ギフテッドの診断はどこで受けられる?IQテストやWISC-IV知能検査、偏差値との関係を解説

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    この記事で分かること
    • ギフテッドの診断を受けられる場所
    • 知能検査に必要な費用
    • WISC-IV知能検査の結果の見方

    ギフテッドとは非常に高い知能を持った人のことで、一般的にはIQ130以上の人を指します。

    ご自身やお子さまがギフテッドかもしれないと感じておられる方の中には、実際にIQを測り、自分がギフテッドかどうかを知りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

    ネット上には無料でできる簡易的なIQテストなどがありますが、あくまで簡易的なものであり、正確なIQを測ることはできません。

    ご自身やお子さまのIQを正確に測りたい場合は、地域の教育支援センターや児童精神科などで知能検査(WISC-IVなど)を受けるようにしましょう。

    WISC-IV検査であれば、単にIQを測るだけでなく、言語や計算、空間把握、情報処理の速さなど自分がどの能力に特に優れているのかまで調べることができます。

    逆に、苦手な能力も調べることができるため、ギフテッドに伴う困りごとがある場合にはまずは専門機関できちんと検査を受けることをおすすめします。

    なお、学校の成績とIQも異なります。

    偏差値の高い学校に通っていたり、学力テストで高得点を取れていたりするからといって、必ずしもIQが高いとは限りません。

    というのも、学校のテストは知識や解法を覚えてアウトプットする力(記憶力・再現力)を測りますが、IQとは情報を認知し処理する脳の働きそのものを指します。

    たくさん時間を掛けて内容を暗記すれば、誰でもある程度はテストで点を取ることができますが、IQは後天的に伸ばすことのできない、生まれ持った脳の性質と考えると良いでしょう。

    自分のIQを知ることは、自分の強みや苦手を知ることにもつながります。

    この記事では、ギフテッドの診断方法やIQテストの意義について詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。

    この記事はこんな方におすすめ

    • 自分やお子さまがギフテッドかもしれないと感じている方
    • 知能検査を受けたいが、どこで受けられるか分からない方
    • WISC-IV検査の結果の見方を知りたい方
    • ギフテッドに伴う困りごとや学習のサポートが必要な方

    【執筆・監修】
    ギフテッド・発達障害専門のプロ家庭教師 
    妻鹿潤
    ・16年以上1500名以上の指導実績あり
    ・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
    ・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

    ギフテッドの診断はどこで受けられる?

    ギフテッドの診断はどこで受けられる?

    ギフテッドの定義は生まれつき高い知能を持っている人のことであり、一般的にはIQ130以上に該当する場合を指します。そのため、ギフテッドかどうかを調べるためには、正確なIQを測る必要があります。

    「IQテスト」と検索すると、インターネット上では無料のものから有料のものまで様々なものを見つけることができますが、残念ながらそのどれであっても正確にIQを測ることはできません。

    知能指数は、テストを受けるときの環境や体調、精神状態に大きく左右されます。また、その人の年齢や発達段階も踏まえた上で総合的に判断する必要があります。

    したがって、ペーパーテストやCBT()のように、単純に点数で測ることができるものでは無いことをまず押さえておきましょう。

    ※CBT…Computer Based Testingの略で、コンピューター上で実施されるテストのこと。

    正確なIQを測るためには、メンタルクリニックや発達支援センターなどの専門機関で、臨床心理士等の専門家による知能検査を受ける必要があります。

    現在、日本において最も多く用いられている知能検査は「ウェクスラー式知能検査」であり、大人の場合は「WAIS」、子どもの場合は「WISC」、幼児の場合は「WPPSI」と呼ばれるテストを受けることで、全検査IQ(いわゆるIQ)を測ることができます。

    ウェクスラー式知能検査の適用年齢

    • WAIS…16歳0ヶ月から90歳11ヶ月
    • WISC…5歳0ヶ月から16歳11ヶ月
    • WPPSI…2歳6か月から7歳3か月

    IQテストが受けられる場所と費用

    IQテストが受けられる場所

    ウェクスラー式知能検査のほかにも、ビネー式知能検査()など、知能指数を測ることができる検査にはいくつかの種類があります。いずれの検査も、心療内科や精神科、発達支援センターなどの医療機関や専門機関で受けることができます。

    ※ビネー式知能検査…日本において、ウェクスラー式知能検査に次いで広く用いられている知能検査の一つ。ウェクスラー式では4つの指標ごとに計測されますが、ビネー式では知能を要素に分解せず、全体的な知能のみを計測します。
    また、ウェクスラー式が年齢を問わない偏差値で表されるのに対し、ビネー式では年齢に応じた発達度合い(=DIQ)を測ることも特徴となっています。

    何らかの困りごとがあり、医療機関で保険適用により知能検査を受ける場合、費用は約2,000~3,000円程度になります。ただし、そのほかの検査や診断書を作成する場合はプラスで費用が生じることがあります。

    発達支援センターでは、お子さまの就学支援(特別支援学級・特別支援学校への進学の検討などを含む)のために検査を受けることになります。発達支援センターでの検査は、多くの場合無料で受けることができます。

    ただし、医療機関や発達支援センターは予約待ちであることも多く、検査を受けるまでに数か月~半年以上かかる場合もあります。

    また、相談すればすぐに検査を受けられるわけではなく、日常生活や学校生活の中での困りごとをヒアリングし、「検査が必要である」と判断された場合にのみ検査を受けることができます。

    単にIQを測ってみたいからというだけでは、医療機関における保険診療や発達支援センターで知能検査を受けることはできないため注意しましょう。

    なお、民間のカウンセリングルームや自由診療であれば、特段の困りごとが無くても知能検査を受けることができます。ただし、費用は2~5万円と割高になります。

    また、ギフテッドの方がMENSA(※)に入会するために医療機関での診断証明書の発行を希望する場合は、追加料金が必要となります。

    ※MENSA(メンサ)…1946年にイギリスで創設されたギフテッドの国際グループで、IQが全人口の上位2%以上 (およそIQ130以上)であれば誰でも入ることができます。入会に当たっては、入会テストに合格するか、専門医の証明書を提出する必要があります。(参考:JAPAN MENSA|公式サイト

    なお、ウェクスラー式知能検査については、検査を実施する人の資格は厳密には定められていませんが、検査の手順や結果の解釈が非常に複雑で専門的な知識を要するため、日本においては臨床心理士かそれに準ずる有資格者が行う場合が多くなっています。

    ただし、一部の地域では専門家が不足しており、心理学系の資格を持たない一般職員や教職員などが検査を行わざるを得ない場合もあるようです。

    もちろん、資格が無いとはいえ、一般職員や教職員でも支援が必要な方へのサポート経験は豊富ですので、検査結果が全く信頼できないというわけではありませんが、心理士等が行う検査よりは精度が落ちてしまいます。

    検査の精度が気になる場合は、検査を受ける前に検査者がどのような資格を持っているのかを確認すると良いでしょう。

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    ウェクスラー式知能検査とは

    ウェクスラー式知能検査とは

    ウェクスラー式知能検査(Wechsler Intelligence Scale)は、知能を測るために広く使われている検査方法のひとつです。

    ウェクスラー式検査は、言語性・非言語性の両方の尺度から知能を測ることができるため、成育歴によって文字が読めない・書けない、あるいは識字障害によって字が読めない人であっても、多角的に知能を分析し知能指数として計測できる点が大きな長所となっています。

    また、知能を一つの数字で表すのではなく、複数の側面で評価する点も大きな特徴となっています。具体的には、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度などの領域ごとに評価を行います。

    ウェスクラー式知能検査の評価領域(4つの指標)

    言語理解
    言葉を使って問題を解決する能力を評価します。例えば、単語の意味や言葉を使った推論が求められます。
    知覚推理
    視覚的なパターンを理解し、論理的に問題を解く能力を評価します。パズルや図形を使った問題が出題されます。
    ワーキングメモリー
    一時的に記憶した情報を利用して問題を解く能力を測定します。計算や数字の順番を覚えて操作する問題が含まれます。
    処理速度
    素早く正確に作業をこなす能力を評価します。例えば、簡単な図形を見つける速さなどを測定します。

    検査結果としてはIQ(知能指数)が示されますが、重要なのはその数字だけではなく、どの領域で強みや弱みがあるのかです。この情報を基に、どのような支援を受けるべきかを検討することができます。

    ウェクスラー式知能検査の概要

    ウェクスラー式知能検査の概要

    ウェクスラー式知能検査では、「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の4つの検査指標と、それらを総合した全検査IQ(FSIQ)を測ることができます。

    4つの指標とFSIQはそれぞれ「100」を平均とする偏差値(合成得点)で表されます。数値が100から離れるほど平均から遠いということになり、ギフテッドに該当するIQ130以上の出現率は約2%とされています。

    なお、ウェクスラー式知能検査は現在も改訂が重ねられており、最新版は「WAIS-IV」「WISC-V」「WPPSI-III」となっています。

    ですが、いずれも最新の改定が近年(2017~2018年ごろ)であるため、日本のクリニックや専門機関においては、最新版ではなく一つ前の版が用いられることが多くなっています。

    直近の改訂の内容は、検査指標の再構成(WAISであれば言語性IQ・動作性IQの廃止、WISCであれば知覚推理が「視空間」と「流動性推理」に分かれるなど)ですが、検査の大まかな流れや観点は同じです。

    以下では、児童を対象としたウェクスラー式知能検査である「WISC-IV」を例に挙げて解説を進めていきます。

    成人向け・幼児向けの検査と細かな違いはありますが、

    • 知能は独立したそれぞれの要素(指標)から構成される(特異性)
    • 知能は個人の行動を全体として特徴づける(全体性)

    という観点は共通しています。

    要素と全体の関係を踏まえながら、ご自身あるいはお子さまの性質がどのような知能指数のバランスによって現れているのかを分析する際の参考になれば幸いです。

    ウェクスラー式知能検査(WISC-IV)の構成

    WISC-IV知能検査は、15の下位検査(基本検査10、補助検査5)で構成されています。4つの指標と各検査項目の構成は、下表のとおりです。

    <WISC-IV検査の構成>
    全検査 IQ(FSIQ)
    4つの指標 言語理解(VCI) 知覚推理(PRI) ワーキングメモリー(WMI) 処理速度(PSI)
    基本検査 類似
    単語
    理解
    積木模様
    絵の概念
    行列推理
    数唱
    語音整列
    符号
    記号探し
    補助検査 知識
    語の推理
    絵の完成 算数 絵の抹消

    10の基本検査によって、4つの指標「言語理解(VCI)」「知覚推理(PRI)」「ワーキングメモリー(WMI)」「処理速度(PSI)」といわゆる知能指数である「全検査IQ(FSIQ)」を測ることができます。

    また、補助検査については必要に応じて実施されます。

    なお、詳しい検査内容や検査の手順は専門家以外に公開してはいけないルールになっています(上述の表は、WISC-IVの出版社である日本文化科学社に掲載されている内容から作成しています)。
    参考:WISC™-IV知能検査 | 製品一覧 | 心理検査を探す | 日本文化科学社 (nichibun.co.jp)

    知能検査で高い数値を出したいからといって検査内容を調べて予習することはできませんし、検査内容を詳しく掲載しているサイトなどを見たとしても、正確な知能指数を測る妨げとなってしまいますので調べすぎには注意しましょう。

    ウェクスラー式知能検査(WISC-IV)の実施方法

    ウェクスラー式知能検査(WISC-IV)の実施方法

    WISC-IV検査の所要時間は、1回あたり1時間から2時間程度で、その日の体調などによって必要時間は変化します。

    また、全ての検査を1回で実施することが望ましいとされていますが、何らかの理由で一度にすべての検査を行うことが難しい場合は、2回に分けて検査が実施されることもあります。その場合、1週間以内に2回目の検査を行う必要があります。

    さらに、同じ検査を短い期間で繰り返し実施すると、検査に慣れてしまうことで実際よりも数値が高く出てしまう場合があります(=練習効果)。

    これを避けるため、再検査には1年以上の期間を空けることが望ましいとされています。

    ウェクスラー式知能検査(WISC-IV)の4つの指標の意味

    ウェクスラー式知能検査(WISC-IV)の4つの指標の意味

    WISC-IVでは、4つの指標とそれらの総合点である全検査IQ(FSIQ)を測ることができます。

    WISC-IVの4つの指標

    • 言語理解指標(Verbal Comprehension Index : VCI)
    • 知覚推理指標(Perceptual Reasoning Index : PRI)
    • ワーキングメモリー指標(Working Memory Index : WMI)
    • 処理速度指標(Processing Speed Index : PSI)

    以下では、それぞれの指標の意味について詳しく解説していきます。

    言語理解指標(VCI)

    言語理解指標(VCI)

    言語理解指標とは、「言葉を認識し、言葉で思考し、言葉で表現する力」のことを指します。簡単に言えば国語力ということになりますが、学校の国語のテストではなく、その前提となる言語を操るための能力ということになります。

    この力が弱いと、言葉の意味を理解したり語彙を増やしたりするのが苦手になるほか、耳で聞いた情報が処理しづらく、「人の話を理解するのに時間がかかる」「学校の先生の指示が聞けない」といった困りごとが生じる場合があります。

    言語理解が高い人は、語彙力や言葉のニュアンスを読み取る力が高く、抽象的な概念でも難なく理解することができます。言葉によって表現することも得意で、新しい概念を既存の言葉で説明するなどの能力に優れています。

    言語理解に優れたお子さまは、言葉によって新しい知識を獲得したり考えたりすることを好む傾向にあり、幼い頃から大人向けの本を読んだり、ジャンルを問わず手当たり次第に読書したりといった行動が見られることがあります。

    知覚推理指標(PRI)

    知覚推理指標(PRI)

    知覚推理とは、「視覚的な情報を認識・処理し、身体的な動作につなげる力」のことを指します。

    具体的には、図形や空間を捉えて操作する力になりますので、数学の図形問題や立体物の設計・組み立て、子どもの場合は積み木遊びやブロック遊び、ジャングルジムなどの遊具で遊ぶときに使う力になります。

    この力が弱いと、立体を頭の中で回転させて構造を考えたり、目的に沿って手先や体を動かしたりすることが苦手になります。また、言葉以外の情報を処理する力であるため、計算や推理が苦手になる傾向にもあります。

    知覚推理に優れている人は、平面や空間の把握が得意なため、作図や設計などで才能を発揮することがあります。また、物理や数学といった理数系の概念を理解するのも得意です。

    お子さまの場合は、幼い頃から積み木やレゴブロックなど立体物を組み立てるタイプの遊びを好んだり、文字よりも数字や図形に興味を示しやすかったりといった特徴が見られます。

    特に高知能のお子さまの場合は、小学生の頃から物理の公式や数学の定理、あるいは化学式などに興味を示し、積極的に学ぼうとする方もいらっしゃいます。

    ワーキングメモリー指標(WMI)

    ワーキングメモリー指標(WMI)

    ワーキングメモリーとは、「情報を一時的に保持しながら処理する力」を指します。

    例えば、不規則な文字列(「4eるぞhくq」など)を示され、「平仮名だけを抜き出して50音順に並べてください」という問題の指示があったとします。

    このとき私たちの頭の中では、

    • ① 文字列(4eるぞhくq)を認識しながら、平仮名だけ(る、ぞ、く)を抜き出す
    • ② 「る、ぞ、く」の3文字を思い浮かべながら、五十音表を想像する
    • ③ 頭の中で五十音表と比較しながら、3文字を並べ替える

    といったプロセスが実行されます。

    ①~③のいずれも「~ながら、」という表現になっていることからわかるように、それぞれのプロセスは“直前に認識した情報を保持しつつ、次の処理を行う”という流れになっています。

    この「~しながら(直前に認識した情報を保持しつつ、次の処理を行う)」という脳の働きがワーキングメモリーであり、勉強だけでなく日常生活のあらゆる場面で必要な能力となっています。

    ワーキングメモリーが低いと思考が上手く整理できないため、

    • 次に何をすればよいのかわからない
    • 段取り良く物事を進められない
    • 一つずつ物事を整理しないと思考が前に進まない
    • 集中しづらい

    といった困りごとが生じやすくなります。

    これらの困りごとの特徴は発達障害の一つであるADHD(注意欠如・多動症)の特性と重なる部分が大きく、ワーキングメモリーが極端に低い場合はADHDである可能性が疑われます。

    逆にワーキングメモリーが高い人の場合は、いわゆる“頭の回転が速い”状態になりますので、段取り良く物事をこなすのが得意で、会話のテンポが速かったり、理解力が高かったりといった要領の良さが現れます。

    処理速度指標(PSI)

    処理速度指標(PSI)

    処理速度とは、「単純な視覚情報をいかに速く取り込み、処理できるか」という力になります。

    知覚推理」が視覚的な情報を取り入れ、思考した後にアウトプットする力を指すのに対し、処理速度は思考やアウトプットを考慮せず、情報そのものを正確にインプットする能力を指します。

    処理速度の力が弱いと、視覚情報を取り入れる段階で時間が掛かったり、あるいは正確に情報を取り入れたりすることが難しくなります。

    そのため、単純な作業に時間が掛かってしまったり、思い込みによる間違いなどが増えたりといった傾向が見られます。

    ワーキングメモリーと同様、処理速度は勉強だけでなく日常生活でも必要な能力であり、処理速度が低いと日常的な場面で様々な困りごとが生じる場合があります。

    処理速度の能力が優れていると、瞬時に情報を認識して次の作業(思考)に移れるというメリットが得られます。

    ほかの人よりも個々の作業を早く進めることができるため、次のステップにより早く進んで思考を深めることに時間を使ったり、あるいは時間が節約できるため様々な分野に興味関心を広げられたりするなど、深く広い思考が可能になります。

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    ウェクスラー式知能検査(WISC-IV)の検査結果の見方

    ウェクスラー式知能検査(WISC-IV)の検査結果の見方

    WISC-IVの検査結果は、4つの指標得点とそれらの総合点である全検査IQ(FSIQ)で表されます。

    それぞれは合成得点と呼ばれる数値で表され、100を平均、標準偏差を15として正規分布になるよう調整された偏差値となっています。

    また、検査結果は数値だけでなく「非常に高い」「平均の下」などの言葉でも表されます。これは、知能検査の結果はその時の体調や精神状態にも左右されるものであり、一定の振れ幅があると考えられるためです。

    <合成得点の範囲・割合・分類>
    合格得点の範囲 割合 分類
    130点以上 2.2% 非常に高い
    120〜129点 6.7% 高い
    110〜119点 16.1% 平均の上
    90〜109点 50% 平均
    80〜89点 16.1% 平均の下
    70〜79点 6.7% 低い(境界域)
    〜69点 2.2% 非常に低い

    ですので、知能検査の結果に1点単位でこだわることは、検査の性質や意義から見ても適切ではありません。

    知能検査は、自分がどんな特性や知能のバランスを持っているかを明らかにし、今後どのように伸ばしていくべきか、あるいはサポートを受けるべきかを検討するための材料に過ぎませんので、知能検査の数値にこだわり過ぎたり、高い数値を出すことが目的化したりしないように気を付けましょう。

    ギフテッド教育と特有の困りごと

    ギフテッドの定義

    ギフテッド教育先進国のアメリカでは、IQ130以上の子どもたちがギフテッド教育の対象となるだけでなく、知能指数によってギフテッドをさらに細かく分類し、それぞれの知能指数に応じて特別な教育を行うという制度が取り入れられています。

    ギフテッドの分類 ※()内は人口当たりの出現率

    mildly gifted
    …IQ130以下(~44人に1人)
    moderately gifted
    …IQ131~149(44人に1人〜1,000人に1人)
    highly gifted
    …IQ150~159(1,000人に1人〜1万人に1人)
    exceptionally gifted
    …IQ160~179(1万人に1人〜100万人に1人)
    profoundly gifted
    …IQ180以上(100万人に1人以下)

    ちなみに、日本におけるギフテッド教育については現在検討が進められているところであり、文部科学省が定期的に有識者会議を開催しています。

    日本におけるギフテッド教育の議論においては、「特定分野に特異な才能のある児童生徒」という表現が採用されています。これは、論者によって「ギフテッド」という言葉のイメージが異なるためで、ギフテッドという名称は用いられていません。(参考:特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議:文部科学省 (mext.go.jp)

    なお、ギフテッドとはあくまで「天賦の才/生まれつきの才能」を指すものであり、練習や努力によって獲得した技能はギフテッドには該当しません。したがって、幼い頃から英才教育や先取り学習をしたりすることで、後天的に“ギフテッドになる”ことはできないため注意しましょう。

    ギフテッド教育が取り入れられている国では、「わが子に質の高い教育を受けさせたい」「ギフテッドに認定されれば将来が安定する」と考えた保護者が、子どもにIQテストの練習をさせ、無理やりギフテッドクラスに入らせるという事例もあるようです。

    こうした行為は、ギフテッドの定義を誤って捉えているだけでなく、後々になって周りについていけなくなり、不必要な苦労や自信の喪失につながってしまうなど、子どものためと思ってやったことが逆に子どもにとってマイナスになってしまう場合があります。

    また、ギフテッドの子どもたちは、「周りの子と話が合わない」「学校の授業が退屈」といった特有の困りごとを抱えています。

    非ギフテッドの子どもがギフテッド教育を無理に受けようとすることで、本来の困りごとが見えづらくなり、単なる英才教育だと捉えられてしまうことは避けなくてはなりません。

    >>ギフテッド特有の困りごと(浮きこぼれ)について

    人間の価値は知能指数だけで測ることはできません。知能指数が高い子、低い子、凸凹がある子、それぞれに困りごとがあり、そして一人ひとりに魅力があります。

    知能指数が数字で表されてしまうことで、「より高い方が良いのではないか」と思ってしまうのは人間の性ではありますが、IQはあくまで個々人の特性を知るための指標であり、それだけにこだわり過ぎないことが大切です。

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    ギフテッドとIQテストのまとめ

    ギフテッドとIQテストのまとめ

    この記事では、ギフテッドの診断方法やIQテストについて詳しく解説してきました。

    改めてポイントをまとめると以下のとおりです。

    POINT
    • 知能指数を正確に測るためには、医療機関や専門機関で、専門家による知能検査を受ける必要がある
    • 日本で最も広く用いられている知能検査は「ウェクスラー式知能検査」
    • IQ130以上であればギフテッドに該当する
    • 知能テストで高い数値を出すことは重要ではなく、自分の特性を知り今後の生活に役立てることが大切
    • 特段の困りごとが無い場合は自費で検査を受けることになり、相場は2~5万円程度

    学校の勉強がよくできるから、あるいは偏差値の高い学校に通っているからといって必ずしも知能指数が高いとは限りません。むしろ、学校の勉強のやり方に馴染みづらい方が、実はギフテッドであったというケースもよくあります。関連記事→ギフテッドなのに勉強が苦手?高IQでも学校の成績が悪い場合に親がすべきこと

    学校の成績や偏差値に関わらず、周りの人よりも深く考える傾向にあったり、思考や理解のスピードが速いと感じる方は、専門機関で知能検査を受けてみるのも良いかもしれません。

    また、それに伴って何らかの困りごと(学校が退屈/知的好奇心が満たされなくて辛い/他人が考えていることが分かり過ぎて疲れるなど)がある場合は、知能検査によって自分の特性を知ることで適切な対処方法がわかるかもしれません。

    私たちプロ家庭教師メガジュンでは、ギフテッドなどの特性を持ったお子さまを専門に、長年にわたりサポートを行ってきました。

    お子さま一人ひとりの特性をしっかりと分析し、「ギフテッド」と一括りにせず、それぞれに合った学習支援を行っていることが私たちの強みです。

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    最後までお読みいただきありがとうございました。

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