アスペルガー(ASD)の子どもへの対応・育て方とは?接し方や関わり方を紹介
- 会話が噛み合わないと感じることが多い
- 空気を読まない言動が目立ち、周りをぎょっとさせてしまう
- 自分独自のルールがあり、それに固執してしまう
ASD(アスペルガー症候群、自閉症スペクトラム症)のお子さまは、こういった悩みを抱えることが多くあります。
ASDのお子さまは「相手の気持ち」や「未来のこと」を想像するのが苦手なため、言外のニュアンスを上手く受け取れなかったり、周りの目を気にしない行動を取ってしまったりします。
お子さま本人は困りごとに対する自覚があまりなく、保護者さまが注意しても伝わらない・ピンとこないこともしばしばです。
何度注意しても同じようなトラブルが続くため、精神的に疲弊してしまう保護者さまもいらっしゃいます。
私は発達障害専門のプロ家庭教師や塾経営者として、長年にわたりASDのお子さまやその保護者さまへのサポートを行ってきました。ASDのお子さまの場合は、コミュニケーションにおける困難も相まって、なかなか相性の良い先生が見つからないと困っておられる方も多いようです。
同じ話を繰り返しているのに通じない…というのは、ASDのお子さまの指導においてとてもよくある困りごとです。これは、お子さまが不真面目であったり、理解力に乏しかったりするためではありません。
ASDのお子さまに物事を伝えるときのポイントは、「お子さま自身に納得感を持ってもらう」ことです。
ASDのお子さまは、“言わなくてもわかるでしょ”という暗黙のルールを理解するのが苦手です。
何度言っても通じないときは、お子さまの中で何か納得できない(筋が通っていない)と感じる部分があるのかもしれません。
どうしてそうなるのか、どんなメリットがあるのかということを丁寧に伝えることが重要です。
他にも、ASDのお子さまに対しては「端的に伝える」「イラストなどで視覚的に訴える」などの工夫が考えられますが、一方で、どんな時でも完璧な配慮をしてもらえるとは限りません。
特に大学生や社会人になれば、お子さま自身が自分の特性を把握し、周囲に正しく説明したり、配慮を求めたりする必要が出てきます。
お子さまが将来自立し、自分の力で生きていけるようにするためには、子どもの頃から適切な対応やサポートをしていくことが重要です。
- ASDについて正しい知識を身につけたい!
- ASDのお子さまへの対応や育て方のポイントは?
- ASDのお子さまの将来までを見通した接し方・関わり方を知りたい!
この記事では、こういった質問・要望にお答えしていきますので、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
発達障害専門の受験プロ家庭教師
妻鹿潤
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中
▼目次
- 1 ASD(アスペルガー症候群、自閉症スペクトラム症)とは
- 2 ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント8選
- 2.1 ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント①ストレートに褒める、否定しない
- 2.2 ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント②視覚的に伝える
- 2.3 ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント③端的な言葉で伝える
- 2.4 ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント④スケジュールの変更は事前に伝える
- 2.5 ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント⑤感覚過敏への配慮
- 2.6 ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント⑥得意なことを伸ばす
- 2.7 ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント⑦他者への頼り方を身につける
- 2.8 ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント⑧指示を出すタイミングに気を付ける
- 3 アスペルガー(ASD)の子どもへの対応・育て方のまとめ
ASD(アスペルガー症候群、自閉症スペクトラム症)とは
ASD(アスペルガー症候群、自閉症スペクトラム症)の特性と困りごと
ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)とは発達障害の一つであり、「コミュニケーションや社会性の困難」「限定された興味・こだわり」といった特性を持っています。
これらの特性によって、以下のような特徴が現れることがあります。
・距離感のある話し方、独特で堅苦しい言い回し
・表情が乏しく、感情が読み取りづらい
・一方的に話してしまい、会話がキャッチボールにならない
・暗黙のルールが分からず、非常識な行動を取ってしまう
・協調性が少なく、一人で行動しがち
・場に応じた表現ができない、感情をストレートに表してしまう
・自分の関心があること以外について、想像するのが苦手
・スケジュールの変更や臨機応変な対応が苦手
・気持ちの切り替えやマルチタスクが苦手
学校生活においては、クラスメイトや先生と上手く人間関係を築くことができず孤立してしまったり、協調性や柔軟性に乏しいことから、集団行動に馴染めないといった困りごとが生じます。
また、最近では小中学校でもグループディスカッションなどの協働的な学びが重視されているため、休み時間だけでなく授業中でも対話力・会話力が求められる状況にあります。
ASDのお子さまがグループディスカッションに参加する際には、一人当たりの発言時間をタイマーで管理したり、ボールを持っている人が発言してよいというルールにするなど、会話のキャッチボールを客観的・視覚的に把握できるような工夫を行うと良いでしょう。
小中学生のグループワークですと、おしゃべりの上手い子が話しっぱなしになってしまうケースもよく見られますので、こういったサポートはASDではない子どもたちにとってもメリットがあると言えます。
ASDの特性として、マルチタスクが苦手ということもあります。話を聞きながらメモを取るのが苦手といったことのほか、相槌を打つのが苦手というケースもあります。
話を聞いていないように見えても、聞くことに精一杯で相槌を打つ余裕が無いだけということもあるため、集中が途切れない程度に「○○について、伝わったかな?」と確認するなどの対応をとるようにしましょう。
ASD(アスペルガー症候群、自閉症スペクトラム症)の定義と診断
ASD(自閉スペクトラム症、Autism Spectrum Disorder)とは、自閉症・高機能自閉症・アスペルガー症候群の全てを含む呼称です。
(参考:子どもの発達障害 「自閉スペクトラム症(ASD)」とは?アスペルガー症候群などとの違い | NHK健康チャンネル)
知的障害の有無や言葉の遅れによってそれぞれ区別はありますが、現在ではASDの診断名が用いられることがほとんどです。
また、ASDの診断基準について、アメリカ精神医学会の「DSM-5」では以下のとおり定められています。
・反復行動や極度に限定された興味を持つ
・発達早期の段階で特性が出現している
・社会生活において重大な困りごとが生じている
ASDは生まれつきの脳の機能の問題であり、育て方によって発症するものではありません。
そのため、「あまり泣かない、笑わない」「視線が合いづらい」といった特性が幼少期から現れます。
気になることがある場合は、早めに医師や保健師に相談するようしましょう。
ASDであると診断を受けることに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、診断を受けることで、学校における配慮や福祉的なサポートにつながることができます。
医師や心理士、学校の先生やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーといった様々な専門家と連携・協力することが、お子さまへのより良い支援につながりますので、医師・保健師への相談は積極的に行いましょう。
コミュニケーションスキルが非常に重要視される現代社会において、ASDの方はストレスや生きづらさを抱えやすい状況にあります。過大なストレスから、鬱やパニック障害などの二次障害を抱えてしまう方も少なくありません。
ですので、できる限り早い段階から特性を見極め、適切なサポートを受けられるよう、早めの診察・診断が重要になります。
また、幼少期から診断を受けることによって、周囲の大人も理解を深め、早い段階から正しい対応ができるようになります。
小学校に入る前から特性が分かっていると、本人に適した教育を早くから受けることができるため、勉強においても比較的ストレスなく取り組むことができるでしょう。
さらに、進学や就職までにも時間的な余裕があるため、本人の意志や個性を尊重しながら進路を検討することができます。
ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント8選
ASDのお子さまに接する際には、その場限りの対応ではなく、お子さまがいずれ社会に出ることを想定し、自分の力で問題を解決できるようにサポートしていくことが大切です。
お子さまが社会に出る際に身につけておかなければならない力は、「自律スキル」と「ソーシャルスキル」の2つであり、これらを念頭に置きながらお子さまをサポートしていくことが必要です。
確かな自己理解と、得意なことに対する自信がこのスキルの裏付けとなります。
挨拶をする、身だしなみを整える、マナーを守るといったことがこれに当たります。
ASDのお子さまは、暗黙のルールや明文化されていない常識を理解するのが苦手なため、子どもの頃から分かりやすく伝えていく工夫が必要になります。
ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント①ストレートに褒める、否定しない
ASDのお子さまは、言外のニュアンスや表情、身振り手振りから意図を汲み取るのが苦手です。
態度で何となく伝わるだろうと思うのは禁物で、小さなことでもしっかり言葉にして褒める・伝えることがポイントです。
注意したり指示を出すときも、「○○してはダメ」と伝えると「ではどうすれば良いのか」まで想像が及ばずこちらの意図が伝わらないことがあります。
ですので、「走っちゃダメ」と否定形で指示するのではなく、「歩こうね」と伝える方が効果的です。指示を聞いてくれた場合は、しっかり褒めるようにします。
ASDのお子さまが突飛な言動をしてしまった場合も、頭ごなしに叱ることは避けましょう。
周りから見れば突飛な行動でも、本人の中では筋道が通っていることがあります。
どうしてその言動に至ったのかを聞き、行動に至る動機の中で常識と外れた部分があれば、その都度修正することを繰り返していきます。
地道な対応にはなりますが、常識や当たり前を言語化し、ルールを一つ一つ積み重ねて自分のものにしていくことが、ASDのお子さまの支援における重要なポイントになります。
ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント②視覚的に伝える
目で見た情報を処理する方が得意な「視覚優位」や、耳で聞いた情報を処理することが得意な「聴覚優位」など、人によって優位な感覚は様々です。
ASDのお子さまの場合は、視覚優位であることが多く、耳で聞いた情報よりも、図やイラストなど視覚的な情報を処理することが得意な場合が多いと言われています。
ですので、ASDのお子さまに伝えたいことがある場合は、口頭だけでなくイラストを見せたり、図や動画などを使って説明すると良いでしょう。
特にASDのお子さまは、時間など目に見えない抽象的な概念を理解するのが苦手です。スケジュールを伝える際などは、「いつから(いつまで)」「どこで」「何を」「どのように」といったことを図で色分けしながら示すなどの工夫が効果的です。
さらに、「勉強する場所」「本を読む場所」「時間割を確認する場所」など、部屋のエリアをカーペットや仕切りなどで分けることも効果的です。やるべきことと場所が一対一対応で整理されることで、集中しやすい環境を整えることができます。
ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント③端的な言葉で伝える
一度の指示に複数のやるべきことが含まれていると、ASDのお子さまは混乱してしまうことがあります。
「手を洗ってから、座っておやつを食べてね」といった文章だと、手を洗う・座る・おやつを食べるという3つの指示が含まれていることになり、情報を処理するのが難しくなってしまいます。
ですので、ASDのお子さまに指示する時は、「手を洗ってね」とまずは伝え、手を洗い終わったら「座ってね」、座ったら「おやつを食べてね」と一つずつ伝えていくと良いでしょう。
また、ASDのお子さまは曖昧な言葉を解釈するのが苦手です。
「少しだけ」「しっかり」「ちゃんと」といった主観的な表現では上手く伝わらないので、「5分だけ」「前を向いて」など具体的かつ客観的な言葉を使うようにしましょう。また、「あれ」「それ」「これ」といった指示語の理解も難しいため、具体的に「○○を」と伝えるようにしましょう。
とはいえ、「少し」のような程度を表す表現や指示語は使う機会が多く、全く使わないことは現実的ではありません。
ASDでなくてもそういった表現が伝わりづらく感じることはありますので、わからないと感じたときは、「少しってどれくらい?」「あれってどれのこと?」と聞き返す習慣をつけておくことも大切です。
ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント④スケジュールの変更は事前に伝える
ASDのお子さまは、時間という抽象概念を捉えるのが苦手なため、見通しが立たない状況やスケジュールの変更でストレスを感じたり、パニックになってしまったりすることがあります。
ですので、いつもと違うイベントやスケジュールの変更がある場合は、事前に伝えるようにしましょう。
「○時に家を出て、○時頃に○○に着くよ」といったように、“いつ(いつまで)/どこで”といった客観的な情報を伝え、お子さまが未来の見通しを持てるようにしましょう。
定型発達の場合、数時間後・数日後・数週間後・数年後といった未来が何となくイメージでき、他者とも共有できるため、これから起こることに対して極度に不安やストレスを感じることはあまりありません。
ですが、ASDのお子さまは未来のことをイメージするのが苦手なため、変化や不測の事態に強い不安を感じてしまいます。想定外の出来事にパニックになってしまったり、臨機応変な対応が難しいのはこのためです。
逆に言えば、いつも同じで変化が無い状況であれば、こういった不安は感じずに済みます。
ASDのお子さまがルーティーンを好んだり、自分なりのルールを作って行動するのは、こういった不確定な事象への不安感を避けるためと考えられます。
規則正しい生活を送れたり、時間を守って行動できたりといったメリットもありますので、ストレスや不安感を上手く解消しながら、特性と付き合っていくことが大切です。
ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント⑤感覚過敏への配慮
ASDのお子さまは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・痛覚といった感覚が、定型発達に比べて過敏または鈍麻である場合があります。
けがをしても痛がる様子が無いなど感覚鈍麻の傾向が見られる場合は、重大な病気やけがに気付きにくいといったことも考えられますので、早めに医師に相談するようにしましょう。
感覚が過敏である場合は、うるさい場所が苦手であったり、特定の音や感触を嫌ったりといった特徴が見られます。学校に行きたがらない原因が、通学路の途中の踏切の音が苦手だったからというケースがあるほか、目の前で話している人の声や空調の音、外で走る車の音が全て同じ音量で聞こえるという方もいらっしゃいます。
お子さまの場合、「白いご飯以外は食べない」「特定のメーカーのものしか食べない」といった偏食が見られることもあります。単なる好き嫌いとは異なり、味覚が過敏でどうしても受け付けられない場合もありますので、むやみに叱らず様子を見ることも大切です。
子どもの頃の偏食は成長とともに収まるケースも多く、無理に食べさせて余計に嫌いにならないよう配慮することも重要です。
強い光が苦手な場合は眼鏡やサングラスを、音に敏感な場合はイヤーマフや耳栓を使うなど、物理的に刺激を抑えることも効果的です。
視力が悪い人が眼鏡やコンタクトレンズを付けるのと同じように、感覚過敏の人も道具を使って特性に対処することが可能です。
ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント⑥得意なことを伸ばす
ASDのお子さまは、特定の分野(電車、昆虫、アニメ・ゲームなど)に強い関心があり、その分野に関するものについては大人顔負けの知識を身につけたりすることがあります。
好きなことばかりではなく、学校の勉強もしてほしいと思うかもしれませんが、誰にも負けない得意なこと・好きなことがあることは、お子さまの自己肯定感にとても大切です。
無理やり勉強に向かわせるのではなく、電車好きであれば路線図を見ながら地理の話をしたり、各地域の歴史の話をしたりと、うまく教科の内容に誘導できると良いでしょう。
本やゲームに熱中しすぎて視力や体力の低下が心配なときは、本人と話し合いながらルールを決めていきましょう。
一方的に「1日○時間まで」と命令するのではなく、「目が悪くなりそうだから、時間制限をすべきだと思うけど、どうかな?」など大人の側から提案しつつ、本人が納得した上でルールを作っていくことが重要です。
お子さまが意図を理解できなかったり、受け入れられない様子の場合は、別の提案や伝え方を検討しましょう。
日頃からお子さまと保護者さまの間で「提案→合意」の流れに慣れておくと、自律スキルもソーシャルスキルも伸びやすくなり、お子さまが社会に出た際に非常に役立ちます。
ASDのお子さまは、やることが無く時間を持て余した状況において不安を感じやすい傾向があります。移動時間や病院の待ち時間では、熱中できて時間を潰せるもの(本人の好きな本やゲーム、お絵描きできるメモ帳やホワイトボードなど)を用意しておくと良いでしょう。
また、習い事など、本人がやりたいものには積極的にチャレンジし、興味や関心の幅を広げることも重要です。
ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント⑦他者への頼り方を身につける
ASDのお子さまはコミュニケーションに困難があるため、自分が困っていても他の人に上手く伝えられないことがあります。
具体的には、「話しかけて良いのかわからない」「漠然とした不安やストレスを言葉で表現することができない」といった困りごとがあります。
また、自分が困っている状況であることをお子さま自身が認識できず、パニックになる・イライラする・泣いてしまうといった行動で初めて困りごとに気付くことがあります。
周りが「どうしたの?」と詳しく話を聞くことで、見通しが立たないことの不安や自分のこだわりが叶わなかったことへのストレスが原因であったとわかります。
人に話しかけて良いタイミングをつかむには、経験を積むしかありません。
まずは保護者さまや療育の指導者など、お子さまの特性に理解がある大人を相手に話しかけてみて、もし手が離せず対応できないときは、そのことを怒らず客観的に伝えましょう。
その際、「○分待ってね」「私ではなくて、○○さんに言ってね」と具体的に指示するとともに、最終的には必ずお子さまの困りごとが解決できるようにしましょう。
子どもの頃から報告・連絡・相談(ホウレンソウ)に慣れ、人に相談すると良い結果になるのだという経験を重ねることで、大人になってからの生きやすさは格段に変わります。
ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の対応・育て方のポイント⑧指示を出すタイミングに気を付ける
ASDのお子さまは、行動の途中で別のことをするように言われたり、やめるように言われたりするとストレスを感じることがあります。
本人の中ではその行動を終えるまでが確定したスケジュールであり、急にやめるように言われると、不測の事態が起こったのと同じで不安定になってしまいます。
中にはパニック状態になるお子さまもいらっしゃいますので、指示を出すタイミングについては注意が必要です。「タイマーが鳴ったらやめようね」と事前に伝えておいたり、終わる時間は決めず次にやることを伝えた上で見守る、などの対処方法があります。
ASDのお子さまは一度ルール化するとスムーズに行動できるという側面もありますので、毎日違う順番ややり方で取り組むよりは、食事やお風呂、着替えといった日常生活は時間も含めて固定化し、本人がストレスなく取り組めるようにすると良いでしょう。
アスペルガー(ASD)の子どもへの対応・育て方のまとめ
この記事では、ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)のお子さまへの対応や育て方について詳しく説明してきました。
改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。
・早めに診断を受けることが、適切なサポートや大人になってからの生きやすさにつながる
・ASDのお子さまへの支援においては、「自律スキル」と「ソーシャルスキル」の習得を意識することがポイント
・ASDのお子さまは未来のことを想像するのが苦手なので、スケジュールの見通しを明確に伝える
・コミュニケーションの困難については、経験を積んでパターンを覚えるようにする
・感覚過敏については、イヤーマフなどで環境調整をするといった対処が可能
人間が生きていく上で、他者とのコミュニケーションは欠かすことのできない要素です。
対人関係に困難があるASDのお子さまは、社会生活において困りごとを抱える可能性は確かにあるものの、子どもの頃から適切な支援を受けることで、その生きづらさは何倍も軽くすることができます。
ASDのお子さまのことでお悩みの方は、ぜひこの記事を参考に、適切なサポートにつなげていただければと思います。
また、私たちプロ家庭教師メガジュンでは、ASDのお子さまに向けて、学習支援や将来の進路選択を見据えた幅広いサポートを行っています。
一人一人に寄り添った指導と確かなノウハウを強みに、お子さまがより良い人生を歩めるよう全力でサポートしてまいります。
なかなか良い先生に出会えないとお悩みの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
また、指導や面談はオンラインでも受け付けています。
関西圏だけでなく全国各地からご利用いただいているほか、海外子女や帰国子女の方からもご利用いただき、ご好評の声をいただいています。
オンラインで授業が受けられるか不安という方も、初回は無料で承っていますのでお気軽にご連絡いただければと思います。
一人でも多くのお子さまのお力になれれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。