発達障害の子は中学校でどう過ごす?特徴や支援方法を紹介

  • 中学校の勉強についていけない
  • 中学校に上がってから、人間関係での悩みが増えた
  • 中学校でも発達障害を踏まえたサポートを受けたい

発達障害のあるお子さまのことで、このようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?

小学校に比べると、中学校では勉強の内容も格段に難しくなりますし、人間関係も複雑になります。

小学校では丁寧に対応してもらうことで周りについていけていたお子さまも、中学校に上がってからは以前ほど手厚いサポートが受けられなくなり、困りごとが大きくなってしまうという方はたくさんいらっしゃいます。

また、中学生は思春期に差し掛かる時期でもあり、「自立したい気持ち」と「保護者さまを頼りたい気持ち」がお子さまの中でもせめぎ合っています
そのため、家族の中でのコミュニケーションも難しくなり、親子関係に悩むご家庭も多くなっています。

私は、発達障害専門のプロ家庭教師や塾経営者として長年にわたり活動してきました。
指導者として、確かに中学生は難しい年頃であると感じる一方で、適切なサポートを受けることができれば、学力面・精神面ともに大きく成長できる時期であるとも感じています。

そこでこの記事では、発達障害のある中学生ならではの困りごとやその原因を詳しく解説するとともに、保護者さまや学校の先生など、周りの大人がお子さまをサポートしていく際のポイントについてもお伝えしていきます。

発達障害のあるお子さまのことでお悩みの方に是非読んでいただきたい内容となっていますので、最後までご覧いただけますと幸いです。

<この記事で分かること>

  • 発達障害のある中学生のお子さまの特徴
  • 発達障害のある中学生のお子さまが抱えやすい困りごと
  • 発達障害のある中学生のお子さまへの支援方法
発達障害専門のプロ家庭教師
妻鹿潤
・16年以上1500名以上の指導実績あり
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

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▼目次

発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由

発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由

幼少期から小学生の頃までは周りからのサポートも手厚く、特に発達障害のあるお子さまは、学校でもより丁寧に対応してもらうことができます。

ですが、中学生になるとある程度自立した行動が求められるとともに、本人の中でも自立心が芽生え、あれこれと口出しされるのを嫌がるようになります。

ほかにも、勉強が難しくなったり、周りの子どもたちも大人っぽくなってきたりと、発達障害のある中学生は様々な点で困りごとを抱えやすくなります。

発達障害のある中学生が抱えやすい困りごととその原因について、この章で詳しく解説していきます。

発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由①小学生の時ほど周りのサポートが受けられない

発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由①小学生の時ほど周りのサポートが受けられない

発達障害のあるお子さまは、小学生の頃から授業中に立ち歩いてしまったり、忘れ物が極端に多かったり、先生の指示がなかなか理解できなかったりといった困りごとを抱えやすくなっています。

これらの行動はクラスの中でも目立ちやすく、配慮が必要な児童としてサポートの先生がついたり、家庭との連絡もこまめに行われたりすることがほとんどです。

一方、中学校に進学すると、小学生の頃ほど丁寧なサポートは受けられなくなります。
小学校に比べると生徒数に対して先生の数は少なくなりますし、立ち歩きや忘れ物についても厳しく注意されるだけ、というケースも少なくありません。

また、小学校と違い、中学校では教科ごとに先生が変わります(教科担任制)。
担任の先生がずっと見守ってくれるわけではないため、お子さまの特性を知らない先生が指導に当たると、頭ごなしに叱ってお子さまの気持ちを傷つけてしまうことがあるかもしれません。

公立小学校から公立中学校への進学であれば、お子さまの特性についてある程度引き継がれているはずですが、改めて保護者さまからも学校に伝えるとともに、学校全体で対応を共有してもらえるよう念押ししておくと良いでしょう。

発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由②勉強が難しくなる

発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由②勉強が難しくなる

中学生になると、勉強の内容が格段に難しくなります。

小学生までは解き方を丸暗記することで乗り切ってきたお子さまも、中学校に上がって「本質を理解し、自分で考えて答えを出さなければならない問題」が増えると太刀打ちできず、成績が下がってしまうケースがよくあります。

また、勉強面での困りごとには発達障害の種類によって特徴があり、概要は以下のとおりとなります。

ADHD(注意欠如・多動症)

ADHDのお子さまは物事に集中するのが苦手で、授業中の先生の話が頭に入らず、いざ問題を解こうとしても必要な知識が身に付いていないケースが多くなっています。
また、ケアレスミスによって点数が下がってしまうのも特徴です。

ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)

ASDのお子さまは、「自分なりの順番で勉強したい」「気になることがあると次の内容に進めない」「間違えるのが嫌で勉強に手を付けない」など、勉強面においてはこだわりの強さから困難が生じるケースが多くなっています。

LD(学習障害、SLD)

LDのお子さまは、読み・書き・計算など特定の技能に困難が生じます。
知能自体に問題はありませんが、読み・書き・計算に手間取っているうちにどんどん授業が先に進んでしまい、内容が頭に入らず、テストでも点が取れないという状態になります。
LDのお子さまの学力不振については、デジタル教科書の読み上げ機能やキーボード入力などを活用することで改善が期待できます。

小学生段階ですと、読むことや書くこと、計算すること自体のスキルを向上させるためのトレーニングも重視されますが、中学生では授業の内容も高度になるため、機器の使用による解決を優先した方が良いでしょう。

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発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由③周りが成長する

発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由③周りが成長する

「落ち着きの無さ」「忘れ物の多さ」「こだわりの強さ」といった特徴は、発達障害に限らず、小学生の子どもであれば誰しも多少は見られるものです。

そのため、小学生の間は、「ちょっと落ち着きが無い子なんだね」「頑固なところがあるね」といった評価にとどまり、特性がそれほど目立たない場合があります。

ですが、中学生になって周りの子どもたちが年相応の落ち着きやコミュニケーション能力を身に付け始めると、落ち着きの無さやコミュニケーションの苦手さが目立つようになり、発達障害が判明するケースも少なくありません。

思春期のお子さまにとって「周りと違うこと」は精神的にも影響が大きく、登校渋りや不登校につながる場合もあります。
困りごとを解決していく必要はありますが、保護者さまからは「あなたはあなたのままでいいんだよ」というメッセージも併せて伝えてあげてほしいと思います。

発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由④女の子の特性が目立ち始める

発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由④女の子の特性が目立ち始める

発達障害の特性のうち、ADHDの多動性・衝動性については、低年齢の男子において現れやすいとされています。

「授業中に立ち歩く」「すぐカッとなって手が出る」といったことでトラブルになる小学生の男の子は多いのですが、これらの多動性・衝動性は年齢とともに落ち着くケースがほとんどです。

一方、女の子の場合は多動性・衝動性が顕著に現れることは少なく、どちらかといえば「あれこれと色々なことが気になり、集中しづらい」「ぼーっとしてしまう」という不注意の特性が現われやすいと言われています。

小学生のうちは、ぼーっとして集中できなくても、先生が「注目してね」とこまめに指示してくれますし、忘れ物についても、保護者さまと一緒に持ち物をチェックすることでミスを防ぐことができます。

ですが、中学生になると、小学生の頃ほどは声掛けしてもらえませんし、持ち物の準備もお子さまだけで行うことが多くなるでしょう。
その結果、集中しづらいという特性が目立つようになり、発達障害であることが明らかになるケースも多くなっています。

また、ASDのお子さまの場合も、男子に比べて女子は言語能力やコミュニケーション能力の平均値が高く、社会性の困難が目立ちにくいと言われています。
そのため、周りのコミュニケーションが高度になってやっとコミュニケーションの苦手さに気付いたり、融通の利かなさが目立ったりして、ASDであることが分かるケースも少なくありません。

これらのことから、女の子の発達障害は中学生以降に目立ちやすく、中学生が困りごとを抱えやすいと言われる理由の一つとなっています。

発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由⑤本人の自立心の芽生え

発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由⑤本人の自立心の芽生え

中学生になると、お子さまには自立心が芽生え始めます。

小学生までは保護者さまにサポートしてもらうことに抵抗が無かったお子さまも、「自分でやりたい」「親に手伝ってもらうのは恥ずかしい」という気持ちから、「あれこれ口出ししないで!」と反抗的な態度をとってしまうことがあるかもしれません。

それ自体はお子さまの成長の証であり、特に心配すべきことではありません。
ですが、発達障害のあるお子さまにとっては、自分の特性を自分でコントロールしなければならず、これまで以上に大きな負担を感じることになります。

また、自立心が芽生えたと言っても、まだまだ保護者さまに甘えたい気持ちも持っています。
完全に突き放してしまうのではなく、お子さまが頼ってきたときには適切にサポートし、適度な距離を保ちながら支えていくことが大切です。

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発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例

中学校に上がると、部活が始まったり、高校受験を視野に入れた勉強が必要になったりと、小学校の頃とは環境がガラリと変わります。

そのような状況の中で発達障害のお子さまが抱えやすい困りごとや行動の特徴について、以下では順に紹介していきます。

もし、発達障害の診断をまだ受けていないお子さまで当てはまる項目が多い場合は、発達支援センターや医療機関などに相談し、医師の診察を受けることを検討しましょう。

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例①マルチタスクが苦手

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例①マルチタスクが苦手

発達障害のあるお子さまは、複数の物事を同時にこなすことが苦手な傾向にあります。

例えば、板書という行為は「先生の話を聞きながら、黒板の内容をノートに書き写す」というマルチタスクの最たるものであり、苦手なお子さまも非常に多くなっています。

小学校までは板書する時間を設けてくれる先生も多いですが、中学校に上がると徐々に「話を聞きながら写すのが当たり前」といった雰囲気になってきます。板書に必死になってしまって授業の内容が頭に入らないケースも多く、学力の伸びづらさにつながります。

また、勉強と部活の両方を頑張らなければいけないという状況も、発達障害のお子さまにとっては苦手を感じやすく、両方が同時に気になり、結果としてどちらにも身が入らなかったり、テスト前でも部活のことが気になって勉強に集中できなかったりといった困りごとが生じる場合があります。

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例②うっかり忘れが多い

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例②うっかり忘れが多い

発達障害のお子さまは、ワーキングメモリー(※)が低い傾向にあるとされています。

そのため、複数のタスクが重なると、いずれかのタスクをすっかり忘れてしまうという「うっかり忘れ」が頻発することになります。

※ワーキングメモリー…記憶を一時的に保持しながら行動するための脳の働きのこと。
詳しくは「発達障害でワーキングメモリーが低い場合の対処法は?改善のためのトレーニングを紹介」の記事で解説しています。
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うっかり忘れについては、子どもの頃からこまめにメモを取り、やることリストを作る習慣を身に付けることで解決できますので、保護者さまからも「メモしておいたらどう?」などアドバイスしてあげると良いでしょう。

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例③計画を立てるのが苦手

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例③計画を立てるのが苦手

発達障害のお子さまは、全体の状況を見通して適切に計画を立てることが苦手です。

思いついたものから適当に手を付けてしまったり、客観的な優先順位より自分のこだわりを優先してしまったりして、「試験までにテスト勉強が終わらない」というお子さまもたくさんいらっしゃいます。

「計画的にやりなさい」と指示するだけではどうして良いのか分かりませんので、最初は大人が計画を立ててあげ、それどおりに実行することから始めましょう。
それができたら、次は大人とお子さまとで一緒に計画を立て、徐々にお子さまだけでも計画を立てられるようにしていきましょう。

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例④整理整頓のレベルが小学生の頃のまま

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例④整理整頓のレベルが小学生の頃のまま

小学生のうちは片付けのスキルもまだ身に付いていないため、大人からすれば片付け方が完璧ではないお子さまも多くいらっしゃいます。

ですが、中学生になれば片付けのコツもある程度理解できるようになり、大人と同程度に整理整頓ができるようになってきます。
中学校に上がっても小学生の頃から片付けのレベルが上がっていない場合は、「片付けたくても片付けられない」という発達障害の特有の困りごとである可能性がありますので、注意して見守るようにしましょう。

「教科書」「マンガ」「辞書」など、片付ける場所にラベルを貼り、物としまう場所を一対一対応にすることは非常に効果的です。
部屋や机の周りがスッキリすると集中しやすくなるため、整理整頓についても積極的に取り組んでいきましょう。

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例⑤クラスメイトとのコミュニケーションが苦手

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例⑤クラスメイトとのコミュニケーションが苦手

中学生になると、言葉の裏にあるニュアンスや皮肉なども使いこなすようになるなど、コミュニケーションのレベルもかなり高度になり、人間関係も複雑化していきます。

発達障害のあるお子さまは、言葉を額面通りに受け取ってしまったり、デリカシーの無い発言をしてしまったりと、年齢相応のコミュニケーションが取りづらいことがあります。
そのため、クラスに馴染めず孤立してしまうほか、グループワークなどにも上手く参加できないといった困りごとを抱える場合があります。

また、「お金をくれたら友達になってあげる」という言葉をそのまま信じてトラブルになってしまうケースなどもあります。
金銭トラブルや非行・いじめにつながりそうな場面については、具体例を示しながらどう対応すべきか説明するとともに、何かあればすぐ大人に相談するよう日頃から伝えておきましょう。

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例⑥学校行事を嫌がる

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例⑥学校行事を嫌がる

ASDでイレギュラーな出来事を避ける性質が強いお子さまの場合、体育祭や文化祭などの学校行事を極端に嫌がる場合があります。

行事自体がイレギュラーであるだけでなく、こうしたイベントの際には臨機応変な対応が求められることが多いため、ASDのお子さまにとっては特にストレスが大きいものとなります。

学校行事は貴重な体験ではありますが、ストレスが大きい場合は無理に参加せず欠席したり、別室で過ごしたりすることも検討しましょう。
ただし、その場合の内申点の扱いについては事前に確認しておきましょう。

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例⑦勉強の遅れ

発達障害のある中学生の困りごとや特徴の7例⑦勉強の遅れ

勉強の遅れについては、「1-2.発達障害のある中学生が困りごとを抱えやすい5つの理由②勉強が難しくなる」で解説したとおりです。

発達障害のあるお子さまの場合、単に勉強の内容が難しいからついていけないのではなく、その背景には発達障害の特性が関係していることがほとんどです。

知能や理解力に問題が無い場合は、発達障害の特性に応じた適切なサポートを受けることで、勉強の苦手さを克服することができます。
ただし、発達障害について理解のある先生に指導してもらう必要がありますので、学校だけで対応が難しそうな場合は、発達障害専門の塾やプロ家庭教師の利用をおすすめします。

発達障害の勉強方法は?勉強嫌いな子、苦手な子への教え方を解説
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発達障害のある中学生に接するときの5つのポイント

発達障害のある中学生に接するときの5つのポイント

中学生のお子さまはそもそも難しい年頃であり、定型発達でも発達障害でも、家庭内でのコミュニケーションに難しさを感じている保護者さまはたくさんいらっしゃいます。

お子さまのことが心配でついつい口出ししてしまう方も多いと思いますが、お子さまの自立のためにも程よい距離感で見守ることが大切です。
以下では、中学生のお子さまにご家庭で接する際のポイントをご紹介していきますので、参考にしていただければと思います。

発達障害のある中学生に接するときの5つのポイント①子どもの話を聞く

発達障害のある中学生に接するときの5つのポイント①子どもの話を聞く

「子どもの話を聞く」と言うと簡単なことのように聞こえますが、実は非常に難しく、コツが必要なものです。

私たち大人は、お子さまに対してついつい「こうした方が良いんじゃない?」「あなたにも問題があるんじゃない?」と大人目線でアドバイスをしてしまいがちです。保護者さまであればなおさら、我が子のことを思って口出ししたくなるでしょう。

ですが、お子さまの話を聞くときには、とにかく聞き手に徹し、こちらの意見を押し付けないようにしましょう
大人だけで答えを出してしまわず、必ず「どうしてほしい?」「どうしたいと思っている?」と本人の意志を確認するようにします。

保護者さまだけで対応が難しい場合は、スクールカウンセラーや専門医に相談するのも良いでしょう。
特に心理士(カウンセラー)は相談のプロですので、しっかりと傾聴し、お子さまの心を落ち着けてくれるはずです。

発達障害のある中学生に接するときの5つのポイント②程よい距離感を保つ

発達障害のある中学生に接するときの5つのポイント②程よい距離感を保つ

発達障害のある中学生のお子さまは、困りごとがどんどん目立ち始めるため、保護者さまとしても大きな心配や不安を感じていらっしゃると思います。

親として「サポートしなければ」と思うことは当然ですが、一方で干渉のしすぎには十分注意しましょう。

お子さまが失敗しないようにとあれもこれも保護者さまが先回りしてしまっては、本来お子さまが身に付けるべき力が身に付かず、自主性も身に付きません。
子どものうちは問題になりづらいのですが、大人になってから「自分で何も決められない」「自分の人生が自分のものである感じがしない」というかなり大きな困りごとを抱えることになります。

お子さまに接する際は、「失敗しても大丈夫だよ」と見守る姿勢を心掛けるとともに、手出しや口出しは最小限に留め、程よい距離感を保ちましょう。
過保護・過干渉はお子さまの自立心を大きく阻害してしまいます。

発達障害のある中学生に接するときの5つのポイント③生活リズムを整える

発達障害のある中学生に接するときの5つのポイント③生活リズムを整える

生活リズムの乱れは、集中力の低下や体調不良を引き起こすと言われています。

中学生は身体的にも大きく成長する時期ですので、しっかり食べて寝ることは何よりも重要です。特に発達障害のお子さまは集中しづらいという特性を持っているため、少しでも集中力を高めるためにもしっかりと睡眠をとりましょう。

また、発達障害のお子さまは精神的に不安定になりやすいという研究報告もあります。
規則正しい生活はメンタルの安定にも良い影響を与えますので、家族全員で規則正しい生活を心掛けましょう。

発達障害のある中学生に接するときの5つのポイント④不登校のサインに気を付ける

発達障害のある中学生に接するときの5つのポイント④不登校のサインに気を付ける

発達障害のあるお子さまは、勉強についていけなかったり、人間関係が上手くいかなかったりして不登校になることも多いとされています。

不登校の前に見られるサインとして身体の不調を訴えることも多いとされており、「学校に行く前になると腹痛が起きる」「朝起きられず、午前中はずっと体がだるい」といった症状が現れやすいと言われています。

不登校のサインが見られたときは、決して無理させず、必要に応じて休むことも検討しましょう。
また、お子さまの話をしっかり聞き、学校に行きなくない理由を明らかにすることも大切です。

これといった明確な理由が無く、思春期によるホルモンバランスの乱れによって心身の不調が生じている場合もあります。
気になることがある場合は、発達支援センターや教育相談窓口、専門の医療機関などに相談するようにしましょう。

発達障害のある中学生に接するときの5つのポイント⑤学校や専門機関と連携する

発達障害のある中学生に接するときの5つのポイント⑤学校や専門機関と連携する

発達障害のあるお子さまが抱える様々な困りごとは、ご家庭だけで解決できるものではありません。

学校との連携はもちろんのこと、主治医や心理士、言語聴覚士など色々な分野の知見が必要です。

お子さまの将来を見据えると、教育的な観点だけではなく、医療的・福祉的な観点でのサポートも検討していく必要があります。どこに相談して良いか分からない場合は、まずは地域の発達支援センターに問い合わせてみましょう。

発達支援センターは、発達障害のある方の支援を包括的に担っている公的施設であり、適切な支援機関へつないでもらうことができます。

「学校に相談しても、特性をちゃんと理解してもらえない」という段階でつまずいてしまうご家庭も多いのですが、学校の対応に不安がある場合は、教育委員会や教育支援センターに相談することができますし、上述の発達支援センターに相談するという方法もあります。

お子さまの発達障害をしっかりと理解し支えてくれる支援者は必ず存在しますので、あきらめず積極的に連携・相談していただきたいと思います。

<発達障害に関する相談先の例>
○ 発達障害者支援センター
– 発達障害のある方やその家族を支援するために、各都道府県や政令指定都市に設置されている公的な施設。幼児から大人までが対象で、子どもの発達に関する相談や就労支援など、幅広い支援が受けられる。

○ 教育委員会・教育センター・特別支援教育センター
– 学校での対応や学力不振、不登校について相談することが可能。多くが電話で相談可能なため、気軽に利用できる。

○ 児童発達支援センター
– 発達障害などがある子どもたちが通所し、日常の基本動作や集団生活への適応、コミュニケーション能力などの社会的スキルを身に付けるためのトレーニング(=療育)を行う施設。相談事業を行っているところもある。

○ 精神保健福祉センター
– 心の問題や精神疾患に関する問題をサポートするための施設。発達障害に伴ううつ病などの精神疾患について相談できる。

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発達障害の子の中学校での過ごし方のまとめ

発達障害の子の中学校での過ごし方のまとめ

この記事では、発達障害のあるお子さまが中学校で抱えることの多い困りごとや、その解決方法について詳しく解説してきました。

改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。

<POINT>

  • 発達障害のあるお子さまは、中学生になると小学校の頃とは違った困りごとを抱えることがある
  • 発達障害のある中学生が抱えやすい困りごとには、学力不振や人間関係のトラブルなどがある
  • 中学生になると思春期にも差し掛かるため、心身の変化にお子さま自身が戸惑うことがある
  • 中学生のお子さまに接するときには、干渉しすぎず程よい距離から見守ることも必要
  • 発達障害のことで悩みがある場合は、家庭だけで抱え込まず、学校や専門機関に相談することが大切

発達障害のある中学生のお子さまは、勉強や人間関係について様々な困りごとを抱えやすい状況にあります。
思春期という難しい年頃でもありますが、しっかりと周りの大人がサポートし、困りごとを解決できるよう支援していくことが大切です。

私たちプロ家庭教師メガジュンでは、長年にわたり発達障害のお子さまのサポートを行ってきました。確かなノウハウに基づく指導により、これまで1500人以上のお子さまをサポートし、90%以上を第一志望合格へと導いています。

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発達障害のあるお子さまの受験指導においては、専門的な知見を持った指導者の存在が欠かせません。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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