発達障害のお子さま必見|進学校でのつまずきを克服する指導実例
このようなお悩みをお伺いすることは非常に多いです。
特に、発達障害の特性があるお子さまで「過集中の特性を活かしながら、とにかく勉強量で勝負する」という方法で高校受験をクリアした場合、入学後に授業についていけなくなってしまうケースはよく見られます。
本記事では、発達障害の特性を持つAさんが念願の進学校に合格したものの、入学後に直面した課題を発達障害の特性も踏まえながら振り返り、特性に合わせたサポートの重要性についてお伝えしていきます。
困難を乗り越えたAさんの事例が、同じような悩みを抱えるお子さまや保護者さまの参考になれば幸いです。
▼目次
【発達障害と進学校】発達障害を持つAさんが直面した進学校でのつまずき
県内随一の進学校への合格は、Aさんにとって大きな目標を達成した瞬間でした。
しかし、高校生活が本格的に始まると徐々に環境の変化に対応できなくなり、つまずきが目立つようになりました。
Aさんが直面していた最も大きな課題は「授業スピードと課題量の増加」でした。
高校では中学校に比べると科目が倍増し、授業のスピードも速くなります。
Aさんが通う進学校では、一般的な高校よりもさらに多くの課題が出され、予習・復習を前提とした授業スタイルが採られていました。
また、高校になるとやるべきことが増える一方で、通学時間の増加や部活動などにより、自分で自由に使える時間(=可処分時間)は大きく減少することが多いです。
例えば、中学校のときは徒歩で15分程度だった通学時間が、高校では電車で1時間以上かかるようになるなどの場合があります。
また、部活動で朝練などがあれば、さらに可処分時間が短くなる上に、体力も消耗します。
Aさんもこうした例に漏れず、通学時間は片道1時間超となり、さらに部活は運動部に入ったため、1日の可処分時間は中学校時代に比べて大幅に短くなりました。
Aさんは、このような環境にうまく適応することができませんでした。
特に、Aさんには発達障害の特性があるため、複数の課題を同時並行的に処理するマルチタスクが苦手です。
国語・数学・英語・生物・世界史…と複数の科目で膨大な量の課題が出されると、どれから手を付けて良いか分からず、期限までに課題を提出するのがやっとの状態が続いていました。
また、毎日の予習・復習をする余裕が無いため、授業の内容にもついていけず、どんどん置いていかれてしまう状況にありました。
さらに、中学時代に得意だった英語で大きくつまずいたことも、Aさんにとっては非常にショックな出来事でした。
Aさんは単語や文法パターンの暗記に強く、「自分は英語が得意」という自信が高校受験を乗り切る原動力となっていました。
しかし、高校に進学すると高度で複雑な文法項目が増え、暗記だけでは対応しきれなくなっていきました。
英語は積み上げ型の科目ですので、一度ついていけなくなると、そこからどんどん分からないことが増えてしまいます。
ハイスピードで進む授業にAさんはついていけなくなり、Aさんは次第に自信を無くしていきました。
定期テストも時間内に解き終えることができず、1学期の中間テストの点数は67点と、英語が得意だと自負しているAさんにとっては非常にショックな点数でした。
Aさんにとって英語のつまずきは、得意科目を失うという心理的ダメージが他の科目以上に大きく、Aさんは次第に学習全体への意欲を失い始めました。
やるべきことが積み重なると、次第に「どうせできない」という諦めの気持ちが芽生え、課題を先送りしたり提出を忘れたりすることが多くなりました。
また、家庭でも机に向かう時間が減り、「何から手をつければ良いか分からない」と手が止まることが増えました。
その結果、授業の内容がさらに分からなくなるという悪循環に陥っていきました。
こうしたAさんの様子を見た保護者さまは、不安を募らせるようになりました。
成績の低下が目立ち始めただけでなく、表情も沈みがちになり、学校生活全体へのモチベーションが下がっている様子が伺えたためです。
そんな中、何か良い方法はないものかとAさんのお母さまがインターネットで見つけたのが、「発達障害専門のプロ家庭教師・メガジュン」でした。
メガジュンでは発達障害と併せてギフテッドの学習指導も承っていることから、「中学までは勉強が得意だったAのサポートもしてもらえるのではないか」と感じ、問い合わせに至ったそうです。
次章では、Aさんのお母さまからいただいた具体的なご相談の内容と、初回面談の流れについて詳しくご紹介します。
【発達障害と進学校】保護者さまの相談とプロ家庭教師メガジュンとの出会い
Aさんの保護者さまからは、最初のご相談の時点でとても詳しくAさんの状況をお伝えいただきました。
私たちは、お子さま一人ひとりの状況を徹底的に分析し、それぞれに合った解決策を見つけてサポートすることを大切にしています。
ですので、Aさんのお母さまのように相談当初から詳細に情報をいただけることは、問題解決に向けてスピーディに動くことができるため非常にありがたく思います。
Aさんの保護者さまからいただいた最初のご相談の内容は、以下のようなものでした。
Aさんは現在高校1年生ですが、成績は1学期の中間テストからずっと振るわない状況が続いていました。特に、英語は得意だった科目にもかかわらず、中学時代には見られなかったミスが目立つように。さらに、苦手だった数学では赤点に近い成績を取ることが多く、全体的に下降線をたどる状況が続きました。
○ 学校での様子の変化
2学期に入ってからの保護者面談で、担任の先生からは「授業に集中できないことが増えている」と話がありました。また、課題提出が遅れることや、授業中に寝ていることが増えたことなど、積極性の低下がうかがえるとの話もありました。
○ 家庭での変化
家庭でも机に向かう時間が極端に減り、「どうせ勉強しても意味が無い」というような投げやりな発言が目立つようになりました。これまで根気よく取り組む姿を見せていたAさんが「自分には向いていない」とさえ言い出す姿に、保護者さまは強いショックを受けたと言います。
保護者さまは、このままではAさんが学校生活に対して前向きな姿勢を完全に失ってしまうのではないか、という不安を抱えるようになりました。そのお気持ちは、以下のような形で語られていました。
「本人から、『高校が合わない』『辞めたい』と漏らすことが増えてきて、本当に心配です。頑張って合格した学校なので、何とか続けさせてあげたいのですが……」
○ 「勉強に自信を取り戻してほしい」
「中学の頃は英語が得意で、あれだけ自信を持って取り組んでいたのに、今は『自分には無理だ、もうやっても意味が無い』と繰り返すばかりです。あの時の自信を少しでも取り戻してほしいです」
○ 「どう支えていいのか分からない」
「親として何かしてあげたいのですが、何をすればいいのか分からず、ただ見守ることしかできなくて……本人も相談してこないので、ますます距離を感じてしまいます」
いただいたメールの文面からは、保護者さまの切実な想いが伝わってきました。
また、Aさん自身も決してサボりたくてサボっているのではなく、頑張っても結果が出ない状況に混乱して気力を失ってしまっているように見られました。
私たちはこの初回のメールを受け、以下のようにお返事をさせていただきました。
この度はご相談いただきありがとうございます。Aさんの現状に対する保護者さまのご心配と切実な想いが伝わってきました。
また、Aさんが努力しても結果が出ず、混乱や無力感に陥っているご様子も十分に理解いたしました。
Aさんが中学時代に得意だった英語での失敗が、自己肯定感の低下に直結し、他の科目や学校生活全般への意欲まで奪ってしまっているのではないかとお察しします。
そのような状況下で、「どう支えればいいか分からない」と感じておられる保護者さまの心中も、いかばかりかと存じます。
まず、現在のAさんが陥っている状況は、多くの発達特性を持つお子さまが経験する「学び方の転換点」に見られる典型的なパターンでもあります。
高校では中学校とは異なり、以下の点が求められます(特に、Aさんの通うような進学校ではこの傾向が強くなります)。
- 学びの応用力:暗記だけではなく、学んだ知識を活用して考える力が必要になります。例えば、英語の文法では、その本質的な意味や構造を理解し、それを応用する力が問われます。
- 計画的な学習:中学校に比べて科目がほぼ倍になります(例:英語→リーディング・ライティング、国語→現代文・古文 など)。そのため、複数の科目を並行して進めるスケジュール管理能力が求められます。
- 自己管理能力:通学時間や部活により可処分時間が大幅に減少します。そのため、課題やテスト勉強を自分で整理し、進めていく力が求められます。
これらが得意でないお子さまにとって、環境の変化は非常に大きな負担となり、Aさんのように学習全体への意欲を失ってしまうケースも少なくありません。
Aさんは発達障害の特性(ADHD/ASD)もお持ちとのことですので、高校になって急激にタスクが増えた状況に上手くついていくことができない状況にあると考えられます。
今後のサポート方針といたしましては、まずは失ってしまった英語の自信を少しずつ回復させ、学習全般への意欲を取り戻していくという道筋が良いかと存じます。
Aさんは、何を優先すれば良いかをきちんと整理してあげれば、持ち前の暗記力と集中力を活かして高校の勉強に十分ついていけるポテンシャルをお持ちだと思います。
ですので、まずは講師が現状の課題を整理し、優先順位をつけ、それにしたがって成功体験を得てもらい自信を回復させ、そこから徐々にAさん自身で課題整理ができるようにサポートさせていただければと思います。
具体的には、以下のようなステップを通じてAさんの自信回復と学習習慣の再構築を目指したいと思います。
① 得意科目での成功体験の復活
Aさんが得意だった英語を中心に、まずは「できる」という感覚を取り戻す指導を行います。文法や読解のつまずきを丁寧に整理し、基礎を固めることで短期間でも目に見える成果を出すことを目指します。
② 苦手分野の基礎固め
苦手な数学については基礎的な問題からスタートし、Aさんが自信を持って解ける問題を増やしていきます。初期の段階では難しい問題に挑むのではなく、「できた」という実感を積み重ねることを重視します。
③ 計画性の養成
短期目標を設定し、達成感を味わえる仕組みを取り入れます。例えば、1週間でどの範囲を終えるかを一緒に計画し、進捗をこまめに確認することで、「やればできる」という自信を取り戻していただきます。
また、サポートを進める上で、もし保護者さまにもご協力いただけるようであれば、ご家庭でも以下の点にご配慮いただけますと非常に幸いです。
- 学習進捗の共有
Aさんが取り組んだことや成果をご家庭でも一緒に振り返る時間を設けていただけますと、より学習の効果が高まります。 - 小さな成功を一緒に喜ぶ
「少し進めた」「課題を提出した」といった小さな成功も積極的に褒めていただけると、Aさんのモチベーションもより回復しやすくなることが多いです。
Aさんの現状や特性に基づいた具体的な指導プランを立てるために、ぜひ一度、初回面談の機会を設けさせていただければと思います。
ついては、ご都合の良い日時をお知らせいただけましたら幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
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このようにお返事をさせていただいたところ、保護者さまからは
とのお返事をいただきました。
私たちはすぐにオンライン面談の場を設定し、より詳しくお話をお伺いすることにしました。
初回の面談では、改めて保護者さまからAさんの学習状況や特性について詳しくヒアリングを行いました。
そして、Aさんの性格や学習の進捗だけでなく、これまでの成功体験や現在の心理状態も含めて課題を整理しました。
- 学習面での課題
o 英語での失敗が自信喪失の主因となっている。
o 課題の提出期日やテスト日程にかかわらず英語を優先し、苦手科目を後回しにする癖がある(ADHDの後回し癖またはASDのこだわりの特性が関連している可能性あり)。 - 心理面での課題
o 自己肯定感が低下しており、「努力しても無駄だ」という思いが強い。
o タスクや課題が積み重なると混乱し、やる気を無くしてしまう。
そして、今後の指導方針について、以下のように整理しました。
- 得意科目の復活を通じた自信回復
英語の得意意識を取り戻すことで、学習全体のモチベーション向上を目指す。 - 苦手科目の基礎固め
数学については基礎から丁寧に学び直すことで、「解ける問題」を増やすアプローチを取る。 - スケジュール管理の練習
短期的な目標を設定し、達成感を得られるよう工夫しながら学習習慣を見直す。
初回面談を終えて、保護者さまは少しですが安心した表情を見せてくださいました。
早速の面談のご対応、ありがとうございました。
無気力になってしまっているAでも無理なく進められる段階的なプランを提案していただき、これなら本人も「やってみよう」と思えるかもしれないと感じました。
折角希望していた高校に合格できたのに、これからどうなってしまうのかと不安でしたが、少し光が見えた気がしてほっとしています。
これからお世話になりますが、どうぞよろしくお願いします。
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【発達障害と進学校】個別指導によるAさんの変化
初回の面談の翌週に、Aさんには体験授業を受けていただきました。
体験授業でのAさんは、保護者さまから伺っていたとおり、「自分はどうせできない」という自信の無さが表情に現れていました。
講師は授業の中でスモールステップを心掛け、基本的な文法事項や公式を一つずつ確認しながら、Aさんが自信を取り戻せるよう声をかけていきました。
授業の最後には、「今日の授業をとおして○○の内容が身に付けられましたね」とフィードバックを行い、Aさん自身が成長した自分を自覚できるようにしました。
体験授業の後、保護者さまから「Aがメガジュンさんでやってみたいと言っているので、ぜひ引き続きお願いしたい」とのご連絡をいただきましたので、いよいよ本格的にAさんのサポートを始めることにしました。
以下からは、具体的な指導内容とその成果について詳しくお伝えします。
【発達障害と進学校】個別指導によるAさんの変化①英語
英語は、Aさんが中学時代に最も得意だった科目でした。
しかし、高校に入ると難しくなった文法項目に対応できず、それが長文読解のつまずきにつながり「英語ができる」という自信が崩れていきました。
この問題を解決するため、私たちは次のようなアプローチを取ることにしました。
- 文法項目を体系的に整理する
Aさんが混乱していたのは、高校で新しい文法項目が次々と出てきて全体像をつかめなかったことにありました。ですので、まずは既習事項と新出事項を整理し、文法のルールをカテゴリーごとに明確化しました。
例:
o 「仮定法」は、基本構文(If+主語+過去形, 主語+would)から、特殊な表現(If it were not for…など)への流れを段階的に説明。
o 「分詞構文」は、主節との関係を視覚的に図示することで、構造的に理解。 - ルールの反復練習
文法を一度で理解するのではなく、例文を使った反復練習を重視しました。例えば、仮定法の例文を読み、文型を確認しながら和訳することで、文法が「使える知識」になるよう定着を図りました。 - ミスの傾向を分析し、自分の弱点を把握
解いた問題を振り返り、間違えた箇所を分析して次に活かすことを重視しました。例えば、分詞構文が絡む問題で間違いが多ければ、その部分をさらに掘り下げた問題に取り組むようにしました。 - 達成度を可視化する仕組み
正答率や進捗を記録し、自分の成長を実感できるようにしました。例えば、「仮定法の問題で正答率が80%を超えた」「10分以内にすべての問題を解き切れた」といったように、成果を具体的な数値で表すことでモチベーションの向上を図りました。
以上のような形で、まずは文法の知識を整理し、その上で長文読解の対策にも取り組みました。
英語は積み上げ型の科目ですので、文法が身に付いていない状態でいきなり長文を解こうとしても上手くいきません。
Aさんは中学校までは英語が得意だったこともあり、「文法は苦手だけれど、長文なら解けるはずだ」と考えてしまっている部分がありました。
そこで講師は、Aさんの得意な英単語の暗記に加え、文法知識も長文読解の土台となることを丁寧に説明し、まずは文法から取り組むことを提案しました。
一方で、Aさんは得意だった英語を何とかしたいという焦りも持っていたので、以下のような形で文法と長文読解を組み合わせながら授業を進めていきました。
- 文法を活用した読み方
長文の中で出てくる複雑な構文や文法項目を意識しながら、「なぜこの文法が使われているのか」を確認し、文全体の意味を正確に把握する練習を行いました。例えば、「分詞構文が含まれる文は、前後の文脈をどうつなぐのか」に注目しながら文の流れを把握していきます。
これにより、長文読解における文法の重要性に気付いてもらうことができました。 - 段階的な難易度設定
最初は短めで文法的にもシンプルな文章から始め、慣れてきたら学校の教科書レベルの長文、最終的には模試やテストの難易度に近い文章に挑戦します。
こうしたスモールステップを積み重ねることは、着実に理解を進めることだけでなく、自信の回復にもつながります。 - 時間を意識した練習
高校のテストでは時間内に解き切るスピードが重要になるため、模試や定期テストの前には時間を測りながら限られた時間内で読解する練習も行いました。
時間を測ることで、「前は15分かかっていた問題が10分で解けた」のように数値で成果が現れるため、こちらも自信の回復につながりました。
【発達障害と進学校】個別指導によるAさんの変化②数学
Aさんは数学が苦手科目でした。
高校受験の際も数学の点数は合格平均点を大きく下回っており、その分を英語で挽回して合格に届いた形でした。
そのため、高校になって内容が高度になり、さらに予習を前提とした授業スピードであることから、Aさんはほとんど授業についていけていない状態でした。
そこで、数学に関しては1学期からの内容の復習も含めて難易度を段階的に調整しながら、次のような取り組みを行いました。
- 1つの分野に集中して克服する
例えば、「二次関数」では基本的な解の公式やグラフの描き方に集中し、それが完全に理解できてから応用問題に進むようにしました。これにより、「できる感覚」を得ることができ、しっかりと土台を固めた上で次のステップに進むことができました。 - 公式の背景を解説
ただ公式を覚えるのではなく、「なぜこの公式が成り立つのか」を図や具体例を使って解説しました。Aさんは論理的に説明すると理解が深まり、公式を忘れにくくなる傾向があったため、既習の内容も含めて改めてしっかりと講師から説明していきました。 - 得点しやすい問題を優先的に攻略
テストで配点の高い典型問題を優先して練習しました。Aさんは文系のクラスであったため、標準~応用レベルの問題が多く出題されました。
また、授業で使用している問題集からの出題も多かったため、テスト前には問題集の類題を講師が作成し、本番に備えた対策を行いました。
加えて、Aさんは発達障害の特性から、長い時間集中するのが難しい傾向にありました。
英単語のように得意意識があるものは集中が続くのですが、数学のように苦手意識が強いと、すぐに集中が途切れてしまう状態にありました。
そこで、授業では基本的に10分程度の短時間で取り組める演習問題を設定し、短いタームで問題-解説を繰り返す形で進めました。
また、問題を解いた後はその場で間違えたポイントを詳しく解説し、同じミスを繰り返さないよう対策しました。
さらに、間違いの傾向も分析し、理解が不十分な範囲やミスの出やすい問題に特化して取り組み、メリハリのある授業の組み立てを心掛けました。
【発達障害と進学校】個別指導によるAさんの変化③学習計画の作成と習慣づけ
Aさんにとって最大かつ根本的な課題は、「計画性を持って学習を進めること」でした。
中学時代は過集中の特性を活かして短期的に集中することで、Aさんはいわば“力技”的に学習の課題を乗り越えていました。
ですが、学習の内容が高度かつ膨大になった高校ではこの方法が通用しなくなったことが、Aさんのつまずきの最大の原因と言えます。
そこでメガジュンでは、英語と数学の対策と同時に、計画性を持って学習を進める習慣づけにも取り組むことにしました。
具体的な指導の内容は、以下のとおりです。
- 週単位の計画
毎週、「今週はどの単元をどの程度まで進めるか」を具体的に決め、進捗をチェックしました。これにより、今何をすべきかを明確にし、「何から手を付けて良いのか分からない」という状態を解消しました。 - 定期テストの早めの対策
Aさんは、テスト範囲が配られてから対策を始めていました(Aさんに限らず、テスト範囲が分かってから対策を始める生徒さんは非常に多いです)。
テスト範囲が配られ、その範囲のワークが課題として出されて初めて手を付けるやり方では、テスト対策は不十分になってしまうことがほとんどです。
テスト範囲はある程度予想できますので、テスト前の課題として出される前、できれば授業で習ったタイミングで一度ワークを解いておき、テスト前にもう一度解き直すという方法が非常に効果的です。
このように「習ったとき」と「テスト前」に二度解くことにより、効率良く記憶の定着を図ることができます。 - 達成感の可視化
学習目標を達成した際には、目に見える形で成果を記録しました。目標をリストにまとめて達成した項目をチェックしていくことで、「自分は進んでいる」という感覚を得られるようにしました。 - 家庭学習のスケジュール管理
学校の課題と家庭学習のバランスを考え、どの時間帯にどの科目を学習するかを一緒に計画しました。
特に、Aさんの場合は進学校で課題が多かったため、学校の課題を先に終わらせ、その後で授業の予習と復習、さらに余った時間で弱点の対策を行うようにしました。 - 集中と休憩のリズム
過集中の特性を活かすため、25分学習+5分休憩の「ポモドーロテクニック」を取り入れ、集中力を持続させました。
これらの取り組みを続けた結果、以下のような成果が現れました。
文法知識をしっかりと定着させることにより、長文読解にも対応できるようになりました。「分かる」という感覚が得られ、定期テストの点数も上がってきたことで、再び英語に対する自信を取り戻すことができました。
2. 数学では「標準問題を確実に解くこと」を当面の目標とする
応用問題はまだ苦手ですが、「標準問題で確実に得点する」という目標ができたことで、焦らず落ち着いて取り組めるようになりました。
3. 学習習慣が定着する
計画的に学習する習慣が身に付けられたことで、学校の課題と自主学習の両立が可能になり、学習全体に対する不安が軽減しました。
これらの成果は、Aさんが自信を取り戻す大きなきっかけとなり、学習意欲の向上と成績の安定につながりました。
また、Aさんの通う高校では非常に速いスピードで授業が進められており、予習と復習が前提となっていました。
メガジュンを利用する前のAさんは、課題に追われ予習・復習まで手が回っていませんでしたが、学習計画を立てるようになったことで予習や復習もできるようになりました。
さらに、メガジュンの授業では学習内容が身に付いたかをその都度振り返りながら進めることを徹底しました。
これにより、学校の授業の進度に無理についていこうとするのではなく、しっかり自分が理解してから次のステップへ進むという習慣を身に付けることができました。
「土台となる前提知識をきちんと理解してから次に進む」という習慣が身に付くと、特に英語や数学といった積み上げ型の科目の理解度は飛躍的に向上します。
Aさんも「分かる」という感覚を取り戻せたことから勉強に対する自信を取り戻し、前向きに学習に取り組めるようになりました。
【発達障害と進学校】成果と未来への展望
プロ家庭教師メガジュンの個別指導を通じて、Aさんは少しずつ変化を見せ、実際に成績も上がり始めました。
得意科目での自信を取り戻すことで学習全体への意欲が高まり、苦手だった科目への取り組み方も大きく改善しました。
指導開始当初、Aさんは英語に対する自信を完全に失い、「自分はもうできない」と半ばあきらめていらっしゃいました。
ですが、メガジュンの授業で文法を体系的に整理し、段階的に理解を深められたことにより、英語に対する自信を取り戻すことができました。
特に、仮定法や分詞構文といった難しい文法項目については、問題を解くたびに具体的なフィードバックを受けることで、使い方を確実に身につけていくことができました。
これにより、定期テストや模試の文法問題にも迷いなく取り組めるようになり、得点に結びつけることができました。
また、文法の理解が進むと長文読解にも変化が表れました。
文法の理解が曖昧なまま読み進めてしまう癖が改善され、一文一文を正確に読み解く力が身につきました。
さらに、読解スピードを意識する練習を重ねた結果、時間内に問題を解き終えることができるようになりました。
Aさんがメガジュンの授業を受け始めたのは、高校1年生の秋でした。
指導開始直後の2学期の期末テストではすぐに結果が現れませんでしたが、指導を始めてから数か月たった3学期の期末テストでは、前回のテストに比べて明らかに点数が上がりました。
特に、英語の得点が大幅に上がり、苦手だった文法問題の正答率が高まり、長文読解でも非常に高い点数を取ることができました。
Aさん自身も「『英語が得意科目だ』とまた言えるようになりそう」と話し、表情にも明るさが戻ってきました。
英語での成功体験がきっかけとなり、Aさんは他の科目にも前向きに取り組めるようになりました。
数学もメガジュンで指導させていただきましたが、3学期の期末テストを終えてからは、以前よりも積極的に授業に参加してくれるようになりました。
例えば、「学校で取り扱った○○の問題が分かりにくい」ということをAさんの方から相談してくれることが増え、自主的に学習に取り組む姿勢が見え始めました。
学習面での自信を取り戻したAさんは、学校生活全般にも前向きに取り組むようになりました。
滞りがちだった課題も期限までに提出できるようになり、授業中に居眠りをすることもなくなりました。
勉強に前向きに取り組むためには、「分かるという楽しさ」が根底にあることが大切です。
逆に、この「分かるという楽しさ」が無いと、授業も勉強もつまらないものになり、前向きに取り組むことができません。
Aさんは、メガジュンの指導をとおして再び「分かるという楽しさ」を手に入れ、前向きに取り組むことができるようになりました。
保護者さまも、Aさんが勉強への意欲を取り戻した様子を見て安心したくださいました。親子の会話も増え、ご家庭の雰囲気も以前より明るくなったそうです。
【発達障害と進学校】大学進学に向けて
Aさんは高校2年生に進学すると同時に、大学受験に向けた対策も始めることにしました。
Aさんの通う高校は進学校ということもあり、クラスメイトたちも既に受験に向けた対策を始めつつありました。
また、メガジュンの授業をとおして高校1年生の範囲をしっかりと身に付けられたため、大学受験を意識した学習を始めるのに適したタイミングであると判断しました。
Aさんの志望大学は、英語の配点が高いという点ではAさんに有利な入試制度となっていました。
一方で、試験の難易度は高く、思考力や応用力を求められる問題が多いという特徴がありました。
そのため、得意科目の英語をさらに伸ばしつつ、数学と国語でも安定して点数を取れるように力を付けることが合格の鍵となります。
そこで私たちは、Aさんの受験対策に当たって、以下のような方針を定めました。
【発達障害と進学校】大学進学に向けて①英語
英語はAさんの得意科目であり、受験でも大きな武器となります。
これまでに引き続いて文法と長文読解の対策に取り組むほか、以下のような方法でさらに実践的な得点力を高めることを目指しました。
- 難易度の高い問題を取り入れる
模試や過去問を中心に、志望校レベルの英文に触れる機会を増やしました。特に、複雑な構文や抽象的なテーマの英文を分析し、筆者の意図を正確に読み取る力を付けられるように準備を進めることにしました。 - 英作文対策
英作文のトレーニングでは、過去問に基づいたテーマに取り組むとともに、自分の意見を論理的に伝える方法を練習していきます。
これまでのようにスモールステップを重視し、まずは簡単な文章からスタートしてから少しずつ語彙や構文を工夫する形でレベルアップを図ります。
【発達障害と進学校】大学進学に向けて②数学
数学は苦手科目ではあるものの、文系の学部では差が付きやすい科目であるため、ぜひ得点を伸ばしたいところです。
ですので、志望校の出題傾向や難易度を徹底的に分析し、高い点数を狙うための計画を作成しました。
- 重点分野に絞った学習
「数列」「ベクトル」「微分・積分」など、志望校の過去問を分析し、頻出する分野に重点を置いて学習を進めます。特に、Aさんが得意とする計算問題を活かせる分野から取り組むことで、無理なく成果を上げる狙いです。 - 問題をパターン化して整理
よく出題される問題のパターンを整理し、それぞれに最適な解法を身につけるトレーニングに取り組みます。これにより、「どの問題でどの方法を使うか」を即座に判断する力を伸ばしていきます。
【発達障害と進学校】大学進学に向けて③国語
国語では、特に現代文の記述問題が高配点を占めるため、以下のアプローチを導入しました。
- 現代文の要約練習
複雑な文章を段落ごとに分解し、それぞれの主旨を把握した上で要約する練習を行います。これにより、記述問題で必要な論理的思考力と簡潔な表現力を身につけることを目指します。 - 古文単語と文法の徹底復習
古文では、頻出単語や文法事項を繰り返し学習し、特に品詞分解の練習を徹底します。これにより文法のミスを減らし、文章を正確に読み取る力の向上を目指します。
【発達障害と進学校】まとめ|Aさんの今後の展望
Aさんのように発達障害の特性があるお子さまが進学校での学習環境に適応するためには、計画的な学習と得意を活かした対策が不可欠でした。
Aさんがメガジュンのサポートを通じて自信を取り戻し、学び方そのものを身に付けていった過程は、同じような悩みを抱えるご家庭にとっても参考にしていただけるものだと思います。
プロ家庭教師メガジュンの指導の最大の特徴は、お子さまの特性を理解し、得意分野を伸ばしながら苦手を補うという柔軟なアプローチにあります。
Aさんの場合も、この方法が大きな成果を生みました。
Aさんが元々得意だった英語は、指導をとおして再び自信を持てる科目となり、学習全体に対する意欲を引き上げるきっかけとなりました。
定期テストの点数が上がり、Aさんが「英語が得意だと思えるようになった」と笑顔で話してくれたことは、私たちにとっても非常に嬉しいことでした。
また、苦手意識が強かった数学についても、「解ける問題を増やす」という指導方針で、Aさんは徐々に成果を出すことができました。
Aさんは「高校に入ってから初めて数学のテストで平均点を超えられて、自分でも驚きました」と話してくれました。Aさん自身が成長を自覚できたという点で、大きな一歩であったように思います。
保護者さまも、「これまで手が止まっていた科目に積極的に向き合う姿が見られて、本当に安心しました」と喜んでくださいました。
高校に上がると、勉強の内容が難しくなるだけでなく、通学時間が長くなり部活もハードになるため、時間を有効に使いながら計画的に学ぶ力が必要になります。
Aさんにとって、適切に計画を立てて学習を進めることは最大の課題でしたが、メガジュンのサポートを通じて計画的に学習する習慣を身につけることができました。
Aさんは「計画があると何をすればいいか迷わないし、終わったときにホッとします」とも話してくれ、スケジュール管理の重要性を実感してくれたのが伝わってきました。
また、無理に授業のスピードに合わせるのではなく、Aさん自身が「分かるまで取り組む姿勢」も身に付けることができました。
Aさんは「分からないまま進むと後で苦労することを実感しました。ちゃんと土台から積み重ねるのが大切なんですね」と話しており、学び方への考え方が変化したことが分かりました。
また、Aさんの変化を目の当たりにした保護者さまも、とても安心してくださいました。
「以前は『どうせやっても無理』というような言葉をよく口にしていましたが、最近では『次は○点以上を目指すから、これをやる』というように、計画的に勉強できているのが親から見てもわかります」と保護者さまは仰っていました。
お子さまが学びに前向きになることで、家庭内の雰囲気も明るくなったとのことです。
また、Aさんの指導を開始した当初、保護者さまは「高校を辞めるかもしれない」という不安さえ抱えておられました。
しかし現在では、Aさんは大学受験を目指して前向きに勉強に取り組む姿を見せてくれています。
このようなAさんの変化を保護者さまは本当に喜んでくださり、以下のようなメッセージを送ってくださいました。
初めてメガジュンさんに相談したときは、正直、どうなるのか全く分からず不安でいっぱいでした。
Aは自信を完全に失ってしまい、親としても何をどう支えればいいか分からない状態でした。
ですが、メガジュンさんの丁寧な指導を通じてAが少しずつ変わっていくのを見て、私たちも「一緒に頑張ろう」と思えるようになりました。
今では、自分から勉強の計画を立て、テスト前に焦らないように早め早めに対策する姿を見せてくれるようになり、本当に驚いています。
将来に向けて前向きに進もうとしているAの姿に、大きな希望を感じています。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
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メガジュンの指導を通じて、Aさんは単に成績を向上させただけでなく、学ぶことへのポジティブな姿勢を取り戻してくれました。
これは、今後の高校生活や大学受験においても大きな糧になると思います。
特に、英語での自信を取り戻したことをきっかけに、数学や国語でも着実に成果を出すことができたAさんは、「得意な科目をさらに伸ばし、苦手を克服していきたい」と意欲を見せています。
メガジュンの指導が単なる成績向上にとどまらず、お子さまの自信回復や将来の可能性を広げる支援につながったことは、私たちにとってもとても喜ばしく、指導の成果が実ったことを嬉しく思います。
Aさんがメガジュンの指導を通じて取り戻した自信と学ぶ力は、今後の人生を切り拓く重要な基盤となります。
発達障害のお子さまが持つ特性に寄り添い、「得意を伸ばしながら苦手を補う指導」を実践するメガジュンのサポートは、同じような悩みを抱える方にとっても必ずお力になれるという自負があります。
このようなお悩みのある方は、ぜひプロ家庭教師メガジュンまでご相談ください。
お子さまが自信を取り戻し、再び前向きに勉強に取り組めるように、全力でサポートさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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