【不登校×受験のプロ監修】不登校中の勉強、大切な3つのポイント

2021.11.30 【 2022.6.29更新 】
  • #不登校
  • #受験・勉強法
  • #帰国子女・海外子女
    ・不登校中の勉強、何からすれば良いの?
    ・家庭教師やフリースクール、うちの子にはどんな方法が最適?
    ・不登校中の勉強、何に気をつけるべき?
    ・親ができること、絶対やってはいけないことは?

    こういった疑問にお答えします。

    この記事を書いている私は、不登校専門の個別指導をプロとして長年やっている者です。 教育歴16年以上で1500人以上の指導経験があり、今も不登校のお子さまの勉強に現役で携わっています。
    過去に関わってきたお子さまの不登校から登校に至った確率は85%ですが、この高い合格率には「そうなるべくして、高い合格率になった」理由があります。

    この記事では、そういった理由やノウハウもご紹介します。

    また、「あえて学校に復帰せずに、受験に合格して、進学して学校を変える」という選択肢もあります。
    この選択肢についてもご紹介します。

    先に申し上げますと、不登校中の勉強は「やり方を間違えれば、逆に不登校が長引くリスク」があります。
    知っておくべきポイントとノウハウがありますので、是非、この記事でおさえてください。

    少しでも不登校のお子さまの勉強に貢献できれば、嬉しい次第です。

    【執筆・監修】
    不登校専門の受験プロ家庭教師 
    妻鹿潤
    ・16年以上1500名以上の指導実績あり
    ・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
    ・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

    不登校には段階がある

    不登校と勉強、比較表
    不登校中の勉強においてまず抑えるべきポイントは、不登校には段階があるということです。不登校には、大きく分けて三つの段階があります。

    ・無気力期…何も気力が湧いてこない状態
    ・休息期…少しずつ気持ちが上向いてくる状態
    ・回復期…物事に前向きに取り組める状態

    お子さまが今どの段階にあるのかを見極め、段階に応じた方法で勉強に取り組む必要があります。

    例えば、心のエネルギーが枯渇してしまい何もやる気が湧いてこない「無気力期」のお子さまに、無理矢理勉強させてはいけません。頑張らせようとすることで、さらに精神的な負担をかけてしまいます。

    しっかり休ませるべきなのか、それとも勉強に向かえる状態にあるのか、周囲の大人がきちんとお子さま自身に寄り添い、サポートしましょう。

    不登校のそれぞれの時期により、最適なアプローチが異なる
    不登校のそれぞれの時期により、最適なアプローチが異なる
    不登校のお子様が復帰に向かうには、一般的に『4つの時期』を順番に辿ると言われています。(お子様によっては、4つ全てを経過せずに、2つや3つの時期を経過して復帰す…

    不登校の段階に応じた勉強方法

    不登校の段階に応じた勉強方法 不登校のお子さまの勉強は、休む→自信をつける→追いつくといったステップで進みます。このステップを上でご紹介した三つの不登校の段階に当てはめると、

    ・無気力期…勉強は禁物。まずは回復を待つ
    ・休息期…簡単な内容から取り組み、自信をつける
    ・回復期…遅れを取り戻し、さらに上のレベルを目指す

    となります。

    以下では、それぞれの段階に応じた具体的な勉強方法をご紹介します。

    無気力期と勉強

    無気力期と勉強
    無気力期のお子さまは、心も身体も疲れ切ってエネルギーが湧いてこない状態です。 こちらの記事
    でも書いているとおり、お子さまの気持ちにただ静かに寄り添いましょう。周囲の大人が焦っているとお子さま本人にもそれが伝わってしまいます。 「今はしっかり休む時期」「ゆっくり回復すれば良い」と余裕を持って構えることが必要です。

    休息期と勉強

    休息期と勉強
    休息期では、徐々に気持ちが前向きになり、お子さまが自分から行動する兆候が見えてきます。登校について考えることも多く、その際に勉強のことも前向きにとらえることができます。 休息期の勉強の目的は「自信をつけること」ですので、負担はできる限り小さくしましょう。
    実際に学力がつくかどうかよりも、気軽にチャレンジできることが重要です。また、「やるべきことが明確」であることも負荷の軽減につながります。 手段としては、オンラインを含む家庭教師やフリースクールなどがオススメです。

    家庭教師・オンライン家庭教師

    家庭教師は「何を勉強すればよいか」から教えてくれます。
    また、集団塾などとも違い、周りのペースに合わせる必要もありません。お子さまの状態にあった指導が受けられますので、家庭教師・オンライン家庭教師は不登校のお子さまにとてもオススメです。 不登校専門のプロ家庭教師のお問い合わせはこちら

    フリースクール

    フリースクールは、不登校の子どもたちが集まって勉強をする場所です。

    教科の学習だけでなく、地域の支援者の方など、親以外の大人とコミュニケーションがとれるイベントも実施されています。
    もちろん、自分と同じ不登校の子どもたちとも交流できますので、お子さまにとって新しい居場所になります。気持ちが前を向きつつあるお子さまにとっては、良い刺激になるでしょう。

    フリースクール・不登校に関する取組(文部科学省)
    逆に、休息期のお子さまにおすすめできない勉強方法もあります。
    YouTubeや教材購入による自主学習は「何を勉強すればよいか」から自分で考えなければならず、動画や教材を探す手間も掛かります。
    通信教材はやるべきことは明確ですが、モチベーションの維持が難しいでしょう。
    個別指導塾・集団指導塾は、塾に通うことそのものがプレッシャーにつながりやすいのでオススメできません。

    回復期と勉強

    回復期と勉強
    回復期になると、お子さまの精神状態もかなり安定してきます。

    学校への復帰を本格的に考えるとともに、学習の遅れを取り戻すことをメインに勉強に取り組みましょう。しっかりと遅れを取り戻し、さらに「学校に行って力を試したい」とお子さまが思えるようになれば、仕上げまで十分と言えます。

    回復期においても、やはり家庭教師はオススメです。
    熟練の家庭教師であれば、学校への復帰のタイミングなども含め、総合的にサポートを受けることができます。
    個別指導塾でも、家庭教師と同様、それぞれの事情に応じた指導が受けられるでしょう。

    また、フリースクールでも、近隣の学校と連携していたり、教員OBやスクールカウンセラーといった専門家が在籍している場合は、学校復帰に向けた本格的なサポートを受けることができます。 具体的に遅れている部分はどこなのか、それをどうやって取り戻すのか、お子さま自身やご家庭で見極めることは困難です。
    ですので、YouTubeや教材購入、通信教材などはあまりオススメできません。
    また、集団指導塾は学校よりも進度が速いため、学校の勉強に追いつくという目的には適していません。

    不登校中の勉強の遅れ、どう対策する?受験にどこまで不利?
    不登校中の勉強の遅れ、どう対策する?受験にどこまで不利?
    不登校のお子様がおられる保護者の方で、最も気になることは勉強の遅れではないでしょうか? 「ずっと家にいて、勉強している様子も見えない。」 「スマホを触るばかりで…

    不登校のお子さまへの親の関わり~最終的に「何とかなる」~

    不登校のお子さまへの親の関わり 不登校のお子さまを持つ保護者様は、勉強の遅れなどをはじめ、様々な不安を抱えておられることと思います。

    お子さまのことを心配すればこその不安や焦りですが、それがお子さまに伝わることで、お子さま自身のプレッシャーにもなってしまいます。

    保護者様にご協力頂きたいこと(不登校からの復帰のために)
    保護者様にご協力頂きたいこと(不登校からの復帰のために)
    ■保護者様のご不安 どのご家庭でも、我が子が不登校になれば、本当に驚かれると思いますし、そのご不安は本当に大きなものだと思います。 特に責任感が強い保護者様ほど…

    そこで誤解を恐れずお伝えしたいのは、「学校に行かなくても何とかなる」ということです。

    まず、小学校と中学校は義務教育です。 学校へ行かなくても、テストを受けなくても、日本の制度上、一定の年齢を迎えれば自動的に卒業となります。
    また、不登校の子どもたちが増えつつある現代では、国においても不登校特例校や夜間中学校の設置が積極的に進められています。

    不登校特例校

    不登校の子どもたちに配慮した、弾力的なカリキュラム編制が特別に認められている学校です。
    令和3年度現在で全国で17校設置されています。中学校が中心ですが、小学校や高校もあります。

    不登校特例校について(文部科学省)

    夜間中学校

    もともとは戦後の混乱期や外国籍といった理由で義務教育を十分に受けられなかった人たちが学び直しのために通う場所として設置されましたが、近年では不登校の子どもたちを受け入れる役割も担っています。 少なくとも各都道府県・指定都市に1校は設置されるよう、文部科学省により設置が促進されています。

    夜間中学校の設置促進・充実について(文部科学省)
    もし、お近くに不登校特例校や夜間中学校がある場合は、選択肢のひとつとして考えてみても良いかもしれません。まずは、お住まいの市町村の教育委員会に相談してみましょう。

    高校受験や大学受験についても、心配しすぎる必要はありません。 高校受験であれば、内申点や出席日数を加味しない私立高校を選べば問題無く進学できます
    また、公立高校でも上で説明した特例校のほか、不登校など多様なニーズに対応した高校がありますので、まずは学校の進路指導の先生や都道府県の教育委員会に相談してみましょう。

    大学受験でも同様に、得意な科目に絞って受験することで志望校に合格することができます。高校に通うことが難しければ、高卒認定でも構いません。 不登校から第一志望に合格した例はたくさんありますので、以下の記事などを参考に、不登校からの受験について前向きにとらえていただければと思います。

    【実例あり】不登校から有名私立大学受験で進学する6つの方法
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    不登校のお子さまにとって必要な大学受験に関する情報や勉強法を、このブログ記事にまとめました。 16年間教育業界に関わってきた、不登校専門のプロ家庭教師・キャリア…

    まとめ

    不登校、勉強のまとめ 最後に、この記事のポイントを改めてお伝えします。

    ・ポイント①
    不登校には段階がある。段階に応じた勉強方法を。
    ・ポイント②
    不登校の勉強ステップは、「休む→自信をつける→追いつく」
    ・ポイント③
    学校に行かなくても、意外と受験は乗り越えられる

    この記事の内容でさらに詳しく知りたいことや、この記事に関すること以外でも、お子さまのことで気になることがあればお気軽にご相談ください。

    不登校のお子さまや保護者様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

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