素養が高ければ、勉強時間を割かずとも点数が高くとれます。
このように素養勝負となってしまうため、勉強時間を割いても成績向上に影響が出にくいです。
そのため、他の単元・科目に勉強時間を割いたほうが良いでしょう。
(ただし、説明文・小説が得意なお子様が勉強に自信をつけるために勉強することは良いです)

国語の中でも漢字は点数が取りやすく、入試問題での配点も高いことが多いので、勉強することをお勧めします。
中学漢字1500字を勉強すれば5-10点ほど得点できることがほとんどです。
また、古文や漢文が出題されるなら、狙い目です。
この2つは小さい問題集を3周もすれば、大きく点数を向上させることができます。

上記のやり方で、「得意なところで点を取る」「取りやすいところで点を取る」ことをオススメします。

基礎・標準問題

基礎・標準問題に絞った勉強は点数が上がりやすい
最後に、勉強は「ある地点から一気にコストパフォーマンスが低くなる」ものです。
穴を掘っていて、途中から一気に土が固くなって掘りにくくなることと同様で、ある地点から一気に点数を取りにくくなります。

例えば、公式を理解して具体問題に転用する力が弱いお子様は、応用問題・発展問題になると一気に解けなくなります。
この場合、応用問題・発展問題対策に時間をかけるよりも、5教科全般の基礎・標準問題対策に時間をかけるほうが良いです。

応用・発展問題

応用・発展問題
応用・発展問題とは以下の3つを指します。

①「一見したところで何を言っているか分からない。どの公式を使えば良いか分からない」問題
②「問題文や図が複雑で、読み取ることでも難しい」問題
③「複数の公式や知識を組み合わせないといけない」問題

基礎問題とは「習った公式を当てはめればそのまま解ける」問題、「習った公式がそのままの形で出題されている」問題です。
標準問題は基礎問題と応用・発展問題の中間です。

一般的に、どの教科も基礎問題はすぐに点数が上がるので、5教科全て基礎問題をまずは解けるようにすることをオススメします。
その後に、得意な科目・点数が上がりやすい科目の標準問題を解くことをオススメします。

これが最も短時間で点数が上がりやすい勉強法です。

不登校なら「高校に入ってから」も重要

不登校なら「高校に入ってから」も重要
受験生となると、合格や進学がゴールになりがちですが
高校に入ってからのことも考えないといけません。

せっかく合格・進学した高校で不登校になれば、お子様のショックも大きくなります。
ただ、人間関係や成績がリセットされるため、高校から通えるようになるお子様も多いです。

このあたり、実際にどうなるかお子様自身も分からない側面が大きいですが
不登校の状況があまりに重い場合は、通信制や定時制高校の選択肢も考えた方が良いでしょう。

例えば、通信制に通われれば、レポートと面接と試験がメインです。
学校に登校する日数もかなり少なく、不登校である負担感はかなり軽減されます。

他にも定時制高校では、17時~21時ごろの夜間4時間をメインに通学する高校なので、登校への負担感も少なくなります。
通信制・定時制の学校は各都道府県に配置されていて、学校によって特色も異なるので調べてみる・聞いてみることが良いでしょう。

通信制・定時制の学校は不登校のお子様が多く、不登校への理解が高い学校がほとんどです。

長い目で見ることも大切

長い目で見ることも大切
キャリアコンサルタントとして、企業の面接もしている立場から申しますと
「どの高校に行ったのか」という学歴はほぼ全く見られません。
逆に、最終学歴としての大学は、就職に大きく判断されます。
高校受験ではうまく行かなかったお子様が、その後奮起して、思ってもみなかった大学に合格するケースも多いです。

私の記事中学時代に勉強できた子が”偏差値の高い高校”に行って伸び悩む理由にもありますが、頑張って背伸びして入った高校で潰れてしまい、大学進学先が振るわなかったケースもたくさんあります。

子供たちは本当に可能性を秘めており、いつ・どのタイミングで大きく成長するか分かりません。
お子様の性質・状態を丁寧に見て、プロの知見を通して、1人でも多くのお子様が長い目で見て最善の選択ができれば嬉しい限りです。

不登校で、高校受験で苦しまれても、今、大学生・社会人としてイキイキと活躍されているお子様はたくさんおられます。
まずは目の前の高校受験を乗り切ることが第一ですが、そのような状況だからこそ「どのような進路選択がお子様にとって最適か」「どのような勉強がお子様にとって最適か」を考えることが重要です。

この記事が、不登校で高校受験に臨まれるお子様に少しでもお役に立てれば幸いです。

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